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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 下記疾患における他の抗HIV薬との併用療法

    • HIV感染症

用法・用量

  • 通常、成人には他の抗HIV薬と併用して、ラミブジンとして1日量300mgを1日1回又は2回(150mg×2)に分けて経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 膵炎を発症する可能性のある小児の患者(膵炎の既往歴のある小児、膵炎を発症させることが知られている薬剤との併用療法を受けている小児)では、本剤の適用を考える場合には、他に十分な効果の認められる治療法がない場合にのみ十分注意して行うこと。これらの患者で膵炎を疑わせる重度の腹痛、悪心・嘔吐等又は血清アミラーゼ、血清リパーゼ、トリグリセリド等の上昇があらわれた場合は、本剤の投与を直ちに中止すること。[8.4、9.7、11.1.2参照]
  • 1.2 B型慢性肝炎を合併している患者では、本剤の投与中止により、B型慢性肝炎が再燃するおそれがあるので、本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。特に非代償性の場合、重症化するおそれがあるので注意すること。[9.1.1参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 B型肝炎ウイルス感染を合併している患者
本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。B型慢性肝炎を合併している患者では、本剤の投与中止により、B型慢性肝炎が再燃するおそれがある。特に非代償性の場合、重症化するおそれがある。[1.2参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 腎機能障害(Ccrが50mL/min未満)を有する患者
Ccrを測定し、減量するか又は投与間隔を延長すること。高い血中濃度が持続するおそれがある。[7.4参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
本剤はヒト胎盤を通過する。出生児の血清中ラミブジン濃度は、分娩時の母親の血清中及び臍帯血中の濃度と同じであることが報告されている(外国人データ)。
動物実験(ウサギ)で胎児毒性(早期の胚死亡数の増加)が報告されている。
ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTI)を子宮内曝露又は周産期曝露された新生児及び乳児において、ミトコンドリア障害によると考えられる軽微で一過性の血清乳酸値の上昇が報告されている。
非常にまれに発育遅延、てんかん様発作、他の神経疾患も報告されている。しかしながら、これら事象とNRTIの子宮内曝露、周産期曝露との関連性は確立していない。
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。
経口投与されたラミブジンはヒト乳汁中に排泄されることが報告されている(乳汁中濃度:<0.5-8.2μg/mL)(外国人データ)。
ラミブジンの母体血漿中濃度に対する乳汁中濃度の比は0.6~3.3であることが報告されている(外国人データ)。
乳児の血清中のラミブジン濃度は18~28ng/mLであったとの報告がある(外国人データ)。
9.7 小児等
小児等を対象とした本剤と他の抗HIV薬との併用投与の安全性及び有効性を指標とした臨床試験は実施していない。
膵炎を発症する可能性のある小児の患者(膵炎の既往歴のある小児、膵炎を発症させることが知られている薬剤との併用療法を受けている小児)では、本剤の適用を考える場合には、他に十分な効果の認められる治療法がない場合にのみ十分注意して行うこと。[1.1、8.4、11.1.2参照]
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがある。本剤は、主として未変化体として腎から排泄される。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の使用に際しては、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、患者又は患者に代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。
・本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化については、すべて担当医に報告すること。
8.2 重篤な血液障害、乳酸アシドーシス、脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)、横紋筋融解症、ニューロパシー、錯乱、痙攣、心不全があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。[11.1.1、11.1.3-11.1.6参照]
8.3 本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築症候群が報告されている。投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること。
8.4 膵炎が発症する可能性があるので、血清アミラーゼ、血清リパーゼ、トリグリセリド等の生化学的検査を定期的に行うこと。[1.1、9.7、11.1.2参照]

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤と他の抗HIV薬との併用療法において、因果関係が特定されない重篤な副作用が発現し、治療の継続が困難であると判断された場合には、本剤若しくは併用している他の抗HIV薬の一部を減量又は休薬するのではなく、原則として本剤及び併用している他の抗HIV薬の投与をすべて一旦中止すること。
7.2 本剤は単独投与しないこと。また、HIVは感染初期から多種多様な変異株を生じ、薬剤耐性を発現しやすいことが知られているので、他の抗HIV薬と併用すること[18.3参照]。
7.3 本剤の薬剤耐性プロファイル等のウイルス学的特性はエムトリシタビンと類似しているので、本剤とエムトリシタビンを含む製剤を併用しないこと。また、エムトリシタビンを含む抗HIV療法においてウイルス学的効果が得られず、HIV-1逆転写酵素遺伝子のM184V/I変異が認められた場合、エムトリシタビンを本剤に変更するのみで効果の改善は期待できない[18.3参照]。
7.4 腎機能の低下したHIV感染症患者にラミブジンを300mg単回経口投与した時、クレアチニンクリアランス(Ccr)の低下につれてAUC及び最高血中濃度が増加し、半減期が延長し、見かけの全身クリアランスが減少した。
患者の腎機能に対応する本剤の減量の標準的目安を表-1に示す(外国人データ)。[9.2.1、9.8参照]
表-1 患者の腎機能に対応する用法用量の目安
Ccr(mL/分)ラミブジンの推奨用量注)
≧50300mgを1日1回又は2回(150mg×2)
30~49150mgを1日1回
15~29初回150mg、その後100mgを1日1回
5~14初回150mg、その後50mgを1日1回
<5初回50mg、その後25mgを1日1回
注)ただし、透析患者に対するラミブジンの用法用量は算出されていない。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 無症候性ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症に関する治療開始については、CD4リンパ球数及び血漿中HIV RNA量が指標とされている。よって、本剤の使用にあたっては、患者のCD4リンパ球数及び血漿中HIV RNA量を確認するとともに、最新のガイドラインを確認すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回経口投与
健康成人76例にドルテグラビル・ラミブジン50mg・300mgを空腹時に単回経口投与した時のラミブジンの血漿中濃度の推移を図-1に、薬物動態パラメータを表-1に示した(外国人データ)。
図-1 健康成人にドルテグラビル・ラミブジンを単回経口投与した時のラミブジンの血漿中濃度の推移(平均値+標準偏差)
表-1 健康成人にドルテグラビル・ラミブジンを単回経口投与した時のラミブジンの薬物動態パラメータ
AUC0-inf(μg・h/mL)Cmax(μg/mL)Tmax(h)注1)t1/2(h)
13.59(17.99)3.22(29.30)1.00(0.50,3.50)18.63(26.85)
幾何学平均値(CV%)注1)中央値(範囲)
16.1.2 反復経口投与
HIV感染症患者6例に対し、ラミブジン150mg1日2回とジドブジン100mg1日4回を25日間以上連続経口投与した時のラミブジン、ジドブジンの血漿中薬物濃度の推移を図-2に、薬物動態パラメータを表-2に示した。ラミブジンは投与約1.3時間後に最高血漿中濃度(Cmax)平均1.55μg/mLに達し、半減期は平均2.3時間であった。
図-2 血漿中薬物濃度の推移(平均値±標準偏差、6例)
表-2 薬物動態パラメータ
Cmax(μg/mL)Tmax(h)t1/2(h)AUC0-6(μg・h/mL)AUC0-12(μg・h/mL)
ラミブジン1.547±0.3021.3±0.62.3±0.65.089±1.6926.165±2.312
ジドブジン0.549±0.2610.8±0.31.1±0.10.858±0.266
平均値±標準偏差、6例
健康成人60例に300mgを1日1回及び150mgを1日2回、それぞれ7日間反復経口投与した時の血漿中濃度推移を図-3に示した。300mg1日1回投与した時の定常状態におけるAUC0-24は150mg1日2回投与した時と生物学的に同等であった(外国人データ)。
図-3 血漿中薬物濃度の推移(平均値±標準偏差)
成人HIV感染症患者に2mg/kg注)を1日2回15日間経口投与した時、初回投与時では投与1.5時間後に最高血中濃度の1.5μg/mLに達し、半減期は2.6時間であり、15日間投与後では血中濃度は定常状態に達し、最高血中濃度は1.9μg/mLであった(外国人データ)。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
無症候性HIV感染症患者12例に対して、空腹時と食後(1,099kcal:脂肪75g、タンパク質34g、炭水化物72g)の2つの条件で、ラミブジン50mg注)を経口投与した。食後投与のラミブジンの最高血中濃度到達時間(Tmax)は3.2時間で、空腹時投与のTmaxの0.9時間と比較して遅くなり、食後投与での最高血中濃度は空腹時投与より約47%低かった。しかし、食後投与と空腹時投与のAUC間に有意な差はみられなかった(外国人データ)。
16.2.2 バイオアベイラビリティ
成人HIV感染症患者にカプセル製剤0.25~8mg/kg注)を単回経口投与した時の生物学的利用率は約82%であった(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 脳脊髄液への移行
成人HIV感染症患者に4~10mg/kg注)を1日2回2週間以上反復経口投与した時、投与2時間後の脳脊髄液中濃度は血中濃度の約6%であった(外国人データ)。
16.4 代謝
ヒトでの主代謝物はトランス-スルホキシド体(1-[(2R,5S)-trans-2-hydroxymethyl-1,3-oxathiolan-3-oxide-5-yl]cytosine)であった(外国人データ)。
16.5 排泄
成人HIV感染症患者に2mg/kg注)を経口投与した時、投与後12時間尿中にトランス-スルホキシド体が投与量の5.2%排泄された。また、血中濃度が定常状態での未変化体の尿中排泄率は投与量の約70%であり、腎排泄がラミブジンの体内からの除去の主要な経路であることが示された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 小児等
小児HIV感染症患者に4mg/kg注)を単回経口投与した時、投与2.0時間後に最高血中濃度の1.1μg/mLに達し、半減期は2.0時間であり生物学的利用率は約66%であり、成人HIV感染症患者の生物学的利用率(約82%)より低い値を示した。小児で生物学的利用率が減少する機序はわかっていない。
図-4に示すように、小児患者では年齢が上がるにつれて全身クリアランスは減少した。
図-4 ラミブジンの全身クリアランス(L/時/kg)と年齢の関係
ラミブジンのAUCは、8mg/kg/日注)を投与された小児患者と4mg/kg/日注)を投与された成人との間で同じ程度であった。また、脳脊髄液中のラミブジンの濃度は血中濃度の約13%であった(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 ジドブジン併用時の薬物動態
ラミブジンとジドブジンの併用投与を行った時、ジドブジンの最高血中濃度が28%上昇したが、ラミブジン及びジドブジンのAUCに有意な変化は認められなかった(外国人データ)。
注)本剤の承認された用法及び用量は、「通常、成人には他の抗HIV薬と併用して、ラミブジンとして1日量300mgを1日1回又は2回(150mg×2)に分けて経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。」である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
スルファメトキサゾール・トリメトプリム本剤のAUCが43%増加し、全身クリアランスが30%、腎クリアランスが35%減少したとの報告がある。腎臓における排泄がトリメトプリムと競合すると考えられている。
ソルビトール経口ソルビトール溶液(ソルビトールとして3.2g、10.2g、13.4g)とラミブジンの併用により、ラミブジンのAUCが減少した(それぞれ18%、36%、42%減少)との報告がある。ソルビトールによりラミブジンの吸収が抑制されると考えられている。

重大な副作用 

次のような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 重篤な血液障害
赤芽球癆(0.03%)、汎血球減少(0.6%)、貧血(6.1%)、白血球減少(2.2%)、好中球減少(0.8%)、血小板減少(1.2%)[8.2参照]
11.1.2 膵炎(0.3%)
血清アミラーゼ、血清リパーゼ、トリグリセリド等の検査値の上昇がみられた場合には、直ちに本剤の投与を中止すること。また、重度の腹痛、悪心・嘔吐等の症状がみられた場合にも直ちに本剤の投与を中止し、生化学的検査(血清アミラーゼ、血清リパーゼ、トリグリセリド等)及び画像診断等による観察を十分行うこと。[1.1、8.4、9.7参照]
11.1.3 乳酸アシドーシス(0.5%)、脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)(0.3%)
乳酸アシドーシス又は肝毒性が疑われる臨床症状や検査値異常が認められた場合には、本剤の投与を一時中止すること。特に、肝疾患の危険因子を有する患者においては注意すること。本剤を含むNRTIの単独投与又はこれらの併用療法により、重篤な乳酸アシドーシス(全身倦怠、食欲不振、急な体重減少、胃腸障害、呼吸困難、頻呼吸等)、肝毒性(脂肪沈着による重度の肝腫大、脂肪肝を含む)が、女性に多く報告されている。[8.2参照]
11.1.4 横紋筋融解症(0.1%)[8.2参照]
11.1.5 ニューロパシー(0.8%)、錯乱(頻度不明)、痙攣(0.1%)[8.2参照]
11.1.6 心不全(0.1%)[8.2参照]
注)発現頻度には使用成績調査の結果を含む

その他の副作用 

次のような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1%~14%未満1%未満頻度不明
血液リンパ節症、平均赤血球容積(MCV)増加、リンパ球減少
消化器下痢、嘔気、腹痛胃炎、消化不良、鼓腸放屁、嘔吐、食欲不振痔核、腹部痙直
全身症状体脂肪の再分布/蓄積(胸部、体幹部の脂肪増加、末梢部、顔面の脂肪減少、野牛肩、血清脂質増加、血糖増加)倦怠感、発熱、頭痛、疼痛、体重減少、疲労、無力症体温調節障害
肝臓肝機能検査値異常(AST、ALT等の上昇)
腎臓血清クレアチニン上昇
筋骨格関節痛、筋肉痛、筋痙直骨痛
精神神経系末梢神経障害めまい、睡眠障害、うつ病、不安感感情障害、錯感覚
代謝・内分泌系血中尿酸上昇、高乳酸塩血症アミラーゼ上昇脱水(症)
循環器心筋症
呼吸器咳、肺炎、呼吸困難、咽頭痛、気管支炎鼻炎、副鼻腔炎、耳管炎、呼吸障害、上気道炎
過敏症アレルギー反応
皮膚発疹(皮膚炎、湿疹、皮疹を含む)脱毛、そう痒、発汗、ざ瘡・毛嚢炎
その他トリグリセリド上昇・血清コレステロール上昇CK上昇、敗血症、血糖値上昇重炭酸塩上昇、重炭酸塩低下、血糖値低下、総蛋白上昇、総蛋白低下

注)発現頻度には使用成績調査の結果を含む

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