消化管カルチノイド :トップ    
監修: 上村直実 国立国際医療研究センター 国府台病院
加藤真吾 屋嘉比康治 埼玉医科大学総合医療センター 消化器・肝臓内科

概要

疾患のポイント:
  1. 消化管カルチノイドとは、虫垂や回盲部に好発するセロトニン産生細胞からなる比較的良性の腫瘍のことである。肝転移を来した場合、生理活性物質が肝臓で代謝されずに全身を循環し、喘鳴や下痢、顔面紅潮などの症状を呈するようになる。これらをカルチノイド症候群と呼ぶ。
  1. 日本ではカルチノイド症候群を呈する中腸由来の消化管カルチノイドの頻度は5.2%と少なく、後腸由来の病変が66.0%と高かった。特に直腸カルチノイドの頻度が多い。また、神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor、NETs)全体でも機能性のNETsは47.7%であり、カルチノイド症候群を伴う患者は少ない。
 
診断: >詳細情報 
  1. 無症状の消化管カルチノイドの診断には、上・下部消化管内視鏡検査が有効である。
  1. 存在診断には、画像診断(CT、MRI、上・下部消化管内視鏡検査)が重要で、確定診断には病理診断が必要である。
  1. 本症を疑った場合、24時間尿中の5-ヒドロキシインドール酢酸(5-HIAA)測定(保険適用あり)と血中クロモグラニンA(保険適用外)の測定が診断に有用である。
 
予後評価: >詳細情報 
  1. 切除可能な消化管カルチノイドの予後は良好であるため、早期発見が重要であり、内視鏡的切除を検討する場合もある。切除不能例や肝転移症例にはオクトレオチドが有効であり、肝転移例に対してはTAE、RFAを用いた治療を併用する。
 
初期治療: >詳細情報 
  1. 腫瘍自体の切除が可能であれば内視鏡的切除、外科的切除を優先する。
  1. 切除不能な場合や肝転移の場合には、分化度・悪性度に応じて、治療法を選択する。
  1. カルチノイド症候群に対しては、症状に応じた治療を優先する。
  1. 神経内分泌腫瘍(NETs)肝転移症例の治療のアルゴリズム:アルゴリズム
  1. 胃・腸・膵由来のNETsの組織型・TNM Stage分類・Grade分類による推奨治療法:アルゴリズム
 
専門医相談のタイミング: …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための評価例
  1. 消化管カルチノイドは無症状で検診で発見される頻度が高く、無症状の消化管カルチノイドの診断には、上・下部消化管内視鏡検査が有効である。
  1. 存在診断には、画像診断(CT、MRI、上・下部消化管内視鏡検査)が重要で、確定診断には病理診断が必要である。
  1. 本症を疑った場合、24時間尿中の5-ヒドロキシインドール酢酸(5-HIAA)測定(保険適用あり)と血中クロモグラニンA(保険適用外)の測定が診断に有用である。
○ 消化管カルチノイドは、下記の検査にて無症状で発見されることが多い。6)、7)(保険適用外)の測定が有用である。存在診断には1)~5)が役立つ。確定診断には病理診断が必要である。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

神経内分泌腫瘍(NETs)肝転移症例の治療のアルゴリズム
胃・腸・膵由来のNETsの組織型・TNM Stage分類・Grade分類による推奨治療法
神経内分泌腫瘍(neuroendocine tumor,NETs)のWHO分類(2010年)
NETsのGrade別生存率
空回腸由来のNETsのカルチノイド症候群の有無による予後の違い
著者校正/監修レビュー済
2016/05/27


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