乳房パジェット病 :トップ    
監修: 中村清吾 昭和大学医学部外科学講座乳腺外科学部門
植弘奈津恵 岩瀬拓士 がん研有明病院 乳腺センター

概要

  1. 乳癌診療ガイドライン 1治療編 2018年版
  1. 乳癌診療ガイドライン 2疫学・診断編 2018年版
の発表に伴い、現在アップデート中
 
疾患のポイント:
  1. パジェット病は、乳癌が乳頭・乳輪の表皮内に進展することにより難治性の湿疹様変化を呈したものをいう。
  1. 乳癌が主乳管内を進展して乳頭部皮膚に達するため、乳頭の変化は1点の乳管口を中心として円状に広がり(<図表>)、進行すると乳輪部皮膚に進展し、乳頭が平坦化する。<図表>
  1. 非浸潤癌、浸潤癌のいずれでも起こり得るが、「乳癌取扱い規約」では、非浸潤癌もしくはごく軽度の間質浸潤を伴うものをパジェット病としている。
  1. 病理学的には、乳頭・乳輪の表皮内に大型の明るい泡沫状の胞体と、大きく目立つ核を持つパジェット細胞がみられることが特徴である。
  1. 発生頻度は全乳癌の1~2%とされているが、日本では「乳癌取扱い規約」上のパジェット病の頻度は0.4%である。
  1. パジェット病の80%以上の症例がHER2陽性である。
  1. パジェット病は乳頭所見が特徴的であるため、乳頭の湿疹様変化をみた際に、本疾患を疑い、検査を行うことが重要である。
  1. 痛みや痒みを伴い、ときに痂皮を形成することもある。
 
診断: >詳細情報 
  1. 最も簡便で有効な検査としては乳頭の擦過細胞診がある(<図表>)。前述したように、痂皮形成のある場合は、痂皮を除去して行う。組織診としては乳頭部全層のパンチバイオプシーか、楔状に切除する乳頭部生検が行われる。
  1. パジェット病には90%以上の症例で乳管癌が存在しているとされ、本疾患を疑う場合には通常の乳癌のスクリーニングが必要である。<図表><図表>
  1. アルゴリズム1:乳頭の湿疹様変化が…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための検査例
  1. 乳頭の病変がパジェット病であるかどうかを診断するとともに、背後に乳癌が隠れていないかスクリーニングを行う。
○ 乳頭の湿疹様病変がある場合、1)~3)を行う。乳癌の診断がついた場合は4)を追加する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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(詳細はこちらを参照)

アルゴリズム1:乳房に腫瘤を触れる場合
アルゴリズム2:乳房に腫瘤を触れず、擦過細胞診で陽性の場合
アルゴリズム3:乳房に腫瘤を触れず、擦過細胞診で陰性の場合
乳頭部所見
MRI(右乳房、造影、MIP画像)
著者校正/監修レビュー済
2017/01/26


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