製品名 ニトロール注5mg

一般名
Isosorbide Dinitrate
薬効分類
昇圧・心不全・冠動脈・末梢血管疾患薬
 >硝酸薬
価格
0.05%10mL1管:214円/管

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)
  • 不安定狭心症
  • 冠動脈造影時の冠攣縮寛解

用法・用量

  • 急性心不全

    • 通常、成人には、本剤を注射液そのまま、又は生理食塩液、5%ブドウ糖注射液等で希釈して0.05~0.001%溶液とし、硝酸イソソルビドとして1時間あたり1.5~8mgを点滴静注する。投与量は患者の病態に応じて適宜増減するが、増量は1時間あたり10mgまでとする。
  • 不安定狭心症

    • 通常、成人には、本剤を注射液そのまま、又は生理食塩液、5%ブドウ糖注射液等で希釈して0.05~0.001%溶液とし、硝酸イソソルビドとして1時間あたり2~5mgを点滴静注する。投与量は患者の病態に応じて適宜増減する。
  • 冠動脈造影時の冠攣縮寛解

    • 通常、成人には、冠動脈造影時に本剤を注射液そのまま、硝酸イソソルビドとして5mgをカテーテルを通し、バルサルバ洞内に1分以内に注入する。なお、投与量は、患者の症状に応じて適宜増減するが、投与量の上限は10mgまでとする。
禁忌
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 重篤な低血圧又は心原性ショックのある患者〔血管拡張作用によりさらに血圧を低下させ、症状を悪化させるおそれがある。〕
  • Eisenmenger症候群又は原発性肺高血圧症の患者〔血圧低下によりショックを起こすことがある。〕
  • 右室梗塞の患者〔血圧低下によりショックを起こすことがある。〕
  • 脱水症状のある患者〔血圧低下によりショックを起こすことがある。〕
  • 神経循環無力症の患者〔本剤の効果がなく、本剤投与により血圧低下等があらわれることがある。〕
  • 閉塞隅角緑内障の患者〔眼圧を上昇させるおそれがある。〕
  • 硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 頭部外傷又は脳出血のある患者〔頭蓋内圧を上昇させるおそれがある。〕
  • ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)を投与中の患者〔併用により降圧作用が増強され、過度に血圧を低下させることがある。「相互作用」の項参照〕
副作用
ショック
ショック(0.1~5%未満)があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、昇圧剤投与等の適切な処置を行うこと。
心室細動、心室頻拍
冠動脈造影時の冠攣縮寛解に際し、reperfusion injuryによると考えられる心室細動などの危険な不整脈(0.1%未満)があらわれることがある。このような場合には、電気的除細動などの適切な処置を行うこと。
注意

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

低血圧の患者〔さらに血圧を低下させるおそれがある。〕
左室充満圧の低い患者〔血圧低下及び心拍出量低下のおそれがある。〕

重要な基本的注意

本剤投与中は、頻回の血圧測定と血行動態のモニターを行うこと。また、投与量の調節は患者の血行動態、症状をみて徐々に行うこと。
投与中に血圧低下などの異常が観察された場合には、減量又は投与を中止すること。また、必要に応じて昇圧剤投与等の適切な処置を行うこと。
血圧低下の可能性のある患者や心拍出量が低下している患者に投与する場合には、カテコールアミン系薬剤などと併用することが望ましい。
投与中に左心不全状態が改善した場合は、患者の様子をみて投与を中止すること。
本剤とホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)との併用により降圧作用が増強し、過度に血圧を低下させることがあるので、本剤投与前にこれらの薬剤を服用していないことを十分確認すること。また、本剤投与中及び投与後においてこれらの薬剤を服用しないよう十分注意すること。

適用上の注意

輸液セットへの吸着
硝酸イソソルビドは、一般に使用されているポリ塩化ビニル製の輸液容器及び輸液セットに吸着するが、ガラス製、ポリエチレン製の容器、器具には吸着しない。硝酸イソソルビドのポリ塩化ビニル製輸液セットに対する吸着率は、図に示す通りで点滴速度に影響され、ポリ塩化ビニル管100cmでは点滴速度60mL/時間(1mL/分)以上であれば、投与量の80%以上が静脈内に注入される。また、硝酸イソソルビドの吸着率は配合濃度に影響されないが、輸液セットが長い程高くなるので注意すること。
点滴速度による影響
アンプルカット時
本品はワンポイントカットアンプルであるが、アンプルのカット部分をエタノール綿等で清拭してからカットすることが望ましい。

用法・用量に関連する使用上の注意

冠動脈造影時に冠攣縮を誘発した場合は、迅速に攣縮寛解のための処置を行うこと。また、まれに完全閉塞寛解時にreperfusion injuryによると考えられる心室細動などの危険な不整脈や血圧低下を起こすことがあるので電気的除細動などの適切な処置を行うこと。

高齢者への投与

本剤は、主として肝臓で代謝されるが、高齢者では一般に肝機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあるので、注意すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。〕
授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること。〔動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。〕

小児等への投与

小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

薬物動態

健康成人男子に硝酸イソソルビドを5mg/hrで静脈内持続注入した際、硝酸イソソルビドの血漿中濃度は緩やかに上昇し、注入開始後1.5時間でほぼ定常濃度に達した。その後、注入停止とともに半減期6.3±1.0分(分布相)及び109.1±35.7分(排泄相)の2相性を示し、速やかに低下した。
硝酸イソソルビド注(静脈内持続注入)による薬物動態パラメータ
t1/2α(min)t1/2β(min)AUC(ng・min/mL)CL(L/hr)
6.3±1.0109.1±35.72,694±54.0144±28.2
(Mean±S.E.,n=2、健康成人男子)
心不全患者に硝酸イソソルビド5mgを静脈内単回投与注)したとき、血漿中硝酸イソソルビド濃度は2相性を示し、半減期3.9±1.2分(分布相)及び78.0±24.0分(排泄相)であった。また、AUC及びクリアランスはそれぞれ2,328±478ng・min/mL及び134.0±22.2L/hrであった。
硝酸イソソルビド注(静脈内単回投与)による薬物動態パラメータ
t1/2α(min)t1/2β(min)Vss(L)AUC(ng・min/mL)CL(L/hr)
3.9±1.278.0±24.0124.0±51.22,328±478134.0±22.2
(Mean±S.E.,n=4、心不全患者)
硝酸イソソルビド血漿中濃度
注)静脈内単回投与は承認外用法です。
狭心症患者に硝酸イソソルビド5mgをバルサルバ洞内に投与したとき、5分後の血漿中濃度は246±122ng/mLを示した。血漿中硝酸イソソルビド濃度は2相性を示し、半減期1.5分(分布相)及び27分(排泄相)であった。また、AUCは5,305±2,352ng・min/mLであった。
硝酸イソソルビド血漿中濃度
硝酸イソソルビド注(バルサルバ洞内注入)による薬物動態パラメータ
Cmax注)(ng/mL)t1/2α(min)t1/2β(min)AUC(ng・min/mL)
246±1221.527.05,305±2,352
注)投与5分後の血漿中濃度(Mean±S.D.,n=7、狭心症患者)