食道穿孔・破裂 :トップ    
監修: 木下芳一 島根大学医学部附属病院
柏木秀幸 富士市立中央病院 外科

概要

疾患のポイント:
  1. 食道穿孔・破裂とは、文字通り、食道の穿孔および破裂である。食道破裂(穿孔)は原因により、①特発性、②医原性、③外傷後性、④異物性、⑤化学的、⑥食道疾患によるものに分けられる。食道穿孔の59%は医原性のもので、特発性は15%、異物性が12%、外傷後性が9%、手術が2%、腫瘍が1%、その他が2%となっている。
  1. 異物や外傷など、原因がはっきりせず穿孔を来すものを特発性食道破裂、またはBoerhaave症候群と呼ぶが、主たる原因は嘔吐に伴う圧外傷によるものである。20~30歳代男性では好酸球性食道炎が原因となることがある。 エビデンス 
 
診断: >詳細情報 
  1. 症状のみでの胸部食道の穿孔の診断は難しいが、嘔吐(84%)、胸痛(79%)、呼吸困難(53%)、心窩部痛(47%)、嚥下困難(21%)の症状がみられる。特に、Macklerの3徴(胸痛、嘔吐、皮下気腫)は特発性食道破裂を強く疑わせる。 エビデンス 
  1. 診断は、水溶性造影剤による食道造影にCT検査を組み合わせることにより(<図表>)行う。
  1. 造影CT検査で縦隔炎、縦隔気腫、胸水、胸膜下膿瘍、胸膜下液体貯留がみられる。軽微な遊離ガスや胸水も描出可能で、異物の確認も行える。
  1. 水溶性造影剤による食道造影(<図表> エビデンス )の食道穿孔検出の感度は、頚部で50%、胸部で75~80%であるが、穿孔部位の同定ができる。ただし、10%程度偽陰性がある。
  1. 高齢者・重症例では誤嚥の危険性があるので、経鼻胃管を食道内へ挿入して造影を行う。
  1. CT検査、食道造影により、食道内容(造影剤)が縦隔内に限局(縦隔内限局型)しているか、胸腔内に漏出(胸腔内穿破型)しているかを確認する。
  1. 頚部食道穿孔の頚部単純X線写真(側面):…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

食道穿孔が疑われるときの検査例
  1. 縦隔炎、縦隔気腫、胸水、胸膜下膿瘍、胸膜下液体貯留の有無を確認する。
○ 造影剤にアレルギーがなく、また腎機能が正常な場合は、造影剤使用の禁忌、注意、副作用に配慮し、可能であれば造影CTを行う。造影剤が使用できない場合は単純CTを行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
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(詳細はこちらを参照)

食道破裂・穿孔の診断指針
頚部食道穿孔に対する治療指針
胸・腹部食道穿孔に対する治療指針
頚部食道穿孔の頚部単純X線写真(側面)
食道破裂例の胸部単純X線写真
食道破裂例の単純X線CT写真
食道破裂例の胸部単純X線CT写真
食道破裂例に対する食道造影
水溶性造影剤投与後の胸部単純X線CT写真
頚部食道穿孔における皮膚切開
著者校正/監修レビュー済
2016/07/21


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