ノロウイルス胃腸炎 :トップ    
監修: 大曲貴夫 国立国際医療研究センター

概要

  1. ポイント:
  1. ノロウイルス胃腸炎とは、ノロウイルス(以前はノーウォーク様ウイルスと呼ばれていた)によって、吐き気、嘔吐、下痢、発熱、腹痛などが生じる疾患である。患者の糞便や吐物を経て経口感染し、特に冬季に流行する(11月くらいから発生が増加し、12~1月にピークを迎えることが多い)。
  1. ノロウイルス胃腸炎を含む感染性胃腸炎は、感染症法5類疾患であり、全国の小児科定点医療機関は週単位で届出をする必要がある。また、集団食中毒を疑った場合は、ただちに最寄りの保健所長にその旨を届け出る必要がある。
  1. 診断:
  1. 診断は感染性腸炎を病歴で診断した後、患者の糞便や吐物をノロウイルス抗原検査にて検査を行うことでなされる。ただし、ノロウイルスを検査キットは、3歳未満、65歳以上のみを対象に健康保険が適用されている。より確実には、患者の糞便や吐物を、電子顕微鏡法、RT-PCR法、リアルタイムPCR法などの遺伝子を検出する方法でウイルスの検出を行う。
  1. 治療:
  1. 治療は、症状に応じた対症療法である。
  1. 疫学公衆衛生的側面:
  1. ノロウイルス胃腸炎の潜伏期間は1~2日程度で、有症期間は平均1~2日である。
  1. 病原としては、カキなどの二枚貝が有名であるが、実際には原因食品を特定できないことが多い。
  1. 感染力が強く、ウイルスを失活させるには食物の中心部が90秒間、80~90℃に熱される必要がある。消毒用エタノールや逆性石鹸によって消毒される。
  1. ウイルスは下痢などの症状がなくなっても、通常では1週間程度、長いときには1カ月程度ウイルスの排泄が続く場合があることが知られており、食品の扱いを行う人では対応に注意を要する。少なくとも、下痢や嘔吐などの症状を認める患者を、食品を直接取り扱う作業に従事させてはいけない。厚生労働省の大量調理施設衛生管理マニュアルには、ノロウイルスを原因とする感染性疾患による症状と診断された調理従事者などは、リアルタイムPCR法などの高感度の検便検査においてノロウイルスを保有していないことが確認されるまでの間、食品に直接触れる調理作業を控えるなど適切…

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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著者校正/監修レビュー済
2016/11/30