製品名 ビリアード錠300mg

一般名
Tenofovir Disoproxil Fumarate
薬効分類
抗ウイルス薬
 >抗HIV薬
価格
300mg1錠:1571.6円/錠

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • HIV-1感染症

用法・用量

  • 通常,成人にはテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩として1回300mg(テノホビル ジソプロキシルとして245mg)を1日1回経口投与する。なお,投与に際しては必ず他の抗HIV薬と併用すること。
禁忌

【警告】

  • B型慢性肝炎を合併している患者では,本剤の投与中止により,B型慢性肝炎が再燃するおそれがあるので,本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。特に非代償性の場合,重症化するおそれがあるので注意すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
副作用
腎不全又は重度の腎機能障害(1.2%)
腎機能不全,腎不全,急性腎障害,近位腎尿細管機能障害,ファンコニー症候群,急性腎尿細管壊死,腎性尿崩症又は腎炎等の重度の腎機能障害が現れることがあるので,定期的に検査を行う等,観察を十分に行い,臨床検査値に異常が認められた場合には,投与を中止する等,適切な処置を行うこと。特に腎機能障害の既往がある患者や腎毒性のある薬剤が投与されている患者では注意すること。
膵炎(0.2%)
膵炎が現れることがあるので,血中アミラーゼ,リパーゼ,血中トリグリセリド等の検査値の上昇がみられた場合には,投与を中止する等,適切な処置を行うこと。
乳酸アシドーシス(0.1%)
乳酸アシドーシスが現れることがあるので,このような場合には,投与を中止する等,適切な処置を行うこと。
注意

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

腎機能障害のある患者[中等度及び重篤な腎機能障害のある患者では,本剤の血中濃度が上昇する(「用法・用量に関連する使用上の注意」,「重要な基本的注意」及び「薬物動態」の項参照)。]

重要な基本的注意

本剤の使用に際しては,患者又はそれに代わる適切な者に次の事項についてよく説明し同意を得た後,使用すること。
本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから,日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので,本剤投与開始後の身体状況の変化についてはすべて担当医に報告すること。
本剤の長期投与による影響については現在のところ不明であること。
本剤による治療が,性的接触又は血液汚染等による他者へのHIV感染の危険性を低下させるかどうかは証明されていないこと。
類薬(ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬)の単独投与又はこれらの併用療法により,重篤な乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)が,女性に多く報告されているので,乳酸アシドーシス又は肝細胞毒性が疑われる臨床症状又は検査値異常(アミノトランスフェラーゼの急激な上昇等)が認められた場合には,本剤の投与を一時中止すること。これら肝疾患を発現する危険因子を有する患者においては注意すること。
本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で,免疫再構築炎症反応症候群が報告されている。投与開始後,免疫機能が回復し,症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス,サイトメガロウイルス,ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。また,免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症,多発性筋炎,ギラン・バレー症候群,ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので,これらの症状を評価し,必要時には適切な治療を考慮すること。
本剤投与前にクレアチニンクリアランス,尿糖及び尿蛋白の検査を実施すること。また,本剤投与後も定期的な検査等により患者の状態を注意深く観察し,腎機能障害のリスクを有する患者には血清リンの検査も実施すること。腎毒性を有する薬剤との併用は避けることが望ましい。
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含む多剤併用療法を長期間行った患者において,骨粗鬆症が現れ,大腿骨頚部等の骨折を起こした症例が報告されている。長期投与時には定期的に骨密度検査を行う等骨密度減少に注意し,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。なお,本剤の試験において,144週間の投与により腰椎と大腿骨頚部の骨密度の減少が見られている。骨密度の減少した患者の大部分は,投与開始後24~48週目にかけて発現し,以降は144週目まで持続していた。
核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)3成分のみを用いる一部の治療は,NRTI2成分に非核酸系逆転写酵素阻害薬又はHIV-1プロテアーゼ阻害薬を併用する3成分併用療法と比べて,概して効果が低いことが報告されている。
また,抗ウイルス薬の使用経験がない患者に対し,本剤とジダノシン,ラミブジン又は本剤とラミブジン,アバカビルの3剤併用1日1回投与により,初期のウイルス学的応答の欠如が高頻度に認められたとの報告があるので,抗ウイルス薬の使用経験がない患者及び既治療患者に対して本剤を使用する場合には,これらの組み合わせのみによる治療は避けること。

用法用量に関連する使用上の注意

腎機能障害のある患者では本剤の血中濃度が上昇するので,腎機能の低下に応じて,次の投与方法を目安とする(外国人における薬物動態試験成績による)。
クレアチニンクリアランス(CLcr)投与方法
50mL/min以上本剤1錠を1日1回投与
30~49mL/min本剤1錠を2日間に1回投与
10~29mL/min本剤1錠を1週間に2回投与
血液透析患者本剤1錠を1週間に1回投与注2)又は累積約12時間の透析終了後に本剤1錠を投与
注2)血液透析実施後
なお,CLcrが10mL/min未満で,透析を行っていない患者における薬物動態は検討されていない。
本剤の有効成分であるテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含む製剤と併用しないこと。また,テノホビル アラフェナミドフマル酸塩を含む製剤についても併用しないこと。

高齢者への投与

本剤の高齢者における薬物動態は検討されていない。本剤の投与に際しては,患者の肝,腎及び心機能の低下,合併症,併用薬等を十分に考慮すること。

妊婦,産婦,授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立されていない。動物試験(サル)においてテノホビルの胎児への移行が報告されている。]
本剤服用中は授乳を中止させること。[テノホビルのヒト乳汁への移行が報告されており,動物実験(ラット)において,乳汁中への移行が報告されている。また,女性のHIV感染症患者は,乳児のHIV感染を避けるため,乳児に母乳を与えないことが望ましい。]

小児等への投与

低出生体重児,新生児,乳児,幼児又は小児に対する安全性は確立していない(国内での使用経験がない)。

薬物動態

<日本人における成績>
吸収及び消失
日本人健康成人男性に本剤300mgを空腹時に経口投与した場合,本剤の活性成分であるテノホビルの血清中濃度は1.2±0.5時間後に最高値に達し,Cmax及びAUCはそれぞれ212±43ng/mL及び2,197±516ng・hr/mLであった。テノホビルの消失は二相性を示し,最終相の半減期は15.1±2.3時間であった。また,投与後48時間までのテノホビルの尿中排泄率は24±4%であり,CLrenalは287±64mL/minであった。
<外国人における成績>
吸収
健康成人に本剤300mgを空腹時単回経口投与した場合,テノホビルの血清中濃度は1.0±0.4時間後に最高値に達し,Cmax及びAUCは,それぞれ296±90ng/mL及び2,287±685ng・hr/mLであった。
テノホビルの薬物動態は,本剤の投与量が75~600mgの範囲において用量に比例し,また,反復投与による影響を受けなかった。
食事の影響
本剤を軽食とともに服用した場合の薬物動態は,空腹時投与に比較し有意な変動はなかったが,高脂肪食(約700~1,000kcal,40~50%が脂肪由来)摂取後に本剤を服用した場合には,テノホビルのAUC及びCmaxは,それぞれ約40%及び約14%上昇した。本剤300mgを1日1回食後反復投与した場合の,テノホビルのCmax及びAUCは,それぞれ326±119ng/mL及び3,324±1,370ng・hr/mLであった。
分布注5)
テノホビル1.0mg/kg及び3.0mg/kgを静脈内投与後の定常状態での分布容積は,それぞれ1.3±0.6L/kg及び1.2±0.4L/kgであった。テノホビルのヒト血漿及び血清蛋白結合率(in vitro)は,0.01~25μg/mLのテノホビル濃度範囲においてそれぞれ0.7%未満及び7.2%未満であった。
注5)本剤の承認された1日用量は経口投与300mgである。
代謝及び消失
本薬は活性成分をテノホビルとするジエステル化プロドラッグであり,経口投与後,速やかにテノホビルに代謝され,その後細胞内でテノホビル二リン酸に代謝される。また,in vitro試験から,テノホビル ジソプロキシル及びテノホビルはいずれもチトクロームP450の基質ではないことが示されている。
本剤300mg単回投与時のテノホビルのβ相半減期は約17時間であった。また,本剤300mgを1日1回食後反復経口投与した際,投与量の32±10%(テノホビル換算)が24時間以内に尿中に回収された。また,テノホビルを静脈内投与した場合は,投与量の70~80%が72時間までに,テノホビルとして尿中に回収された。テノホビルは,糸球体濾過と尿細管への能動輸送により腎排泄される。
腎不全患者(919試験)
腎機能障害を有する患者を対象に,本剤300mgを単回投与した場合,クレアチニンクリアランス(CLcr)が50mL/min未満の患者あるいは透析を必要とする末期腎不全患者において,テノホビルのCmax及びAUCが上昇した(表1)。
表1 腎機能障害を有する患者における本剤の単回投与後の薬物動態パラメータ
CLcr(mL/min)例数Cmax(ng/mL)AUC(ng・hr/mL)CL/F(mL/min)CLrenal(mL/min)
>803335.5±31.82,184.5±257.41,043.7±115.4243.5±33.3
50-8010330.4±61.03,063.8±927.0807.7±279.2168.6±27.5
30-498372.1±156.16,008.5±2,504.7444.4±209.8100.6±27.5
<30(12-28)注6)11601.6±185.315,984.7±7,223.0177.0±97.143.0±31.2
平均値±標準偏差注6)CLcrが10mL/min未満で,透析を行っていない患者における薬物動態は検討されていない。
なお,血液透析による除去率は54%で,本剤300mg単回投与時には4時間の血液透析により投与量の約10%が除去された。
薬物相互作用
In vivoにおいて認められる濃度よりもはるかに高濃度(約300倍)において,テノホビルはヒトチトクロームP450分子種(CYP3A4,CYP2D6,CYP2C9又はCYP2E1)を阻害しなかったが,CYP1Aをわずかに(6%)阻害した。
テノホビルは,糸球体濾過と尿細管への能動輸送により腎排泄される。尿細管への能動輸送により排泄される薬剤と本剤を併用した場合,この排泄経路における競合によりテノホビル又は併用薬の血中濃度が上昇する可能性がある。
本剤と主な薬剤との併用による,薬物動態への影響を下表に示す(表2及び表3)。
また,表4に本剤とジダノシンとの相互作用を示す。
表2 併用薬投与時のテノホビル(本剤300mg,1日1回投与)の薬物動態パラメータ変化率
併用薬併用薬の用量例数他剤併用時/非併用時のテノホビルの薬物動態パラメータ変化率(%)(90%信頼区間)
CmaxAUCCmin
アバカビル300mg1回8不変不変未算出
ラミブジン150mg1日2回,7日間15不変不変不変
ジダノシン(腸溶剤)400mg1回25不変不変不変
ジダノシン(制酸剤含有)250あるいは400mg注7)1日1回,7日間14不変不変不変
インジナビル800mg1日3回,7日間1314上昇(3低下~33上昇)不変不変
ロピナビル/リトナビル400/100mg1日2回,14日間24不変32上昇(25上昇~38上昇)51上昇(37上昇~66上昇)
エファビレンツ600mg1日1回,14日間29不変不変不変
アタザナビル400mg1日1回,14日間3314上昇(8上昇~20上昇)24上昇(21上昇~28上昇)22上昇(15上昇~30上昇)
アデホビルピボキシル10mg1回22不変不変未算出
エムトリシタビン200mg1日1回,7日間17不変不変不変
ネルフィナビル1,250mg1日2回,14日間29不変不変不変
サキナビル/リトナビル1,000/100mg1日2回,14日間35不変不変23上昇(16上昇~30上昇)
ダルナビル/リトナビル300/100mg1日2回1224上昇(8上昇~42上昇)22上昇(10上昇~35上昇)37上昇(19上昇~57上昇)
レジパスビル/ソホスブビル注8)90/400mg1日1回,10日間2447上昇(37上昇~58上昇)35上昇(29上昇~42上昇)47上昇(38上昇~57上昇)
レジパスビル/ソホスブビル注9)2364上昇(54上昇~74上昇)50上昇(42上昇~59上昇)59上昇(49上昇~70上昇)
レジパスビル/ソホスブビル注10)90/400mg1日1回,14日間1579上昇(56上昇~104上昇)98上昇(77上昇~123上昇)163上昇(132上昇~197上昇)
レジパスビル/ソホスブビル注11)90/400mg1日1回,10日間1432上昇(25上昇~39上昇)40上昇(31上昇~50上昇)91上昇(74上昇~110上昇)
レジパスビル/ソホスブビル注12)90/400mg1日1回,10日間2961上昇(51上昇~72上昇)65上昇(59上昇~71上昇)115上昇(105上昇~126上昇)
注7)体重60kg未満:250mg,60kg以上:400mg注8)アタザナビル硫酸塩,リトナビル,エムトリシタビン/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩配合錠との併用注9)ダルナビル エタノール付加物,リトナビル,エムトリシタビン/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩配合錠との併用注10)エファビレンツ/エムトリシタビン/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩配合錠との併用注11)リルピビリン塩酸塩/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩/エムトリシタビン配合錠との併用注12)ドルテグラビル+エムトリシタビン/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を用いた薬物動態試験
表3 本剤(300mg,1日1回)投与時の併用薬の薬物動態パラメータ変化率
併用薬併用薬の用量例数他剤併用時/非併用時の併用薬の薬物動態パラメータ変化率(%)(90%信頼区間)
CmaxAUCCmin
アバカビル300mg1回812上昇(1低下~26上昇)不変算出不能
ラミブジン150mg1日2回,7日間1524低下(34低下~12低下)不変不変
経口避妊薬エチニルエストラジオール/ノルゲスチメート1日1回,7日間20不変不変不変
インジナビル800mg1日3回,7日間1211低下(30低下~12上昇)不変不変
ロピナビル/リトナビル400/100mg1日2回,14日間24不変不変不変
エファビレンツ600mg1日1回,14日間30不変不変不変
アタザナビル400mg1日1回,14日間3421低下(27低下~14低下)25低下(30低下~19低下)40低下(48低下~32低下)
アタザナビル/リトナビル300/100mg1日1回,42日間1028低下(50低下~5上昇)25低下注13)(42低下~3低下)23低下注13)(46低下~10上昇)
リバビリン600mg1回22不変不変算出不能
アデホビルピボキシル10mg1回22不変不変算出不能
エムトリシタビン200mg1日1回,7日間17不変不変20上昇(12上昇~29上昇)
ネルフィナビル1,250mg1日2回,14日間29不変不変不変
M8代謝物不変不変不変
サキナビル1,000/100mg1日2回,14日間3222上昇(6上昇~41上昇)29上昇(12上昇~48上昇)47上昇(23上昇~76上昇)
リトナビル不変不変23上昇(3上昇~46上昇)
ダルナビル300/100mg1日2回1216上昇(6低下~42上昇)21上昇(5低下~54上昇)24上昇(10低下~69上昇)
注13)HIV感染症患者において,本剤にアタザナビル300mg及びリトナビル100mgを併用した場合,アタザナビルのAUC及びCminは,アタザナビル400mgを単独投与した場合と比較してそれぞれ2.3倍及び4倍上昇した。
表4 本剤(300mg,1日1回)併用時のジダノシンの薬物動態パラメータ変化率
ジダノシンの用量/投与方法注14)本剤の投与方法注14)例数ジダノシン空腹時400mg投与時に対する薬物動態パラメータ変化率(%)(90%信頼区間)
CmaxAUC
制酸剤含有製剤
400mg注15)
1日1回,7日間
空腹時
ジダノシン投与後1時間
1428上昇(11上昇~48上昇)44上昇(31上昇~59上昇)
腸溶剤空腹時
400mg,1回
食後
ジダノシン投与後2時間
2648上昇(25上昇~76上昇)48上昇(31上昇~67上昇)
食後
400mg,1回
ジダノシンと同時投与2664上昇(41上昇~89上昇)60上昇(44上昇~79上昇)
空腹時
250mg,1回
食後
ジダノシン投与後2時間
2811低下(22低下~3上昇)不変
空腹時
250mg,1回
ジダノシンと同時投与28不変14上昇(0~31上昇)
食後
250mg,1回
ジダノシンと同時投与2829低下(39低下~18低下)11低下(23低下~2上昇)
注14)食後投与の食事は軽食(約373kcal,20%が脂肪由来)注15)体重60kg以下の症例4例含む(ジダノシンは250mg投与)
エルゼビアは医療の最前線にいらっしゃる
すべての医療従事者の皆様に敬意を表します。
人々の健康を守っていただき、ありがとうございます。