製品名 ミダゾラム注10mg「サンド」

一般名
Midazolam
薬効分類
鎮静薬(麻酔薬含む)
 >ベンゾジアゼピン系薬(短時間型)
価格
10mg2mL1管:65円/管

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 麻酔前投薬
  • 全身麻酔の導入及び維持
  • 集中治療における人工呼吸中の鎮静
  • 歯科・口腔外科領域における手術及び処置時の鎮静

用法・用量

  • 麻酔前投薬

    • 通常、成人にはミダゾラム0.08~0.10mg/kgを手術前30分~1時間に筋肉内に注射する。
    • 通常、修正在胎45週以上(在胎週数+出生後週数)の小児にはミダゾラム0.08~0.15mg/kgを手術前30分~1時間に筋肉内に注射する。
  • 全身麻酔の導入及び維持

    • 通常、成人にはミダゾラム0.15~0.30mg/kgを静脈内に注射し、必要に応じて初回量の半量ないし同量を追加投与する。
      静脈内に注射する場合には、なるべく太い静脈を選んで、できるだけ緩徐に(1分間以上の時間をかけて)注射する。
  • 集中治療における人工呼吸中の鎮静

    • 導入

      • 通常、成人には、初回投与はミダゾラム0.03mg/kgを少なくとも1分以上かけて静脈内に注射する。より確実な鎮静導入が必要とされる場合の初回投与量は0.06mg/kgまでとする。必要に応じて、0.03mg/kgを少なくとも5分以上の間隔を空けて追加投与する。但し、初回投与及び追加投与の総量は0.30mg/kgまでとする。
      • 通常、修正在胎45週以上(在胎週数+出生後週数)の小児には、初回投与はミダゾラム0.05~0.20mg/kgを少なくとも2~3分以上かけて静脈内に注射する。必要に応じて、初回量と同量を少なくとも5分以上の間隔を空けて追加投与する。
    • 維持

      • 通常、成人にはミダゾラム0.03~0.06mg/kg/hより持続静脈内投与を開始し、患者の鎮静状態をみながら適宜増減する。(0.03~0.18mg/kg/hの範囲が推奨される)
      • 通常、修正在胎45週以上(在胎週数+出生後週数)の小児には、ミダゾラム0.06~0.12mg/kg/hより持続静脈内投与を開始し、患者の鎮静状態をみながら適宜増減する。(投与速度の増減は25%の範囲内とする)
      • 通常、修正在胎45週未満(在胎週数+出生後週数)の小児のうち、修正在胎32週未満ではミダゾラム0.03mg/kg/h、修正在胎32週以上ではミダゾラム0.06mg/kg/hより持続静脈内投与を開始し、患者の鎮静状態をみながら適宜増減する。
  • 歯科・口腔外科領域における手術及び処置時の鎮静

    • 通常、成人には、初回投与としてミダゾラム1~2mgをできるだけ緩徐に(1~2mg/分)静脈内に注射し、必要に応じて0.5~1mgを少なくとも2分以上の間隔を空けて、できるだけ緩徐に(1~2mg/分)追加投与する。但し、初回の目標鎮静レベルに至るまでの、初回投与及び追加投与の総量は5mgまでとする。
  • なお、いずれの場合も、患者の年齢、感受性、全身状態、手術術式、麻酔方法等に応じて適宜増減する。
禁忌

【警告】

  • 「2.重要な基本的注意」に留意し、呼吸及び循環動態の連続的な観察ができる設備を有し、緊急時に十分な措置が可能な施設においてのみ用いること。[呼吸抑制及び呼吸停止を引き起こすことがあり、速やかな処置が行われないために死亡又は低酸素脳症に至った症例が報告されている。]
  • 低出生体重児及び新生児に対して急速静脈内投与をしてはならない。[急速静脈内投与後、重度の低血圧及び痙攣発作が報告されている。]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 急性狭隅角緑内障のある患者[眼圧を上昇させるおそれがある。]
  • 重症筋無力症のある患者[重症筋無力症の症状を悪化させるおそれがある。]
  • HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビルを含有する薬剤、サキナビル、インジナビル、ネルフィナビル、アタザナビル、ホスアンプレナビル、ダルナビルを含有する薬剤)、エファビレンツ、コビシスタットを含有する薬剤及びオムビタスビル・パリタプレビル・リトナビルを投与中の患者(「3.相互作用」の項参照)
  • ショックの患者、昏睡の患者、バイタルサインの抑制がみられる急性アルコール中毒の患者
副作用
(頻度不明)
依存性
連用により、薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。投与量の急激な減少ないし中止により、痙攣発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想、不随意運動等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
無呼吸、呼吸抑制、舌根沈下
無呼吸、呼吸抑制、舌根沈下があらわれることがある。このような場合には気道を確保し、換気をはかるなど適切な処置を行うこと。
アナフィラキシーショック
アナフィラキシーショックがあらわれることがあるので、本剤投与中は観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
心停止
心停止が報告されている。
心室頻拍、心室性頻脈
心疾患患者において心室頻拍、心室性頻脈があらわれることがあるので、投与中には循環動態の変化に十分注意し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
悪性症候群(Syndrome malin)
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともにダントロレンナトリウムの投与等適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。
なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行することがある。
注意

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

高度重症患者、呼吸予備力の制限されている患者[無呼吸、心停止が起こりやすい。]
高齢者(「5.高齢者への投与」の項参照)
肝障害、腎障害のある患者[代謝・排泄が遅延し、作用が強く又は長くあらわれるおそれがある。]
衰弱患者[作用が強く又は長くあらわれるおそれがある。]
脳に器質的障害のある患者[作用が強くあらわれるおそれがある。]
妊婦又は妊娠している可能性のある患者、授乳婦(「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児(「7.小児等への投与」の項参照)
重症心不全等の心疾患のある患者[本剤の投与により症状の悪化又は急激な血圧低下をきたすことがあるので、必ず動脈圧及び心電図をモニターし、昇圧剤等の蘇生に必要な薬剤を準備したうえで使用すること。]
重症の水分又は電解質障害のある急性期患者[脱水等により体液が不足している患者では、本剤の投与により血圧低下をきたしやすいので、十分な補液・輸液が行われるまで本剤の投与を行わないこと。]
手術中の出血量の多い患者、多量の輸液を必要とした患者[血圧低下及び心電図異常をきたしやすい。]
アルコール又は薬物乱用の既往のある患者
睡眠時無呼吸症候群の患者[呼吸症状が悪化するおそれがある。]
[歯科・口腔外科領域における手術及び処置時の鎮静]
上気道閉塞に関連する疾患(高度の肥満症、小顎症、扁桃肥大、睡眠時無呼吸症候群等)を有する患者[気道閉塞を起こしやすく、マスク換気や気管挿管による気道確保の操作が困難である。]

重要な基本的注意

本剤の作用には個人差があるので、投与量(初回量、追加量)及び投与速度に注意すること。
呼吸・循環の管理に注意し、術後は患者が完全に回復するまで管理下に置くこと。[無呼吸、呼吸抑制、舌根沈下、血圧低下等があらわれることがある。]
本剤投与前に酸素吸入器、吸引器具、挿管器具等の人工呼吸のできる器具及び昇圧剤等の救急蘇生剤を手もとに準備しておくこと。また、必要に応じてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を手もとに準備しておくことが望ましい。(「8.過量投与」の項参照)
[集中治療における人工呼吸中の鎮静]
本剤投与中は、気管内挿管による気道確保を行うこと。
持続投与期間が24時間を超える場合は、覚醒が遅延することがあるので、十分な患者管理のできる状態で使用すること。
本剤投与中は、パルスオキシメーターや血圧計等を用いて、患者の呼吸及び循環動態を継続的に観察すること。
本剤を用法及び用量の範囲内で投与しても適切な鎮静がみられない場合は、より適切と考えられる治療への変更を考慮すること。[他の鎮静剤が有用なことがある。]
[歯科・口腔外科領域における手術及び処置時の鎮静]
本剤の投与に際しては、歯科・口腔外科領域における手術及び処置時の鎮静における患者管理に熟練した医師・歯科医師が、本剤の薬理作用を正しく理解し、患者の鎮静レベル及び全身状態を注意深く継続して管理すること。また、気道確保、酸素吸入、人工呼吸、循環管理を行えるように準備をしておくこと。
過度の鎮静(呼びかけに対する応答がなくなる程度)及び呼吸器・循環器系の抑制を避けるため、歯科・口腔外科処置を行う医師・歯科医師とは別に呼吸及び循環動態を観察できる医療従事者をおき、パルスオキシメーターや血圧計等を用いて手術・処置中の患者を観察すること。
術野と気道が同一部位であり、器具等の使用により口腔内に水分等が貯留しやすいことから、誤嚥、気道閉塞を起こさないよう注意すること。
手術・処置後は全身状態に注意し、基本的運動・平衡機能の回復等に基づき帰宅可能と判断できるまで患者を管理下に置くこと。また、鎮静の影響が完全に消失するまでは自動車の運転等危険を伴う機械操作に従事しないよう、患者に注意すること。

適用上の注意

投与時
動脈内に注射した場合、末梢の壊死を起こすおそれがあるので動脈内には絶対に注射しないこと。
急速に静脈内に注射した場合、あるいは細い静脈内に注射した場合には血栓性静脈炎を起こすおそれがあるので、なるべく太い静脈を選んで投与すること。
静脈内に注射した場合、ときに血管痛、静脈炎があらわれることがある。
筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため、下記の点に注意すること。
繰り返し注射する場合、例えば左右交互に注射するなど、同一注射部位を避けて行うこと。特に低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児には注意すること。
神経走行部位を避けるよう注意すること。
注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
注射部位に、ときに疼痛、発赤、硬結があらわれることがある。
調製時
本品は、ワンポイントカットアンプルであるが、アンプルのカット部分をエタノール綿等で清拭してからカットすることが望ましい。
本剤は酸性溶液で安定であるが、pHが高くなると沈殿や白濁を生ずることがあるので、アルカリ性注射液(チオペンタールナトリウム注射液等)、リドカイン注射液との配合は避けること。
輸液容器・輸液セットの使用時
本剤を乳酸リンゲル液と配合するときはポリ塩化ビニル製の輸液容器・輸液セットの使用は避けること。[乳酸リンゲル液で希釈した場合、ミダゾラムはガラス製容器には吸着しなかったが、ポリ塩化ビニル製の容器には吸着したとの報告がある。]
ミダゾラムに対する反応は個人差があり、患者の年齢、感受性、全身状態、目標鎮静レベル及び併用薬等を考慮して、過度の鎮静を避けるべく投与量を決定すること。特に、高齢者、衰弱患者、心不全患者、及び麻酔薬、鎮痛薬(麻薬性及び非麻薬性鎮痛薬)、局所麻酔薬、中枢神経系抑制薬等を併用する場合は投与量を減じること。[作用が強くあらわれやすい。(「1.慎重投与」の項、「5.高齢者への投与」の項参照)]
患者によってはより高い用量が必要な場合があるが、この場合は過度の鎮静及び呼吸器・循環器系の抑制に注意すること。
投与は常にゆっくりと用量調節しながら行うこと。また、より緩徐な静脈内投与を行うためには、本剤を適宜希釈して使用することが望ましい。
[集中治療における人工呼吸中の鎮静]
導入
過度の鎮静及び呼吸器・循環器系の抑制に注意すること。
導入
導入時の用法及び用量が設定されている修正在胎45週以上(在胎週数+出生後週数)の小児における初回投与及び追加投与の総量は0.60mg/kgまでを目安とすること。
維持
鎮静を維持する場合は、目的とする鎮静度が得られる最低の速度で持続投与すること。
全身麻酔後の患者等、患者の状態によっては、持続静脈内投与から開始してもよい。
本剤を長期間(100時間を超える)にわたって投与する場合は、患者の状態をみながら投与量の増加あるいは鎮痛剤の併用を検討すること。[効果が減弱するとの報告があるため。]
[歯科・口腔外科領域における手術及び処置時の鎮静]
目標とする鎮静レベル(呼びかけに応答できる程度)に達するまで、患者の鎮静状態を観察しながら緩徐に投与すること。低体重の患者では、過度の鎮静(呼びかけに対する応答がなくなる程度)にならないよう投与量に注意すること。
目標とする鎮静レベルに達した後の追加投与については、更なる鎮静が明らかに必要な場合にのみ、患者の状態を考慮して、必要最少量を投与すること。
[歯科・口腔外科領域における手術及び処置時の鎮静]
目標とする鎮静レベルは、呼びかけに応答できる程度とすること。

高齢者への投与

慎重に投与すること。[高齢者では、作用が強く又は長くあらわれやすい。]
少量ずつ分けて投与するか、又は投与速度を減じること。[低換気、気道閉塞、無呼吸等の危険性が高い。また、作用の発現が遅延することがある。]

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。[妊娠中の投与に関し、次のような報告があるなど安全性は確立していない。]
妊娠中に他のベンゾジアゼピン系薬剤の投与を受け、出生した新生児に口唇裂(口蓋裂を伴うものを含む)等が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある。
妊娠末期の妊婦へ投与又は分娩中の患者に高用量を投与したとき、胎児に心拍数の不整、新生児に低血圧、哺乳困難、低体温、呼吸抑制があらわれたとの報告がある。なお、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されており、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある。また、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に黄疸の増強を起こすことが報告されている。
分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系薬剤で報告されている。
授乳婦への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること。[ヒト母乳中への移行が認められている。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する使用経験は限られている。但し、歯科・口腔外科領域における手術・処置時の鎮静に用いる場合、低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない。)
低出生体重児及び新生児に対して急速静脈内投与をしてはならない。[急速静脈内投与後、重度の低血圧及び痙攣発作が報告されている。]
小児等で深い鎮静を行う場合は、処置を行う医師とは別に呼吸・循環管理のための専任者をおいて、処置中の患者を観察することが望ましい。
幼児では小児より、小児では成人より高用量を必要とすることがあり、より頻繁な観察が必要である。[成人に比べて幼児及び小児における本剤の血中消失半減期は同等又は短いことが報告されている。]
低出生体重児及び新生児では小児よりも投与量を減じる必要がある。[低出生体重児及び新生児は各臓器機能が未発達であり、血中の消失時間が長く、また、本剤の呼吸器系への作用に対しても脆弱である。]
6ヵ月未満の小児では、特に気道閉塞や低換気を発現しやすいため、効果をみながら少量ずつ段階的に漸増投与するなどして、呼吸数、酸素飽和度を慎重に観察すること。
小児等において、激越、不随意運動(強直性/間代性痙攣、筋振戦を含む)、運動亢進、敵意、激しい怒り、攻撃性、発作性興奮、暴行等の逆説反応が起こりやすいとの報告がある。

薬物動態

生物学的同等性試験
ミダゾラム注10mg「サンド」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれミダゾラムとして0.10mg/kg健康成人男子に単回臀部筋肉内投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
ミダゾラム注10mg「サンド」臀部筋注後の血漿中濃度推移
薬物動態パラメータ
AUC0-8
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
AUC
(ng・hr/mL)
MRT
(hr)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
ミダゾラム注10mg「サンド」287.5±49.5102.0±32.4336.8±67.72.48±0.400.47±0.272.83±1.13
標準製剤
(注射液、10mg)
282.4±53.199.5±33.1326.2±61.52.46±0.400.37±0.142.73±1.06
(Mean±S.D.,n=18)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。