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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○不安定狭心症
  • ○急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)

用法・用量

  • <不安定狭心症>

    • 本剤を生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で溶解して、0.01~0.03%溶液とする。通常、成人には、ニコランジルとして1時間あたり2mgの点滴静注から投与を開始する。投与量は患者の病態に応じて適宜増減するが、最高用量は1時間あたり6mgまでとする。
  • <急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)>

    • 本剤を生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で溶解して、0.04~0.25%溶液とする。通常、成人には、ニコランジルとして0.2mg/kgを5分間程度かけて静脈内投与し、引き続き1時間あたり0.2mg/kgで持続静脈内投与を開始する。投与量は血圧の推移や患者の病態に応じて、1時間あたり0.05~0.2mg/kgの範囲で調整する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 重篤な肝・腎機能障害のある患者[9.2.1、9.3.1参照]
  • 2.2 重篤な脳機能障害のある患者[本剤により過度の血圧低下が生じた場合、脳機能障害に悪影響を及ぼす可能性がある。]
  • 2.3 重篤な低血圧又は心原性ショックのある患者[本剤により血圧低下が生じ、これらの症状を悪化させる可能性がある。][9.1.1参照]
  • 2.4 Eisenmenger症候群又は原発性肺高血圧症のある患者[本剤により静脈還流量が減少し、血圧低下、心拍出量減少が強くあらわれる可能性がある。]
  • 2.5 右室梗塞のある患者[本剤により静脈還流量が減少し、心原性ショックを招来する可能性がある。]
  • 2.6 脱水症状のある患者[本剤により静脈還流量が減少し、心拍出量もさらに減少するため、心原性ショックを起こす可能性がある。]
  • 2.7 神経循環無力症のある患者[神経的要因により生じる病態であるため、効果は不定である。]
  • 2.8 閉塞隅角緑内障のある患者[眼圧を上昇させるおそれがある。]
  • 2.9 本剤又は硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.10 ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)を投与中の患者[10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
<効能共通>
9.1.1 低血圧のある患者(重篤な低血圧のある患者を除く)
本剤により血圧低下が生じ、症状を悪化させる可能性がある。[2.3参照]
<急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)>
9.1.2 左室流出路狭窄、肥大型閉塞性心筋症又は大動脈弁狭窄症のある患者
本剤により圧較差を増強し、症状を悪化させる可能性がある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎機能障害のある患者
投与しないこと。[2.1参照]
9.2.2 腎機能障害のある患者(重篤な腎機能障害のある患者を除く)
排泄機能が障害されるため、ニコランジルは高い血中濃度で推移する可能性がある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝機能障害のある患者
投与しないこと。[2.1参照]
9.3.2 肝機能障害のある患者(重篤な肝機能障害のある患者を除く)
代謝機能が障害されるため、ニコランジルは高い血中濃度で推移する可能性がある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)でニコランジル及び/又はその代謝物の乳汁移行が認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下し、副作用の発現しやすいことが推定される。特に血圧低下は、高齢の急性心不全患者に発現しやすいので注意すること。[8.1参照]

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 本剤投与中は、血圧測定と血行動態のモニターを頻回に行うこと。また、投与量の調節は患者の血行動態、症状をみて徐々に行うこと。[9.8参照]
8.2 投与中に血圧低下等の異常が観察された場合や血圧低下の可能性のある患者には、減量又は投与を中止すること。また、必要に応じて下肢挙上、昇圧剤(カテコラミン製剤)投与等の適切な処置を行うこと。
<急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)>
8.3 血圧、心拍数、尿量、体液及び電解質、また可能な場合には肺動脈楔入圧、心拍出量及び血液ガス等の患者の全身状態を十分管理しながら投与すること。
8.4 重篤な血圧低下が起こる可能性がある。本剤投与中は血圧測定を頻回に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
8.5 本剤の投与によっても期待された改善が認められない場合には投与を中止し、他の治療法に切り替えるなどの適切な処置を行うこと。
8.6 本剤の投与により血行動態及び臨床症状が改善し、患者の状態が安定した場合(急性期の状態を脱した場合)には、他の治療法に変更すること。なお、急性心不全に対する48時間を超える使用経験が少ないので、これを超えて投与する必要が生じた場合には、血行動態及び全身状態等を十分に管理しながら慎重に投与すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
投与に際しては、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液に溶解し、溶解後24時間以内に使用すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人5例にニコランジルとして2mgを2分間で単回静脈内投与注)した時のパラメータを以下に示す。
C0(ng/mL)kel(1/hr)t1/2(hr)CLtotal(L/hr)AUCinf(ng・hr/mL)Vd(L)
平均103.86.500.109126.016.2319.6
C0:投与直後の血漿中ニコランジル濃度
注)本剤の承認された用法及び用量は、不安定狭心症では、ニコランジルとして1時間あたり2~6mgの点滴静注である。急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)では、ニコランジルとして0.2mg/kgを5分間程度かけて静脈内投与し、引き続き1時間あたり0.05~0.2mg/kgの範囲で調整する。
16.1.2 持続投与
健康成人5例にシグマート注を6時間持続静脈内投与した時のパラメータを以下に示す。
投与速度(ニコランジルとして)(mg/hr)C6h(ng/mL)t1/2(hr)CLtotal(L/hr)AUC0-9hr(ng・hr/mL)CLrenal(L/hr)
α相β相
2310.141.56621940.113
4840.171.98445590.131
61520.141.32399580.111
C6h:静脈内持続投与終了直後の血漿中ニコランジル濃度
図 ニコランジル血漿中濃度推移(各点は平均±SE)
16.1.3 長時間投与
急性心不全患者14例にニコランジルとして0.2mg/kgを5分間で静脈内投与後、0.2mg/kg/hrの速度で48時間持続静脈内投与時の血漿中濃度推移を以下に示す。
図 急性心不全患者における血漿中ニコランジル濃度推移(各点は,平均+SD)
16.3 分布
16.3.1 血清蛋白結合率
ヒト血清を用いたin vitro試験によると、血清蛋白結合率は34.2~41.5%(ニコランジル濃度1~100μg/mL)であった。
16.4 代謝
健康成人5例にニコランジルとして2、4あるいは6mg/hrの速度で静脈内持続投与してヒトでの代謝を調べたところ、ほとんどはN-(2-ヒドロキシエチル)ニコチンアミドへ脱ニトロ化された。この代謝物N-(2-ヒドロキシエチル)ニコチンアミドは、持続静脈内投与開始後0.25~0.5時間から血漿中に認められ、3~9時間後にかけてほぼ一定のレベルで推移した。
16.5 排泄
健康成人4例に重水素標識ニコランジルを6mg/hrの速度で各々6時間静脈内持続投与してヒトでの排泄を調べたところ、投与量に対する24時間後の累積尿中排泄率は、ニコランジル0.2~0.4%、代謝物N-(2-ヒドロキシエチル)ニコチンアミド2~5%であった。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤
シルデナフィルクエン酸塩
(バイアグラ、レバチオ)
バルデナフィル塩酸塩水和物
(レビトラ)
タダラフィル
(シアリス、アドシルカ、ザルティア)
[2.10参照]
併用により、降圧作用が増強することがある。
本剤投与前にこれらの薬剤を服用していないことを十分確認すること。また、本剤投与中及び投与後においてこれらの薬剤を服用しないよう十分注意すること。
本剤はcGMPの産生を促進し、一方、ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。
グアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤
リオシグアト
(アデムパス)
[2.10参照]
併用により、降圧作用が増強することがある。
本剤投与前にこれらの薬剤を服用していないことを十分確認すること。また、本剤投与中及び投与後においてこれらの薬剤を服用しないよう十分注意すること。
本剤とグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤は、ともにcGMPの産生を促進することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.1.2 血小板減少(頻度不明)

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1%以上1%未満
循環器血圧低下(2.2%)心拍数増加、心室性頻脈
精神神経系頭痛(1.9%)めまい、四肢のしびれ感
消化器悪心、嘔吐、腹部不快感
肝臓AST、ALT、γ-GTP、Al-P、LDHの上昇、血中ビリルビン増加
血液貧血、血小板減少、白血球数増加
過敏症発疹
腎臓血中クレアチニン増加、尿中蛋白陽性
その他総蛋白減少、CK増加、血中カリウム増加、HDLコレステロール減少
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