黒色腫瘍

著者: 竹中秀也 京都市立病院 皮膚科

監修: 戸倉新樹 浜松医科大学医学部附属病院 皮膚科

著者校正/監修レビュー済:2019/09/26
参考ガイドライン:
メラノーマ診療ガイドライン2019
皮膚悪性腫瘍ガイドライン第2版(2015年)

概要・推奨  

  1. 黒色腫瘍とは、黒色あるいは黒色調を呈する結節、色素斑としてみられる腫瘍性病変の総称である。
  1. 黒色調は、多くはメラニン色素の増加によるが、出血後のヘモジデリンの沈着、異物などによることがある。
  1. 黒色腫瘍には、皮膚悪性腫瘍、皮膚良性腫瘍、血腫、血管腫など多くのものが含まれる。
  1. 黒色調を呈する皮膚腫瘍で最も重要な疾患が、悪性黒色腫(メラノーマ)である。高い転移能を有し、予後不良な疾患であるので、見逃してはならない。
  1. 黒色調を呈する悪性腫瘍にはもう1つ、基底細胞癌がある。高齢者の顔面に好発し、進行は緩徐で、転移はまれだが、局所破壊性がある。
  1. 最もよくみかける黒色腫瘍には、良性の脂漏性角化症色素性母斑がある。
  1. 出血を認める場合には、悪性腫瘍や血管腫を疑い、圧迫止血・緊急手術・輸血などにより対応する。
  1. 問診では、①いつ頃にその病変に気づいたか、②大きさ・形状・色調などの病変の性状の経過はどうか、③最近でも性状に変化がみられるか――を確認する必要がある。
  1. 日常診療上、最も遭遇する黒色腫瘍は、良性の脂漏性角化症と色素性母斑である。これらが定型的所見を呈し、長期間大きさなどの性状に変化がなければ経過観察としてよい。
  1. 悪性黒色腫の臨床的特徴は、ABCDE)ルールとして知られている。色素斑を臨床的にみる際、Asymmetry(非対称性である)、Border irregularity(辺縁が不整である)、Color variegation(色調濃淡不整である)、Diameter enlargement(直径が6 mm以上である)Evolution(大きさの拡大、色や形、症状の変化)などのポイントについてチェックし、あてはまる点が多いほど悪性黒色腫を疑う。
  1. 足底の色素斑のダーモスコピー検査(拡大鏡検査)の所見で、parallel ridge pattern(皮丘平行パターン)を示す場合悪性黒色腫を疑い、parallel furrow pattern(皮溝平行パターン)を示す場合色素性母斑を疑う。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 悪性黒色腫(メラノーマ)の診療ガイドラインが改訂されたことに伴い、悪性黒色腫に関する記述の改訂を行った。
  1. 基底細胞癌およびBowen病の切除範囲について、皮膚悪性腫瘍ガイドライン第2版の内容を加味して修正を行った。


ページ上部に戻る

疫学、診断、治療、予後、それらのエビデンス等をご覧になりたい場合には、
トライアル登録またはご契約へ
  • 腫瘍 の他のコンテンツを見る
  • 皮膚 の他のコンテンツを見る
  • 症状所見 の他のコンテンツを見る