製品名 ネオペリドール注50
ネオペリドール注100

一般名
Haloperidol decanoate
薬効分類
抗精神病薬
 >抗精神病薬(ブチロフェノン系)
価格
50mg1mL1管:1531円/管
100mg1mL1管:2382円/管

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 統合失調症

用法・用量

  • ハロペリドールとして、通常1回量50mg~150mgを4週間隔で筋肉内投与する。投薬量、注射間隔は症状に応じて適宜増減ならびに間隔を調節する。
    なお、初回用量は、経口ハロペリドールの1日用量の10~15倍を目安とし、可能な限り少量より始め、100mgを超えないものとする。
禁忌
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 昏睡状態の患者[昏睡状態が悪化するおそれがある。]
  • バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある。]
  • 重症の心不全患者[心筋に対する障害作用や血圧降下が報告されている。]
  • パーキンソン病の患者[錐体外路症状が悪化するおそれがある。]
  • 本剤の成分又はブチロフェノン系化合物に対し過敏症の既往歴のある患者
  • アドレナリン(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)、クロザピンを投与中の患者[「相互作用」の項参照]
  • 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
副作用
悪性症候群(Syndrome malin)(0.1%未満)
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下や、筋強剛を伴う嚥下困難から嚥下性肺炎が発現することがある。
なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎不全へと移行し、死亡した例が報告されている。[「用法・用量に関連する使用上の注意」、「慎重投与」の項参照]
心室細動心室頻拍(頻度不明)
心室細動、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)、QT延長があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
麻痺性イレウス(0.1%未満)
腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止すること。なお、この悪心・嘔吐は本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること。
遅発性ジスキネジア
長期投与により、遅発性ジスキネジア(口周部等の不随意運動、四肢の不随意運動等を伴うことがある。)が発症することがある。抗パーキンソン剤を投与しても、症状が軽減しない場合があるので、このような症状があらわれた場合には本剤の投与継続の必要性を他の抗精神病薬への変更も考慮して慎重に判断すること。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)
低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、水分摂取の制限等、適切な処置を行うこと。
無顆粒球症(頻度不明)、白血球減少(0.1%未満)、血小板減少(頻度不明)
無顆粒球症、白血球減少(初期症状として発熱、咽頭痛、全身倦怠等)、血小板減少(初期症状として皮下・粘膜下出血等)があらわれることがあるので、異常があらわれた場合には、血液検査を行い、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症
横紋筋融解症があらわれることがあるので、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。
肺塞栓症深部静脈血栓症(頻度不明)
抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[「重要な基本的注意」の項参照]
肝機能障害(0.1~5%未満)、黄疸(頻度不明)
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-P、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注意

次の患者には慎重に投与すること

肝障害のある患者[血中濃度が上昇するおそれがある。]
心・血管疾患、低血圧、又はこれらの疑いのある患者[一過性の血圧降下があらわれることがある。]
QT延長を起こしやすい患者[QT延長が発現するおそれがある。]
QT延長を起こすことが知られている薬剤を投与中の患者
低カリウム血症のある患者 等
てんかん等の痙攣性疾患、又はこれらの既往歴のある患者[痙攣閾値を低下させることがある。]
甲状腺機能亢進状態にある患者[錐体外路症状が起こりやすい。]
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
薬物過敏症の既往歴のある患者
脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者、脳に器質的障害のある患者[悪性症候群(Syndrome malin)が起こりやすい。]
高温環境下にある患者[体温調節中枢を抑制するため、高熱反応が起こるおそれがある。]
本剤は、抗精神病薬の長期投与が必要な慢性精神病患者に使用するものである。本剤を用いる場合は、過去の治療で抗精神病薬の投与により症状が安定した患者に投与することが望ましい。現在ハロペリドール以外の抗精神病薬を使用している場合は、ハロペリドールに対する予期しない副作用が起こる可能性を防ぐために、まず、経口ハロペリドールを投与した後、本剤に切り替える。
本剤の投与にあたっては、本剤が持効性製剤であることを考慮して、初回用量は患者の既往歴、病状、過去の抗精神病薬への反応に基づいて決める。できるだけ低用量より始め、必要に応じ漸増することが望ましい。投与初期に用量の不足による精神症状の再発の可能性も考えられるが、その場合には原則として、本剤以外のハロペリドール製剤の追加が望ましい。また、次回投与時にはその間の十分な臨床観察を参考に用量調節を行う必要がある。
本剤による副作用の種類はハロペリドール製剤のそれと同様のものであるが、本剤が持効性製剤であり、直ちに薬物を体外に排除する方法がないため、副作用の予防、副作用発現時の処置、過量投与等について十分留意する必要がある。(「副作用」、「過量投与」の項参照)
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
本剤は制吐作用を有するため、他の薬剤に基づく中毒、腸閉塞、脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕性化することがあるので注意すること。
抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の危険因子を有する患者に投与する場合には注意すること。[「重大な副作用」の項参照]
投与経路
筋肉内注射にのみ使用し、深部に注射すること。
筋肉内注射時
組織・神経等への影響を避けるため、下記の点に注意すること。
同一部位への反復注射は避けること。また、小児には特に注意すること。
神経走行部位を避けるよう注意すること。
注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり血液の逆流をみた場合には、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
局所の発赤、腫脹、疼痛、硬結等がみられることがある。
アンプルカット時
本品はワンポイントカットアンプルであるが、アンプルのカット部分をエタノール綿等で清拭してからカットすることが望ましい。
本剤を増量する場合は慎重に行うこと。[本剤の急激な増量により悪性症候群(Syndrome malin)が起こることがある。]
高齢者では、錐体外路症状等の副作用があらわれやすいので、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[動物実験(ラット、ウサギ)で催奇形作用は認められていないが、胎児死亡率、新生児死亡率の増加が認められている。類似化合物(ハロペリドール)で催奇形作用を疑う症例及び動物実験で口蓋裂(マウス)、脳奇形(ハムスター)等の催奇形作用及び着床数の減少、胎児吸収の増加(マウス)、流産率の上昇(ラット)等の胎児毒性が報告されている。また、妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。]
授乳中の婦人に投与する場合には、授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁中への移行がみられており、また、類似化合物(ハロペリドール)でヒト母乳中への移行が報告されている。]
小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
血中濃度
単回投与
統合失調症患者6名に本剤100mg(ハロペリドール当量)を筋肉内投与した場合のハロペリドールの血清中濃度の推移及び薬物速度論的パラメータは下記のとおりである。なお、いずれの時点においても未変化体(ハロペリドールデカン酸エステル)は血清中に検出されなかった。
薬物速度論的パラメータ(100mg筋肉内投与時)
Cmax(ng/mL)Tmax(day)T1/2(day)AUC0~∞(ng・day/mL)
1.0~3.85~1427.299.0
反復投与
統合失調症患者に本剤50mg、100mg、200mg(いずれもハロペリドール当量)を4週ごとに反復して長期に筋肉内投与した場合の血清中のハロペリドール濃度は下図のとおりである。
参考:経口剤からの切替えによる血清中濃度の比較
経口ハロペリドールからそのままネオペリドールに変更した患者における切替え前後の血清中ハロペリドール濃度を比較した結果、大きな変動はなく、ネオペリドールの1回量は経口剤1日量の約20倍が等価であることが確認された。
分布(参考:ラットでのデータ)
体組織への分布
ラットに14C-ハロペリドールデカン酸エステル50mg/kg(ハロペリドール当量)を6週間毎に4回反復投与した場合、最終投与終了後5日目の組織内分布はリンパ節>肺>顎下腺>肝臓>膵臓の順であった。
移行性
胎児への移行性14C-ハロペリドールデカン酸エステル50mg/kg(ハロペリドール当量)を妊娠ラットに筋肉内投与したところ、投与17日目における胎児中及び胎盤中放射活性濃度は、母体血液中放射活性濃度のそれぞれ2倍及び3倍程度であった。
母乳中への移行性14C-ハロペリドールデカン酸エステル50mg/kg(ハロペリドール当量)を授乳ラットに筋肉内投与したところ、乳汁中放射活性濃度は投与後1日目に最も高く、血漿中放射活性濃度の約10倍であり、投与後16日目にはその数分の1に減少した。
蛋白結合率in vivo
90.9%(患者血清中ハロペリドール濃度:7~23ng/mL)
代謝
ハロペリドールデカン酸エステルは筋肉内投与後ハロペリドールとなり、主にN-脱アルキル化されてp-fluorophenylaceturic acidとなる経路、ハロペリドールの水酸基がグルクロン酸抱合される経路、及び微量ではあるが、カルボニル基の還元後p-フルオロフェニル基の酸化により導入された水酸基が、硫酸又はグルクロン酸抱合される経路がヒトで確認されている。
なお、本剤の代謝に関与するチトクロームP450の分子種は2D6、3A4とされている。
排泄
健常成人4名に本剤10mg(ハロペリドール当量)を筋肉内投与した場合、投与後14日までの尿中累積排泄率は、p-fluorophenylaceturic acid及びハロペリドールのグルクロン酸抱合体のいずれも投与量に対し約9%であり、ハロペリドールは投与量の約0.1%程度であった。