製品名 ファスティック錠30
ファスティック錠90

一般名
Nateglinide
薬効分類
糖尿病治療薬
 >速効型インスリン分泌促進薬
価格
30mg1錠:16.2円/錠
90mg1錠:40.9円/錠

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 2型糖尿病における食後血糖推移の改善

    ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る。
    • 食事療法・運動療法のみ
    • 食事療法・運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を使用
    • 食事療法・運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用
    • 食事療法・運動療法に加えてチアゾリジン系薬剤を使用

用法・用量

  • 通常、成人にはナテグリニドとして1回90mgを1日3回毎食直前に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら1回量を120mgまで増量することができる。
禁忌
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者[輸液及びインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない。]
  • 透析を必要とするような重篤な腎機能障害のある患者[低血糖を起こすおそれがある。]
  • 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]
  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
副作用
低血糖(0.1~5%未満)
低血糖及び低血糖症状(空腹感、冷汗、めまい、ふらつき、動悸、脱力感、気分不良、ふるえ、意識消失等)があらわれることがある。本剤の投与により低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を投与し、α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース等)との併用により低血糖症状が認められた場合はブドウ糖を投与するなど適切な処置を行うこと。
肝機能障害(0.1%未満)、黄疸(0.1%未満)
重篤な肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
心筋梗塞(頻度不明)
外国において本剤投与例に心筋梗塞の発症が報告されているので、投与に際しては観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
突然死(頻度不明)
外国において本剤投与例に原因不明の突然死が報告されている。
心筋梗塞(頻度不明)
外国において本剤投与例に心筋梗塞の発症が報告されているので、投与に際しては観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
突然死(頻度不明)
外国において本剤投与例に原因不明の突然死が報告されている。
注意

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

肝機能障害のある患者[低血糖を起こすおそれがある。また、肝機能障害のある患者においては肝機能障害を悪化させるおそれがある。]
腎機能障害のある患者[低血糖を起こすおそれがある。低用量から開始するなど投与量に十分に注意し、慎重に観察しながら投与すること。]
次に掲げる患者又は状態
虚血性心疾患のある患者[外国において本剤投与例に心筋虚血の悪化によると思われる心筋梗塞を発症した症例が報告されている。](「副作用」の項参照)
脳下垂体機能不全又は副腎機能不全[低血糖を起こすおそれがある。]
下痢、嘔吐等の胃腸障害のある患者[低血糖を起こすおそれがある。]
栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態[低血糖を起こすおそれがある。]
激しい筋肉運動[低血糖を起こすおそれがある。]
過度のアルコール摂取者[低血糖を起こすおそれがある。]
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

重要な基本的注意

本剤は、速やかなインスリン分泌促進作用を有する。その作用点はスルホニルウレア系薬剤と同じであり、スルホニルウレア系薬剤との相加・相乗の臨床効果及び安全性が確認されていないので、スルホニルウレア系薬剤とは併用しないこと。(「薬効薬理」の項参照)
本剤の服用後、低血糖及び低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること。低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を投与すること。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース等)との併用により低血糖症状が認められた場合には、α-グルコシダーゼ阻害剤が二糖類の消化・吸収を遅延するので、ショ糖ではなくブドウ糖を投与するなど適切な処置を行うこと。なお、患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること。
本剤投与中は、血糖を定期的に検査するとともに、経過を十分に観察し、本剤を2~3ヵ月投与しても食後血糖に対する効果が不十分な場合(静脈血漿で食後血糖2時間値が200mg/dL以下にコントロールできないなど)には、より適切と考えられる治療への変更を考慮すること。
投与の継続中に、投与の必要がなくなる場合や、減量する必要がある場合があり、また患者の不養生、感染症の合併等により効果がなくなったり、不十分となる場合があるので、食事摂取量、血糖値、感染症の有無等に留意のうえ、常に投与継続の可否、投与量、薬剤の選択等に注意すること。
肝機能障害の悪化があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
本剤とピオグリタゾン塩酸塩1日45mgの併用における安全性は確立していない。(使用経験はほとんどない。)

適用上の注意

薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
本剤は、食後投与では速やかな吸収が得られず効果が減弱する。効果的に食後の血糖上昇を抑制するため、本剤の投与は毎食前10分以内(食直前)とすること。また、本剤は投与後、速やかに薬効を発現するため、食前30分投与では食事開始前に低血糖を誘発する可能性がある。
糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮すること。糖尿病以外にも耐糖能異常・尿糖陽性等、糖尿病類似の症状(腎性糖尿、老人性糖代謝異常、甲状腺機能異常等)を有する疾患があることに留意すること。
糖尿病治療の基本である食事療法・運動療法のみを行っている患者では、投与の際、空腹時血糖が120mg/dL以上、又は食後血糖1又は2時間値が200mg/dL以上の患者に限る。
食事療法・運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を使用している患者では、投与の際の空腹時血糖値は140mg/dL以上を目安とする。

高齢者への投与

低用量(例えば1回量60mg)から投与を開始するとともに、血糖値に留意するなど、経過を十分に観察しながら慎重に投与すること。[一般に高齢者では生理機能が低下している。]

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[本剤は動物実験で胎盤通過(ラット)、また、催奇形性作用(ウサギ)が認められている。]
授乳中の婦人には授乳を避けさせること。[本剤は動物実験(ラット)で母乳へ移行することが報告されている。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]

薬物動態

血漿中濃度
健康成人男子(n=6)に空腹時ナテグリニド20、40、60mgを経口投与したとき、投与後0.9~1.8時間で最高値に達し、半減期は1.1~1.3時間であった。また、食前に60mgを経口投与したとき、投与後約0.5時間で最高値に達し、半減期は約1時間であった。
(注)本剤の承認された1回用量は90mg(効果不十分な場合は120mgまで)である。
投与量Tmax(hr)Cmax(μg/mL)t1/2(hr)
20mg1.311.521.16
40mg1.753.131.12
60mg0.924.681.27
図1 健康成人男子における空腹時投与の用量別血漿中ナテグリニド濃度
図2 健康成人男子における食事の影響
ビグアナイド系薬剤併用時の血漿中濃度
メトホルミン塩酸塩使用中の2型糖尿病患者にナテグリニドを1回60mg、90mg又は120mg1日3回毎食直前12週間経口投与したときの血漿中濃度は、ナテグリニドを単独で同量、単回投与した結果とそれぞれ近似していた。また、メトホルミン塩酸塩の薬物動態に大きな影響はなかった(外国人データを含む)。
(注)本剤の承認された1回用量は90mg(効果不十分な場合は120mgまで)である。
チアゾリジン系薬剤併用時の血中濃度
ピオグリタゾン塩酸塩使用中の2型糖尿病患者に、ナテグリニドを朝食直前に120mg単回経口投与したときの血漿中濃度は、ナテグリニドを単独で同用量単回投与したときの結果と近似していた。また、ピオグリタゾン塩酸塩の未変化体及び活性化合物合計の血清中濃度に対し、本剤併用による影響はなかった。
(注)本剤の承認された1回用量は90mg(効果不十分な場合は120mgまで)である。
代謝・排泄
健康成人男子にナテグリニド60mgを経口投与したとき、血漿中のナテグリニドの代謝物としてイソプロピル基の水酸化体が最も多く、次いでイソプロピル基の脱水素体が認められ、他の代謝物は検出されなかった。また、尿中にはイソプロピル基の水酸化体が主として排泄され(投与量の約40%)、未変化体の尿中排泄率は約5%であった。一方、動物に放射能標識したナテグリニドを投与したとき、投与した放射能の30~40%が尿中に、50~60%が胆汁中に排泄された。
ナテグリニドは、動物において肝臓及び腎臓で代謝されること、また、ヒトにおいては主として肝臓の薬物代謝酵素CYP2C9で代謝されることが、in vitro試験により確認されている。