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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • <適応菌種>

    • マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)
  • <適応症>

    • 後天性免疫不全症候群(エイズ)に伴う播種性マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症の発症抑制及び治療

用法・用量

  • <発症抑制>

    • 成人にはアジスロマイシンとして、1200mg(力価)を週1回経口投与する。
  • <治療>

    • 成人にはアジスロマイシンとして、600mg(力価)を1日1回経口投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 他のマクロライド系又はケトライド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
9.1.2 心疾患のある患者
QT延長、心室性頻脈(Torsade de pointesを含む)を起こすことがある。[11.1.8参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 高度な肝機能障害のある患者
肝機能を悪化させるおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の一般状態に注意して投与すること。アジスロマイシン経口剤の一般感染症の臨床試験成績から、高齢者において認められた副作用の種類及び副作用発現率は、非高齢者と同様であったが、一般に高齢者では、生理機能が低下しており、血中・組織内濃度が高くなることがある。

8.重要な基本的注意

8.1 アナフィラキシー・ショックがあらわれるおそれがあるので、アレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと。[11.1.1参照]
8.2 本剤の使用にあたっては、事前に患者に対して、次の点を指導すること。[11.1.2参照]
・中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群が疑われる症状[発疹に加え、粘膜(口唇、眼、外陰部)のびらんあるいは水ぶくれ等の症状]があらわれた場合には、服用を中止し、ただちに医師に連絡すること。
・服用終了後においても上記症状があらわれることがあるので、症状があらわれた場合にはただちに医師に連絡すること。
8.3 意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。
8.4 アジスロマイシンは組織内半減期が長いことから、投与終了数日後においても副作用が発現する可能性があるので、観察を十分に行うなど注意すること。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 治療に関する海外臨床試験においてエタンブトールとの併用効果が示されているため、治療の際にはエタンブトール(1日15mg/kg)と併用すること。
7.2 治療に際してはエタンブトールに加え、医師の判断によりMACに対する抗菌活性(in vitro)を有する他の抗菌薬を併用することが望ましい。
7.3 本剤を使用する際には、投与期間、併用薬について国内外の学会のガイドライン等、最新の情報を参考にし、投与すること。

5.効能又は効果に関連する注意

本剤を使用する際には、投与開始時期について国内外の学会のガイドライン等、最新の情報を参考にし、投与すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
HIV陽性被験者12名にアジスロマイシン錠1200mg(力価)を単回経口投与したときのCmaxは0.66μg/mL、AUC0-lastは6.8μg・hr/mLであった(外国人データ)。
16.1.2 反復投与
HIV陽性被験者7名にアジスロマイシン錠600mg(力価)を1日1回22日間反復経口投与したときのCmaxは投与初日で0.33μg/mL、投与22日目で0.55μg/mLであり、C24は投与初日で0.039μg/mL、投与22日目で0.14μg/mLであった。AUC0-24は投与初日で2.4μg・hr/mL、投与22日目で5.8μg・hr/mLであった。アジスロマイシンの血清中濃度は投与15日目までに定常状態に達した。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
アジスロマイシン錠1200mg(力価)を食後経口投与したとき、Cmaxは31%増加したが、吸収の程度(AUC)は変化せず、アジスロマイシンの吸収に及ぼす食事の影響はないものと考えられる。
16.3 分布
16.3.1 組織内濃度
手術予定患者にアジスロマイシン経口剤500mg(力価)を経口投与した際の投与後12時間~8日目の各種組織内濃度の検討では、いずれの組織においても、血清中濃度が消失後も数日にわたって高い組織内濃度が維持された(外国人データ)。
なお、アジスロマイシンのヒトにおける全身クリアランス及び分布容積はそれぞれ10mL/min/kg及び33.3L/kgと報告されており、分布容積が大きく、組織へ移行しやすいことが示されている。
図 手術予定患者にアジスロマイシン経口剤500mg(力価)を経口投与後の血清及び組織内濃度
(組織内濃度:平均値±標準偏差、n=2~35)
(血清中濃度:平均値、n=10)
16.3.2 末梢血白血球中濃度
アジスロマイシン錠1200mg(力価)を単回経口投与したときの末梢血白血球中濃度(最高濃度の平均値)は140μg/mLであり、32μg/mLを上回る濃度が約60時間持続した。男性6名及び女性6名における平均消失半減期はそれぞれ34時間及び57時間であった。最高血漿中濃度(Cmax)に対する最高白血球中濃度の比(白血球Cmax/血漿Cmax)は、男性258(±77%)、女性175(±60%)であり、AUC比(白血球AUC/血漿AUC)は、それぞれ804(±31%)及び541(±28%)であった。
HIV陽性被験者にアジスロマイシン錠600mg(力価)を1日1回反復経口投与したときの末梢血白血球中濃度(最高濃度の平均値)は252μg/mL(±49%)であり、定常状態における末梢血白血球中濃度のトラフ値は146μg/mL(±33%)であった。白血球Cmax/血清Cmaxは456(±38%)であり、白血球AUC/血清AUCは816(±31%)であった(外国人データ)。
16.3.3 血清蛋白結合率
アジスロマイシンのヒト血清蛋白との結合率は12.2~20.3%(in vivo、超遠心法)であった。
16.4 代謝
アジスロマイシンのチトクロームP450による代謝は確認されていない。
16.5 排泄
16.5.1 健常成人男子6名にアジスロマイシン錠500mg(力価)を単回経口投与したとき、投与後168時間までの尿中に未変化体として投与量の9%が排泄された。
健常成人男子の尿及び患者の胆汁中代謝物について検討した結果、いずれもほとんどは未変化体で、代謝物として脱メチル体、脱クラジノース体が確認された。アジスロマイシンは胆汁、消化管分泌を介して、未変化体としてほとんど糞中に排泄される。
16.5.2 ラットに14C-標識アジスロマイシン20mg/kgを単回経口投与したとき、投与後168時間までに投与量の80.3%が糞中に、13.3%が尿中に排泄され、また投与後72時間までに投与量の3.1%が呼気中に排泄された。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者
軽度及び中等度の肝機能障害患者(成人)16例にアジスロマイシンカプセル注)500mg(力価)を単回経口投与したとき、健常成人男子に比べて、Cmaxが増加し、t1/2が延長する傾向が認められたが、有意差は認められなかった。また尿中排泄率においても有意差は認められなかった(外国人データ)。
注)国内で承認されている成人用製剤は錠剤及び注射剤である。
16.6.2 腎機能障害患者
腎機能障害患者(成人)17例にアジスロマイシン錠500mg(力価)を単回経口投与したとき、アジスロマイシンの体内動態は健常成人と有意差は認められなかった。
16.7 薬物相互作用
他のマクロライド系薬剤において、下記薬剤による相互作用が報告されている。
16.7.1 テオフィリン、ミダゾラム、トリアゾラム、カルバマゼピン、フェニトイン
これらの薬剤の血中濃度が上昇し、作用が増強されるおそれがある。
16.7.2 エルゴタミン含有製剤
四肢の虚血を起こすことがある。
16.7.3 リファンピシン
他のマクロライドの血中濃度を低下させる。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
制酸剤(水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム)アジスロマイシンの最高血中濃度低下の報告がある。機序不明
ワルファリン国際標準化プロトロンビン比上昇の報告がある。マクロライド系薬剤はワルファリンの肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、ワルファリンの作用が増強することがあるが、アジスロマイシンでの機序の詳細は明らかではない。
シクロスポリンシクロスポリンの最高血中濃度の上昇及び血中濃度半減期の延長の報告がある。マクロライド系薬剤はシクロスポリンの主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、シクロスポリンの血中濃度が上昇することがあるが、アジスロマイシンでの機序の詳細は明らかではない。
ネルフィナビルアジスロマイシン錠の1200mg投与で、アジスロマイシンの濃度・時間曲線下面積(AUC)及び平均最高血中濃度の上昇の報告がある。機序不明
ジゴキシンアジスロマイシンとの併用により、ジゴキシン中毒の発現リスク上昇の報告がある。P-糖蛋白質を介したジゴキシンの輸送が阻害されることにより、ジゴキシンの血中濃度が上昇することを示唆した報告があるが、アジスロマイシンでの機序の詳細は明らかではない。
ベネトクラクスベネトクラクスの効果が減弱するおそれがあるので、併用を避けることが望ましい。機序は不明であるが、ベネトクラクスの血中濃度が低下する可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)
呼吸困難、喘鳴、血管浮腫等を起こすことがある。また、アジスロマイシンは組織内半減期が長いことから、これらの副作用の治療中止後に再発する可能性があるので注意すること。[8.1参照]
11.1.2 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)
異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。これらの副作用はアジスロマイシンの投与中又は投与終了後1週間以内に発現しているので、投与終了後も注意すること。また、アジスロマイシンは組織内半減期が長いことから、これらの副作用の治療中止後に再発する可能性があるので注意すること。[8.2参照]
11.1.3 薬剤性過敏症症候群(頻度不明)
初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
11.1.4 肝炎(頻度不明)、肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明)、肝不全(頻度不明)
11.1.5 急性腎障害(0.09%)
乏尿等の症状や血中クレアチニン値上昇等の腎機能低下所見が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.6 偽膜性大腸炎(頻度不明)、出血性大腸炎(頻度不明)
偽膜性大腸炎、出血性大腸炎等の重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢、血便等があらわれた場合にはただちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.7 間質性肺炎(頻度不明)、好酸球性肺炎(頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、好酸球性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.8 QT延長(頻度不明)、心室性頻脈(Torsade de pointesを含む)(頻度不明)
QT延長等の心疾患のある患者には特に注意すること。[9.1.2参照]
11.1.9 白血球減少(頻度不明)、顆粒球減少(頻度不明)、血小板減少(頻度不明)
11.1.10 横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上5~10%未満5%未満頻度不明
皮膚発疹そう痒症、皮膚変色、脱毛蕁麻疹、アトピー性皮膚炎増悪、光線過敏性反応、水疱、皮膚剥離、多形紅斑、寝汗、多汗症、皮膚乾燥、紅斑
血液ヘモグロビン減少、顆粒球数減少、血小板数減少、白血球数減少、貧血好酸球数増加、血小板数増加、好塩基球数増加、リンパ球数減少、白血球数増加、プロトロンビン時間延長
血管障害潮紅、血栓性静脈炎
循環器血圧低下、動悸、血圧上昇
肝臓ALT増加、AST増加、肝機能検査異常、ALP増加、γ-GTP増加、血中ビリルビン増加、LDH増加
腎臓頻尿、クレアチニン増加BUN増加、尿中蛋白陽性、腎臓痛、排尿困難、尿潜血陽性
消化器下痢、腹痛、悪心嘔吐鼓腸放屁、消化不良、食欲不振、消化管障害、腹部不快感、胃炎、舌変色腹部膨満、便秘、腹鳴、口内炎、口唇のあれ、黒毛舌、舌炎、舌苔、口・舌のしびれ感、おくび、口内乾燥、唾液増加、膵炎、アフタ性口内炎、口腔内不快感、口唇炎
精神・神経系頭痛、めまい、味覚異常、不眠症傾眠、感覚鈍麻、失神、痙攣、振戦、激越、嗅覚異常、無嗅覚、神経過敏、不安、錯感覚、攻撃性、灼熱感
感染症カンジダ症膣炎、真菌感染、胃腸炎、咽頭炎、皮膚感染、肺炎、β溶血性レンサ球菌感染
ぶどう膜炎、視力障害、眼痛、結膜炎眼瞼浮腫、霧視
筋骨格系関節痛筋肉痛、頚部痛、背部痛、四肢痛、関節腫脹
呼吸器咳嗽、呼吸困難、鼻出血、アレルギー性鼻炎、くしゃみ、ラ音、気管障害、低音性連続性ラ音、鼻部障害、鼻閉、鼻漏、羊鳴性気管支音、痰貯留、嗄声
耳鳴、難聴、聴力低下、耳の障害耳痛
生殖器精巣痛、不正子宮出血、卵巣嚢腫
代謝低カリウム血症、脱水血中カリウム増加、血中カリウム減少、血中重炭酸塩減少
その他発熱、疲労、倦怠感、口渇、無力症、疼痛胸痛、浮腫、気分不良、浮遊感、低体温、不整脈、咽喉頭異物感、局所腫脹、粘膜異常感覚
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