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ドロレプタン注射液25mg

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○フェンタニルとの併用による、手術、検査、および処置時の全身麻酔並びに局所麻酔の補助
  • ○ドロペリドールの単独投与による麻酔前投薬

用法・用量

  • フェンタニルクエン酸塩との併用による場合

    • 導入麻酔剤として投与する場合には通常成人ドロレプタン注射液0.1~0.2mL/kg(ドロペリドールとして0.25~0.5mg/kg)をフェンタニル注射液0.1~0.2mL/kg(フェンタニルクエン酸塩として7.85~15.7μg/kg)と共に緩徐に静注するか、またはブドウ糖液等に希釈して点滴静注する。
    • 局所麻酔の補助として投与する場合には局所麻酔剤投与10~15分後に通常成人ドロレプタン注射液0.1mL/kg(ドロペリドールとして0.25mg/kg)をフェンタニル注射液0.1mL/kg(フェンタニルクエン酸塩として7.85μg/kg)と共に緩徐に静注する。
    • なお、患者の年齢・症状に応じて適宜増減する。
  • ドロペリドール単独で麻酔前投薬として投与する場合

    • 通常成人ドロレプタン注射液0.02~0.04mL/kg(ドロペリドールとして0.05~0.1mg/kg)を麻酔開始30~60分前に筋注する。
      なお、患者の年齢・症状に応じて適宜増減する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 痙攣発作の既往歴のある患者[痙攣を誘発することがある。]
  • 2.3 外来患者[麻酔前後の管理が行き届かない。]
  • 2.4 重篤な心疾患を有する患者[重篤な副作用が生じる可能性がある。][9.1.2参照]
  • 2.5 QT延長症候群のある患者[QT延長が発現したとの報告がある。][9.1.2参照]
  • 2.6 新生児、乳児及び2歳以下の幼児[9.7参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 パーキンソン病等錐体外路系疾患の患者
過量投与により錐体外路症状を呈することがある。
9.1.2 心疾患のある患者(重篤な心疾患を有する患者、QT延長症候群のある患者を除く)
QT延長、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)が発現したとの報告がある。[2.4、2.5参照]
9.1.3 poor risk状態の患者
適宜減量すること。錐体外路系症状等の副作用が発現し易い。
9.1.4 褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者
異常な血圧上昇を起こすことがある。
9.2 腎機能障害患者
血中濃度が高くなるため、副作用発現の危険性が増加する。
9.3 肝機能障害患者
血中濃度が高くなるため、副作用発現の危険性が増加する。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
マウスに本剤を投与した試験(15・40mg/kg 妊娠7日目から6日 腹腔内)において、40mg/kg投与群に骨格(胸椎骨、肋骨)異常、生児平均体重の減少が認められている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
新生児、乳児及び2歳以下の幼児には投与しないこと。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。[2.6参照]
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。錐体外路系症状等の副作用が発現し易い。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の使用に際しては、一般の全身麻酔剤と同様、必ず気道確保、呼吸管理等の蘇生設備の完備された場所で、麻酔医の管理の下に使用すること。
8.2 麻酔を行う際にはあらかじめ絶食をさせておくこと。
8.3 麻酔を行う際には原則として麻酔前投薬を行うこと。
8.4 麻酔中は気道に注意して呼吸・循環に対する観察を怠らないこと。
8.5 麻酔の深度は手術、検査に必要な最低の深さにとどめること。
8.6 麻酔前に酸素吸入器、吸引器具、挿管器具等の人工呼吸のできる器具を手もとに準備しておくことが望ましい。

14.適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意
筋肉内注射にあたっては、組織・神経などへの影響を避けるため、次の点に配慮すること。
・神経走行部位を避けるよう注意して注射すること。
・繰り返し注射する場合には、同一注射部位を避けること。
・注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き部位をかえて注射すること。

7.用法及び用量に関連する注意

本剤の用法及び用量は、患者の感受性、全身状態、手術々式、麻酔方法等に応じてきめるが、一般にフェンタニルとの併用による導入麻酔・局所麻酔、また本剤単独投与による麻酔前投薬は通常次のとおり行われている。
7.1 導入麻酔剤として
アトロピン硫酸塩水和物など通常の麻酔前投薬に引き続き、本剤及びフェンタニルの1回量を緩徐に静注(点滴静注が安全で確実)する。なお症例により、同時にGO、GOF等の吸入麻酔やチアミラール等の静注用全身麻酔剤の併用も行われる。
7.2 局所麻酔の補助として
メピバカイン等による持続硬膜外麻酔の補助として本剤を併用する(症例によっては、全身麻酔や気管内挿管を必要としないで手術可能な例もある)。
7.3 麻酔前投薬として
通常麻酔開始30分~1時間前に本剤1回量の筋注を行う。
投与後10~30分後にはほとんどの例に十分な鎮静効果が得られる。
なお症例により、アトロピン硫酸塩水和物が併用される場合もある。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
健康男性3例に3H-ドロペリドール5mgを静注投与した場合、ドロペリドールの血漿中濃度は投与後30分で約30ng/mLに低下し、以後緩やかに漸減した。また、健康男性9例に3H-ドロペリドール5mgを筋注投与した場合、吸収は速く、その血漿中濃度の推移は静注と類似していた(外国人データ)。
16.3 分布
ラットに3H-ドロペリドール1.6mg/kgを皮下注し、臓器中の放射活性を測定した結果、肝・腎では投与後30分、血液その他の臓器では15分後に最高値を示し、いずれの臓器においても急速に低下し、蓄積傾向は認められなかった。
16.5 排泄
健康男性3例に3H-ドロペリドール5mgを静注投与した場合、投与後96時間以内に投与量の約75%相当の代謝物及び1%未満の未変化体が尿中に排泄された(外国人データ)。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
中枢神経系抑制剤
バルビツール酸系薬剤、向精神薬、麻薬性鎮痛剤等
MAO阻害剤
中枢神経抑制作用が増強され覚醒が遅延することがある。相加的に中枢神経抑制作用が増強される。
β-遮断剤血圧降下、頻脈等の心毒性が増強されるおそれがある。本剤の心血管系に対する作用がβ-遮断剤により増強される。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 血圧降下(頻度不明)
血圧降下があらわれた場合には輸液を行い、更に必要な場合は昇圧剤(アドレナリンを除く)の投与を行うこと。なお、本剤を腰椎麻酔、硬膜外麻酔に併用すると、更に血圧降下を招くおそれがあるので、このような場合には慎重に投与すること。
11.1.2 不整脈(頻度不明)、期外収縮(頻度不明)、QT延長(頻度不明)、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)(頻度不明)、心停止(頻度不明)
11.1.3 ショック(頻度不明)
11.1.4 間代性痙攣(頻度不明)
11.1.5 悪性症候群(頻度不明)
体温上昇、筋硬直、不安、混乱、昏睡、CK上昇等があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。ダントロレン、ブロモクリプチン、ECTが効果的であったとの報告がある。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1%以上1%未満頻度不明
過敏症そう痒、紅斑、じん麻疹
呼吸器呼吸抑制
循環器起立性低血圧注)、頻脈、徐脈、血圧上昇
精神神経系頭痛、気分動揺、不眠せん妄、傾眠、錐体外路症状、覚醒遅延、ふるえ、めまい、興奮
肝臓AST上昇、ALT上昇
その他悪心・嘔吐、発汗、咽頭痛喘鳴、吃逆、四肢冷感、体温降下、嗄声喀痰排出増加、喀痰排出困難、発熱、口渇

注)術後患者を動かしたり、体位を変えるときには注意すること。

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