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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • <適応菌種>

    • 本剤の活性本体(ulifloxacin)に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、赤痢菌、サルモネラ属(チフス菌、パラチフス菌を除く)、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、コレラ菌、インフルエンザ菌、緑膿菌、ペプトストレプトコッカス属
  • <適応症>

    • 表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肛門周囲膿瘍、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、胆嚢炎、胆管炎、感染性腸炎、コレラ、子宮内感染、子宮付属器炎、麦粒腫、中耳炎、副鼻腔炎

用法・用量

  • 通常、成人に対して、プルリフロキサシンとして1回264.2mg(活性本体として200mg)を1日2回経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1回用量は396.3mg(活性本体として300mg)を上限とする。
  • 肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染には、プルリフロキサシンとして1回396.3mg(活性本体として300mg)を1日2回経口投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]
  • 2.3 小児等[9.7参照]
  • 2.4 フェンブフェン、フルルビプロフェン アキセチル、フルルビプロフェンを投与中の患者[10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者
痙攣を起こすおそれがある。[10.2、11.1.14参照]
9.1.2 重症筋無力症の患者
症状を悪化させることがある。[11.1.16参照]
9.1.3 大動脈瘤又は大動脈解離を合併している患者、大動脈瘤又は大動脈解離の既往、家族歴若しくはリスク因子(マルファン症候群等)を有する患者
必要に応じて画像検査の実施を考慮すること。海外の疫学研究において、フルオロキノロン系抗菌薬投与後に大動脈瘤及び大動脈解離の発生リスクが増加したとの報告がある。[8.3、11.1.6参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 高度の腎機能障害のある患者
投与量を減ずるか、投与間隔をあけて使用すること。高い血中濃度が持続するおそれがある。[10.2、16.6.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。[2.2参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
投与しないこと。動物実験(若齢ラット、若齢イヌ)で関節異常が認められている。小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。[2.3参照]
9.8 高齢者
9.8.1 腱障害があらわれやすいとの報告がある。[10.2、11.1.7参照]
9.8.2 投与量を減ずるか投与間隔をあけるなど慎重に投与すること。高齢者での薬物動態試験で、半減期の延長が認められており、高い血中濃度が持続するおそれがある。[10.2、16.6.2参照]

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
8.2 本剤の使用にあたっては、定められた用法・用量を守り、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。[15.2参照]
8.3 大動脈瘤、大動脈解離を引き起こすことがあるので、観察を十分に行うとともに、腹部、胸部又は背部に痛み等の症状があらわれた場合には直ちに医師の診察を受けるよう患者に指導すること。[9.1.3、11.1.6参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

5.効能・効果に関連する注意

<咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、感染性腸炎、副鼻腔炎>
「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
本剤は内服後小腸上部より吸収され、腸管組織中、門脈血中及び肝臓通過時に加水分解されて、活性本体であるulifloxacinとして全身に分布するプロドラッグ型の薬剤である。健康成人に132.1、264.2及び528.4mgを空腹時単回経口投与した後の血漿中ulifloxacin濃度は図1のとおりで、薬物動態パラメータは表1のとおりであった。
※本剤の承認された1回用量は264.2~396.3mgである。
図1 健康成人におけるプルリフロキサシン単回経口投与後の血漿中ulifloxacin濃度
表1 健康成人における薬物動態パラメータ
投与量(mg)例数Tmax(hr)Cmax(μg/mL)T1/2(hr)AUC0-∞(μg・hr/mL)
132.161.3±0.90.68±0.337.7±2.03.99±1.51
264.260.7±0.31.09±0.418.9±1.66.41±1.75
528.460.7±0.31.88±0.607.9±1.69.72±3.55
Mean±S.D.
16.3 分布
16.3.1 蛋白結合率
限外濾過法により測定したヒト血清蛋白との結合率は、ulifloxacin濃度0.1~10μg/mLの範囲で50.9~52.1%であった(in vitro)。
16.3.2 組織移行性
患者に264.2mgを経口投与した後の前立腺、胆嚢、女性性器、皮膚組織、耳鼻咽喉組織、眼組織、喀痰中の最高ulifloxacin濃度は1.21~8.25μg/g(mL)、血清中濃度に対する比は1.79~58.2と良好な移行性が確認された。
16.4 代謝
本剤は腸管組織中、門脈血中及び肝臓中で主としてulifloxacinに代謝された。ulifloxacinの代謝物としては、血漿中及び尿中にピペラジニル基の修飾体及びグルクロン酸抱合体が認められた。
16.5 排泄
健康成人に132.1及び264.2mg投与した後24時間までの累積尿中ulifloxacin排泄率はそれぞれ43.1及び36.2%であった。反復投与による蓄積性は認められなかった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者の薬物動態
腎機能障害患者に264.2mgを食後単回経口投与した後の薬物動態パラメータは、表2のとおりであった。腎機能障害患者では健康成人と比較し、血清中ulifloxacin濃度半減期の延長、AUCの増大及び24時間累積尿中ulifloxacin排泄率の低下が認められた。[9.2.1参照]
表2 腎機能障害患者における薬物動態パラメータ
患者条件[Ccr(mL/min)]例数T1/2(hr)AUC0-∞(μg・hr/mL)24時間累積尿中排泄率(%)
40≦Ccr<7039.5±3.915.0±6.230.8±4.9
20≦Ccr<40313.9±2.318.8±10.513.2±8.5
Ccr<20133.742.82.6
Mean±S.D.
16.6.2 高齢者の薬物動態
高齢者に264.2mgを食後単回経口投与した後の薬物動態パラメータは、表3のとおりであった。高齢者では健康成人と比較し、血清中ulifloxacin濃度半減期の延長、AUCの増大及び24時間累積尿中ulifloxacin排泄率の低下が認められた。[9.8.2参照]
表3 高齢者における薬物動態パラメータ
患者条件[Ccr(mL/min)]例数T1/2(hr)AUC0-∞(μg・hr/mL)24時間累積尿中排泄率(%)
65歳以上で50≦Ccr411.8±2.514.5±2.826.1±5.1
Mean±S.D.

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
フェンブフェン
フルルビプロフェン アキセチル
(ロピオン)
フルルビプロフェン
(フロベン等)
[2.4参照]
痙攣を起こすおそれがある。本剤のGABAA受容体結合阻害作用が増強され、痙攣が誘発されると考えられる。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
テオフィリン
アミノフィリン水和物等
[9.2.1、9.8.2参照]
テオフィリンの血中濃度を上昇させ、その作用を増強させることがある。併用する場合にはテオフィリンを減量するなど適切な処置を行う。軽度なCYP1A阻害作用によりテオフィリンの肝での代謝を抑制し、血中濃度を上昇させると考えられる。高齢者、腎障害のある患者では特に注意する。
フェニル酢酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤(ただしフェンブフェンは併用禁忌)
ジクロフェナク等
プロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤(ただしフルルビプロフェン アキセチル及びフルルビプロフェンは併用禁忌)
ケトプロフェン等
[9.1.1、9.2.1、9.8.2、11.1.14参照]
痙攣を起こすおそれがある。症状が認められた場合、両剤の投与を中止するなど適切な処置を行う。本剤のGABAA受容体結合阻害作用が増強され、痙攣が誘発されると考えられる。
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者、高齢者、腎障害のある患者では特に注意する。
アルミニウム又はマグネシウム含有の制酸剤
酸化マグネシウム等
鉄剤
クエン酸第一鉄ナトリウム等
カルシウム含有製剤
沈降炭酸カルシウム、L-アスパラギン酸カルシウム水和物等
本剤の効果が減弱されるおそれがある。これらの薬剤を投与する場合は、本剤投与後2時間以上あけるなど注意すること。これらの薬剤の金属イオンとキレートを形成し、吸収を阻害すると考えられる。
H2-受容体拮抗剤
シメチジン等
プロトンポンプ阻害剤
オメプラゾール等
本剤の効果が減弱されるおそれがある。これらの薬剤により胃内pHが上昇し、本剤の溶解性が低下した結果、吸収が低下すると考えられる。
副腎皮質ホルモン剤(経口剤及び注射剤)
プレドニゾロン
ヒドロコルチゾン等
[9.8.1、11.1.7参照]
腱障害のリスクが増大するとの報告がある。これらの薬剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみとすること。機序不明

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
呼吸困難、血圧低下、全身発赤、蕁麻疹、顔面の浮腫等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.2 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑(いずれも頻度不明)
11.1.3 横紋筋融解症(0.1%未満)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれることがある。
11.1.4 間質性肺炎(頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施し、異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.5 低血糖(頻度不明)
意識レベル低下、痙攣、全身倦怠感等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。高齢者、腎障害患者、糖尿病患者であらわれやすい。
11.1.6 大動脈瘤、大動脈解離(いずれも頻度不明)[8.3、9.1.3参照]
11.1.7 アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害(頻度不明)
腱周辺の痛み、浮腫、発赤等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[9.8.1、10.2参照]
11.1.8 せん妄、記憶障害等の精神症状(頻度不明)
11.1.9 汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少(いずれも頻度不明)
11.1.10 急性腎障害等の重篤な腎障害(頻度不明)
11.1.11 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
11.1.12 心室頻拍(Torsade de pointesを含む)、QT延長(いずれも頻度不明)
11.1.13 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(頻度不明)
腹痛、頻回の下痢等があらわれることがある。
11.1.14 痙攣(頻度不明)[9.1.1、10.2参照]
11.1.15 血管炎(頻度不明)
11.1.16 重症筋無力症の悪化(頻度不明)[9.1.2参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.1~5%未満0.1%未満頻度不明
過敏症発疹湿疹、そう痒感、蕁麻疹浮腫、光線過敏症
腎臓BUN、クレアチニンの上昇、血尿
肝臓AST、ALT、Al-P、LDH、γ-GTP、LAP、ビリルビンの上昇
消化器腹痛、下痢、嘔気、嘔吐、食欲不振、消化不良、口内炎便秘、口角炎
血液白血球減少、血小板減少、好酸球増多
精神神経系頭痛、めまい不眠、眠気
その他胸痛、脱力感、CK上昇発熱、耳鳴、呼吸困難、動悸、筋肉痛、倦怠感、ほてり、結膜充血
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