製品名 ケタラール筋注用500mg

一般名
Ketamine Hydrochloride
薬効分類
鎮静薬(麻酔薬含む)
 >全身麻酔薬
価格
500mg10mL1瓶:1501円/瓶

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 手術、検査および処置時の全身麻酔および吸入麻酔の導入

用法・用量

  • 通常、ケタミンとして、初回体重1kg当り5~10mgを筋肉内注射し、必要に応じて初回量と同量又は半量を追加投与する。
禁忌
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 脳血管障害、高血圧(収縮期圧160mmHg以上、拡張期圧100mmHg以上)、脳圧亢進症及び重症の心代償不全の患者[一過性の血圧上昇作用、脳圧亢進作用がある。]
  • 痙攣発作の既往歴のある患者[痙攣を誘発することがある。]
  • 外来患者[麻酔前後の管理が行き届かない。]
副作用
急性心不全(0.1%未満)
急性心不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、適切な処置を行うこと。
呼吸抑制(2.27%)、無呼吸(頻度不明)、舌根沈下(頻度不明)
過量投与した場合、呼吸抑制、無呼吸又は舌根沈下が起こることがあるので、緩徐に注射すること。
なお、観察を十分に行い、呼吸抑制の症状があらわれた場合には、補助呼吸を行うなど適切な処置を行うこと。
痙攣(0.59%)
痙攣(喉頭痙攣、声門痙攣又は全身痙攣等)が起こることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には筋弛緩剤を投与の上、気管内挿管のもとに調節呼吸を行うなど、適切な処置を行うこと。
覚醒時反応(頻度不明)
本剤の投与をうけた患者の15%前後に覚醒時反応が起こるとされている。その症状としては、夢のような状態、幻覚あるいは興奮、錯乱状態等で、通常数時間で回復するが、まれに24時間以内に再びあらわれることがある。
覚醒時反応を防ぐには、回復期の早期に患者に話しかけたりするような不必要な刺激は避けること。また、完全に覚醒するまで患者のバイタルサインを監視するなど、全身状態の観察を十分に行うこと。
覚醒時反応を予防するために、ジアゼパム、ドロペリドール等の前投薬を行うことが望ましい(「相互作用」の項参照)。
興奮、錯乱状態等の激しい覚醒時反応に対する処置としては、短時間作用型又は超短時間作用型バルビツール酸系薬剤の少量投与、あるいはジアゼパム投与を行うことが望ましい(「相互作用」の項参照)。
注意

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

急性・慢性アルコール中毒の患者[一般にアルコール中毒患者は麻酔がかかりにくい。]
β-遮断剤を使用中の患者[β-遮断剤が本剤の二次的な血圧下降作用を増強するおそれがある。また、一般にβ-遮断剤を使用中の患者は高血圧症の場合が多いので、本剤の一過性の血圧上昇作用に注意すること。]

重要な基本的注意

本剤の使用に際しては、一般の全身麻酔と同様に適応、投与法、用量は医師が判断し、麻酔開始より患者が完全に覚醒するまで、患者の全身状態を専任の医師が注意深く監視すること。
また、呼吸・循環管理等ができるような整備された手術の状態で使用すること。
麻酔を行う際にはあらかじめ絶食させておくこと。
麻酔前に酸素吸入器、吸引器具、挿管器具等の人工呼吸のできる器具を手もとに準備しておくこと。
麻酔を行う際には原則として麻酔前投薬を行うこと。
手術が内臓の痛覚路への侵襲を含む場合、他の鎮痛剤を併用すること。
本剤には筋弛緩作用がほとんどないので、開腹術等には、筋弛緩剤の併用がすすめられる。
本剤による麻酔時には咽喉頭反射が維持されているので、咽喉頭に機械的刺激を与えないこと。従って、咽頭、喉頭及び気管支の手術、処置には筋弛緩剤の使用その他の方法により反射を除くこと。
麻酔中は気道に注意して呼吸・循環に対する観察を怠らないこと。
麻酔の深度は手術、検査に必要な最低の深さにとどめること。
本剤を投与された患者は麻酔状態に入ると、多くの場合その目は開いたままであり、眼振がみられ、数秒後眼球は中心に固定する。
骨格筋には一般に若干の筋緊張の亢進が認められる。
麻酔深度が適切であれば、手術刺激による呼吸、循環の変動はなく安定化する。また体動はあらわれない。
麻酔が浅くなると、ほかの吸入麻酔剤と同様に体動がみられ、発汗、呼吸、循環の変動をみる。

適用上の注意

投与時
バルビツール酸系薬剤と混合すると沈澱を生ずるので、同じ注射筒を使用しないこと。
投与経路
本剤は筋注用にのみ使用すること。
筋肉内注射時
筋肉内注射にあたっては、組織・神経などへの影響を避けるため、下記の点に配慮すること。
神経走行部位を避けるよう注意して注射すること。
繰り返し注射する場合には、同一注射部位を避けること。
注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き部位を変えて注射すること。

用法及び用量に関連する使用上の注意

麻酔方法
本剤の用法・用量は患者の感受性、全身状態、手術々式、麻酔方法等に応じてきめるが、一般に行われている方法を示すと次のとおりである。
手術の少なくとも6時間前から絶飲絶食とし、アトロピン硫酸塩水和物等の前投薬を行い、次いで本剤の1回量を緩徐に筋注する。麻酔の維持には、本剤の追加投与を行うが、手術の種類によっては、吸入麻酔剤に切り替える。また必要によりスキサメトニウム塩化物水和物等の筋弛緩剤を併用する。
なお、筋注で追加投与する場合、麻酔時間及び覚醒時間が延長する傾向があるので、術後管理に十分注意すること。
作用発現及び持続
成人及び小児に5~10mg/kgを筋注した場合3~4分で手術可能な麻酔状態が得られ、作用は12~25分前後持続する。

高齢者への投与

減量するなど注意すること。[一般に高齢者では生理機能が低下している。]

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊婦に対する安全性は確立されていない。]

薬物動態

血漿蛋白結合率
in vitroにおいて、成人血漿における血漿蛋白結合率は47%であった。(外国人のデータ)
代謝
ケタミンの主代謝経路は、肝臓においてチトクロームP450によりノルケタミンとなる。また、ヒドロオキシノルケタミンやデヒドロノルケタミンなどに変化するが、薬理活性はほとんどない。ノルケタミンだけがケタミンの1/3~1/5の麻酔作用をもつ。
(参考:動物)
吸収・排泄
イヌにケタミン5mg/kg、10mg/kgを筋注し、5、15、30分、1、2、4、6時間後の血中濃度を測定した結果、投与後5分で最高値に達し、5mg/kgでは1.2±0.2μg/mL、10mg/kgでは2.9±0.6μg/mLを示す。1時間までは急激な減少を示し、その後は徐々に減少し、5mg/kgでは30~60分、10mg/kgでは1~2時間で0.4~0.5μg/mL以下の微量となる。
ラットにケタミン54mg/kgを筋注した際には24時間以内に50%以上が尿中並びに糞便中に排泄される。