製品名 ヒダントール散10%
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- 一般名
- Phenytoin
- 薬効分類
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抗てんかん薬>ヒダントイン系薬
- 価格
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10%1g:12.1円/g
- 製薬会社
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効能・効果
用法・容量 -
効能・効果
てんかんのけいれん発作
- 強直間代発作(全般けいれん発作、大発作)、焦点発作(ジャクソン型発作を含む)
- 自律神経発作、精神運動発作
用法・用量
- フェニトインとして、通常成人1日200~300mg、小児には下記用量を毎食後3回に分割経口投与する。
症状、耐薬性に応じて適宜増減する。学童
100~300mg
幼児
50~200mg
乳児
20~100mg
- 禁忌
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【禁忌】
次の患者には投与しないこと
- 本剤の成分又はヒダントイン系化合物に対して過敏症の患者
- タダラフィル(肺高血圧症を適応とする場合)、アスナプレビル、ダクラタスビル、バニプレビル、マシテンタン、エルバスビル、グラゾプレビル、チカグレロル、アルテメテル・ルメファントリン、ダクラタスビル・アスナプレビル・ベクラブビル、ダルナビル・コビシスタット、リルピビリン、リルピビリン・テノホビル ジソプロキシル・エムトリシタビン、リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン、エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシル、ソホスブビル・ベルパタスビル、ソホスブビル、レジパスビル・ソホスブビル、ドルテグラビル・リルピビリンを投与中の患者[「相互作用」の項参照]
- 副作用
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- 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
- 観察を十分に行い、発熱、紅斑、水疱・びらん、そう痒感、咽頭痛、眼充血、口内炎等の異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
- 過敏症症候群(頻度不明)
- 初期症状として発疹、発熱がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害等の臓器障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
- SLE様症状(頻度不明)
- SLE様症状(発熱、紅斑、関節痛、肺炎、白血球減少、血小板減少、抗核抗体陽性等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、単球性白血病、血小板減少、溶血性貧血、赤芽球癆(頻度不明)
- 観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(頻度不明)
- 劇症肝炎、著しいAST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う重篤な肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 間質性肺炎(頻度不明)
- 発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎(肺臓炎)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
- 悪性リンパ腫、リンパ節腫脹(頻度不明)
- 観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、減量するなど適切な処置を行うこと。
- 小脳萎縮(頻度不明)
- 長期投与例で、小脳萎縮があらわれることがあり、持続した本剤の血中濃度上昇との関連が示唆されているので、小脳症状(眼振、構音障害、運動失調等)に注意し、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 横紋筋融解症(頻度不明)
- 横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
- 急性腎障害、間質性腎炎(頻度不明)
- 急性腎障害、間質性腎炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 悪性症候群(頻度不明)
- 悪性症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、意識障害、筋強剛、不随意運動、発汗、頻脈等があらわれた場合には、本剤の投与中止、体冷却、水分補給、呼吸管理等の適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。
- 注意
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慎重投与
次の患者には慎重に投与すること
- 肝障害のある患者[肝障害の悪化、また、血中濃度上昇のおそれがある。]
- 血液障害のある患者[血液障害が悪化するおそれがある。]
- 薬物過敏症の患者
- 甲状腺機能低下症の患者[甲状腺機能の異常をきたすおそれがある。]
- 糖尿病の患者[2型糖尿病の患者で、高血糖を起こしたとの報告がある。]
重要な基本的注意
- 混合発作型では、単独投与により小発作の誘発又は増悪を招くことがある。
- 連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
なお、高齢者、虚弱者の場合は特に注意すること。
- 連用中は定期的に肝・腎機能、血液検査を行うことが望ましい。
- 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
- 眼振、構音障害、運動失調、眼筋麻痺等の症状は過量投与の徴候であることが多いので、このような症状があらわれた場合には、至適有効量まで徐々に減量すること。用量調整をより適切に行うためには、本剤の血中濃度測定を行うことが望ましい(「薬物動態」の項参照)。
高齢者への投与
- 少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。なお、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと[高齢者では、生理機能(肝機能、腎機能)が低下していることが多い。](「重要な基本的注意」の項参照)。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性(母体のてんかん発作頻発を防ぎ、胎児を低酸素状態から守る)が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること[妊娠中に本剤を投与された患者の中に、奇形を有する児(口唇裂、口蓋裂、心奇形等)を出産した例が多いとの疫学的調査報告がある。]。
- 妊娠中にやむを得ず本剤を投与する場合には、可能な限り単独投与することが望ましい[妊娠中に他の抗てんかん剤(特にプリミドン)と併用して投与された患者群に、奇形を有する児を出産した例が本剤単独投与群と比較して多いとの疫学的調査報告がある。]。
- 妊娠中の投与により、児に腫瘍(神経芽細胞腫等)がみられたとの報告がある。
- 妊娠中の投与により、新生児に出血傾向があらわれることがある。
- 妊娠中の投与により、葉酸低下が生じるとの報告がある。
薬物動態
- 血中濃度
- ヒダントール散10%1g(フェニトインとして100mg)を健康成人男子10名に食後単回経口投与して得られた薬物動態は下記のとおりである。
AUC(0-48hr)(hr・μg/mL) Cmax(μg/mL) Tmax(hr) T1/2(hr) 50.0±9.9 2.5±0.4 5.2±1.0 12.3±3.0 (Mean.±S.D.,n=10)
- ヒダントール散10%1g(フェニトインとして100mg)を健康成人男子10名に食後単回経口投与して得られた薬物動態は下記のとおりである。
- 投与量と血中濃度との関係
- 定常状態におけるフェニトイン血中濃度と投与量の関係はMichaelis-Menten式[C=Km・D/(Dmax-D)]を用いた曲線(図)で近似され、有効血中濃度付近では、投与量の増減が血中濃度に及ぼす影響は極めて大きい。
また、定数Dmax、Kmの個人差は大きく、さらに成人に比較して年少児ほどDmaxの値は大きくなる。
有効血中フェニトイン濃度は10~20μg/mLとされている。- C:定常状態血中濃度(μg/mL)
- D:投与量(mg/kg/日)
- Dmax:1日に代謝しうる最大投与量(mg/kg/日)
- Km:1/2Dmaxに対応する血中濃度(μg/mL)
- 定常状態におけるフェニトイン血中濃度と投与量の関係はMichaelis-Menten式[C=Km・D/(Dmax-D)]を用いた曲線(図)で近似され、有効血中濃度付近では、投与量の増減が血中濃度に及ぼす影響は極めて大きい。