製品名 アナペイン注7.5mg/mL
アナペイン注7.5mg/mL
アナペイン注10mg/mL
アナペイン注10mg/mL
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- 一般名
- Ropivacaine Hydrochloride Hydrate
- 薬効分類
-
局所麻酔薬>局所麻酔薬(アミド型)
- 価格
-
0.75%10mL1管:491円/管
0.75%20mL1管:859円/管
1%10mL1管:545円/管
1%20mL1管:890円/管
- 製薬会社
-
- 製造販売元(輸入):アスペンジャパン株式会社
-
効能・効果
用法・容量 -
効能・効果
アナペイン注7.5mg/mL(0.75%10mL1管)
アナペイン注7.5mg/mL
麻酔(硬膜外麻酔、伝達麻酔)
アナペイン注7.5mg/mL(0.75%20mL1管)
アナペイン注7.5mg/mL
麻酔(硬膜外麻酔、伝達麻酔)
アナペイン注10mg/mL(1%10mL1管)
アナペイン注10mg/mL
麻酔(硬膜外麻酔)
アナペイン注10mg/mL(1%20mL1管)
アナペイン注10mg/mL
麻酔(硬膜外麻酔)
用法・用量
アナペイン注7.5mg/mL(0.75%10mL1管)
<アナペイン注7.5mg/mL>
- 硬膜外麻酔には、通常、成人に1回20mL(ロピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)150mg)までを硬膜外腔に投与する。
なお、期待する痛覚遮断域、手術部位、年齢、身長、体重、全身状態等により適宜減量する。
- 伝達麻酔には、通常、成人に1回40mL(ロピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)300mg)までを目標の神経あるいは神経叢近傍に投与する。
なお、期待する痛覚遮断域、手術部位、年齢、身長、体重、全身状態等により適宜減量する。
- 硬膜外麻酔には、通常、成人に1回20mL(ロピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)150mg)までを硬膜外腔に投与する。
アナペイン注7.5mg/mL(0.75%20mL1管)
<アナペイン注7.5mg/mL>
- 硬膜外麻酔には、通常、成人に1回20mL(ロピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)150mg)までを硬膜外腔に投与する。
なお、期待する痛覚遮断域、手術部位、年齢、身長、体重、全身状態等により適宜減量する。
- 伝達麻酔には、通常、成人に1回40mL(ロピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)300mg)までを目標の神経あるいは神経叢近傍に投与する。
なお、期待する痛覚遮断域、手術部位、年齢、身長、体重、全身状態等により適宜減量する。
- 硬膜外麻酔には、通常、成人に1回20mL(ロピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)150mg)までを硬膜外腔に投与する。
アナペイン注10mg/mL(1%10mL1管)
<アナペイン注10mg/mL>
- 通常、成人に1回20mL(ロピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)200mg)までを硬膜外腔に投与する。
なお、期待する痛覚遮断域、手術部位、年齢、身長、体重、全身状態等により適宜減量する。
- 通常、成人に1回20mL(ロピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)200mg)までを硬膜外腔に投与する。
アナペイン注10mg/mL(1%20mL1管)
<アナペイン注10mg/mL>
- 通常、成人に1回20mL(ロピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)200mg)までを硬膜外腔に投与する。
なお、期待する痛覚遮断域、手術部位、年齢、身長、体重、全身状態等により適宜減量する。
- 通常、成人に1回20mL(ロピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)200mg)までを硬膜外腔に投与する。
- 禁忌
-
【禁忌】
次の患者には投与しないこと
[共通(硬膜外麻酔、伝達麻酔)]
- 本剤の成分又はアミド型局所麻酔薬に対し過敏症の既往歴のある患者
[硬膜外麻酔]
- 大量出血やショック状態の患者[過度の血圧低下が起こることがある。]
- 注射部位又はその周辺に炎症のある患者[化膿性髄膜炎症状を起こすことがある。]
- 敗血症の患者[敗血症性の髄膜炎を生じるおそれがある。]
- 副作用
-
- ショック(頻度不明)
- 徐脈、不整脈、血圧低下、呼吸抑制、チアノーゼ、意識障害等を生じ、まれに心停止を来すことがある。また、まれにアナフィラキシーショックを起こすおそれがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、適切な処置を行うこと。
- 意識障害、振戦、痙攣(0.1%未満)
- 意識障害、振戦、痙攣等の中毒症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「過量投与」の項参照)
- 異常感覚、知覚・運動障害(0.1~1%未満)
- 注射針又はカテーテルの留置時に神経(神経幹、神経根)に触れることにより一過性の異常感覚が発現することがある。また、神経が注射針や薬剤あるいは虚血によって障害を受けると、まれに持続的な異常感覚、疼痛、知覚障害、運動障害、硬膜外麻酔及び術後鎮痛では膀胱直腸障害等の神経学的疾患があらわれることがある。
- 注意
-
慎重投与
次の患者には慎重に投与すること
- [共通(硬膜外麻酔、伝達麻酔)]
- 高齢者(「高齢者への投与」及び「重要な基本的注意」の項参照)
- 全身状態が不良な患者[生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下していることがある。](「重要な基本的注意」の項参照)
- 心刺激伝導障害のある患者[症状を悪化させることがある。]
- 重篤な肝機能障害又は腎機能障害のある患者[中毒症状が発現しやすくなる。]
- [硬膜外麻酔]
- 中枢神経系疾患
- 髄膜炎、灰白脊髄炎、脊髄ろう等の患者及び脊髄・脊椎に腫瘍又は結核等のある患者[硬膜外麻酔により病状が悪化するおそれがある。]
- 血液凝固障害や抗凝血薬投与中の患者[出血しやすく、血腫形成や脊髄への障害を起こすことがあるので、やむを得ず投与する場合は観察を十分に行うこと。]
- 脊柱に著明な変形のある患者[脊髄や神経根の損傷のおそれがあり、また麻酔範囲の予測も困難であるので、やむを得ず投与する場合は患者の全身状態の観察を十分に行うこと。]
- 妊産婦(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
- 腹部腫瘤のある患者[仰臥位性低血圧を起こすことがあり、麻酔範囲が広がりやすい。麻酔中はさらに増悪することがあるので、投与量の減量を考慮するとともに、患者の全身状態の観察を十分に行うこと。]
- 重症の高血圧症、心弁膜症等の心血管系に著しい障害のある患者[血圧低下や病状の悪化が起こりやすいので、患者の全身状態の観察を十分に行うこと。]
重要な基本的注意
- [共通(硬膜外麻酔、伝達麻酔)]
- まれにショックあるいは中毒症状を起こすことがあるので、本剤の投与に際しては、十分な問診により患者の全身状態を把握するとともに、異常が認められた場合に直ちに救急処置のとれるよう、常時準備をしておくこと。なお、事前の静脈路確保が望ましい。
- 本剤の投与に際し、その副作用を完全に防止する方法はないが、ショックあるいは中毒症状をできるだけ避けるために、次の諸点に留意すること。
- できるだけ必要最少量にとどめること。追加投与の際には特に注意すること。
- 注射の速度はできるだけ遅くすること。
- 注射針が、血管又はくも膜下腔に入っていないことを確かめること。血管内へ誤投与された場合、中毒症状が発現することがあり、また、くも膜下腔へ誤投与された場合、全脊椎麻酔となることがある。(「副作用」、「過量投与」の項参照)
- 前投薬や術中に投与した鎮静薬、鎮痛薬等による呼吸抑制が発現することがあるので、これらの薬剤を使用する際は少量より投与し、必要に応じて追加投与することが望ましい。なお、高齢者、小児、全身状態が不良な患者、肥満者、呼吸器疾患を有する患者では特に注意し、異常が認められた際には、適切な処置を行うこと。
- 本剤を他のアミド型局所麻酔薬と併用する際には、中毒症状が相加的に起こることに留意して投与すること。
- 注射針又はカテーテルが適切に位置していない等により、神経障害が生じることがあるので、穿刺に際し異常を認めた場合には本剤の注入を行わないこと。
- [硬膜外麻酔]
- 本剤の投与に際し、その副作用を完全に防止する方法はないが、ショックあるいは中毒症状をできるだけ避けるために、次の諸点に留意すること。
- 患者のバイタルサイン(血圧、心拍数、呼吸数等)及び全身状態の観察を十分に行うこと。また、麻酔が消失するまで観察を行うことが望ましい。なお、術中は経皮的に動脈血酸素飽和度の測定(パルスオキシメーター等)を行うことが望ましい。
- 試験的に注入(test dose)し、注射針又はカテーテルが適切に留置されていることを確認すること。
- 麻酔範囲が予期した以上に広がることにより、過度の血圧低下、徐脈、呼吸抑制を来すことがあるので、麻酔範囲に注意すること。
- 本剤を全身麻酔薬と併用する際には、血圧がより低下しやすいので、留意して投与すること。
- 本剤の投与に際し、その副作用を完全に防止する方法はないが、ショックあるいは中毒症状をできるだけ避けるために、次の諸点に留意すること。
- [伝達麻酔]
- 本剤の投与に際し、その副作用を完全に防止する方法はないが、ショックあるいは中毒症状をできるだけ避けるために、次の諸点に留意すること。
- 患者のバイタルサイン(血圧、心拍数、呼吸数等)及び全身状態の観察を行うこと。
- 血管の多い部位(頭部、顔面、扁桃等)に注射する場合には、吸収が速いので、できるだけ少量を投与すること。
- 本剤の投与に際し、その副作用を完全に防止する方法はないが、ショックあるいは中毒症状をできるだけ避けるために、次の諸点に留意すること。
用法用量に関連する使用上の注意
- 本剤に血管収縮剤(アドレナリン)を添加しても、作用持続時間の延長は認められない。
高齢者への投与
- [硬膜外麻酔]
- 一般に高齢者では、麻酔範囲が広がりやすく、生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下しているので、投与量の減量を考慮するとともに、患者の全身状態の観察を十分に行う等、慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
- [共通(硬膜外麻酔、伝達麻酔)]
- 妊婦等
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
- [硬膜外麻酔]
- 妊産婦
- 妊娠後期の患者には、投与量の減量を考慮するとともに、患者の全身状態の観察を十分に行う等、慎重に投与すること。[妊娠末期は、仰臥位性低血圧を起こしやすく、麻酔範囲が広がりやすい。麻酔中はさらに増悪することがある。](「慎重投与」の項参照)
- [伝達麻酔]
- 妊産婦
- 本剤を傍頸管ブロックに用いる場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[類薬(ブピバカイン塩酸塩)では使用しないこととされている。]
- 傍頸管ブロックにより胎児の徐脈を起こすことが知られている。
小児等への投与
- 小児等に対する安全性は確立していない。(使用経験がない)
薬物動態
- 血漿中濃度
- 硬膜外投与
- ロピバカイン塩酸塩150及び200mgを手術患者の硬膜外に投与したとき、血漿中未変化体濃度は約0.5時間後に最高濃度に達し、約5.5時間のみかけの半減期で血漿から消失した(図1及び表1)。また、健康成人(外国人)にロピバカイン塩酸塩150mgを硬膜外投与時のバイオアベイラビリティは約90%であり、硬膜外腔から体循環血への吸収は2相性で、吸収半減期はそれぞれ約14分と約4時間であった。
- 図1 ロピバカイン塩酸塩硬膜外投与時の血漿中濃度推移(平均値±標準偏差、n=11~12)
- 表1 硬膜外投与時におけるロピバカインの薬物動態パラメータ
投与量 150mg、7.5mg/mL、20mL
(n=12)200mg、10mg/mL、20mL
(n=11)tmax(h) 0.53±0.31 0.36±0.26 Cmax(μg/mL) 1.06±0.32 2.06±0.61 t1/2(h) 5.99±1.92 4.96±1.28 AUC0-∞(μg・h/mL) 8.65±4.41 12.50±5.12 (平均値±標準偏差)
- 腕神経叢投与
- ロピバカイン塩酸塩を手術患者の腕神経叢に投与したとき、血漿中未変化体濃度は約0.7時間後に最高濃度に達し、約4.5時間のみかけの半減期で減少した。
- 図2 ロピバカイン塩酸塩腕神経叢投与時の血漿中濃度推移(平均値±標準偏差、n=9~10)
- 表2 腕神経叢投与時におけるロピバカインの薬物動態パラメータ
投与量 225mg、7.5mg/mL、30mL
(n=10)300mg、7.5mg/mL、40mL
(n=9)tmax(h) 0.71±0.31 0.57±0.26 Cmax(μg/mL) 1.89±0.50 2.70±1.01 t1/2(h) 4.19±1.07 4.68±1.51 AUC0-∞(μg・h/mL) 9.42±1.37 16.06±7.74 (平均値±標準偏差)
- 静脈内投与
- 健康成人(外国人)にロピバカイン塩酸塩20、40、80mgを30分間かけて静脈内注入終了時の体内動態は線形性を示すと考えられ、投与終了時の平均血漿中未変化体濃度は0.6、1.0、1.9μg/mL、消失半減期は1.7時間、定常状態分布容積は約40L、血漿クリアランスは約0.4L/分、腎クリアランスは約1.5mL/分であった。
- 分布
- 健康成人(外国人)へのロピバカイン塩酸塩50mg静脈内投与後の血漿蛋白結合率は94%であり、血清中の結合蛋白はα1-酸性糖蛋白及び血清アルブミンであった。血球への分布はわずかであった。
妊婦(外国人)にロピバカイン塩酸塩150mgを硬膜外投与したとき、臍帯静脈血漿中濃度は母体血漿中濃度の約30%で、ロピバカインの胎盤通過が認められた。
- 代謝
- 健康成人(外国人)に14C-ロピバカイン塩酸塩50mgを静脈内投与後の尿中主代謝物は、芳香環の3位水酸化体で、その他に2位メチル水酸化体、N-脱プロピル体、4位水酸化体が検出され、未変化体は約1%であった。代謝にはチトクロームP450のCYP3A4及び1A2が関与する。
- 排泄
- 健康成人(外国人)に14C-ロピバカイン塩酸塩50mgを静脈内投与後96時間までに、投与放射能の86%が尿中に、8%が糞中に排泄された。
- 薬物相互作用
- 外国人健康成人の成績では、フルボキサミン(CYP1A2の阻害剤)を経口併用時にロピバカイン40mgを静脈内持続注入(20分間)したとき、ロピバカインのCLは約70%低下し、消失半減期は約2倍に延長(3.6時間)したが、最高血漿中濃度は1.5μg/mLと、ロピバカイン単独投与時(1.2μg/mL)に比し1.2倍に上昇した程度であった。臨床使用上問題となるような有害事象は発現しなかった。
また、ケトコナゾール(CYP3A4の阻害剤)を経口併用時にロピバカイン40mgを静脈内持続注入しても、薬物動態パラメータに有意な変動はみられなかった。