製品名 メバロチン細粒0.5%
メバロチン細粒1%
メバロチン錠5
メバロチン錠10
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- 一般名
- Pravastatin Sodium
- 薬効分類
-
脂質代謝異常治療薬>スタチン
- 価格
-
0.5%1g:44円/g
1%1g:81.2円/g
5mg1錠:32.3円/錠
10mg1錠:61.4円/錠
- 製薬会社
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- 製造販売元:第一三共株式会社
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効能・効果
用法・容量 -
効能・効果
- 高脂血症
- 家族性高コレステロール血症
用法・用量
- 通常、成人にはプラバスタチンナトリウムとして、1日10mgを1回又は2回に分け経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減するが、重症の場合は1日20mgまで増量できる。
- 禁忌
-
【禁忌】
次の患者には投与しないこと
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳婦(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
- 副作用
-
- (頻度不明)
- 横紋筋融解症
- 筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれ、これに伴って急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止すること。
- 肝障害
- 黄疸、著しいAST(GOT)・ALT(GPT)の上昇等を伴う肝障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような場合は投与を中止し適切な処置を行うこと。
- 血小板減少
- 血小板減少があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。[紫斑、皮下出血等を伴う重篤な症例も報告されている。]
- 間質性肺炎
- 間質性肺炎があらわれることがあるので、長期投与であっても、発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
- ミオパチー
- ミオパチーがあらわれたとの報告がある。
- 免疫介在性壊死性ミオパチー
- 免疫介在性壊死性ミオパチーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 末梢神経障害
- 末梢神経障害があらわれたとの報告がある。
- 過敏症状
- ループス様症候群、血管炎等の過敏症状があらわれたとの報告がある。
- 注意
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慎重投与
次の患者には慎重に投与すること
- 重篤な肝障害又はその既往歴のある患者、アルコール中毒の患者[本剤は主に肝臓において代謝され、作用するので肝障害を悪化させるおそれがある。また、アルコール中毒の患者は、横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある。]
- 腎障害又はその既往歴のある患者[横紋筋融解症の報告例の多くが腎機能障害を有する患者であり、また、横紋筋融解症に伴って急激な腎機能の悪化が認められている。]
- フィブラート系薬剤(ベザフィブラート等)、免疫抑制剤(シクロスポリン等)、ニコチン酸を投与中の患者[横紋筋融解症があらわれやすい。](「相互作用」の項参照)
- 甲状腺機能低下症の患者、遺伝性の筋疾患(筋ジストロフィー等)又はその家族歴のある患者、薬剤性の筋障害の既往歴のある患者[横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重要な基本的注意
- 腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者に、本剤とフィブラート系薬剤を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用すること。急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。やむを得ず併用する場合には、定期的に腎機能検査等を実施し、自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。
- 適用の前に十分な検査を実施し、高脂血症、家族性高コレステロール血症であることを確認した上で本剤の適用を考慮すること。本剤は高コレステロール血症が主な異常である高脂血症によく反応する。
- あらかじめ高脂血症の基本である食事療法を行い、更に運動療法や高血圧・喫煙等の虚血性心疾患のリスクファクターの軽減等も十分考慮すること。
- 投与中は血中脂質値を定期的に検査し、治療に対する反応が認められない場合には投与を中止すること。
- 近位筋脱力、CK(CPK)高値、炎症を伴わない筋線維の壊死、抗HMG-CoA還元酵素(HMGCR)抗体陽性等を特徴とする免疫介在性壊死性ミオパチーがあらわれ、投与中止後も持続する例が報告されているので、患者の状態を十分に観察すること。なお、免疫抑制剤投与により改善がみられたとの報告例がある(「重大な副作用」の項参照)。
適用上の注意
- 服用時
- メバロン酸の生合成は夜間に亢進することが報告されているので、適用にあたっては、1日1回投与の場合、夕食後投与とすることが望ましい。
- 薬剤交付時
- PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
高齢者への投与
- 高齢者では、加齢による腎機能低下を考慮し、定期的に血液検査を行い、患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。[横紋筋融解症の報告例の多くが腎機能障害を有している。]
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していないが、他のHMG-CoA還元酵素阻害剤において、動物実験で出生児数の減少、生存・発育に対する影響及び胎児の生存率の低下と発育抑制が報告されている。また他のHMG-CoA還元酵素阻害剤において、ラットに大量投与した場合に胎児の骨格奇形、ヒトでは妊娠3ヵ月までの間に服用した場合に胎児の先天性奇形があらわれたとの報告がある。]
- 授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[ラットで乳汁中への移行が報告されている。]
小児等への投与
- 低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。
薬物動態
- 血中濃度
- 健康成人男子11例に本剤10・20mgを空腹時単回経口投与した結果、血漿中濃度は投与後速やかに上昇して投与約1時間後にピークとなり、その後緩やかに低下した。また本剤の薬物動態学的パラメータは以下のとおりであった。
なお、本剤は肝抽出率が高いため食事摂取により肝血流量が増加した場合には肝クリアランスが変動し血漿中濃度が低くでることもあるが、脂質低下作用に影響は認められていない。- 10・20mg単回経口投与後の血漿中プラバスタチン濃度推移
- n=11、mean±SD
- プラバスタチンの薬物動態学的パラメータ
用量
(mg)Cmax
(ng/mL)Tmax
(hr)t1/2
(hr)AUC0-24
(ng・hr/mL)10 16.5±6.9 1.1±0.5 2.7±1.0 42.8±17.6 20 32.3±16.0 1.1±0.3 2.5±0.6 81.1±34.8 n=11、mean±SD
- 血清蛋白結合率
- 健康成人6例に本剤10mgを経口投与し、投与1時間後と2時間後の血液をプールして、限外濾過法で測定した血清蛋白結合率は53.1%であった。
- 代謝
- 健康成人男子(n=8)に[14C]プラバスタチンナトリウム(PV)19.2mgを経口単回投与した時の尿(0-48時間)及び糞(0-96時間)中で、未変化体は尿中放射能の29%、糞中放射能の47.6%を占めていた。主な代謝物は3α-iso-異性体で、尿中放射能の10%、糞中放射能の13.9%を占め、6-epi-異性体は尿中放射能の2.8%、糞中放射能の0.7%を占めていた。
3α-iso-異性体のHMG-CoA還元酵素の阻害活性は弱く(PVの2%の阻害活性)、6-epi-異性体はPVの80%の阻害活性を有するが少量であるため、体内では未変化体が主要な活性体であると考えられる。(外国人のデータ)
- 薬物代謝酵素
- 本剤は、ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro代謝試験において安定であり、チトクロームP450の分子種である3A4(CYP3A4)で代謝を受けなかったとの報告がある。
- CYP3A4の代謝を受ける薬剤に対する影響
- 本剤は、ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験において、CYP3A4の基質であると報告されているニフェジピン、メキサゾラム、テストステロンの代謝に影響を与えなかったとの報告がある。
- CYP3A4を阻害する薬剤の影響
- 本剤の代謝は、CYP3A4を阻害する薬剤(イトラコナゾール、ジルチアゼム)との併用により、有意な影響を受けなかったとの報告がある。
- グレープフルーツジュースの影響
- グレープフルーツジュースの反復飲用は、本剤の薬物動態に有意な影響を与えなかったとの報告がある。
- 排泄
- 健康成人男子11例に本剤10・20mgを空腹時単回経口投与したところ、24時間までの累積尿中排泄率は未変化体として10.7~11.8%、代謝物として2.4~2.6%であった。
- 連続投与時の蓄積性
- 健康成人男子5例に本剤20mg、1日2回、7日間連続投与した時の蓄積性について検討したところ朝投与前の血漿中には、本剤の未変化体及び代謝物はともに検出されず、また尿中排泄パターンや回収率は投与期間中一定であった。
- (参考:動物)
- 吸収・分布・排泄
- プラバスタチンナトリウムは主として十二指腸から吸収され(ラット、イヌ)、コレステロール生合成の盛んな肝臓、小腸等に高濃度に分布するが、脳、副腎、生殖器臓器等他の臓器への分布は極めて低い。
また、動物実験(ラット、イヌ、サル)ではいずれも胆汁排泄を経由した糞中排泄が主で(80%以上)、尿中排泄は2~13%と少なく、ヒトの尿中排泄でも同様のことが認められている。
プラバスタチンナトリウムは主として肝臓で酸化、異性化、抱合(主としてグルタチオン抱合)を受けて代謝されると推定されている。