肝不全(肝性脳症を含む) :トップ    
監修: 金子周一 金沢大学大学院
瀬川誠 坂井田功 山口大学 消化器病態内科学

概要

疾患のポイント:
  1. 肝不全は、広範な肝細胞障害から合成能、解毒能が著しく低下し、生体維持機能に障害を来す病態であり、意識障害などの脳機能障害(肝性脳症)を生じる。肝不全は、急性型(急性肝不全)と慢性型(肝硬変)に大別される。このコンテンツでは主に、急性肝不全と肝性脳症について記載する。 肝硬変 に関しては別のコンテンツを参考にする。
 
急性肝不全:
  1. ポイント: >詳細情報 
  1. 急性肝不全は、正常肝に肝障害が生じ、初発症状出現から8 週以内に、高度の肝機能障害に基づいてプロトロンビン時間が40% 以下ないしはINR 値1.5 以上を示すものである。
  1. 急性肝不全は、肝性脳症が認められない、ないしは昏睡度がI 度までの「非昏睡型」と、昏睡II 度以上の肝性脳症を呈する「昏睡型」に分類される。「昏睡型急性肝不全」は初発症状出現から昏睡II 度以上の肝性脳症が出現するまでの期間が10 日以内の「急性型」と、11 日以降56 日以内の「亜急性型」に分類される。
  1. 診断: >詳細情報 
  1. 急性肝不全の診断は、診断基準に従う。
  1. 急性肝不全の診断基準:<図表>
  1. 急性肝不全の成因分類:<図表>
  1. 重症度・予後評価: >詳細情報 
  1. 肝移植適応ガイドライン2008に従い死亡予測を行い、肝移植の適応の有無を判断する。
  1. 評価項目は、①発症から脳症発現までの日数、②プロトロンビン時間(%)、③総ビリルビン値、④直接ビリルビン値/総ビリルビン値、⑤血小板数(万)、⑥肝萎縮の有無、――の6項目で、合計点数5点以上を死亡予測として、移植適応とする。  …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時、肝障害の状態や原因を評価するための検査例
  1. 黄疸の所見から、急性肝不全を疑う場合、肝障害の程度の評価を行い、意識障害があれば、低(高)血糖、高アンモニア血症の確認を行う。肝障害の原因検索目的にHBs抗原、HCV抗体の確認を行う。肝委縮の有無、慢性肝障害の有無の評価や鑑別診断のため、腹部CTや腹部エコーなどの画像診断も併せて行う。
○ 肝不全を疑う場合、下記の1)~4)を行い、5)もしくは6)の画像検査も行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

急性肝不全の治療の流れ
肝硬変肝性脳症の治療指針
肝不全にみられる主な臨床症状
肝不全の成立機序
劇症肝炎における合併症の発生機序
肝不全の臨床分類 (武藤泰敏、1991)
急性肝不全の診断基準
肝性脳症の昏睡度分類 (犬山シンポジウム 1972年)
小児肝性昏睡の分類 (第5回小児肝臓ワークショップ 1988年)
急性肝不全の成因分類
著者校正/監修レビュー済
2017/10/31


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