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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療及びその予防

用法・用量

  • <治療に用いる場合>

    • 通常、成人及び小児には、ザナミビルとして1回10mg(5mgブリスターを2ブリスター)を、1日2回、5日間、専用の吸入器を用いて吸入する。
  • <予防に用いる場合>

    • 通常、成人及び小児には、ザナミビルとして1回10mg(5mgブリスターを2ブリスター)を、1日1回、10日間、専用の吸入器を用いて吸入する。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤を治療に用いる場合は、本剤の必要性を慎重に検討すること。
  • 1.2 インフルエンザウイルス感染症の予防の基本はワクチンによる予防であり、本剤の予防使用はワクチンによる予防に置き換わるものではない。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 乳製品に対して過敏症の既往歴のある患者
本剤は、夾雑物として乳蛋白を含む乳糖水和物を使用しており、アナフィラキシーがあらわれたとの報告がある。
9.1.2 免疫低下状態の患者
患者の状態を十分に観察しながら投与すること。
9.1.3 気管支喘息及び慢性閉塞性肺疾患等の慢性呼吸器疾患のある患者
気管支攣縮や呼吸機能の低下があらわれた場合、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。インフルエンザウイルス感染症により気道過敏性が亢進することがあり、本剤投与後に気管支攣縮や呼吸機能の低下がみられたという報告がある(呼吸器疾患の既往歴がない患者においても同様な報告がある)。
軽度又は中等度の喘息患者(ただし、急性のインフルエンザ症状を有さない症例)を対象とした海外の臨床薬理試験において、13例中1例に気管支攣縮が認められた。
また、本剤を投与する場合には本剤投与後に気管支攣縮が起こる可能性があることを患者に説明することとし、必要時に使用できるよう短時間作用発現型気管支拡張剤を患者に所持させること。
なお、慢性呼吸器疾患の治療に用いる吸入薬(短時間作用発現型気管支拡張剤等)を併用する場合には、本剤を投与する前に使用するよう指導すること。
9.2 腎機能障害患者
透析を必要とするような腎機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。[16.6.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット、ウサギ)で胎盤通過性が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
9.7.1 小児に対しては、本剤を適切に吸入投与できると判断された場合にのみ投与すること。[14.1.1参照]
9.7.2 低出生体重児、新生児、乳児又は4歳以下の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

8.1 抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無又は種類にかかわらず、インフルエンザ罹患時には、異常行動を発現した例が報告されている。異常行動による転落等の万が一の事故を防止するための予防的な対応として、[1]異常行動の発現のおそれがあること、[2]自宅において療養を行う場合、少なくとも発熱から2日間、保護者等は転落等の事故に対する防止対策を講じること、について患者・家族に対し説明を行うこと。なお、転落等の事故に至るおそれのある重度の異常行動については、就学以降の小児・未成年者の男性で報告が多いこと、発熱から2日間以内に発現することが多いこと、が知られている。[11.1.4参照]
8.2 細菌感染症がインフルエンザウイルス感染症に合併したり、インフルエンザ様症状と混同されることがある。細菌感染症の場合には、抗菌剤を投与するなど適切な処置を行うこと。[5.2参照]
8.3 本剤投与後に失神やショック症状があらわれたとの報告がある。この失神やショック症状はインフルエンザウイルス感染症に伴う発熱、脱水等の全身状態の悪化に加え、本剤を強く吸入したこと、または長く息を止めたことが誘因となった可能性がある。患者には使用説明書に記載されている吸入法を十分に理解させ、くつろいだ状態(例えば座位等)で吸入するよう指導すること。また、このような症状があらわれた場合には、患者に仰臥位をとらせ安静に保つとともに、補液を行うなど適切な処置を行うこと。[11.1.1参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 吸入前
(1)本剤は添付の専用吸入器(ディスクヘラー)を用いて、口腔内への吸入投与にのみ使用すること。ネブライザーもしくは機械式人工呼吸器には使用しないこと。本剤(吸入用散剤)を溶解し、ネブライザーもしくは機械式人工呼吸器を介してインフルエンザ入院患者に投与し、添加物である乳糖による医療機器の閉塞のために患者が死亡したとの報告がある。
(2)患者又は保護者には添付の専用吸入器及び使用説明書を渡し、使用方法を指導すること。[9.7.1参照]
(3)ザナミビル水和物は吸湿性が高いので、ブリスターは吸入の直前に穴をあけること。

7.用法及び用量に関連する注意

<治療>
7.1 発症後、可能な限り速やかに投与を開始することが望ましい(症状発現から48時間経過後に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない)。
<予防>
7.2 次の点に注意して使用すること。
・インフルエンザウイルス感染症患者に接触後1.5日以内に投与を開始すること(接触後36時間経過後に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない)。
・インフルエンザウイルス感染症に対する予防効果は、本剤を連続して使用している期間のみ持続する。

5.効能又は効果に関連する注意

<効能共通>
5.1 本剤はC型インフルエンザウイルス感染症には効果がない。
5.2 本剤は細菌感染症には効果がない。[8.2参照]
<治療>
5.3 抗ウイルス薬の投与が全てのA型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療には必須ではないことを踏まえ、本剤の使用の必要性を慎重に検討すること。
5.4 インフルエンザ様症状の発現から2日以内に投与を開始すること。
<予防>
5.5 原則として、インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者である下記の者を対象とする。
・高齢者(65歳以上)
・慢性心疾患患者
・代謝性疾患患者(糖尿病等)
・腎機能障害患者

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人に10mgを単回吸入投与した時の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを以下に示した。
Cmax(ng/mL)Tmax(hr)AUC0-24(ng・hr/mL)T1/2(hr)
日本人(12例)29.77±9.741.67±0.83166.78±39.072.56±0.56
外国人(12例)28.96±17.471.25±0.50149.48±79.102.48±0.28
16.1.2 反復投与
健康成人に20mgを1日2回6日間反復吸入投与注)した時、健康成人(外国人)に10mgを1日4回6日間注)反復投与した時、蓄積性は認められなかった。
16.2 吸収
経口投与時の絶対的生物学的利用率(消化管からの吸収)は2%であり、残りは糞中に排泄されるものと考えられる(外国人データ)。
16.3 分布
In vitroでの血漿蛋白結合率は14%以下であった。
16.4 代謝
本薬がCYPの各分子種の代謝能に影響を与えないことがin vitro試験で確認されている。
16.5 排泄
16.5.1 成人吸入投与
健康成人に10mgを単回吸入投与した時、投与後24時間までの未変化体の尿中排泄率は投与量の9.63%(日本人)、及び7.08%(外国人)であった。
16.5.2 小児吸入投与
小児に10mgを単回吸入投与した時、投与後8時間までの未変化体の尿中排泄率は約5%であった(外国人データを含む)。
16.5.3 静脈内投与
健康成人に50mg~600mgを単回静脈内投与注)した時、投与後24時間までの未変化体の尿中排泄率は投与量の約85~95%で、ほとんど代謝を受けず、主に腎を介して尿中に排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
健康成人に比較して、重度の腎機能障害患者(CLcr:25mL/min未満)でT1/2が約5倍延長し、AUC0-∞は約7倍増加した。この重度腎機能障害患者に通常用量(1回10mg、1日2回)を5日間吸入投与した時に推定されるAUCは、健康成人に600mgを1日2回5日間静脈内投与注)し忍容性を認めた時のAUC(73110ng・hr/mL)の約40分の1であった(外国人データ)。このことから、海外では投与量の調整を行う必要はないとされているが、腎機能障害患者を対象とした国内臨床試験は行われていない。[9.2参照]
16.6.2 肝機能障害患者
本薬は肝で代謝されない。なお、肝機能障害患者における本剤の薬物動態は検討されていない。
16.6.3 高齢者
高齢者6例に20mg注)を単回吸入投与した時の血中薬物動態は、健康成人と比較してTmax及びT1/2に変化を認めず、Cmaxは約1.5倍、AUCは約1.6倍高かった。なお、海外では、本薬の主要排泄経路が腎であり、腎機能障害患者において投与量の調整の必要はないことから、高齢者においても投与量の調整は必要ないとされている。
16.6.4 小児
小児に10mgを単回吸入投与した時の薬物動態パラメータを以下に示した。
Cmax(ng/mL)Tmax(hr)AUCinf(ng・hr/mL)T1/2(hr)
日本人(10例)30.5±11.50.8±0.3133.5±51.32.2±0.5
外国人(11例)44.1±14.81.0±0.4182.7±68.02.0±0.3
注)本剤を治療に用いる場合の承認用法及び用量は、1回10mg、1日2回5日間の吸入投与である。本剤を予防に用いる場合の承認用法及び用量は、1回10mg、1日1回10日間の吸入投与である。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
ショック、アナフィラキシー(血圧低下、呼吸困難、咽頭・喉頭浮腫等)が起こることがある。[8.3参照]
11.1.2 気管支攣縮、呼吸困難(いずれも頻度不明)
11.1.3 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑(いずれも頻度不明)
11.1.4 異常行動(0.06%)
因果関係は不明であるものの、インフルエンザ罹患時には、転落等に至るおそれのある異常行動(急に走り出す、徘徊する等)があらわれることがある。[8.1参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.1%~1%0.1%未満頻度不明
過敏症発疹顔面浮腫、蕁麻疹
精神神経系頭痛、手指のしびれ感、不眠症血管迷走神経反応
消化器下痢、悪心・嘔吐咽喉乾燥、口渇、口内炎、舌あれ、食欲不振、胃部不快感
呼吸器嗄声、咽喉刺激感、鼻道刺激感、喘鳴、鼻出血、鼻漏、痰
感覚器嗅覚障害、耳鳴
循環器動悸
全身症状発汗、発熱、頚部痛、背部痛、低体温
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