製品名 ジェムザール注射用200mg
ジェムザール注射用1g

一般名
Gemcitabine Hydrochloride
薬効分類
抗癌薬・抗癌薬関連薬
 >代謝拮抗薬
価格
200mg1瓶:2479円/瓶
1g1瓶:11564円/瓶

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 非小細胞肺癌、膵癌、胆道癌、尿路上皮癌、手術不能又は再発乳癌、がん化学療法後に増悪した卵巣癌、再発又は難治性の悪性リンパ腫

用法・用量

  • 非小細胞肺癌、膵癌、胆道癌、尿路上皮癌、がん化学療法後に増悪した卵巣癌、再発又は難治性の悪性リンパ腫の場合

    • 通常、成人にはゲムシタビンとして1回1000mg/m2を30分かけて点滴静注し、週1回投与を3週連続し、4週目は休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
  • 手術不能又は再発乳癌の場合

    • 通常、成人にはゲムシタビンとして1回1250mg/m2を30分かけて点滴静注し、週1回投与を2週連続し、3週目は休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
禁忌

【警告】

  • 本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
  • 週1回投与を30分間点滴静注により行うこと。[外国の臨床試験において、週2回以上あるいは1回の点滴を60分以上かけて行うと、副作用が増強した例が報告されている。]
  • 禁忌、慎重投与の項を参照して適応患者の選択に十分注意すること。
  • 高度な骨髄抑制のある患者には投与しないこと。[骨髄抑制は用量規制因子であり、感染症又は出血を伴い、重篤化する可能性がある。骨髄抑制に起因したと考えられる死亡例が報告されている。]
  • 胸部単純X線写真で明らかで、かつ臨床症状のある間質性肺炎又は肺線維症のある患者には投与しないこと。[間質性肺炎に起因したと考えられる死亡例が報告されている。]
  • 放射線増感作用を期待する胸部への放射線療法との同時併用は避けること。[外国の臨床試験において、本剤と胸部への根治的放射線療法との併用により、重篤な食道炎、肺臓炎が発現し、死亡に至った例が報告されている。「相互作用」の項参照]
  • 投与に際しては臨床症状を十分に観察し、頻回に臨床検査(血液学的検査、肝機能検査、腎機能検査等)を、また、定期的に胸部X線検査等を行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに、投与継続の可否について慎重に検討すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 高度な骨髄抑制のある患者[骨髄抑制が増悪し、致命的となることがある。]
  • 胸部単純X線写真で明らかで、かつ臨床症状のある間質性肺炎又は肺線維症のある患者[症状が増悪し、致命的となることがある。]
  • 胸部への放射線療法を施行している患者[外国の臨床試験で本剤と胸部への根治的放射線療法との併用により、重篤な食道炎、肺臓炎が発現し、死亡に至った例が報告されている。「相互作用」の項参照]
  • 重症感染症を合併している患者[感染症が増悪し、致命的となることがある。]
  • 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
  • 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[動物実験(マウス、ウサギ)で催奇形作用及び胎児致死作用が報告されている。]
副作用
発現頻度については、国内の本剤単独投与の臨床試験において認められたものを記載した。
骨髄抑制
白血球減少(72.6%、ただし、2000/μL未満の減少は17.5%)、好中球減少(69.2%、ただし、1000/μL未満の減少は32.1%)、血小板減少(41.4%、ただし、5万/μL未満の減少は4.2%)、貧血[ヘモグロビン減少(66.5%、ただし、8.0g/dL未満の減少は13.1%)、赤血球減少(52.6%)]等があらわれることがあるので、血液学的検査を頻回に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等適切な処置を行うこと。なお、高度な白血球減少に起因したと考えられる敗血症による死亡例が報告されている。
間質性肺炎(1.0%)
間質性肺炎があらわれることがあるので、胸部X線検査等を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、間質性肺炎に起因したと考えられる死亡例が報告されている。
アナフィラキシー(0.2%)
呼吸困難、血圧低下、発疹等の症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
心筋梗塞(0.2%)
心筋梗塞がみられることがある。
うっ血性心不全
うっ血性心不全があらわれることがある。
肺水腫
肺水腫があらわれることがある。
気管支痙攣
気管支痙攣があらわれることがある。
成人呼吸促迫症候群(ARDS)
成人呼吸促迫症候群(ARDS)があらわれることがある。
腎不全
腎不全があらわれることがある。
溶血性尿毒症症候群(0.2%)
溶血性尿毒症症候群があらわれることがあるので、血小板減少、ビリルビン上昇、クレアチニン上昇、BUN上昇、LDH上昇を伴う急速なヘモグロビン減少等の微小血管症性溶血性貧血の兆候が認められた場合には、投与を中止すること。腎不全は投与中止によっても不可逆的であり、透析療法が必要となることもある。
皮膚障害(頻度不明)
重篤な皮膚障害(紅斑、水疱、落屑等)があらわれることがある。
肝機能障害、黄疸(頻度不明)
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-Pの上昇等の重篤な肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
白質脳症(可逆性後白質脳症症候群を含む)
白質脳症(可逆性後白質脳症症候群を含む)があらわれることがあるので、高血圧、痙攣、頭痛、視覚異常、意識障害等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
注意

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

骨髄抑制のある患者[「重要な基本的注意」の項参照]
間質性肺炎又は肺線維症の既往歴又は合併症がある患者[間質性肺炎等の重篤な肺毒性を起こすことがある。]
肝障害(肝転移、肝炎、肝硬変等)、アルコール依存症の既往又は合併のある患者[肝機能の悪化を引き起こすことがある。]
腎障害のある患者[腎機能が低下しているので、副作用があらわれやすくなることがある。]
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
心筋梗塞の既往のある患者[心筋梗塞がみられることがある。]

重要な基本的注意

腫瘍の明らかな増大、新病変の出現等、病態の進行が認められた場合には投与を中止し、他の適切な治療法に切り替えること。
骨髄抑制、間質性肺炎等の重篤な副作用が起こることがあり、ときに致命的な経過をたどることがあるので、投与に際しては臨床症状を十分に観察し、頻回に臨床検査(血液学的検査、肝機能検査、腎機能検査等)を、また、定期的に胸部X線検査を行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
骨髄抑制
本剤の投与にあたっては、白血球数及び血小板数の変動に十分留意し、投与当日の白血球数が2000/μL未満又は血小板数が7万/μL未満であれば、骨髄機能が回復するまで投与を延期すること。また、前治療により、骨髄機能が低下している患者では、骨髄抑制が強くあらわれることがあるので、これらの患者では投与量を適宜減量し、臨床検査値に十分注意すること。本剤を週1回3週連続投与した場合、白血球数及び好中球数の最低値は投与開始平均約2~3週間後にあらわれ、最低値発現日から約1週間で回復する。
間質性肺炎等の肺毒性
本剤の投与にあたっては、臨床症状(呼吸状態、咳及び発熱等の有無)を十分に観察し、定期的に胸部X線検査を行うこと。また、必要に応じて胸部CT検査、動脈血酸素分圧(PaO2)、肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)、肺拡散能力(DLco)などの検査を行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。間質性肺炎等の肺毒性の発症あるいは急性増悪が疑われた場合には、直ちに本剤による治療を中止し、ステロイド治療等の適切な処置を行うこと。
感染症の発現又は増悪に十分注意すること。
過敏症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
本剤投与時に傾眠が認められることがあるので、このような症状が発現しないことが確認されるまで、自動車の運転等は行わないように注意すること。
動物実験(マウス、ウサギ)において、生殖毒性(先天性異常、胚胎発育、妊娠経過、周産期発育あるいは生後発育に対する影響等)が報告されているので、生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には生殖器に対する影響を考慮すること。
卵巣癌、悪性リンパ腫に本剤を使用する際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:ゲムシタビン塩酸塩(卵巣癌)」、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:ゲムシタビン塩酸塩(再発・難治性悪性リンパ腫)」等)を熟読すること。

適用上の注意

30分間で点滴静脈内投与し、皮下、筋肉内には投与しないこと。
溶解後は速やかに投与すること。溶液を冷蔵庫に保存すると結晶が析出することがあるので、保存する場合でも室温(15~30℃)で保存し、24時間以内に使用すること。溶解した残液は使用しないこと。
皮膚に薬液が付着した場合は直ちに石けんでよく洗浄し、粘膜に付着した場合は直ちに多量の流水でよく洗い流すこと。
尿路上皮癌及び手術不能又は再発乳癌に本剤を使用する場合には、「臨床成績」の項の内容を十分に理解した上で投与方法を選択すること。
胆道癌の場合
本剤の術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。
尿路上皮癌の場合
本剤の術前・術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。
手術不能又は再発乳癌の場合
本剤の術前・術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。
本剤の投与を行う場合には、アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法後の増悪若しくは再発例を対象とすること。
がん化学療法後に増悪した卵巣癌の場合
本剤の投与を行う場合には、白金製剤を含む化学療法施行後の症例を対象とし、白金製剤に対する感受性を考慮して本剤以外の治療法を慎重に検討した上で、本剤の投与を開始すること。

高齢者への投与

高齢者では腎機能、肝機能等の生理機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあるので、骨髄抑制等の副作用の発現に注意し、慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[動物実験(マウス、ウサギ)で催奇形作用が報告されている。]
授乳婦に投与する場合には、授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。]

小児等への投与

小児等に対する安全性は確立されていない。[使用経験がない。]

薬物動態

血漿中濃度
2コンパートメントモデル薬物動態解析
膵癌患者11例に本剤1回1000mg/m2を30分間かけて点滴静注し、高速液体クロマトグラフ(HPLC)法にて未変化体(ゲムシタビン)の血漿中濃度を測定した。第1コースの第1投与日に得られたゲムシタビンの血漿中濃度推移を以下の図に示した。
図 膵癌患者11例での血漿中未変化体濃度推移
算出された未変化体の薬物動態パラメータを以下に示した。
パラメータ平均±標準偏差
血漿クリアランス(CL)85.6±17.8(L/hr/m2
中心コンパートメントの分布容積(V18.80±7.49(L/m2
末梢コンパートメントの分布容積(V26.95±2.26(L/m2
コンパートメント間分布クリアランス(Q)22.3±11.1(L/hr/m2
α相の消失半減期(t1/2α3.1±2.0(min)
β相の消失半減期(t1/2β18.9±4.0(min)
最高血漿中濃度(Cmax)21865±4165(ng/mL)
血漿中濃度時間下面積(AUC0-∞12100±2227(ng・hr/mL)
Population Pharmacokinetics解析
非小細胞肺癌患者45例に本剤1回800~1250mg/m2注)を、30分間かけて点滴静注し、未変化体及びそのウラシル体代謝物(2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロウリジン:dFdU)の血漿中濃度をHPLC法により測定し、本剤の薬物動態に対する症例背景(性・年齢など)の影響をNONMEM法を用いたpopulation pharmacokinetics解析により検討した。
その結果得られた未変化体の薬物動態パラメータを以下に示す。
注)本剤の非小細胞肺癌における1回用量は1000mg/m2である。
パラメータ母集団平均値の推定値
< >:個体間変動、( ):範囲
血漿クリアランス(CL)187L/hr<35.5%>
中心コンパートメントの分布容積(V117.1L<69.4%>
末梢コンパートメントの分布容積(V226.8L
コンパートメント間分布クリアランス(Q)(男性)97.5L/hr
(女性)33.2L/hr
消失半減期(t1/2(男性)19.7min(15~27min)
(女性)40.9min(36~44min)
定常状態における分布容積(Vss46.1L(36.2~85.3L)
血漿クリアランスは非常に大きかった。未変化体の消失半減期は男性よりも女性で長かったが、いずれも1時間以内と速やかであり男女間の差は臨床的に有意ではないと考えられた。なお、1000mg/m2投与時の血漿中濃度時間下面積(AUC0-∞)は血漿クリアランス(CL)から、5347.6ng・hr/mL・m2と算出される。
外国での臨床試験におけるPopulation Pharmacokinetics解析
国内での成績とほぼ同様の結果であったが、外国における試験では血漿クリアランスが年齢によって影響を受けることが示唆されており、高齢者では血漿クリアランスが減少する傾向を認めた。しかしながら、血漿クリアランスは比較的高値のため、投与量を減じる必要はないものと考えられた。
乳癌患者におけるパクリタキセルとの併用
外国で実施した臨床試験において、転移性乳癌患者に本剤とパクリタキセルを併用投与(16例)(3週を1コースとして、1日目に本剤1250mg/m2及びパクリタキセル175mg/m2を投与し、8日目に本剤1250mg/m2を投与)した。本剤とパクリタキセルを併用投与した1日目及び本剤を単独投与した8日目における本剤の未変化体の薬物動態パラメータを以下に示す。
パラメータ併用投与(1日目)単独投与(8日目)
最高血漿中濃度
(Cmax)注)
33500±18700
(ng/mL)
30300±10200
(ng/mL)
血漿中濃度時間下面積
(AUC0-∞注)
19100±9300
(ng・hr/mL)
16900±4670
(ng・hr/mL)
血漿クリアランス(CL)76.4±27.3
(L/hr/m2
78.7±19.9
(L/hr/m2
定常状態における分布容積
(Vss
17.4±9.44
(L/m2
15.9±10.1
(L/m2
消失半減期(t1/20.276±0.0531
(hr)
0.318±0.103
(hr)
平均±標準偏差注)投与量を1250mg/m2に基準化した値
尿中排泄
進行性癌患者5例に14C-ゲムシタビン塩酸塩1000mg/m2を点滴静注した後に、7日間採取した尿・糞中から92~98%の放射活性が回収された。そのうち99%以上が尿に回収されたので、ゲムシタビンの主な排泄経路は尿とされた。尿中総放射活性は未変化体の放射活性とウラシル体代謝物の放射活性の和に等しいことより、ヒトの主な代謝物はウラシル体と考えられた。尿中未変化体量は投与量の10%未満であった。
血漿中蛋白結合率
in vitroにおけるヒト血漿中蛋白結合率は約10%であった。