製品名 ゲンタシン注10
ゲンタシン注40
ゲンタシン注60

一般名
Gentamicin Sulfate
薬効分類
抗菌薬
 >抗菌薬(アミノグリコシド系)
価格
10mg1管:114円/管
40mg1管:286円/管
60mg1管:301円/管

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • <適応菌種>

    • ゲンタマイシンに感性のブドウ球菌属、大腸菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、緑膿菌
  • <適応症>

    • 敗血症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肺炎、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、中耳炎

用法・用量

  • 通常、成人ではゲンタマイシン硫酸塩として1日3mg(力価)/kgを3回に分割して筋肉内注射または点滴静注する。増量する場合は、1日5mg(力価)/kgを限度とし、3~4回に分割して投与する。
  • 小児では、1回2.0~2.5mg(力価)/kgを1日2~3回筋肉内注射または点滴静注する。
  • 点滴静注においては30分~2時間かけて注入する。
  • なお、年齢、症状により適宜減量する。
禁忌
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分並びに他のアミノグリコシド系抗生物質及びバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者
原則禁忌

次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること

  • 本人又はその血族がアミノグリコシド系抗生物質による難聴又はその他の難聴のある患者[難聴が発現又は増悪するおそれがある。]
副作用
ショック(頻度不明)
ショックを起こすことがあるので、観察を十分に行い、チアノーゼ、呼吸困難、胸内苦悶、心悸亢進、血圧低下等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性腎障害(0.1%未満)
急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
第8脳神経障害(0.1%未満)
眩暈、耳鳴、難聴等の第8脳神経障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止することが望ましいが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には慎重に投与すること。
注意

次の患者には慎重に投与すること

腎障害のある患者[高い血中濃度が持続し、腎障害が悪化するおそれがあり、また、第8脳神経障害等の副作用が強くあらわれるおそれがある。](【薬物動態】の項参照)
肝障害のある患者[肝障害を悪化させるおそれがある。]
重症筋無力症の患者[神経筋遮断作用がある。]
高齢者(「5.高齢者への投与」の項参照)
経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。]
低出生体重児、新生児(「7.小児等への投与」、【薬物動態】の項参照)
本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
眩暈、耳鳴、難聴等の第8脳神経障害があらわれることがあるので慎重に投与すること。特に腎機能障害患者、高齢者、長期間投与患者及び大量投与患者等では血中濃度が高くなりやすく、聴力障害の危険性がより大きくなるので、聴力検査を実施することが望ましい。アミノグリコシド系抗生物質の聴力障害は、高周波音に始まり低周波音へと波及するので、障害の早期発見のために、聴力検査の最高周波数である8kHzでの検査が有用である。
急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので慎重に投与すること。
投与期間中は血中濃度をモニタリングすることが望ましい。特に、腎機能障害患者、低出生体重児、新生児、高齢者、長期間投与患者及び大量投与患者等では血中濃度が高くなりやすいので、注意すること。(「5.高齢者への投与」「7.小児等への投与」、【薬物動態】「5.腎機能障害患者への投与法」、【薬物動態】「6.血中濃度モニタリング」の項参照)
取扱い方法
アンプルカット時に異物の混入を避けるため、アンプルの首部の周りをエタノール綿等で清拭しカットすること。
調製方法
点滴静注にあたって本剤の希釈には、通常「日局」生理食塩液、5%ブドウ糖注射液を用いるが、この他に現在までに配合変化がないことが確認されている補液は、「日局」リンゲル液、20%フルクトン注、クリニット注10%、ソリタ-T3号輸液・T3号G輸液、EL-3号輸液、ラクテック注があり、これらのいずれも用いることができる。
ヘパリンナトリウムと混合すると、本剤の活性低下を来すので、それぞれ別経路で投与すること。
点滴静注時
点滴静注の場合、急速に投与しないこと。
筋肉内注射時
筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため以下の点に注意すること。
同一部位への反復注射はなるべく行わないこと。また、低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児には特に注意すること。
神経走行部位を避けるよう注意すること。なお、注射針を刺入したとき、神経にあたったと思われるような激痛を訴えた場合は、直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。
注射器の内筒を軽くひき、血液の逆流がないことを確かめて注射すること。
硬結を来すことがあるので、注射直後は局所を十分にもむこと。
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
腎障害のある患者には、投与量を減ずるか、投与間隔をあけて使用すること。(「1.慎重投与」、【薬物動態】の項参照)
成人に1日最大5mg(力価)/kgまで増量した場合、副作用の発現を防ぐため、臨床的改善が認められた場合は、速やかに減量すること。
高齢者には、次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあり、第8脳神経障害、腎障害等の副作用があらわれやすい。
高齢者では、ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[新生児に第8脳神経障害があらわれるおそれがある。また、動物実験(モルモット)で新生仔に外有毛細胞の消失がみられたとの報告がある。]
授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせること。[母乳中へ移行することが報告されている。(【薬物動態】の項参照)]
低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない。低出生体重児や新生児では腎の発達が未熟であるため、血中濃度の半減期が延長し、高い血中濃度が長時間持続するおそれがある。したがって、やむを得ず投与する場合には投与間隔を延長するなど慎重に投与すること。
本剤は添加物としてベンジルアルコールを含有している。外国において、低出生体重児へのベンジルアルコールの静脈内大量投与(一日平均投与量99~234mg/kg)によりGasping症候群が発現したとの報告がある。したがって、低出生体重児に対してやむを得ず投与する場合には慎重に投与すること。
血中濃度
腎機能正常成人に、本剤60mg(力価)を筋肉内注射又は30分、1時間及び2時間点滴静注したときの血清中濃度及び薬物動態パラメータは下表に示したとおりであった。筋肉内注射6時間後に平均1.09μg/mL、点滴静注開始6~8時間後には平均0.68~1.45μg/mLに低下した。
投与法nTmax(hr)Cmax(μg/mL)t1/2(hr)AUC(μg・hr/mL)
筋肉内注射40.545.092.4920.69
点滴静注(30min)30.56.663.2727.09
点滴静注(1hr)51.05.793.1419.66
点滴静注(2hr)52.05.174.3322.05
:点滴終了時
健康成人又は腎機能障害患者に本剤60mg(力価)を1時間点滴静注したときの血清中濃度及び薬物動態パラメータは下表に示したとおりであった。腎機能低下に伴いt1/2の延長、AUCの増大の傾向が認められた。
クレアチニン・クリアランス(mL/min)nCmax(μg/mL)t1/2(hr)AUC(μg・hr/mL)
健康成人35.11.1110.75
60≦Ccr≦8034.71.7213.45
30≦Ccr<6034.51.7712.96
30>Ccr15.87.1353.54
健康成人男性に、本剤1.7mg(力価)/kg及び5mg(力価)/kgを30分点滴静注したとき、血清中濃度は点滴終了時にピークを示し、その後二相性に低下した。その消失パターンは用量間で類似(平行推移)していた。
(注)本剤の承認された成人投与量は、1日3mg(力価)/kgを3分割[増量する場合は、1日5mg(力価)/kgを限度とし3~4分割]である。
健康成人に本剤を単回投与(30分点滴静注)したときの血清中ゲンタマイシン濃度推移(EMIT)
算術平均値+標準偏差(n=8)、EMIT:ホモジニアス酵素免疫測定法
健康成人に本剤を単回投与(30分点滴静注)したときの薬物動態パラメータ
用量Tmax(hr)Cmax††(μg/mL)C8hr††(μg/mL)AUC0-∞§(μg・hr/mL)t1/2(hr)
1.7mg(力価)/kg0.513.0(13%)0.577(21%)29.8(15%)α:0.252(41%)
β:2.11(4%)
5mg(力価)/kg0.534.1(8%)1.80(23%)82.9(9%)α:0.301(34%)
β:2.23(7%)
幾何平均値及びCV%(n=8)ノンコンパートメントモデル解析。ただし、t1/2はゲンタマイシンC1(LC-MS/MS)濃度に基づく2-コンパートメントモデル解析:点滴終了時††:Cmax及びC8hrはゲンタマイシン濃度(EMIT)§:AUC0-∞はゲンタマイシン推定値(EMIT相当値、ゲンタマイシンC1(LC-MS/MS)に基づく解析結果に換算係数1.7819を乗じた値)
乳児、幼児、小児に本剤2.0又は2.5mg(力価)/kgを30分又は1時間点滴静注したときの血清中濃度及び薬物動態パラメータは下表に示したとおりであった。いずれの年齢区分においても、Cmaxの平均値は5~10μg/mLに達し、投与終了6時間後には2μg/mL未満に低下した。
小児に本剤を単回投与したときの薬物動態パラメータ
点滴時間(min)用量年齢区分薬物動態パラメータ
Cmax(μg/mL)t1/2(hr)
302.5mg(力価)/kg乳児7.63(4)1.84(2)
幼児9.94(4)1.46(4)
小児9.84(4)1.85(4)
602.0mg(力価)/kg乳児5.28(3)1.98(3)
幼児5.33(2)1.39(2)
小児7.31(2)1.35(2)
2.5mg(力価)/kg幼児7.56(3)1.68(2)
小児8.58(2)1.31(1)
測定方法:イムノアッセイ法( )内は例数
分布
体液・組織内移行
脳脊髄液中濃度
頭部外傷患者に本剤80mg(力価)を筋肉内注射したとき、投与1時間後に1.15~1.50μg/mLの最高脳脊髄液中濃度を示した。
胆汁中濃度
胆石の胆のう摘出後患者に本剤40mg(力価)を筋肉内注射したとき、胆汁中濃度は投与30分後に最高値7.2μg/mL又は投与2時間後に最高値5.0~6.4μg/mLを示した。
母乳中濃度
授乳婦に本剤80mg(力価)を筋肉内注射したとき、母乳中濃度はピーク時の血中濃度の約1/50の値(0.157μg/mL)であった。
(注)本剤の承認された成人投与量は、1日3mg(力価)/kgを3分割[増量する場合は、1日5mg(力価)/kgを限度とし3~4分割]である。
血清蛋白結合
ヒト血清蛋白結合率は10μg/mLの濃度で3.4%であった(in vitro)。
代謝
(参考)ラット及びイヌの尿中に抗菌活性をもつ代謝産物は認められなかった。
排泄
本剤の主排泄経路は尿中排泄であった。健康成人に本剤1mg(力価)/kgを筋肉内注射及び点滴静注(1時間及び2時間)したとき、投与開始6時間後までに点滴静注(1時間)で83.0%、点滴静注(2時間)で85.7%、筋肉内注射で96.5%が尿中に排泄された。
腎機能障害患者への投与法
腎機能障害患者では、血中濃度の半減期が延長し、高い血中濃度が長時間持続して、第8脳神経障害又は腎障害があらわれるおそれがあるので、腎機能障害度に応じて、次のような方法により投与量及び投与間隔を調節する。ただし、これらの方法を用いて調節しても高い血中濃度が長時間持続する可能性があるため、投与期間中は血中濃度をモニタリングしながら慎重に投与すること。
投与間隔を調節する方法
通常量を「血清クレアチニン値(mg/dL)×8」時間毎に投与する。
1回投与量を調節する方法
初回は通常量を投与し、以降の維持量は通常量を血清クレアチニン値(mg/dL)で除した用量を8時間毎に投与する。
血中濃度モニタリング
アミノグリコシド系抗生物質による副作用発現の危険性は、最高血中濃度(筋肉内注射後15~60分又は点滴静注終了時)あるいは最低血中濃度(次回投与直前値)が異常に高い場合に大きくなるといわれている。本剤の場合は、最高血中濃度が12μg/mL以上、最低血中濃度が2μg/mL以上が繰り返されると、腎障害や第8脳神経障害発生の危険性が大きくなるといわれている。
腎機能障害患者、低出生体重児、新生児、高齢者、長期間投与患者及び大量投与患者等では血中濃度が高くなりやすいので、特に最高血中濃度と最低血中濃度を測定し、投与量や投与間隔を調整することが望ましい。
例えば、異常に高い最高血中濃度が繰り返されている場合は投与量を減量し、異常に高い最低血中濃度が繰り返されている場合は投与間隔を延長するなど投与方法の調整を行う。