製品名 テラルビシン注射用10mg
テラルビシン注射用20mg
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- 一般名
- Pirarubicin
- 薬効分類
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抗癌薬・抗癌薬関連薬>抗生物質
- 価格
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10mg1瓶:5262円/瓶
20mg1瓶:10556円/瓶
- 製薬会社
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- 製造販売元: Meiji Seikaファルマ株式会社
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効能・効果
用法・容量 -
効能・効果
下記疾患の自覚的・他覚的症状の寛解並びに改善
- 頭頸部癌、乳癌、胃癌、尿路上皮癌(膀胱癌、腎盂・尿管腫瘍)、卵巣癌、子宮癌、急性白血病、悪性リンパ腫
用法・用量
投与方法
投与は疾患別に下記の方法に準じて行う。静脈内注射の場合
頭頸部癌はIII法又はIV法を、乳癌及び胃癌はI法又はIII法を、卵巣癌及び子宮癌はI法を、尿路上皮癌はI法又はII法を、急性白血病はV法を、悪性リンパ腫はI法又はIV法を標準的用法・用量として選択する。I法(3~4週1回法)〔乳癌、胃癌、卵巣癌、子宮癌、尿路上皮癌、悪性リンパ腫〕
- ピラルビシンとして、1日1回、40~60mg(25~40mg/m2)(力価)を投与し、3~4週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
II法(3~4週2回法)〔尿路上皮癌〕
- ピラルビシンとして、1日1回、30~40mg(20~25mg/m2)(力価)を2日間連日投与し、3~4週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
III法(週1回法)〔頭頸部癌、乳癌、胃癌〕
- ピラルビシンとして、1日1回、20~40mg(14~25mg/m2)(力価)を1週間間隔で2~3回投与し、3~4週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
IV法(連日法)〔頭頸部癌、悪性リンパ腫〕
- ピラルビシンとして、1日1回、10~20mg(7~14mg/m2)(力価)を3~5日間連日投与し、3~4週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
V法(連日法)〔急性白血病〕
- ピラルビシンとして、1日1回、10~30mg(7~20mg/m2)(力価)を5日間連日投与する。骨髄機能が回復するまで休薬し、投与を繰り返す。
動脈内注射による頭頸部癌、膀胱癌の場合
ピラルビシンとして、1日1回、10~20mg(7~14mg/m2)(力価)を連日又は隔日に5~10回投与する。
膀胱内注入による膀胱癌の場合
カテーテルを用いて導尿した後、ピラルビシンとして、1日1回、15~30mg(力価)を500~1000μg(力価)/mLの溶液として週3回、各1~2時間膀胱内把持する。これを1クールとし、2~3クール繰り返す。
- なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 禁忌
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【禁忌】
次の患者には投与しないこと
- 心機能異常又はその既往歴のある患者[心筋障害があらわれることがある。]
- 本剤に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
- 他のアントラサイクリン系薬剤等心毒性を有する薬剤による前治療が限界量(ドキソルビシン塩酸塩では総投与量が体表面積当り500mg/m2、ダウノルビシン塩酸塩では総投与量が体重当り25mg/kg等)に達している患者[心筋障害があらわれることがある。]
- 副作用
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- 心筋障害(0.1~5%未満)更に心不全(0.1%未満)等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、休薬又は投与を中止すること。
また、総投与量が950mg/m2(体表面積)を超えるとうっ血性心不全を起こすことが多くなるので、十分に注意すること。
特に他のアントラサイクリン系薬剤(ダウノルビシン、ドキソルビシン、アクラルビシン、エピルビシン等)投与後症例への本剤の投与には、十分注意すること。
- 汎血球減少、貧血、白血球減少、好中球減少、血小板減少(5%以上)、出血傾向(0.1~5%未満)等の骨髄抑制があらわれることがあるので、末梢血液の観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等適切な処置を行うこと。
- ショック(0.1%未満)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線像異常等を伴う間質性肺炎(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
- 膀胱内注入療法によって萎縮膀胱(0.1~5%未満)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 心筋障害(0.1~5%未満)更に心不全(0.1%未満)等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、休薬又は投与を中止すること。
- 注意
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慎重投与
次の患者には慎重に投与すること
- 肝障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]
- 腎障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]
- 骨髄機能抑制のある患者[骨髄機能抑制を増悪させるおそれがある。]
- 感染症を合併している患者[骨髄機能抑制により感染を増悪させるおそれがある。]
- 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
- 水痘患者[致命的な全身障害があらわれるおそれがある。]
重要な基本的注意
- 骨髄機能抑制、心筋障害等の重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査、心機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。
心機能検査としては、心電図等を原則としてクール(通常3~4週)ごとに実施することが望ましい。
急性白血病の治療の場合には、末梢血液及び骨髄所見を随時検査し、投与期間を短縮又は延長すること。
- アントラサイクリン系薬剤未治療例で、本剤の総投与量が950mg/m2(体表面積)を超えると、うっ血性心不全を起こすことが多くなるので十分に注意すること。
- 前治療等により950mg/m2以下の総投与量でもうっ血性心不全が起こることがあるので、他のアントラサイクリン系薬剤等心毒性を有する薬剤による前治療歴のある患者、心臓部あるいは縦隔に放射線療法を受けた患者及び本剤の総投与量が700mg/m2を超える患者では心機能検査を行い慎重に投与すること。
- 感染症、出血傾向の発現又は増悪に十分注意すること。
- 小児に投与する場合には、副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。
- 小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
適用上の注意
- 投与経路
- 皮下・筋肉内には投与しないこと。
- 膀胱癌の動脈内投与療法に際し阻血を行った症例で、高濃度の薬剤が坐骨神経に流れ、坐骨神経麻痺を起こしたとの報告があるので、このような投与方法を行う場合には慎重に投与すること。
- 調製時
- 本剤は溶解時のpHにより力価の低下及び濁りを生じることがあるので、他の薬剤との混注を避け、日局ブドウ糖注射液、日局注射用水又は日局生理食塩液等に溶解して投与すること。
- 溶解後
- 溶解後はできるだけ速やかに使用すること。
なお、やむを得ず保存を必要とする場合には、室温保存では6時間以内に使用すること。
- 投与時
- 血管内投与により、ときに血管痛、静脈炎等を起こすことがあるので、注射部位、注射方法等に十分注意すること。
- 血管内投与に際し、薬液が血管外に漏れると注射部位に硬結・壊死、炎症を起こすことがあるので、薬液が血管外に漏れないよう慎重に投与すること。
- 本剤を溶解した液とシリンジに塗布されているシリコンオイルが接触することで、シリンジ内にまれにシリコンオイルの浮遊物がみられることがある。その場合はフィルターを使用して投与すること。
高齢者への投与
- 本剤は主として肝臓で代謝されるが、高齢者では肝機能等の生理機能が低下していることが多いため、用量に留意して患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、投与しないことが望ましい。[動物実験(ラット)で胎児に対する毒性的影響(体重抑制、腰椎過剰、前肢指化骨数の減少)が報告され、アントラサイクリン系の他の抗悪性腫瘍剤の動物実験では催奇形性が報告されている。]
- 授乳婦に投与する場合には、授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。]
小児等への投与
- 低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。(「重要な基本的注意」の項参照)
薬物動態
- 血中濃度
- 静脈内注射
- 癌患者に本剤30mg/m2をワンショット静注投与した場合、投与1分後の血漿中濃度は0.52±0.28μg/mLで、投与後急速に低下したが、8時間以上にわたり6~11ng/mLの濃度が持続した。α、β、γ相の血漿中濃度半減期はそれぞれ0.89分、0.46時間、14.2時間であった。
- 癌患者における血漿中濃度
- 膀胱内注入
- 癌患者に本剤20mg(0.5mg/mL)を膀胱内に投与した症例において、血中には本剤はほとんど検出されなかった。
- 蛋白結合
- 限外濾過法により測定したヒト血清蛋白との結合率は本剤の濃度10、25、50及び100μg/mLで、それぞれ76.2、33.9、38.3及び19.0%であった(in vitro)。