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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 関節リウマチ

用法・用量

  • 通常、成人にはレフルノミドとして1日1回100mg錠1錠の3日間経口投与から開始し、その後、維持量として1日1回20mgを経口投与する。また、1日1回20mgの経口投与から開始することもできる。なお、維持量は、症状、体重により適宜1日1回10mgに減量する。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤の投与において、重篤な副作用(間質性肺炎、汎血球減少症、肝不全、急性肝壊死、感染症等)により、致死的な経過をたどることがあるので、緊急時に十分に措置できる医療施設及び本剤についての十分な知識とリウマチ治療の経験をもつ医師が使用すること。
  • 1.2 間質性肺炎、肺線維症等の肺障害、日和見感染による肺炎の合併又は既往歴のある患者で間質性肺炎が急速に増悪して致死的な経過をたどる症例が報告されている。このため、本剤による治療を開始するにあたり、間質性肺炎、肺線維症等の肺障害、日和見感染による肺炎の合併又は既往の有無を胸部X線検査等で確認し、投与の可否を慎重に判断すること。[8.3、9.1.4参照]
  • 1.3 肝毒性、血液毒性又は免疫抑制作用を有する薬剤を最近まで投与されていたか又は投与中の患者では、副作用の発現が増加するおそれがある。したがって、本剤の投与開始にあたっては、リスクとベネフィットの両面から慎重に考慮すること。[9.1.2参照]
  • 1.4 本剤の活性代謝物A771726の消失半減期は約2週間と長いので、本剤の投与中止後、A771726の消失を待たずに肝毒性、血液毒性又は免疫抑制作用を有する薬剤を投与する際にも、副作用の発現が増加するおそれがある。[15.1.1、16.1.1参照]
  • 1.5 本剤投与中に重篤な副作用が発現した場合や他の理由により、速やかに活性代謝物A771726を消失させる必要があるときには、本剤の投与を中止し、薬物除去法を施行すること。[15.1.1参照]
  • 1.6 本剤の投与に際しては、患者に対して本剤の危険性や本剤の投与が長期間にわたることを十分説明した後、患者が理解したことを確認したうえで投与を開始すること。
  • 1.7 本剤の投与に際しては、副作用の発現の可能性について患者に十分理解させ、下記の症状が認められた場合には服用を中止するとともに直ちに医師に連絡し、指示を仰ぐよう注意を与えること。
    • 咳嗽、発熱、呼吸困難、発疹、皮膚そう痒感、口内炎、倦怠感、黄疸
  • 1.8 本剤による治療を開始する前に、非ステロイド性抗炎症剤及び他の抗リウマチ剤による治療を検討し、リスクとベネフィットを考慮してから本剤の使用を開始すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 妊婦、妊娠している可能性のある女性又は授乳中の女性[9.4.1、9.5、9.6参照]
  • 2.3 慢性肝疾患のある患者[9.3.1参照]
  • 2.4 活動性結核の患者[症状を悪化させるおそれがある。]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 貧血、白血球減少症、血小板減少症を伴う患者、骨髄機能低下患者、骨髄抑制の起こりやすい患者
血液障害の発現が増加するおそれがある。[8.2参照]
9.1.2 肝毒性、血液毒性又は免疫抑制作用を有する薬剤を最近まで投与されていたか、又は現在投与中の患者
本剤の投与開始にあたっては、リスクとベネフィットの両面から慎重に考慮すること。副作用の発現を助長するおそれがある。[1.3、8.1、10.2参照]
9.1.3 重症感染症又は重症免疫不全(AIDS等)の患者
免疫機能を抑制し、感染症を増悪させるおそれがある。
9.1.4 間質性肺炎、肺線維症等の肺障害、日和見感染による肺炎又はそれらの既往歴のある患者
間質性肺炎が増悪し致死的な経過をたどる例が報告されている。[1.2、8.3参照]
9.1.5 結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部X線検査上結核治癒所見のある患者)
胸部X線検査等を定期的に行うなど、結核症状の発現に十分注意すること。結核を活動化させるおそれがある。[8.4参照]
9.1.6 B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)
本剤投与に先立って、肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。本剤を投与する場合は、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある。[11.1.5参照]
9.1.7 C型肝炎ウイルスキャリアの患者
本剤投与に先立って、肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。本剤を投与する場合は、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、C型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。C型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある。[11.1.5参照]
9.2 腎機能障害患者
副作用の発現を助長するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 慢性肝疾患のある患者
投与しないこと。副作用が強くあらわれるおそれがある。[2.3参照]
9.3.2 肝疾患の既往歴のある患者
副作用の発現を助長するおそれがある。
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 妊娠する可能性のある女性には、投与中及び、投与終了後安全な妊娠が可能になるまでの期間、避妊をさせること。[2.2、9.4.2、9.4.3、9.5、15.1.1、16.7.2参照]
9.4.2 本剤の投与を開始する前に、患者が妊娠していないことを確認すること。[9.4.1、9.4.3、9.5、16.7.2参照]
9.4.3 本剤投与中に妊娠を希望する女性には、投与を中止すること。なお、薬物除去法を施行することが望ましい。[9.4.1、9.4.2、9.5、15.1.1、16.7.2参照]
9.4.4 男性に投与する場合には、投与期間中避妊するよう注意を与えること。[15.1.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット及びウサギ)で催奇形性作用が報告されている。[2.2、9.4.1-9.4.3参照]
9.6 授乳婦
授乳中の女性には投与しないこと。ラットにおいて、乳汁中に移行すること及び授乳期間中に出生児に毒性が発現することが報告されている。[2.2参照]
9.7 小児等
18歳未満の患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 重篤な肝障害(肝不全、急性肝壊死等)が起こることがあるので本剤投与開始時、投与開始後6ヵ月間は少なくとも1ヵ月に1度、その後は1~2ヵ月に1度、肝機能検査を行うこと。[9.1.2、10.2、11.1.4参照]
8.2 骨髄抑制の重篤な副作用が起こることがあるので本剤投与開始時、投与開始後6ヵ月間は2週間に1度、その後は1~2ヵ月に1度、白血球分画を含む血液学的検査を行うこと。特に、免疫抑制剤や血液毒性を有する薬剤を最近まで投与されていたか又は現在投与中の患者、貧血、白血球減少症、血小板減少症、骨髄機能低下、骨髄抑制のある患者、及びこれらの既往歴のある患者では、本剤の投与開始後6ヵ月以降も、血液学的検査を頻回に行うこと。[9.1.1、11.1.3参照]
8.3 間質性肺炎の発症又は増悪が起こることがあり、急速に悪化し、致死的な経過をたどる例が報告されている。これらの症例の中には、間質性肺炎、肺線維症等の肺障害、日和見感染による肺炎の合併又は既往歴のある患者、もしくはメトトレキサート、ブシラミンを含む他の抗リウマチ剤(DMARD)を最近まで投与されていたか又は投与中の患者が含まれていた。本剤の投与に際しては間質性肺炎、肺線維症等の肺障害、日和見感染による肺炎の合併又は既往の有無を確認した上で投与を開始すること。[1.2、9.1.4、11.1.7、15.1.1参照]
8.4
本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部X線検査に加え、インターフェロン-γ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談すること。以下のいずれかの患者には、原則として抗結核薬の投与をした上で、本剤を投与すること。[9.1.5参照]
・胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者
・結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者
・インターフェロン-γ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、既感染が強く疑われる患者
・結核患者との濃厚接触歴を有する患者
また、本剤投与中も、胸部X線検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核症の発現には十分に注意し、患者に対し、結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳、発熱等)には速やかに主治医に連絡するよう説明すること。なお、結核の活動性が確認された場合は本剤を投与しないこと。
8.5 本剤投与中の生ワクチンの接種は、安全性が確認されていないので避けること。また、本剤の投与中止後に生ワクチンを接種する場合も、本剤の体内からの消失が遅いことを考慮すること。
8.6 血圧が上昇することがあるので、本剤の投与開始前及び投与中は定期的に血圧を測定すること。
8.7 本剤並びに疾患の特性を考慮して、治療にあたっては経過を十分に観察し、漫然と投与を継続しないこと。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
14.1.2 本剤は十分量の水で噛まずに服用するよう指導すること。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 100mg錠の投与にあたっては、初期投与としてのみ使用すること。なお、本剤1日100mgの初期投与を行った患者では、行わない患者よりも副作用の発現率が高かったとする報告があるため、特に注意すること。[17.2.1、17.2.2参照]
7.2 患者背景(例えば体重50kg未満の非喫煙女性)によっては血中濃度が高くなる可能性があるので、リスクとベネフィットを勘案し維持量を選択すること。[16.1.3参照]
7.3 本剤1日20mg投与中にALTが基準値上限の2倍以上3倍以下に上昇した場合には、1日10mgに減量し、より頻回に肝機能検査を行うなど患者の状態を十分に観察すること。ALTが基準値上限の3倍以上に上昇した場合、又は1日10mg投与中においても2~3倍の上昇が持続した場合、本剤の投与を中止し、薬物除去法を施行する等、適切な処置を行うこと。[15.1.1参照]
7.4 本剤の効果は、通常、投与開始後2週間~3ヵ月で発現するので、少なくとも3ヵ月間は継続投与し、効果をみることが望ましい。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
日本人健康成人男子17例にレフルノミド10、20及び100mgを単回経口投与したとき、速やかに吸収され活性代謝物A771726に代謝された。A771726の半減期は14.9±5.7~16.3±3.4日であった(下表参照)。[1.4参照]
レフルノミド10、20及び100mgを単回経口投与したときの血漿中A771726濃度推移(平均±S.D.,n=6、100mg投与群のみn=5)
レフルノミド10、20及び100mgを単回経口投与したときの血漿中A771726の薬物動態パラメータ
投与量Cmax(μg/mL)Tmax(h)AUC0-t(μg・h/mL)t1/2β(day)CL(mL/min)
10mg1.07±0.141.8±0.7361±9315.9±3.00.49±0.16
20mg2.10±0.132.3±1.3741±18816.3±3.4注10.48±0.12
100mg10.61±1.173.2±0.83530±142314.9±5.7注1)0.52±0.16
2-コンパートメントモデルによる解析平均±S.D.,n=6、100mg投与群のみn=5注1)20mg投与群:n=5、100mg投与群:n=4(各群1例で2-コンパートメントモデルの適合が不十分であったため)
16.1.2 反復投与
日本人関節リウマチ患者を対象に、レフルノミドを初期投与量として100mg1日1回3日間(10mg投与群では100mg1日1回2日間)、その後維持量として20mg1日1回(10mg投与群では10mg1日1回)約28週間反復経口投与したとき、血漿中A771726は10mg群では2週時以降ほとんど安定した濃度を示していたが、20mg群では投与後約16週以降、定常状態に達し、定常状態の血漿中A771726濃度は10mg群及び20mg群でそれぞれ約23.9μg/mL及び約43.0μg/mL(28週時の平均値)を示した。
レフルノミド10及び20mgを反復経口投与したときの血漿中A771726濃度推移(平均±S.D.)
16.1.3 患者背景因子による定常状態血漿中A771726濃度の比較
患者の背景因子別に定常状態血漿中A771726濃度の層別解析を行った。対象は国内試験の20mg群(78例)及び海外の2試験(133例及び501例)とし、それぞれの結果を下表に示した。[7.2参照]
要因Css(μg/mL)
喫煙注2非喫煙者 (N=386)41.8±26.5
喫煙者 (N=145)28.8±21.0
性別女性 (N=437)41.8±27.2
男性 (N=173)32.3±21.7
肝機能障害の既往歴・合併症なし (N=584)38.6±25.0
あり (N=26)49.3±43.2
高脂血症の既往歴・合併症なし (N=593)38.6±25.2
あり (N=17)54.6±47.1
体重80kg以上 (N=138)35.8±24.4
70~80kg未満 (N=153)39.8±27.6
60~70kg未満 (N=143)39.3±23.2
50~60kg未満 (N=123)40.5±29.2
50kg未満 (N=42)43.8±25.3
平均±S.D.注2)喫煙は海外試験のみが対象
16.2 吸収
16.2.1 バイオアベイラビリティ
外国人健康成人男子にA771726を経口投与したときのバイオアベイラビリティが95.8%と高かったことより、胆汁中に排泄されたA771726が腸管から再吸収を受けること(腸肝循環)が示唆された。
16.2.2 食事の影響
日本人健康成人男子5例にレフルノミド20mgをクロスオーバー法にて空腹時及び食後に単回経口投与したとき、食後投与でTmaxが2.1時間から6.4時間へ、Lag timeが0.1時間から1.1時間に延長したが、Cmax及びAUCには有意な差が認められなかった。
16.3 分布
16.3.1 蛋白結合率
A771726(100μg/mL)の健康成人における蛋白結合率は99.38%であった。結合蛋白はアルブミンであることが示唆された。
A771726と他剤とのヒト血漿蛋白結合における競合について検討した結果、臨床的血漿中濃度の範囲においてワルファリン、イブプロフェン及びジクロフェナクはA771726の結合率にほとんど影響を及ぼさなかったが、トルブタミドでは400μg/mL添加時にA771726の非結合率が約3倍に増加した。
16.4 代謝
日本人健康成人男子にレフルノミドを単回又は反復経口投与した結果、速やかに代謝され、血漿中には大部分が活性代謝物A771726として存在した。また、極めて微量の中間代謝物4-TFMA(4-trifluoromethylaniline)が測定されたが、未変化体はほとんど検出されなかった。
16.5 排泄
外国人健康成人男子3例に14C-レフルノミド100mgを単回経口投与した結果、投与後28日までの尿中累積放射能回収率は42.8%であり、糞便中からは48.2%回収された。尿中及び糞便中に未変化体は存在しなかった。
日本人健康成人男子にレフルノミド投与後コレスチラミンを経口投与することによって血漿中A771726の消失半減期が1/10以下(22.5時間)に短縮したことから、A771726が胆汁中に排泄され、腸管から再吸収される過程で、コレスチラミンに吸着され糞便中に排泄されるものと考えられた。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者での体内動態
外国人肝機能障害患者(Child-pugh分類でA又はB)20例を対象にレフルノミド100mgを単回経口投与したときの血漿中A771726の薬物動態パラメータ(平均±S.D.)は、Cmax9.9±2.9(μg/mL)、AUC3319±1561(μg・h/mL)、消失半減期11.8±5.0(day)であった。
16.6.2 高齢者での体内動態
日本人関節リウマチ患者を対象として実施された二重盲検用量反応性試験における高齢者の薬物動態パラメータは、非高齢者とほぼ同様であった。
高齢者及び非高齢者における薬物動態パラメータ
対象Vd(L)CL(mL/h)t1/2(day)
高齢者(51例)10.5±8.432.1±17.913.5±13.1
非高齢者(176例)9.7±5.723.9±12.315.0±9.8
1-コンパートメントモデルによる解析Vd:体内分布容積 CL:クリアランス t1/2:消失半減期 平均±S.D.
16.7 薬物相互作用
16.7.1 リファンピシン
外国人健康成人男子を対象に、レフルノミド100mgを単独経口投与したときと、リファンピシン600mgを1日1回12日間反復投与しその8日目にレフルノミド100mgを単回経口投与したときの血漿中A771726の濃度推移を比較した。その結果、併用投与時のCmax及びAUCは、単独投与時の8.17μg/mL及び732μg・h/mLから11.4μg/mL及び810μg・h/mLにそれぞれ上昇した。[10.2参照]
16.7.2 経口避妊薬
外国人健康成人女性32例を対象に、レフルノミドと経口避妊薬併用投与時の血清中プロゲステロン濃度に及ぼす影響を検討した。レフルノミドと経口避妊薬併用時において、排卵を認めなかった。[9.4.1-9.4.3参照]
16.7.3 薬物代謝酵素に関わる薬物相互作用試験
ヒトP450分子種の遺伝子発現系及び肝組織標本を用いたin vitro試験系において、レフルノミドからA771726への変換活性はCYP3A4が最も高かったが、他のP450分子種(CYP1A2、CYP2C9、CYP2C19及びCYP2D6)も活性を有すること、及びA771726の代謝においてもCYP3A4が関与することが確認された。
また、A771726がCYP2C9による代謝反応(トルブタミド4-水酸化酵素活性及びジクロフェナク4'-水酸化酵素活性)を阻害することが示されたが、それらのIC50値(それぞれ17.7及び63.7μmol/L)はin vivoにおけるヒト血漿中のA771726遊離濃度に比べて高かった。[10.参照]
16.8 その他
16.8.1 血漿中A771726の除去法(コレスチラミン)
日本人健康成人男子12例にレフルノミド100mgを3日間反復経口投与し、その後コレスチラミン無水物として4g1日3回、8g1日3回を10日間反復投与した。その結果、A771726濃度は速やかに低下し、消失半減期は通常の約14日間からそれぞれ35.7±8.7時間及び22.5±2.8時間(平均±S.D.)に短縮した。[15.1.1参照]
16.8.2 血漿中A771726の除去法(薬用炭)
外国人健康成人にレフルノミド投与後、薬用炭(50g×3回)を投与したとき、血漿中A771726濃度は速やかに低下した(消失半減期が240時間から29時間に短縮)。[15.1.1参照]

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ワルファリンプロトロンビン時間が延長したとの報告症例がある。
血中プロトロンビン活性を基に、ワルファリンを減量する。
A771726がワルファリンの主代謝酵素であるCYP2C9を阻害することにより、ワルファリンの血中濃度が上昇するおそれがある。
コレスチラミン
薬用炭
[15.1.1参照]
A771726の体内からの消失を促進し、本剤の作用を減弱させることがある。コレスチラミン(陰イオン交換樹脂)は本剤の活性代謝物A771726を吸着する。A771726は体内で腸肝循環しているため、腸管内でA771726を吸着し、血中濃度を低下させる。薬用炭についても、同様の作用機序と考えられる。
免疫抑制剤
副腎皮質ホルモン剤等
[9.1.2参照]
免疫抑制作用が増強され、感染症を誘発する可能性がある。共に免疫抑制作用を有するため。
抗リウマチ剤
(DMARD)
メトトレキサート等
[9.1.2参照]
骨髄抑制、肝障害の副作用が増強される可能性がある。共に骨髄抑制、肝障害の副作用を有するため。
リファンピシン
[16.7.1参照]
外国人健康成人を対象に行った併用試験(単回経口投与)において、A771726のCmaxが上昇したとの報告がある。リファンピシンがCYP3A4を誘導することによりレフルノミドからA771726への代謝が促進されると考えられる。
アルコール
[8.1、11.1.4参照]
本剤の投与中はアルコール摂取を避けることが望ましい。アルコールによる肝障害を助長させるおそれがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
なお、これらの副作用は早期(投与開始後8週間以内)にあらわれる傾向があり、軽度又は中等度でかつ可逆的であることが多かったが、観察を十分に行うこと。
11.1.1 アナフィラキシー(0.06%)
11.1.2 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.06%)、中毒性表皮壊死融解症(頻度不明)、皮膚潰瘍(頻度不明)
本剤の投与を中止すること。なお、薬物除去法を施行することが望ましい。[15.1.1参照]
11.1.3 汎血球減少症(0.06%)
初期症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し血液検査を行うなど適切な処置を行うこと。薬物除去法を施行することが望ましい。[8.2、15.1.1参照]
11.1.4 肝不全(頻度不明)、急性肝壊死(頻度不明)、肝炎(0.06%)、肝機能障害(0.3%)、黄疸(0.06%)
致死的な肝不全、急性肝壊死が報告されている。ALTが基準値上限の2~3倍に持続的に上昇した場合又は3倍以上に上昇した場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。薬物除去法を施行することが望ましい。[8.1、10.2、15.1.1参照]
11.1.5 感染症(0.65%)
重篤な感染症(肺炎(カリニ肺炎を含む)(0.29%)、敗血症(0.06%)等)があらわれることがある。致死的な感染症、敗血症、日和見感染が報告されており、また、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎やC型肝炎の悪化も報告されているので、患者の全身状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。薬物除去法を施行することが望ましいが、その場合、経口の抗生物質製剤は吸収が阻害されるおそれがあるため、注射剤を使用すること。[9.1.6、9.1.7、15.1.1参照]
11.1.6 結核(頻度不明)[15.1.1参照]
11.1.7 間質性肺炎(頻度不明)
致死的な間質性肺炎が報告されているので、発熱、咳嗽、呼吸困難等の臨床症状やKL-6、CRP、LDH等の検査値に十分に注意すること。異常が認められた場合には、速やかに胸部X線等の検査、動脈血酸素分圧(PaO2)の検査等を実施し、本剤の投与を中止するとともにカリニ肺炎との鑑別診断(β-Dグルカンの測定等)を考慮に入れ、薬物除去、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。[8.3、15.1.1参照]
11.1.8 膵炎(頻度不明)
重篤な膵炎が報告されている。[15.1.1参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
なお、これらの副作用は早期(投与開始後8週間以内)にあらわれる傾向があり、軽度又は中等度でかつ可逆的であることが多かったが、観察を十分に行うこと。

10%以上1~10%未満1%未満頻度不明
消化器下痢嘔気、腹痛、口内炎、胃腸障害、嘔吐、口腔内潰瘍形成、食欲不振、消化不良大腸炎、便秘、胃炎、腹部膨満顕微鏡的大腸炎
肝臓ALT増加、AST増加、γ-GTP増加、血中アルカリホスファターゼ増加血中ビリルビン増加、血中乳酸脱水素酵素増加
循環器高血圧胸痛
血液白血球減少症貧血、好酸球増加症、血小板減少症
精神神経系頭痛、めまい口内乾燥、多汗症、不安感覚異常
皮膚脱毛症、発疹、そう痒症、爪の障害、皮膚乾燥蕁麻疹皮膚エリテマトーデス、膿疱性乾癬
代謝低カリウム血症、高脂血症
呼吸器系上気道感染、咳嗽、気管支炎鼻炎
泌尿器・生殖器系蛋白尿、尿沈渣異常尿路感染、月経障害
その他発熱、体重減少、無力症味覚異常、血管炎、末梢性ニューロパシー
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