製品名 アムビゾーム点滴静注用50mg

一般名
Amphotericin B
薬効分類
抗真菌薬
 >抗真菌薬(アムホテリシン系)
価格
50mg1瓶:9794円/瓶

製薬会社
効能・効果
用法・容量
  • 真菌感染症

    • アスペルギルス属、カンジダ属、クリプトコッカス属、ムーコル属、アブシジア属、リゾプス属、リゾムーコル属、クラドスポリウム属、クラドヒアロホーラ属、ホンセカエア属、ヒアロホーラ属、エクソフィアラ属、コクシジオイデス属、ヒストプラズマ属及びブラストミセス属による下記感染症
      • 真菌血症、呼吸器真菌症、真菌髄膜炎、播種性真菌症

        • 体重1kg当たりアムホテリシンBとして2.5mg(力価)を1日1回、1~2時間以上かけて点滴静注する。
          患者の症状に応じて適宜増減できるが、1日総投与量は体重1kg当たり5mg(力価)までとする。但し、クリプトコッカス髄膜炎では、1日総投与量は体重1kg当たり6mg(力価)まで投与できる。
  • 真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症

    • 体重1kg当たりアムホテリシンBとして2.5mg(力価)を1日1回、1~2時間以上かけて点滴静注する。
  • リーシュマニア症

    • 免疫能の正常な患者には、投与1~5日目の連日、14日目及び21日目にそれぞれ体重1kg当たりアムホテリシンBとして2.5mg(力価)を1日1回、1~2時間以上かけて点滴静注する。
    • 免疫不全状態の患者には、投与1~5日目の連日、10日目、17日目、24日目、31日目及び38日目にそれぞれ体重1kg当たりアムホテリシンBとして4.0mg(力価)を1日1回、1~2時間以上かけて点滴静注する。
禁忌
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 白血球を輸注中の患者〔「相互作用」の項参照〕
副作用
注1)
ショック、アナフィラキシー(1%未満)
観察を十分に行い、ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、チアノーゼ、血圧低下、蕁麻疹等)があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
投与時関連反応(頻度不明)
本剤注入に伴う重篤な症状として咽頭炎、嚥下障害、呼吸困難、チアノーゼ、心房粗動、胸痛等があらわれることがあるので、本剤注入時には観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、投与時関連反応の予防あるいは治療法には、点滴速度を遅らせるか、ジフェンヒドラミン、アセトアミノフェン及びヒドロコルチゾン等の投与が有効であるとの報告がある。
腎不全、中毒性ネフロパシー等の重篤な腎障害(1~5%未満)
定期的に腎機能検査を行うなど観察を十分に行い、重篤な腎機能検査値異常等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝不全、黄疸、高ビリルビン血症等の重篤な肝機能障害(1~5%未満)
定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行い、重篤な肝機能検査値異常等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
低カリウム血症(1~5%未満)
重篤な低カリウム血症があらわれることがあり、血清カリウム値の異常変動に伴い心室頻拍等の不整脈、全身倦怠感、脱力感等が発現するおそれがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。〔「重要な基本的注意」の項参照〕
横紋筋融解症(1%未満)
低カリウム血症を伴う横紋筋融解症があらわれることがあるので、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
無顆粒球症、白血球減少(頻度不明)、血小板減少(1%未満)
無顆粒球症、白血球減少、血小板減少があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
心停止、心不全、不整脈(心室頻拍、心室細動、心房細動等)(1%未満)
観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
敗血症、肺炎等の重篤な感染症(1~5%未満)
患者の全身状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
痙攣、意識障害等の中枢神経症状(1%未満)
観察を十分に行い、このような症状が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注1)頻度は国内臨床試験、特定使用成績調査、製造販売後臨床試験、海外臨床試験の集計結果による。但し、市販後の自発報告等又は外国での報告による副作用は頻度不明とした。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
アムホテリシンBで、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肺水腫
アムホテリシンBで、肺水腫があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
注意

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

腎障害のある患者〔本剤の投与により、更に腎機能が低下するおそれがある。〕
薬物過敏症の既往歴のある患者
大豆アレルギーのある患者〔本剤の添加物に大豆由来の成分が含まれるため。〕

重要な基本的注意

腎障害があらわれることがあるので、定期的に腎機能、血清電解質(特にカリウム、マグネシウム)の検査を行うなど、観察を十分に行い、異常が認められた場合は減量、休薬、血清電解質の補正等適切な処置を行うこと。特にこれらの症状が重篤な場合には患者の回復を待って投与を再開すること。また、慢性腎炎、急性腎炎の患者では、本剤の腎臓組織内濃度が高まる可能性があるため注意すること。
本剤の毒性に対する感受性は、患者によって個体差があるため、定期的に腎機能、肝機能、血清電解質(特にカリウム、マグネシウム)、血球数等の検査を行うなど、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
本剤の投与に際しては、アレルギー歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと。
投与終了時期あるいは本剤無効による投与中止時期を判断する場合は、国内外の学会ガイドライン等の情報を参考にすること。
〔真菌感染症の場合〕
本剤投与開始後において、原因菌が本剤の適応菌種でないことが明確になった場合、又は本剤投与で効果が認められない場合は、他の薬剤に変更するなど適切な処置を行うこと。
アスペルギルス属の呼吸器真菌症のうちアスペルギローマ(慢性壊死性肺アスペルギルス症を含む)においては、発熱等の臨床症状及び炎症反応が強く、胸部X線等で空洞周囲に浸潤影を認め、注射用抗真菌薬投与の必要性を認めた場合に、本剤投与の必要性を十分検討した上で投与すること。
〔真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症の場合〕
本剤投与開始後に、腫瘍熱・薬剤熱等の非感染性の発熱であることが確認された場合には、速やかに投与を中止すること。
本剤投与開始後は随時治療効果を評価し、効果が認められない場合は、本剤の中止、他の薬剤に変更するなど適切な処置を行うこと。
〔リーシュマニア症の場合〕
リーシュマニア症は治療後に再発することがあり、特に免疫不全状態の患者では再発率が高いので、治療後も定期的に観察を行うなど注意すること。〔「臨床成績」の項参照〕

適用上の注意

投与経路
本剤の投与は点滴静注のみで行うこと。
調製時
溶解液又は希釈液として、生理食塩液等の電解質溶液を使用しないこと(濁りを生じることがある)。
溶解後
注射用水で溶解後、薬液は2~8℃で最長24時間まで保存できる(禁凍結)。薬液を5%ブドウ糖注射液で希釈した後、6時間以内に投与開始すること。なお、希釈後の薬液は0.2~2mg(力価)/mLの濃度において安定性が確認されている。
沈殿、異物が確認された場合は使用しないこと。
投与時
本剤を投与する場合は1~2時間以上かけて点滴静注すること。
本剤の点滴投与時にインラインフィルターを用いる場合、平均孔径1.2μm未満のフィルターを使用してはならない。(孔径0.2μm及び0.45μmのインラインフィルターでは目詰まりを生じる。)
他の薬物とは混合しないこと。また、既に留置されている静注ラインは5%ブドウ糖注射液であらかじめ置き換えること。これができない場合には、別のラインを使って投与すること。
その他
可塑剤としてDEHP〔di-(2-ethylhexyl)phthalate;フタル酸ジ-2-エチルヘキシル〕を含むポリ塩化ビニル製の輸液セット等を使用した場合、DEHPが製剤中に溶出するので、DEHPを含まない輸液セット等を使用することが望ましい。
投与時関連反応(発熱、悪寒、悪心、嘔吐、頭痛、背部痛、骨痛等)が発現した場合は、点滴を一時中断し、患者の様子をみながら点滴速度を遅らせて投与を再開するなどの措置をとること。投与時関連反応の予防あるいは治療法には、点滴速度を遅らせるか、ジフェンヒドラミン、アセトアミノフェン及びヒドロコルチゾン等の投与が有効であるとの報告がある。〔「重大な副作用」の項参照〕
本剤の投与量に相関して副作用の発現率が上昇するため、高用量を投与する場合には十分注意すること。
真菌感染症
アゾール系抗真菌薬等が十分奏効するような軽症のカンジダ感染症に対しては、他剤を第一選択薬として使用することを考慮すること。
クロモブラストミコーシス(黒色分芽菌症)に対する本剤の有効性は確立されていない。
真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症
本剤は以下の3条件を満たす症例に投与すること。
1回の検温で38℃以上の発熱、又は1時間以上持続する37.5℃以上の発熱
好中球数が500/mm3未満の場合、又は1,000/mm3未満で500/mm3未満に減少することが予測される場合
適切な抗菌薬投与を行っても解熱せず、抗真菌薬の投与が必要と考えられる場合
発熱性好中球減少症の患者への投与は、発熱性好中球減少症の治療に十分な経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ実施すること。
発熱性好中球減少症に投与する場合には、投与前に適切な培養検査等を行い、起炎菌を明らかにする努力を行うこと。起炎菌が判明した際には、本剤投与継続の必要性を検討すること。

高齢者への投与

本剤のクリアランスには主に肝臓が関与し、腎臓の関与は小さいと考えられるが〔「薬物動態」の項参照〕、本剤投与により腎機能が低下するおそれがあるため〔「慎重投与」及び「重要な基本的注意」の項参照〕、特に肝機能あるいは腎機能が低下していることが多い高齢者では、観察を十分行うことが必要である。
また、一般的に高齢者では生理機能が低下しているので、投与量を減量するなど注意すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。また、ラットの周産期の投与により母動物の状態悪化に起因する死産率の高値が認められている。〕
本剤投与中は授乳を避けるか、あるいは授乳中の薬剤投与を避けること。〔動物実験(ラット)で乳汁移行が認められている。〕

小児等への投与

国内において低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。

薬物動態

血中濃度
日本人における成績
成人の深在性真菌症患者31例に、本剤1mg/kg/日、2.5mg/kg/日及び5mg/kg/日を1時間かけて静脈内投与したときのCmax及びAUC0~24は用量が増すにつれ増加し、特に5mg/kg/日投与群で一段と増加する傾向であった。半減期(T1/2)は用量による一定の変化は見られなかった。
薬物動態学的パラメータ
投与量
(mg/kg)
例数Cmax
(μg/mL)
T1/2
(h)
AUC0~24
(μg・h/mL)
MRT※1)
(h)
Cl※2)
(mL/h/kg)
Vd※3)
(L/kg)
1.0135.96±3.028.3±2.055.5±39.011.3±3.226±180.30±0.25
2.5916.19±7.419.8±8.0138.5±56.513.7±12.419±130.21±0.13
5.0945.71±20.147.0±1.4390.3±223.29.9±1.918±170.18±0.16
平均値±標準偏差※1)平均滞留時間※2)クリアランス※3)分布容積
血清中薬物濃度
1mg/kg投与
2.5mg/kg投与
5mg/kg投与
成人の深在性真菌症患者8例において、限外ろ過によりアムホテリシンBの血漿中での存在形態を検討した。リポソーム型、蛋白結合型及びフリー体としての存在比率はそれぞれ89.1±15.1、10.1±13.9及び0.8±1.1%(平均±標準偏差)であり、ほとんどがリポソーム型として血漿中に存在していた。
外国人における成績
米国において、成人の発熱性好中球減少症患者33例を対象に、本剤1mg/kg/日、2.5mg/kg/日、5mg/kg/日及び7.5mg/kg/日を1時間かけて静脈内投与したときのCmax及びAUC0~24は用量が増すにつれ増加する傾向であった。半減期(T1/2)には用量による一定の変化は見られなかった。
また、米国において、免疫不全状態にある小児の発熱性好中球減少症あるいは侵襲性真菌感染症の患者に対し、本剤2.5mg/kg/日及び5mg/kg/日を1時間かけて静脈内投与したときの薬物動態は、成人と大きな差はなかった。
薬物動態学的パラメータ(成人)
投与量
(mg/kg)
例数Cmax
(μg/mL)
T1/2
(h)
AUC0~24
(μg・h/mL)
MRT※1)
(h)
Cl※2)
(mL/h/kg)
Vd※3)
(L/kg)
1.087.3±3.810.7±6.427±1412.2±6.839±220.44±0.27
2.5717.2±7.18.1±2.365±338.0±1.051±440.40±0.37
5.01257.6±21.06.4±2.1269±968.2±2.021±140.16±0.10
7.5683.7±43.08.5±3.9476±3719.5±3.225±220.18±0.10
平均値±標準偏差※1)平均滞留時間※2)クリアランス※3)分布容積
薬物動態学的パラメータ(小児)
投与量
(mg/kg)
例数Cmax
(μg/mL)
T1/2
(h)
AUC0~24
(μg・h/mL)
Cl※2)
(mL/h/kg)
Vd※3)
(L/kg)
2.51015.1±9.08.8±2.1
(n=8)
54.7±32.938±13
(n=8)
0.47±0.18
(n=8)
5.01346.2±46.712.6±8.4351±44545±380.86±0.86
平均値±標準偏差※1)平均滞留時間※2)クリアランス※3)分布容積
注)本剤の承認された1日用量は、アムホテリシンBとして2.5mg(力価)/kg(但し、免疫不全状態のリーシュマニア症患者においては4mg(力価)/kg)である。なお、真菌感染症においては、患者の症状に応じて5mg(力価)/kgまで投与できる(但し、クリプトコッカス髄膜炎においては6mg(力価)/kgまで)。
分布(参考)
本剤をラット(1及び9mg/kg)及びイヌ(1mg/kg)に単回静脈内投与した時の臓器中アムホテリシンB濃度は、細網内皮系臓器である肝臓、脾臓で高く、消失は緩やかであった。
代謝
健康成人(外国人)に本剤2mg/kgを1回静脈内投与し、代謝物の存在を調査したが、アムホテリシンBの代謝物の存在は確認できなかった。
ラット及びイヌの肝S9では、種々の補酵素添加系においても明確な代謝反応は認められず、本剤を静脈内投与した時の各種臓器、排泄物及び屍体ホモジネートを分析した時のHPLCクロマトグラムには代謝物と考えられるピークは検出されなかった。(参考)
排泄
健康成人(外国人)に本剤の14C-コレステロール脂質標識体2mg/kgを1回静脈内投与した結果、投与後1週間までにアムホテリシンBの約10%が尿中及び糞便中に排泄され、血漿中のアムホテリシンBと併せて24.0%が確認された。
胆汁導出ラットに本剤3mg/kgを単回静脈内投与した時、投与後72時間までのアムホテリシンBの累積排泄率は、尿中に4.3%、胆汁中に5.9%であり、肝臓中のアムホテリシンBの残存率は投与量の60.1%であった。
肝障害モデルラットでのアムホテリシンBの血漿クリアランスは、対照動物に比べて約4分の1に低下したが、腎障害モデルラットでは対照動物と差がなかったことから、本剤のクリアランスには主に肝臓が関与し、腎臓の関与は小さいと考えられた。(参考)