製品名 エムトリバカプセル200mg

一般名
Emtricitabine
薬効分類
抗ウイルス薬
 >抗HIV薬
価格
200mg1カプセル:1663.3円/カプセル

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • HIV-1感染症

用法・用量

  • 通常,成人にはエムトリシタビンとして1回200mgを1日1回経口投与する。なお,投与に際しては必ず他の抗HIV薬と併用すること。
禁忌

【警告】

  • B型慢性肝炎を合併している患者では,本剤の投与中止により,B型慢性肝炎が再燃するおそれがあるので,本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。特に非代償性の場合,重症化するおそれがあるので注意すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
副作用
乳酸アシドーシス(頻度不明注2)
乳酸アシドーシスが現れることがあるので,このような場合には,投与を中止する等,適切な処置を行うこと。
注2)外国における集計対象外の臨床試験にて報告された副作用
注意

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

腎機能障害のある患者[中等度及び重篤な腎機能障害のある患者では,本剤の血中濃度が上昇する(「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「薬物動態」の項参照)。]

重要な基本的注意

本剤の使用に際しては,患者又はそれに代わる適切な者に次の事項についてよく説明し同意を得た後,使用すること。
本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから,日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので,本剤投与開始後の身体状況の変化についてはすべて担当医に報告すること。
本剤の長期投与による影響については現在のところ不明であること。
本剤による治療が,性的接触又は血液汚染等による他者へのHIV感染の危険性を低下させるかどうかは証明されていないこと。
本剤を含む核酸系逆転写酵素阻害薬の単独投与又はこれらの併用療法により,重篤な乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)が,女性に多く報告されているので,乳酸アシドーシス又は肝細胞毒性が疑われる臨床症状又は検査値異常(アミノトランスフェラーゼの急激な上昇等)が認められた場合には,本剤の投与を一時中止すること。特に肝疾患の危険因子を有する患者においては注意すること。
本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で,免疫再構築炎症反応症候群が報告されている。投与開始後,免疫機能が回復し,症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス,サイトメガロウイルス,ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。また,免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症,多発性筋炎,ギラン・バレー症候群,ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので,これらの症状を評価し,必要時には適切な治療を考慮すること。
核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)3剤のみを用いる一部の治療は,NRTI2剤に非核酸系逆転写酵素阻害薬又はHIV-1プロテアーゼ阻害薬を併用する3剤併用療法と比べて,概して効果が低いことが報告されているので,NRTI3剤のみによる治療で効果が認められない場合には他の組み合わせを考慮すること。
本剤の薬剤耐性を含むウイルス学的特性はラミブジンと類似しているので,本剤とラミブジンを含む製剤を併用しないこと。また,ラミブジンを含む抗HIV療法においてウイルス学的効果が得られず,HIV-1逆転写酵素遺伝子のM184V/I変異が認められた場合,ラミブジンを本剤に変更することのみで効果の改善は期待できない。
アジア系人種における本剤の薬物動態は十分検討されていないが,少数例の健康成人及びB型慢性肝炎のアジア系人種において,Cmaxの上昇を示唆する成績が得られているので,HBV感染症合併患者を含め,副作用の発現に注意すること。
エムトリシタビン製剤の臨床試験において皮膚変色が発現し,その発現頻度は有色人種で高いことが示唆されている。その原因は現在のところ不明である。

用法用量に関連する使用上の注意

本剤の有効成分であるエムトリシタビンを含む製剤と併用しないこと。
腎機能障害のある患者では本剤の血中濃度が上昇するので,腎機能の低下に応じて,次の投与方法を目安とする(外国人における薬物動態試験成績による)。
クレアチニンクリアランス(CLcr)投与方法
50mL/min以上本剤1カプセルを1日1回投与
30~49mL/min本剤1カプセルを2日間に1回投与
15~29mL/min本剤1カプセルを3日間に1回投与
15mL/min未満本剤1カプセルを4日間に1回投与
血液透析患者本剤1カプセルを4日間に1回投与
透析日に投与する場合は,透析後投与

高齢者への投与

本剤の高齢者における薬物動態は検討されていない。本剤の投与に際しては,患者の肝,腎及び心機能の低下,合併症,併用薬等を十分に考慮すること。

妊婦,産婦,授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立されていない。]
本剤服用中は授乳を中止させること。[エムトリシタビンのヒト乳汁への移行が報告されている。また,女性のHIV感染症患者は,乳児のHIV感染を避けるため,乳児に母乳を与えないことが望ましい。]

小児等への投与

低出生体重児,新生児,乳児,幼児又は小児に対する安全性は確立していない(18歳未満の患者に対する使用経験がない)。

薬物動態

<日本人における成績>
吸収及び消失
日本人健康成人男性6例に本剤1錠を空腹時に経口投与した場合,エムトリシタビンの血漿中濃度は投与1.1時間後に最高値に達し,Cmax及びAUCはそれぞれ2.8±0.4μg/mL及び11.5±1.1μg・hr/mLであった。エムトリシタビンの消失は二相性を示し,最終相の半減期は,10.5±0.9時間であり,投与48時間後までの累積尿中排泄率は82±5%であった。
<外国人における成績>
吸収
HIV-1感染症患者20例に本剤200mgを1日1回反復投与した後の,定常状態のエムトリシタビンの平均血漿中濃度推移を図1に示す。
血漿中濃度は経口投与後1~2時間でCmaxに達した。反復投与後の定常状態下でのCmax(平均±標準偏差)は1.8±0.7μg/mLで,24時間後のAUC(平均±標準偏差)は10.0±3.1μg・hr/mLであった。
また,投与から24時間後の血漿中濃度トラフ値は平均0.09μg/mLで,生物学的利用率の中央値は92%(範囲83.1~106.4%)であった。
なお,本剤の反復投与時の薬物動態は,25~200mgの用量範囲で用量比例性が認められた。
図1 本剤200mgを1日1回反復投与した後の定常状態でのエムトリシタビンの血漿中濃度推移(平均±95%信頼区間,HIV-1感染症患者20例)
食事の影響
本剤を食事(約1,000kcalの高脂肪食)と共に服用した時,Cmaxは29%低下したが,AUCは影響を受けなかった。
分布
In vitroにおけるエムトリシタビンのヒト血漿タンパク結合率は,0.02~200μg/mLの濃度範囲で4%未満であった。最高血漿中濃度において,血中濃度に対する血漿中濃度の比の平均は1.0,血漿中濃度に対する精液中濃度の比の平均は4.0であった。
代謝及び消失
In vitro試験でエムトリシタビンはヒトCYP450酵素を阻害しないことが示された。
14C-エムトリシタビン投与後,投与量は尿中(86%)と糞便中(14%)に完全に回収された。投与量の13%が3種の推定代謝物として尿中に回収された。エムトリシタビンの代謝は,チオール部分の酸化による3'-スルホキシドジアステレオマーの生成(投与量の9%)とグルクロン酸抱合による2'-O-グルクロニドの生成(投与量の4%)から成る。その他の代謝物は確認されていない。
エムトリシタビンの血漿中半減期は約10時間である。腎クリアランスが推定クレアチニンクリアランスを上回ったことから,糸球体濾過と尿細管への能動輸送の両方による排泄が示唆された。そのため同じく腎より排泄される他の化合物と競合する可能性がある。
腎不全患者
クレアチニンクリアランス(CLcr)50mL/min未満の患者あるいは透析を必要とする末期腎不全患者では,腎クリアランスの低下によりエムトリシタビンのCmax及びAUCが上昇した(表1)。
表1 腎機能障害を有する患者における本剤の単回投与後の薬物動態パラメータ
CLcr(mL/min)例数投与前のCLcr平均値(mL/min)Cmax(μg/mL)AUC(μg・hr/mL)CL/F(mL/min)CLrenal(mL/min)
>806107±212.2±0.611.8±2.9302±94213.3±89.0
50-80659.8±6.53.8±0.919.9±1.1168±10121.4±39.0
30-49640.9±5.13.2±0.625.1±5.7138±2868.6±32.1
<30522.9±5.32.8±0.733.7±2.199±629.5±11.4
透析を必要とする末期腎不全患者
<30
58.8±1.42.8±0.553.2±9.964±12
平均値±標準偏差算出不能:-
また,エムトリシタビンの投与から1.5時間以内に血液透析を開始し,3時間透析することによりエムトリシタビンの投与量の約30%が除去された(血液流量400mL/min,透析液流量600mL/min)。なお,腹膜透析によりエムトリシタビンが除去できるか否かは不明である。
薬物相互作用
臨床使用量で血漿中に認められた濃度の14倍まで濃度を上昇させても,エムトリシタビンはヒトCYP450分子種(CYP1A2,CYP2A6,CYP2B6,CYP2C9,CYP2C19,CYP2D6及びCYP3A4)によるin vitro薬物代謝を阻害しなかった。エムトリシタビンはグルクロン酸抱合を担う酵素(ウリジン-5'-二リン酸グルクロニルトランスフェラーゼ)を阻害しなかった。これらのin vitro実験結果及び確認されているエムトリシタビンの排泄経路を考慮すると,CYP450を介するエムトリシタビンと他の薬剤との相互作用が生じる可能性は低い。
健康成人志願者を対象にエムトリシタビンとテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩,インジナビル,サニルブジン及びジドブジンとの併用における薬物動態の評価を行った。併用薬がエムトリシタビンの薬物動態に及ぼす影響及びエムトリシタビンが併用薬の薬物動態に及ぼす影響について表2,3に示す。
表2 併用薬投与時のエムトリシタビンの薬物動態パラメータ変化率
併用薬併用薬の用量エムトリシタビンの用量例数他剤併用時/非併用時のエムトリシタビンの薬物動態パラメータ変化率(%) (90%信頼区間)
CmaxAUCCmin
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩300mg
1日1回
7日間
200mg
1日1回
7日間
1720上昇
(12上昇~29上昇)
インジナビル800mg
1回
200mg
1回
12
サニルブジン40mg
1回
200mg
1回
6
ジドブジン300mg
1日2回
7日間
200mg
1日1回
7日間
27
不変:⇔,算出不能:-
表3 エムトリシタビン投与時の併用薬の薬物動態パラメータ変化率
併用薬併用薬の用量エムトリシタビンの用量例数他剤併用時/非併用時の併用薬の薬物動態パラメータ変化率(%) (90%信頼区間)
CmaxAUCCmin
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩300mg
1日1回
7日間
200mg
1日1回
7日間
17
インジナビル800mg
1回
200mg
1回
12
サニルブジン40mg
1回
200mg
1回
6
ジドブジン300mg
1日2回
7日間
200mg
1日1回
7日間
2717上昇(0上昇~38上昇)13上昇(5上昇~20上昇)
不変:⇔,算出不能:-
エルゼビアは医療の最前線にいらっしゃる
すべての医療従事者の皆様に敬意を表します。
人々の健康を守っていただき、ありがとうございます。