外傷性視神経損傷 :トップ    
監修: 森山寛 東京慈恵会医科大学附属病院
松脇由典 東京慈恵会医科大学 耳鼻咽喉科

概要

疾患のポイント:
  1. 外傷性視神経管骨折は、顔面や頭部外傷のうちの5%にみられ、頭部および顔面外傷による視力障害を引き起こした状態のことをいう。
  1. もし、そこで異常を認める場合は、ただちに緊急手術を含め対応可能な病院へ転送が必要になる。
  1. 視神経の障害機序としては、視神経の挫滅または離断、骨折による圧迫(頻度は少ない)、管内の出血による圧迫、栄養血管の断裂、瞬間的な骨のたわみによる障害、管内における視神経の浮腫による圧迫が原因に挙げられている。
 
診断:アルゴリズム
  1. 視神経管骨折の患者の90%以上に、眉毛外側の外傷を認める。特に眉毛外側に創を認める場合は、視神経管骨折を併発している可能性があるため、患者の意識がたとえなかったとしても、直接および間接の対光反射を確認する必要がある。
  1. 診断は0.5~1.0mmスライスのCT(冠状断・水平断)にて評価を行う。骨折の部位、狭窄の有無、眼窩内血腫の有無を評価する。
  1. CT検査による視神経管骨折の評価:<図表>
  1. CT検査による眼窩内血腫の評価:<図表>
 
予後: >詳細情報 
  1. 衝撃が大きなもの程予後が悪い。
  1. 急激な血流の途絶により、視力が光覚弁なしになった患者が、4時間以内に障害を解除したことにより視力がもと通りになった。このことから、視神経は4時間は虚血に耐えることができたとの報告もある。
 
治療:
  1. 治療に関しては、入院加療にてステロイドの投与が初期治療となる。使用する場合は250mgを1日4回投与2日間とするか、中・低用量としては、1日60~100mgの投与を行う方法も、エビデンスはないが今後の治療の選択になり得る。
  1. CT/MRIの画像上で、明らかに視神経を圧迫する病変を認める場合や、48時間以内の経過で、①視力・視野の悪化、または改善なし、②CTにて骨折片が明らかに視神経を圧迫している場合、③眼窩内血腫が明らかにある場合――には、手術にて視神経管開放術が必要となる。
  1. 眼圧が極端に高くなることにより、網膜の血流が途絶してしまうことがある。その場合は外眼角切開(lateral canthotomy)の適応がある。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時検査
  1. 対光反射、眼科診察、副鼻腔単純CT検査を行う。
○ 他のルーチン検査に追加して下記の検査を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

外傷性視神経損傷患者の診察、治療アルゴリズム
眼窩内血腫を伴う場合の緊急外眼角切開(lateral canthotomy)の適応に関してのアルゴリズム
交互対光反応試験法
視力0.01未満の視力の評価方法
CT検査による視神経管骨折の評価
CT検査による眼窩内血腫の評価
眼窩内の評価
著者校正/監修レビュー済
2016/04/01