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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 磁気共鳴コンピューター断層撮影における肝腫瘍の局在診断のための肝臓造影

用法・用量

  • 通常、成人には本剤0.016mL/kg(鉄として0.45mg/kg=8μmol/kg)を静脈内投与する。ただし、投与量は1.4mLまでとする。過剰量の投与あるいは追加投与はしないこと。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分又は鉄注射剤に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 一般状態の極度に悪い患者[種々の危険性が予測される。]
  • 2.3 ヘモクロマトーシス等鉄過剰症の患者[本剤の鉄により症状が悪化するおそれがある。]
  • 2.4 出血している患者[出血症状を悪化させるおそれがある。]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギーを起こしやすい体質を有する患者[8.3参照]
9.1.2 貧血治療のため鉄剤を投与している患者
鉄過剰症を起こすおそれがある。
9.1.3 出血傾向のある患者(抗血小板剤、血液凝固阻止剤等を投与中の患者を含む)
出血傾向を増強するおそれがある。
9.1.4 発作性夜間血色素尿症の患者
溶血を誘発するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 ショック、アナフィラキシー等が発現することがあるので、救急処置の準備を行うとともに、本剤の投与後も患者の状態を十分に観察すること。[11.1.1参照]
8.2 外来患者に使用する場合には、本剤投与開始より1時間~数日後にも遅発性副作用の発現の可能性があることを患者に説明した上で、頭痛、倦怠感、発疹、蕁麻疹、下肢のしびれ、冷汗、血圧上昇、腰痛、胸膜刺激症状、鼻出血、発熱等の本剤の副作用と思われる症状が発現した場合には、速やかに主治医に連絡するように指示するなど適切な対応をとること。
8.3 投与にあたっては、アレルギー体質などについて十分な問診を行うこと。[9.1.1参照]
8.4 本剤投与後に血清フェリチンの上昇及び肝MR信号低下の持続がみられるので、再度投与してMRI検査を行う場合には、前回の投与より3週間以上経過してから行うこと。本剤の再度投与の使用経験はない。
他院からの紹介患者あるいは転院患者で本剤による検査を行う場合には、必要に応じ、本剤あるいは類薬の前回投与歴を問診、医療機関への問い合わせにより確認すること。[16.8参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意
14.1.1 本剤は添付のフィルター(孔径5μm)を必ず接続して投与すること。
14.1.2 投与に際しては、血管外に漏出しないよう十分注意すること。血管外に漏出した場合には、漏出部位周囲に色素沈着が生じることがある。
14.1.3 本剤は赤褐色で血液の逆流を確認することができないので、生理食塩液を満たした翼状針あるいはエラスター針を用い、チューブ内への静脈からの血液の逆流により針が静脈内にあることを確認してから投与すること。
14.1.4 本剤投与は、チューブ内に残存する本剤を適量の生理食塩液の追加投与によって完了すること。
14.1.5 他の薬剤と混合して投与しないこと。配合変化を起こすおそれがある。
14.2 薬剤開封後の注意
1回の検査にのみ使用すること。
14.3 診断上の注意
14.3.1 本剤のT2強調MR画像における造影効果は、投与後10分から認められ、8時間後まで持続する。本剤のT1強調画像における肝信号への影響は、投与後48時間には認められていない。
14.3.2 肝結節の良・悪性の判断を行う際、肝細胞癌(特に高分化型肝細胞癌)の中にはクッパー細胞を有し、本剤を取り込み病巣が不明瞭になるものがあるので、本剤投与前のMR画像を参考とし診断すること。また、肝細胞癌の中には、投与前・後のMR画像上で肝実質と等信号となり検出されない結節がある可能性を考慮して、診断すること。

5.効能又は効果に関連する注意

本剤あるいは類薬の投与歴がある場合は、本剤投与前の単純MR画像、特にT2強調画像での肝臓の信号における前回投与の影響を考慮し、本剤投与の適否を判断すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人男子に本剤0.02mL/kg(鉄として10μmol/kg)を静注したところ、血中から二相性に速やかに消失し、血漿中半減期はα相6分、β相3.5時間であった。投与48時間後には検出限界(1.91μmol/L)以下となった。
(注:本剤の承認用量は0.016mL/kg=8μmolFe/kgである。)
16.8 その他
16.8.1 肝信号の推移
健康成人男子に本剤0.02mL/kg(鉄として10μmol/kg)を投与後、肝SNRはT2強調Spin Echo法では3週後に投与前値の80%以上に回復し、T2Gradient Echo法では1週後に約80%に回復した。肝細胞癌19例に本剤0.02mL/kg(鉄として10μmol/kg)投与24あるいは48時間後にT2強調Spin Echo撮像を行った結果では、投与前SNRの約60%までの回復がみられた。[8.4参照]
(注:本剤の承認用量は0.016mL/kg=8μmolFe/kgである。)

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、顔面浮腫、発赤、喉頭浮腫、痙攣等)があらわれることがある。[8.1参照]
11.1.2 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1%未満注)頻度不明
過敏症発疹、蕁麻疹、発赤、そう痒感顔面潮紅
消化器嘔気嘔吐
精神神経系後頭部痛、灼熱感、頭痛、手のしびれ、下肢のしびれ
自律神経系冷汗発汗
循環器血圧上昇虚脱、血圧低下
その他鼻出血、熱感、倦怠感、腰痛、背部痛、胸膜刺激症状、発熱

注)使用成績調査を含む

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