製品名 アデノスキャン注60mg

一般名
Adenosine
薬効分類
昇圧・心不全・冠動脈・末梢血管疾患薬
 >冠拡張薬
価格
60mg20mL1瓶:10318円/瓶

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 十分に運動負荷をかけられない患者において心筋血流シンチグラフィによる心臓疾患の診断を行う場合の負荷誘導

用法・用量

  • 1分間当たりアデノシンとして120μg/kgを6分間持続静脈内投与する(アデノシン総投与量0.72mg/kg)。
禁忌

【警告】

  • 本剤投与により下記の副作用等が発現するおそれがあるので、蘇生処置ができる準備をしておくこと。負荷試験中(本剤投与開始から心筋シンチグラフィ施行終了時まで)は血圧及び心電図の継続した監視を行い、注意深く患者を観察すること。また、検査の継続が困難と判断した場合には検査を中断し、本剤投与中であれば直ちに投与を中止すること。
    • 致死的心停止、心室頻拍、心室細動、非致死性心筋梗塞を発現することがある。特に不安定狭心症患者では、その危険性が増大するおそれがあるので、薬物治療によっても安定化しない不安定狭心症の患者には投与しないこと。
    • 房室ブロックが発現することがある。特に房室ブロックを有している患者では、症状が増悪するおそれがある。
    • 過度の血圧低下を起こすことがある。特に交感神経機能異常、狭窄性心臓弁疾患、心膜炎や心膜滲出、脳血流不全を伴う狭窄性頸動脈疾患、未処置の循環血液量減少等の患者では症状が増悪するおそれがある。
    • 呼吸困難が発現することがある。特に慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎等)のある患者ではその危険性が増大するおそれがあり、負荷試験後の回復期間も含め、注意深く観察すること。
  • 喘息等の気管支攣縮性肺疾患のある患者、その既往のある患者あるいはその疑いのある患者に本剤が投与された場合、呼吸停止を含む重篤な呼吸障害を発症することがあるので、これらの疾患に関する病歴調査を必ず行い、疑わしい場合は本剤を投与しないこと。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 薬物治療によっても安定化しない不安定狭心症の患者[刺激伝導抑制作用及び陰性変力作用が増強され、症状が増悪するおそれがある。]
  • II度又はIII度房室ブロックのある患者(人工ペースメーカーが装着されている患者を除く)(「警告」の項参照)
  • 洞不全症候群又は症候性の著しい洞性徐脈のある患者(人工ペースメーカーが装着されている患者を除く)[刺激伝導抑制作用により、症状が増悪するおそれがある。]
  • QT延長症候群の患者[刺激伝導抑制作用により、徐脈が発現した場合、Torsades de pointesを惹起させるおそれがある。]
  • 高度な低血圧のある患者[末梢血管拡張作用により、症状が増悪するおそれがある。]
  • 代償不全状態にある心不全の患者[陰性変力作用により心不全の急性増悪を来すおそれがある。]
  • 喘息等の気管支攣縮性肺疾患のある患者、その既往のある患者あるいはその疑いのある患者(「警告」の項参照)
  • アデノシンに対し過敏症の既往歴のある患者
副作用
心停止(頻度不明注))、心室頻拍(頻度不明注))、心室細動(頻度不明注))、心筋梗塞(頻度不明注)
これらの副作用が認められることがあるので、負荷試験中(本剤投与開始から心筋シンチグラフィ施行終了時まで)は心電図の継続した監視を行うこと。また、蘇生処置ができる準備をしておくこと。
過度の血圧低下(0.1%未満)
過度の血圧低下が認められることがあるので、本剤投与開始から投与終了まで注意深く血圧を監視すること。検査の継続が困難と判断した場合は検査を中断し、本剤投与中であれば直ちに投与を中止すること。
洞房ブロック(頻度不明注))、完全房室ブロック(頻度不明注)
洞房ブロック及び完全房室ブロックが認められることがあるので、本剤投与開始から心筋シンチグラフィ施行終了時まで注意深く心電図を監視すること。検査の継続が困難と判断した場合は検査を中断し、本剤投与中であれば投与を中止すること。必要に応じてアミノフィリン水和物静脈内投与を行うこと。
呼吸障害(頻度不明注)
呼吸停止に至る重篤な呼吸障害が認められることがあるので、本剤投与開始から心筋シンチグラフィ施行終了時まで注意深く患者を観察すること。重篤な呼吸障害が発現した場合は直ちに本剤の投与を中止すること。
肺浮腫(頻度不明注)
肺浮腫が認められることがあるので、本剤投与開始から心筋シンチグラフィ施行終了時まで注意深く患者を観察すること。重篤な肺浮腫が発現した場合は直ちに本剤の投与を中止すること。
脳血管障害(頻度不明注)
脳血管障害が認められることがあるので、本剤投与開始から心筋シンチグラフィ施行終了時まで注意深く患者を観察すること。脳血管障害の発現が疑われた場合は、直ちに本剤の投与を中止すること。
注)自発報告又は海外において認められている副作用のため頻度不明。
注意

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

不安定狭心症の患者[薬物治療により安定化しない不安定狭心症の患者には投与しないこと。](「警告」及び「禁忌」の項参照)
心筋梗塞急性期の患者[本剤の刺激伝導抑制作用及び陰性変力作用により、症状の悪化又は不整脈を発現するおそれがある。]
I度房室ブロックや脚ブロックのある患者[伝導障害をさらに悪化させるおそれがある。]
心房細動や心房粗動のある患者及び副伝導路のある患者[状態が増悪するおそれがある。]
交感神経機能異常、狭窄性心臓弁疾患、心膜炎や心膜滲出、脳血流不全を伴う狭窄性頸動脈疾患、循環血液量減少未処置の患者[過度の血圧低下を来すおそれがある。](「警告」の項参照)
慢性閉塞性肺疾患の患者(肺気腫、慢性気管支炎等)(「警告」の項参照)
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

重要な基本的注意

本剤の使用は心筋シンチグラフィ施行時に限ること。
本剤投与前に患者の病歴を確認し、薬剤負荷心筋シンチグラフィの実施可否について判断するとともに、検査実施中に何らかの異常を認めた場合には速やかに訴えるように患者に指導すること。
本剤投与開始から心筋シンチグラフィ施行終了時まで、血圧、心拍数、心電図及び自他覚所見等の観察を注意深く行うこと。また、負荷を行う検査室には除細動器を含めた救急備品を準備すること。
胸痛、房室ブロック、不整脈等が出現し、検査の継続が困難と判断した場合には検査を中断し、本剤投与中であれば直ちに投与を中止すること。必要に応じてアミノフィリン水和物静脈内投与、硝酸剤舌下投与等の処置を行うこと。
本剤の末梢血管拡張作用により過度の血圧低下を発現することがあるので、検査の継続が困難と判断した場合には検査を中断し、本剤投与中であれば直ちに投与を中止すること。なお、承認前の国内臨床試験では収縮期血圧80mmHg未満の患者は対象から除外とした。また、国内臨床試験で120μg/kg/minを投与された症例のうち36.3%(120/331)で20mmHg以上の収縮期血圧の低下を認めた。
本剤投与により血圧(収縮期及び拡張期)が上昇することがあるので、本剤投与開始から投与終了まで注意深く血圧を監視すること。
重篤な呼吸障害が発現した場合は直ちに本剤の投与を中止すること。
有害事象の発現はジピリダモールにより増強されることから、これらの薬剤を投与されている患者に本剤を投与する場合は、12時間以上の間隔をあけること(「相互作用」の項参照)。
本剤の負荷誘導作用はメチルキサンチン類(無水カフェイン・カフェイン水和物、テオフィリン、アミノフィリン水和物)により拮抗されるので、これらの薬剤を投与されている患者に本剤を投与する場合は、12時間以上の間隔をあけること(「相互作用」の項参照)。
患者にはコーヒー、紅茶、日本茶、コーラ、チョコレート等カフェインを含む飲食物は検査の12時間前から摂取しないよう指示すること。また、検査の2時間前から食事や喫煙をやめるように指示すること(「相互作用」の項参照)。

適用上の注意

調製方法
本剤は注射用液剤としてバイアルに充填されており、原液のまま使用すること。
薬剤負荷開始とともに本剤が確実に静脈内に注入されるように、予め本剤を投与経路(チューブ内)に充填しておくこと。
体重あたりの投与速度換算表
体重(kg)投与速度(mL/min)
401.6
502.0
602.4
702.8
803.2
本剤は原液のまま使用し、シリンジポンプにより持続静脈内投与すること。また、本剤が体内に急速に注入されることを防ぐために、原則として本剤及び放射性診断薬は別々の投与経路を確保すること。
本剤の持続静脈内投与開始3分後に放射性診断薬を静脈内投与する。本剤の持続静脈内投与は放射性診断薬投与時も継続し、合計6分間行うこと。
本剤を急速に静脈内投与するとII度又はIII度房室ブロック、徐脈及び血圧低下等の発現が増強するおそれがあるので、投与時間を遵守すること。
本剤の国内承認前の臨床試験成績は201Tlを使用した成績である。

高齢者への投与

海外において加齢とともに房室ブロック、血圧低下、不整脈、ST-T変化の発現率が漸増することが報告されているので、本剤投与開始から心筋シンチグラフィ施行終了時まで注意深く心電図及び血圧を監視すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、本剤の負荷心筋シンチグラフィによる診断の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

薬物動態

血中濃度
健康成人男子にアデノシンの60~140μg/kg/minを6分間で持続静脈内投与したところ、いずれの用量でもアデノシン投与群の血漿中アデノシン濃度は生理食塩液投与群と差は認められなかった。アデノシンの細胞への取り込み及び代謝が非常に速いため、静脈血中の内因性アデノシン濃度には殆ど影響を及ぼさなかったものと推察された。アデノシンをヒト血液に加えた際のin vitroにおける血液及び血漿からの消失半減期はそれぞれ10秒及び1秒前後と、非常に早く消失することが報告されている。アデノシンの代謝物のうち、血漿中ヒポキサンチン濃度は投与中わずかに上昇したが、血漿中キサンチン及び尿酸濃度には投与中も影響は認められなかった。
代謝及び尿中排泄
健康成人男子にアデノシンの60~140μg/kg/minを6分間持続静脈内投与したところ、アデノシン及びその代謝物であるイノシン、ヒポキサンチン、キサンチン及び尿酸の尿中排泄量は投与前及び生理食塩液投与群と比べて変化は認められなかった。