製品名 ペルゴリン顆粒0.025%
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- 一般名
- pergolide mesilate
- 薬効分類
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パーキンソン病・認知症治療薬>ドパミンアゴニスト:麦角系
- 価格
-
0.025%1g:98.3円/g
- 製薬会社
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- 製造販売元:日医工株式会社
-
効能・効果
用法・容量 -
効能・効果
- パーキンソン病
用法・用量
- 本剤は通常、L-dopa製剤と併用する。
- 通常、ペルゴリドとして1日1回50μgを夕食直後2日間投与する。以後、2ないし3日ごと、1日用量として50μgずつ増量し、第1週末には1日用量として150μgを投与する。
第2週目は1日用量として300μgより開始し、2ないし3日ごと1日用量として150μgずつ増量する。第2週末には1日用量として600μgを投与する。1日用量100μgの場合は朝食及び夕食直後に、1日用量150μg以上の場合は毎食直後に分けて経口投与する。
第3週目は1日用量750μgより開始し、以後有効性及び安全性を考慮しつつ増量し、維持量(標準1日750~1250μg)を定める。
なお、上に定める投与量増量速度は随伴症状、年齢等により適宜増減する。
<参考;本剤における標準投与目安>
(○:投与する、×:投与しない)投与開始からの経過 服用時期及び本剤投与量 朝食直後 昼食直後 夕食直後 1~2日目 × × ○
0.2g3~4日目 ○
0.2g× ○
0.2g第1週末(5~7日目) ○
0.2g○
0.2g○
0.2g第2週初日(8日目)より ○
0.4g○
0.4g○
0.4g10~11日目 ○
0.6g○
0.6g○
0.6g第2週末(12~14日目) ○
0.8g○
0.8g○
0.8g第3週初日(15日目)
(以後、漸増)○
1.0g○
1.0g○
1.0g標準維持量
(1日用量:本剤3~5g)○
1.0~1.5g○
1.0~1.5g○
1.0~2.0g(随伴症状、年齢等を考慮して投与量増量速度を適宜増減してください。) - 禁忌
-
【禁忌】
次の患者には投与しないこと
- 既往に麦角製剤に対しての過敏症を有する患者
- 心エコー検査により、心臓弁尖肥厚、心臓弁可動制限及びこれらに伴う狭窄等の心臓弁膜の病変が確認された患者及びその既往のある患者〔症状を悪化させるおそれがある(「重要な基本的注意」の項参照)。〕
- 副作用
-
- (頻度不明)
- 以下の重大な副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
- 悪性症候群(Syndrome malin)
- 高熱、意識障害、高度の筋硬直、不随意運動、血清CK(CPK)の上昇等があらわれることがある。投与開始初期の場合は中止し、また、継続投与中の用量変更・中止時の場合は一旦もとの投与量に戻した後慎重に漸減し、体冷却、水分補給等の適切な処置を行うこと。
- 間質性肺炎
- 発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等があらわれた場合には、速やかに胸部X線検査を実施し、異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤投与等の適切な処置を行うこと。
- 胸膜炎、胸水、胸膜線維症、肺線維症、心膜炎、心膜滲出液
- 胸痛、呼吸器症状等があらわれた場合には、速やかに胸部X線検査を実施し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 心臓弁膜症
- 十分な観察(聴診等の身体所見、胸部X線、CT等)を定期的に行い、心雑音の発現又は増悪等があらわれた場合には、速やかに胸部X線検査、心エコー検査等を実施すること。心臓弁尖肥厚、心臓弁可動制限及びこれらに伴う狭窄等の心臓弁膜の病変が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 後腹膜線維症
- 後腹膜線維症が報告されているので、観察を十分に行い、背部痛、下肢浮腫、腎機能障害等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 突発的睡眠
- 前兆のない突発的睡眠があらわれることがあるので、このような場合には、投与を中止あるいは減量し、適切な処置を行うこと。
- 幻覚、妄想、せん妄
- 腸閉塞
- 意識障害、失神
- 過度の血圧低下を起こし、一過性の意識障害、失神があらわれることがある。
- 肝機能障害、黄疸
- AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
- 血小板減少
- 注意
-
慎重投与
次の患者には慎重に投与すること
- 精神病又はその既往のある患者[ドパミン受容体作動性のため統合失調症の症状である幻覚、妄想等を悪化させる可能性がある。]
- 不整脈又はその既往のある患者[心房性期外収縮、洞性頻脈発症例の増加が報告されている。]
- 胸膜炎、胸水、胸膜線維症、肺線維症、心膜炎、心膜滲出液、後腹膜線維症又はその既往のある患者(特に、麦角製剤投与中にこれらの疾患・症状を発現したことのある患者)[これらを悪化させる可能性がある。]
- 肝障害又はその既往のある患者[安全性についての十分なデータがない。]
- 腎障害又はその既往のある患者[腎障害等の症状が悪化することがある。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- レイノー病の患者[末梢血管障害を悪化させるおそれがある。]
重要な基本的注意
- 非麦角製剤と比較して、本剤を含む麦角製剤投与中の心臓弁膜症、線維症の報告が多いので、パーキンソン病に対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで本剤の投与を開始するとともに、投与継続中はリスクとベネフィットを考慮すること。(「副作用」の項参照)
- 本剤の長期投与において心臓弁膜症があらわれることがあるので、投与前・投与中に以下の検査を行い、十分な観察を行うこと。なお、投与中止により改善がみられたとの報告例もある。
- 本剤投与開始に際しては、聴診等の身体所見の観察、心エコー検査により潜在する心臓弁膜症の有無を確認すること。
- 本剤投与中は、投与開始後3~6ヵ月以内に、それ以降は少なくとも6~12ヵ月毎に心エコー検査を行うこと。心エコー検査等により心臓弁尖肥厚、心臓弁可動制限及びこれらに伴う狭窄等の心臓弁膜の病変が認められた場合は、本剤の投与を中止すること。また、十分な観察(聴診等の身体所見、胸部X線、CT等)を定期的に行うこと。(「副作用」の項参照)
- 線維症があらわれることがあるので、本剤投与中は十分な観察(身体所見、X線、心エコー、CT等)を適宜行うこと。(「副作用」の項参照)
- 間質性肺炎があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察するとともに、患者に対し、本剤の投与中に発熱、咳嗽、呼吸困難等があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、直ちに連絡するよう指導すること。(「副作用」の項参照)
- 体位性ないし持続性の低血圧がみられることがあるので、本剤の投与は少量から開始し、血圧等の観察を十分に行い、慎重に投与すること。
- 前兆のない突発的睡眠、傾眠がみられることがあるので、自動車の運転、高所での作業等、危険を伴う作業には従事させないように注意すること。
- レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により、病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されているので、このような症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また、患者及び家族等にこのような衝動制御障害の症状について説明すること。
- 本剤の減量、中止が必要な場合は、漸減すること。急激な減量又は中止により、悪性症候群を誘発することがある。また、ドパミン受容体作動薬の急激な減量又は中止により、薬剤離脱症候群(無感情、不安、うつ、疲労感、発汗、疼痛などの症状を特徴とする)があらわれることがある。
適用上の注意
- 本薬の動物試験で眼刺激性及び吸入毒性が認められており、また、本剤の粉砕時に眼刺激、異臭、頭重感等が認められたとの報告がある。
このため、- 粉砕は避けること。
- 本剤服薬直前に分包(調剤したものも含む)を開封して服薬すること。
用法用量に関連する使用上の注意
- 本剤の投与は、少量から開始し、消化器症状(悪心、嘔吐等)、血圧等の観察を十分に行い、慎重に維持量まで増量すること。
- 本剤の服用中に幻覚があらわれることがある。また、本剤を長期にわたり服用している患者で、投与を突然中止すると幻覚を誘発するおそれがあるので、中止する際には漸減すること。
効能効果に関連する使用上の注意
- 非麦角製剤の治療効果が不十分又は忍容性に問題があると考えられる患者のみに投与すること。(「重要な基本的注意」及び「副作用」の項参照)
高齢者への投与
- 本剤は主として肝臓で代謝されるが、高齢者では肝機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあるので、用量に留意して患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
- 外国で本剤の投与を受けた女性の一部が妊娠し、33妊娠例で健児を出産したが、6妊娠例では先天異常(重度3例、軽度3例)が認められたとの報告があるので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。
- ヒト乳汁移行の有無は不明であるが、薬理作用より乳汁分泌を抑制する可能性がある。
また、乳児における安全性は確立していないので、本剤を必要とする婦人は授乳してはならない。
小児等への投与
- 小児に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]
薬物動態
- 生物学的同等性試験
- ペルゴリン顆粒0.025%と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ0.2g、1錠(ペルゴリドとして50μg)を健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中ペルゴリド濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(Cmax、AUC)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
- 平均血漿中濃度時間的推移
製剤名 判定パラメータ 参考パラメータ Cmax
(pg/mL)AUC
(pg・hr/mL)Tmax
(hr)T1/2
(hr)ペルゴリン顆粒
0.025%、0.2g(50μg)11.86±13.10 176.35±198.76 3.9±1.7 10.3±5.0 標準製剤
(錠剤、50μg)10.63±8.04 163.93±138.18 3.5±1.3 11.8±8.2 平均±標準偏差(n=17) - 血漿中濃度並びにCmax、AUC等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
- ペルゴリン顆粒0.025%と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ0.2g、1錠(ペルゴリドとして50μg)を健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中ペルゴリド濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(Cmax、AUC)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
- 溶出挙動(参考)
- 本剤0.2g(ペルゴリドとして50μg)と標準製剤(錠剤、ペルゴリドとして50μg)の平均溶出率を比較したところ、溶出挙動が同等と判断された(承認時)。