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献血ノンスロン500注射用、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○先天性アンチトロンビンIII欠乏に基づく血栓形成傾向
  • ○アンチトロンビンIII低下を伴う汎発性血管内凝固症候群(DIC)
  • ○アンチトロンビンIII低下を伴う門脈血栓症

用法・用量

  • <効能共通>

    • 本剤を添付の注射用水で溶解し、緩徐に静注もしくは点滴静注する。
  • <先天性アンチトロンビンIII欠乏に基づく血栓形成傾向>

    • 本剤1日1,000~3,000国際単位(又は20~60国際単位/kg)を投与する。なお、年齢、症状により適宜減量する。
  • <アンチトロンビンIII低下を伴う汎発性血管内凝固症候群(DIC)>

    • アンチトロンビンIIIが正常の70%以下に低下した場合、通常、成人に対し、ヘパリンの持続点滴静注のもとに、本剤1日1,500国際単位(又は30国際単位/kg)を投与する。
      ただし、産科的、外科的DICなどで緊急処置として本剤を使用する場合には、1日1回40~60国際単位/kgを投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
  • <アンチトロンビンIII低下を伴う門脈血栓症>

    • アンチトロンビンIIIが正常の70%以下に低下した場合、通常、成人に対し、本剤1日1,500国際単位(又は30国際単位/kg)を5日間投与する。本剤投与により血栓縮小傾向が認められた場合には、通常、成人に対し、本剤1日1,500国際単位(又は30国際単位/kg)の5日間投与を最大2回まで追加で行うことができる。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対しショックの既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。
9.1.2 溶血性・失血性貧血の患者
ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある。[8.2.1参照]
9.1.3 免疫不全患者・免疫抑制状態の患者
ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、持続性の貧血を起こすことがある。[8.2.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤の投与によりヒトパルボウイルスB19の感染の可能性を否定できない。感染した場合には胎児への障害(流産、胎児水腫、胎児死亡)が起こる可能性がある。[8.2.1参照]
9.7 小児等
低出生体重児、新生児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の投与にあたっては、疾病の治療における本剤の必要性とともに、本剤の製造に際し感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているが、ヒト血液を原料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを、患者に対して説明し、理解を得るよう努めること。
8.2 本剤の原材料となる献血者の血液については、HBs抗原、抗HCV抗体、抗HIV-1抗体、抗HIV-2抗体及び抗HTLV-1抗体陰性で、かつALT値でスクリーニングを実施している。さらに、HBV、HCV及びHIVについて核酸増幅検査(NAT)を実施し、適合した血漿を本剤の製造に使用しているが、当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する。その後の製造工程である65℃、96時間の加熱処理及びウイルス除去膜によるろ過処理は、HIVをはじめとする各種ウイルスに対し、不活化・除去作用を有することが確認されているが、投与に際しては、次の点に十分注意すること。
8.2.1 血漿分画製剤の現在の製造工程では、ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に不活化・除去することが困難であるため、本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので、投与後の経過を十分に観察すること。[9.1.2、9.1.3、9.5参照]
8.2.2 現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない。しかしながら、製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの、理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので、投与の際には患者への説明を十分行い、治療上の必要性を十分検討の上投与すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 「溶解方法」を参考に溶解すること。
14.1.2 他剤との混合注射は避けることが望ましい。
14.1.3 本剤は、溶解後ただちに使用すること。
14.1.4 使用後の残液は、細菌汚染のおそれがあるので使用しないこと。本剤は細菌の増殖に好適なたん白であり、しかも保存剤が含有されていない。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 溶解時に著しい沈殿の認められるものは投与しないこと。
14.2.2 溶解した液をシリコンオイルが塗布されているシリンジで採取した場合、浮遊物が発生することがある。投与前に薬液中に浮遊物がないか目視で確認すること。浮遊物が認められた場合には投与しないこと。

7.用法及び用量に関連する注意

<先天性アンチトロンビンIII欠乏に基づく血栓形成傾向、アンチトロンビンIII低下を伴う汎発性血管内凝固症候群(DIC)>
7.1 出血検査等出血管理を十分行いつつ使用すること。
7.2 へパリンの併用により出血を助長する危険性のある場合は本剤の単独投与を行うこと。
7.3 本剤の使用にあたっては、少なくとも2日以上使用してその効果を判定し、使用の継続を判断すること。
<アンチトロンビンIII低下を伴う汎発性血管内凝固症候群(DIC)>
7.4 ヘパリンの1日持続点滴は、通常10,000単位が適当と考えられるが、臨床症状により適宜増減すること。ただし、ヘパリンの投与は1時間あたり500単位を超えないこと。
<アンチトロンビンIII低下を伴う門脈血栓症>
7.5 追加投与は、本剤を5日間投与した後に経過を観察し、腹部超音波検査、CT検査等により効果の判定を行い、縮小傾向が認められたものの効果が不十分な場合に実施すること。本剤投与による効果が認められない場合は、追加投与はせずに、他の治療法を考慮すること。

5.効能又は効果に関連する注意

<アンチトロンビンIII低下を伴う汎発性血管内凝固症候群(DIC)>
5.1 本剤を、緊急措置以外の治療に使用する場合にあたっては、患者のアンチトロンビンIII値が正常の70%以下に低下している場合においても、本剤の投与が医療上必要であると判断されたときに使用すること。
<アンチトロンビンIII低下を伴う門脈血栓症>
5.2 完全閉塞した門脈血栓症、陳旧性の門脈血栓症に対する本剤の有効性は期待できないので、他の治療法を考慮すること。[17.1.1参照]

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
抗凝固剤
トロンボモデュリンアルファ(遺伝子組換え)製剤、ワルファリンカリウム等
本剤の作用が増強するおそれがある。併用により、抗凝固作用が相加的に作用する。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)
呼吸困難、喘鳴、胸内苦悶、血圧低下、チアノーゼ等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.1~5%未満頻度不明
過敏症発疹じん麻疹等
皮膚注射部位皮膚炎、注射部位炎症
肝臓AST、ALTの上昇等
消化器悪心嘔気、嘔吐
血液凝固因子異常、PT-INR(国際標準比)増加
その他血尿、頭痛、発熱、好酸球数増加悪寒、胸部不快感
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