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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 本態性高血圧症

用法・用量

  • トリパミドとして、通常成人、1回15mg(1錠)を1日1~2回(朝食後又は朝・昼食後)経口投与する。
    なお、年齢、症状により適宜増減する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 無尿の患者[無尿の患者では利尿が期待できず、本剤が体内に貯留し中毒性の副作用(肝障害、皮膚障害)を起こすおそれがある。]
  • 2.2 急性腎障害の患者[9.2.1参照]
  • 2.3 体液中のナトリウム・カリウムが明らかに減少している患者[本剤の使用により体液中のナトリウム・カリウムをさらに低下させ低ナトリウム血症、低カリウム血症を誘発するおそれがある。][11.1.1、11.1.2参照]
  • 2.4 チアジド系薬剤又はその類似化合物(例えばクロルタリドン等のスルホンアミド誘導体)に対し過敏症の既往歴のある患者[本剤の代謝産物がチアジドと類似の代謝産物を有しているので、スルホンアミドを含むチアジドによる過敏症の発現例では同様の過敏症が発現するおそれがある。]
  • 2.5 デスモプレシン酢酸塩水和物(男性における夜間多尿による夜間頻尿)を投与中の患者[10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 重篤な冠動脈硬化症又は脳動脈硬化症のある患者
急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。[9.8参照]
9.1.2 本人又は両親、兄弟に痛風、糖尿病のある患者
痛風や糖尿病を悪化させることがある。
9.1.3 下痢、嘔吐のある患者
下痢、嘔吐による電解質失調を悪化させ低ナトリウム血症、低カリウム血症、低クロール血症を誘発するおそれがある。[11.1.1、11.1.2参照]
9.1.4 高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症のある患者
高カルシウム血症を誘発し、筋肉障害を誘発するおそれがある。
9.1.5 減塩療法を受けている患者
電解質バランスを乱しやすい。
9.1.6 交感神経切除後の患者
本剤の降圧作用が増強される。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 急性腎障害の患者
投与しないこと。急性腎障害患者ではBUN、クレアチニン、カリウムが上昇し、ナトリウム、クロールが低下する。本剤の使用によりBUN、クレアチニンが上昇し、電解質バランスを乱すことがある。[2.2参照]
9.2.2 重篤な腎障害のある患者
低ナトリウム血症、低クロール血症を誘発するなど電解質バランスを乱すことがある。[11.1.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 進行した肝硬変症のある患者
肝性昏睡を誘発することがある。
9.3.2 肝疾患・肝機能障害のある患者
類似化合物であるチアジドは肝機能を悪化させることがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。乳児は電解質失調を起こすおそれがある。
9.8 高齢者
次の点に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
・一般に過度の降圧、利尿は好ましくないとされている(脳梗塞、脱水、低血圧等による立ちくらみ、めまい、失神等を起こすことがある)。
・特に心疾患等で浮腫のある高齢者では、急激な利尿は急速な血漿量の減少と血液濃縮をきたし、脳梗塞等の血栓塞栓症を誘発するおそれがある。[9.1.1参照]
・低ナトリウム血症、低カリウム血症があらわれやすい。[11.1.1、11.1.2参照]

8.重要な基本的注意

8.1 本薬の利尿効果は急激にあらわれることがあるので、電解質失調、脱水に十分注意し、少量から投与を開始して、徐々に増量すること。
8.2 連用する場合、電解質失調があらわれることがあるので定期的に検査を行うこと。
8.3 降圧作用に基づくめまい等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男子3名に本剤15、45注)及び90mg注)単回経口投与した場合、投与後3~4時間で最高血球中濃度(それぞれ、0.96,3.42,4.98μg/mL、トリパミドは血液中では約98%以上が赤血球中に存在する)に達し、半減期は約9~10時間であった。血漿中濃度は投与4時間後に117.6ng/mL(90mg注))を示した。
注)本剤の承認された用法及び用量は「トリパミドとして、通常成人、1回15mg(1錠)を1日1~2回(朝食後又は朝・昼食後)経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。」である。
16.1.2 反復投与
健康成人男子3名に本剤30mg注)を1日1回10日間反復経口投与した際の定常状態時(3回服用)の赤血球中濃度は3.3μg/mLで、血漿中濃度は約21ng/mLを示した。
注)本剤の承認された用法及び用量は「トリパミドとして、通常成人、1回15mg(1錠)を1日1~2回(朝食後又は朝・昼食後)経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。」である。
反復投与時の血中トリパミド濃度
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人男子10名のクロスオーバー法を用いて、本剤15mgを空腹時あるいは食後1時間後に経口投与した際の薬物動態を比較検討した。最高赤血球中濃度、赤血球中濃度のAUC及び水酸化代謝物の尿中排泄率はいずれも食後投与の方が有意に上昇した。
最高赤血球中濃度(μg/mL)AUC0→24(μg・hr/mL)水酸化代謝物の尿中排泄率(%)
空腹時0.50±0.065.681±0.6897.3±0.6
食後0.87±0.067.999±0.9509.8±1.0
(Mean±S.E.,n=10)
16.5 排泄
16.5.1 尿中排泄
健康成人男子3名に本剤30mg注)を1日1回10日間反復経口投与した場合、尿中には未変化体が1~2%、水酸化代謝物が33~45%排泄された。反復投与により水酸化代謝物の排泄率は上昇した。
注)本剤の承認された用法及び用量は「トリパミドとして、通常成人、1回15mg(1錠)を1日1~2回(朝食後又は朝・昼食後)経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。」である。
16.5.2 尿中電解質_血中濃度相関
健康成人男子3名に本剤15、45注)及び90mg注)を単回経口投与した際の赤血球中濃度時間曲線下面積(AUC)は投与量に比例して増加し、Na及びClの尿中排泄はAUCに相関して増加したが、Kの排泄は相関しなかった。
注)本剤の承認された用法及び用量は「トリパミドとして、通常成人、1回15mg(1錠)を1日1~2回(朝食後又は朝・昼食後)経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。」である。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
デスモプレシン酢酸塩水和物
(ミニリンメルト)
(男性における夜間多尿による夜間頻尿)
[2.5参照]
低ナトリウム血症が発現するおそれがある。いずれも低ナトリウム血症が発現するおそれがある。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
バルビツール酸誘導体起立性低血圧を増強することがある。これらの薬剤の中枢抑制作用と本剤の降圧作用による。
あへんアルカロイド系麻薬起立性低血圧を増強することがある。あへんアルカロイドの大量投与で血圧下降があらわれることが報告されている。
アルコール起立性低血圧を増強することがある。アルコールは心血管系の抑制作用があり、降圧作用を増強する。
昇圧アミン
ノルアドレナリン等
昇圧アミンの作用を減弱することがあるので、手術前の患者に本剤を使用している場合には一時休薬等の処置を行うこと。血管壁の反応性を低下させ、また交感神経終末からの生理的ノルアドレナリンの放出を減少させると考えられる。
ツボクラリン及びその類似作用物質
ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物
パンクロニウム臭化物
麻痺作用を増強することがあるので、手術前の患者に本剤を使用している場合には一時休薬等の処置を行うこと。血清カリウム値の低下により、これらの薬剤の神経・筋遮断作用を増強すると考えられている。
他の降圧剤降圧作用を増強するおそれがあるので、降圧薬の用量調節等に注意すること。作用機序の異なる降圧作用により互いに協力的に作用する。
ジギタリス製剤
ジゴキシン
ジギトキシン
ジギタリスの心臓に対する作用を増強し、不整脈等を起こすことがある。血清カリウム値に十分注意すること。血清カリウム値の低下により多量のジギタリスが心筋Na-K ATPaseに結合し、心収縮力増強と不整脈が起こる。マグネシウム低下も同様の作用を示す。
糖質副腎皮質ホルモン、ACTH低カリウム血症を起こすおそれがある。両薬剤ともカリウム排泄作用をもつ。
糖尿病用剤糖尿病用剤の作用を減弱することがある。機序は不明である。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 低ナトリウム血症(頻度不明)
倦怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、痙攣、意識障害等を伴う低ナトリウム血症があらわれることがある。[2.3、9.1.3、9.2.2、9.8参照]
11.1.2 低カリウム血症(0.1~5%未満)
倦怠感、脱力感、不整脈等を伴う低カリウム血症があらわれることがある。[2.3、9.1.3、9.8参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.1~5%未満0.1%未満頻度不明
肝臓AST、ALT上昇等
腎臓BUN上昇等血中クレアチニン上昇等
代謝異常高尿酸血症高血糖症、痛風の悪化低クロール性アルカローシス、血中カルシウムの上昇、総コレステロールの上昇
皮膚光線過敏症
過敏症発疹そう痒感
消化器悪心・嘔吐食欲不振、便秘、口渇、下痢胃部不快感、腹部膨満感
循環器動悸
精神神経系めまい・ふらつき、頭痛・頭重耳鳴、しびれ感、いらいら感
その他倦怠感脱力感、胸苦しさ、顔面潮紅冷汗

発現頻度は製造販売後調査を含む。

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