製品名 ホリゾン注射液10mg
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- 一般名
- Diazepam
- 薬効分類
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鎮静薬(麻酔薬含む)>ベンゾジアゼピン系薬(長時間型)
- 価格
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10mg1管:85円/管
- 製薬会社
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- 製造販売元:丸石製薬株式会社
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効能・効果
用法・容量 -
効能・効果
- 神経症における不安・緊張・抑うつ
下記疾患及び状態における不安・興奮・抑うつの軽減
- 麻酔前、麻酔導入時、麻酔中、術後、アルコール依存症の禁断(離脱)症状、分娩時
下記状態における痙攣の抑制
- てんかん様重積状態、有機リン中毒、カーバメート中毒
用法・用量
- 本剤は、疾患の種類、症状の程度、年齢及び体重等を考慮して用いる。一般に成人には、初回2mL(ジアゼパムとして10mg)を筋肉内又は静脈内にできるだけ緩徐に注射する。以後、必要に応じて3~4時間ごとに注射する。なお、静脈内に注射する場合には、なるべく太い静脈を選んで、できるだけ緩徐に(2分間以上をかけて)注射する。
- 禁忌
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【禁忌】
次の患者には投与しないこと
- 急性閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
- 重症筋無力症のある患者[本剤の筋弛緩作用により症状が悪化するおそれがある。]
- ショック、昏睡、バイタルサインの悪い急性アルコール中毒の患者[ときに頻脈、徐脈、血圧低下、循環性ショックがあらわれることがある。]
- リトナビル(HIVプロテアーゼ阻害剤)を投与中の患者(「3.相互作用」の項参照)
- 副作用
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- 依存性(頻度不明注1))
- 連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、痙攣発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
- 舌根沈下による気道閉塞(0.1~5%未満)、呼吸抑制(頻度不明注2))
- 舌根沈下による気道閉塞が、また、慢性気管支炎等の呼吸器疾患に用いた場合、呼吸抑制があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 刺激興奮、錯乱(いずれも頻度不明注2))
- 刺激興奮、錯乱等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 循環性ショック(頻度不明注2))
- 循環性ショックがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 注1)ベンゾジアゼピン系薬剤共通の注意のため。
- 注2)自発報告による。
- 注意
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慎重投与
次の患者には慎重に投与すること
- 心障害、肝障害、腎障害のある患者[心障害では症状が悪化、肝・腎障害では排泄が遅延するおそれがある。]
- 脳に器質的障害のある患者[作用が強くあらわれる。]
- 乳・幼児[作用が強くあらわれる。]
- 高齢者(「5.高齢者への投与」の項参照)
- 衰弱患者[作用が強くあらわれる。]
- 高度重症患者、呼吸予備力の制限されている患者[静脈内投与時、無呼吸、心停止が起こりやすい。]
重要な基本的注意
- 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
- 連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること。(「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)
適用上の注意
- 調製時
- 他の注射液と混合又は希釈して使用しないこと。
- 本品は、ワンポイントカットアンプルであるが、アンプルカット部分をエタノール綿等で清拭してからカットすることが望ましい。
- 投与時
- 経口投与が困難な場合や、緊急の場合、また、経口投与で効果が不十分と考えられる場合にのみ使用すること。なお、経口投与が可能で効果が十分と判断された場合には、速やかに経口投与にきりかえること。
- 投与経路は静脈内注射を原則とすること。
- 筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため、下記の点に注意すること。
- 筋肉内注射は、やむを得ない場合にのみ、必要最小限に行うこと。なお、特に同一部位への反復注射は行わないこと。
- 神経走行部位を避けるよう注意すること。
- 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
- 急速に静脈内に注射した場合、あるいは細い静脈内に注射した場合には、血栓性静脈炎を起こすおそれがある。
- 動脈内に注射した場合には、末梢の壊死を起こすおそれがあるので、動脈内には絶対に注射しないこと。
- 静脈内注射時に血管痛が、また、筋肉内注射時に注射部痛、硬結がみられることがある。
- 次の患者には筋肉内注射しないこと。
- 低出生体重児、新生児、乳・幼児、小児
- 痙攣の抑制のために本剤を投与する時、特に追加投与を繰り返す際には、呼吸器・循環器系の抑制に注意すること。
- 有機リン中毒、カーバメート中毒患者に本剤を投与する際は、特に下記事項に注意すること。
- 有機リン中毒、カーバメート中毒における痙攣に対して投与する場合は、必ず呼吸状態の把握及び気道確保を行うこと。
- 本剤は直接的な解毒作用を有さないため、アトロピン及びプラリドキシムを投与した上で本剤を投与すること。
高齢者への投与
- 高齢者へ投与する場合は、少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。[運動失調等の副作用が発現しやすい。]
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
- 妊婦等
- 妊婦(3カ月以内)又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中に本剤の投与を受けた患者の中に奇形を有する児等の障害児を出産した例が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある。]
- 妊娠後期の婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されている。なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある。ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に黄疸の増強を起こすことが報告されている。また、分娩時に静脈内注射した例にsleeping babyが報告されている。]
- 分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系薬剤で報告されている。
- 授乳婦
- 授乳婦への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること。[ヒト母乳中へ移行し、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことがあり、また、黄疸を増強する可能性がある。]
- 低出生体重児、新生児に使用する場合には十分注意すること。[外国において、ベンジルアルコールの静脈内大量投与(99~234mg/kg)により、中毒症状(あえぎ呼吸、アシドーシス、痙攣等)が低出生体重児に発現したとの報告がある。本剤は添加剤としてベンジルアルコールを含有している。]
- [参考]
- 血漿中濃度
- 健康成人にジアゼパムを静脈内投与したとき、血漿中未変化体濃度は2~3相性を示して推移し、分布相の半減期は20.4~60分、消失相の半減期は9~96時間、分布容積は約0.32~2.0L/kg、クリアランスは0.3~0.8mL/min/kgであった。筋肉内投与したときの吸収率のばらつきは大きく、バイオアベイラビリティは103%以下であった。
- 代謝・排泄
- 3Hで標識したジアゼパム10mgをヒトに経口投与したとき、尿中総排泄率は71%であった。また、経口投与時の尿中未変化体排泄率は1~2%であり、尿中には未変化体以外に代謝物として、テマゼパム、デスメチルジアゼパム及びオキサゼパムが排泄された。