製品名 ゼチーア錠10mg

一般名
Ezetimibe
薬効分類
脂質代謝異常治療薬
 >小腸コレステロールトランスポーター阻害薬
価格
10mg1錠:177円/錠

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 高コレステロール血症,家族性高コレステロール血症,ホモ接合体性シトステロール血症

用法・用量

  • 通常,成人にはエゼチミブとして1回10mgを1日1回食後経口投与する。なお,年齢,症状により適宜減量する。
禁忌
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 本剤とHMG-CoA還元酵素阻害剤を併用する場合,重篤な肝機能障害のある患者(「重要な基本的注意」の項参照)
副作用
過敏症(頻度不明)
アナフィラキシー,血管神経性浮腫,発疹を含む過敏症状があらわれたとの報告があるので,このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
横紋筋融解症(頻度不明)
本剤との因果関係は確立していないが,まれに横紋筋融解症,ミオパシーの報告があるので,観察を十分に行い,筋肉痛,脱力感,CK(CPK)上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。特に,本剤をHMG-CoA還元酵素阻害剤と併用する場合,併用薬の添付文書のモニタリングに関する記載を参照すること。
肝機能障害(頻度不明)
AST(GOT)上昇,ALT(GPT)上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど,適切な処置を行うこと。
注意

次の患者には慎重に投与すること

シクロスポリンを投与中の患者(「相互作用」の項参照)
肝機能障害のある患者(【薬物動態】「1.血漿中濃度」(3)の項参照)
糖尿病患者[空腹時血糖の上昇が報告されている。(【臨床成績】「3.その他」(4)の項参照)]
あらかじめ高コレステロール血症治療の基本である食事療法を行い,更に運動療法や,高血圧・喫煙等の虚血性心疾患のリスクファクターの軽減等も十分考慮すること。
甲状腺機能低下症,閉塞性胆のう胆道疾患,慢性腎不全,膵炎等の疾患の合併,血清脂質に悪影響を与える薬剤の服用等の二次的要因により高脂血症を呈している場合は,原疾患の治療,薬剤の切り替え等を可能な限り実施した上で本剤での治療を考慮すること。
本剤は中等度又は重度の肝機能障害を有する患者には投与しないことが望ましい。[本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。(【薬物動態】「1.血漿中濃度」(3)の項参照)]
本剤とHMG-CoA還元酵素阻害剤を併用する場合,併用するHMG-CoA還元酵素阻害剤の添付文書を必ず参照し,【使用上の注意】の禁忌,慎重投与,重要な基本的注意,重大な副作用等の記載を確認すること。また,肝機能検査を,併用開始時及び併用するHMG-CoA還元酵素阻害剤の添付文書で推奨されている時期に実施すること。
フィブラート系薬剤との併用に関しては,使用経験が限られている。併用する場合は,胆石症などの副作用の発現に注意すること。[フィブラート系薬剤では胆汁へのコレステロール排泄を増加させ,胆石形成がみられることがある。本剤はイヌで胆のう胆汁中のコレステロール濃度の上昇が報告されている。(「その他の注意」(1)及び(2)の項参照)]
投与中は血中脂質値を定期的に検査し,治療に対する反応が認められない場合には投与を中止すること。
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
適用の前に十分な検査を実施し,高コレステロール血症,家族性高コレステロール血症,ホモ接合体性シトステロール血症であることを確認した上で本剤の適用を考慮すること。
ホモ接合体性家族性高コレステロール血症については,HMG-CoA還元酵素阻害剤及びLDLアフェレーシス等の非薬物療法の補助として,あるいはそれらの治療法が実施不能な場合に本剤の適用を考慮すること。
一般に高齢者では生理機能が低下しているため,副作用の発現に注意すること。

妊婦,産婦,授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
なお,HMG-CoA還元酵素阻害剤は,妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳婦に対して禁忌であるため,本剤との併用投与は行わないこと。
授乳中の婦人には,投与を避けることが望ましい。やむを得ず投与する場合は,授乳を中止させること。[ヒト母乳中への移行の有無は不明であるが,妊娠後から授乳期まで投与したラットで乳児への移行が認められている。]
小児等に対する安全性は確立していない。[使用経験が少ない。]
エゼチミブは,主に小腸における初回通過効果によって主要活性代謝物であるエゼチミブ抱合体(フェノール性水酸基におけるグルクロン酸抱合体)に代謝される。エゼチミブ抱合体は胆汁中に排泄されたのち,腸内細菌叢による脱抱合をうけ,一部はエゼチミブ(非抱合体)として再吸収される(腸肝循環)。血漿中エゼチミブ抱合体濃度は,等モルのエゼチミブ相当量として表記した。
血漿中濃度
健康成人
単回投与
健康成人男性(20例)に本剤10mgを食後に単回投与したとき,血漿中エゼチミブ(非抱合体)及びエゼチミブ抱合体濃度は以下の図表に示したとおりであった。
本剤10mg単回経口投与時の薬物動態パラメータ
エゼチミブ(非抱合体)エゼチミブ抱合体
tmax(hr)Cmax(ng/mL)AUC0-t(ng・hr/mL)tmax(hr)Cmax(ng Eq/mL)AUC0-t(ng Eq・hr/mL)
2.10(92)6.03(56)55.6(30)1.48(28)72.3(38)333(40)
各値は20例の平均値(CV%)
本剤10mg単回経口投与時の血漿中濃度
健康成人男性(20例)に本剤10mgを食後又は空腹時に単回投与したとき,血漿中エゼチミブ(非抱合体)及びエゼチミブ抱合体濃度のいずれにおいても,食事によるAUCへの明らかな影響は認められなかった。
健康成人男性(各6例)に本剤10,20,40mgを食後に単回投与したとき,血漿中エゼチミブ(非抱合体)及びエゼチミブ抱合体濃度のいずれについても投与量に応じたCmax及びAUCの上昇が認められた。(本剤の承認用量は1日1回10mgである。)
反復投与
健康成人男性(9例)に本剤20mgを1日1回14日間反復投与したとき,血漿中エゼチミブ(非抱合体)及びエゼチミブ抱合体濃度はいずれも連投開始後3日までに定常状態に到達し,AUCについて算出した累積係数はエゼチミブ(非抱合体)及びエゼチミブ抱合体についてそれぞれ1.54及び1.37であった。(本剤の承認用量は1日1回10mgである。)
高齢者
高齢者(12例,年齢:65~75歳)に本剤10mgを1日1回10日間反復投与したとき,非高齢対照群(11例,年齢:20~24歳)と比較して血漿中エゼチミブ抱合体濃度のAUCに約2.4倍の上昇が認められたが,血漿中エゼチミブ(非抱合体)濃度のAUCについて明らかな変化は認められなかった。
肝機能障害患者
軽度,中等度又は重度の慢性肝機能障害患者(外国人,各4例)もしくは健康成人(外国人8例)に本剤10mgを単回投与したとき,血漿中エゼチミブ(非抱合体)及びエゼチミブ抱合体濃度の薬物動態パラメータは以下の表に示したとおりであった。肝機能障害患者では肝機能障害の程度に応じた血漿中薬物濃度の上昇が認められた。
肝機能障害患者における本剤10mg単回経口投与時の薬物動態パラメータ
肝機能障害エゼチミブ(非抱合体)エゼチミブ抱合体
tmax(hr)Cmax(ng/mL)AUC0-t(ng・hr/mL)tmax(hr)Cmax(ng Eq/mL)AUC0-t(ng Eq・hr/mL)
正常(n=8)7.00(59)3.86(118)54.6(36)1.81(95)95.3(50)864(45)
軽度(n=4)6.25(72)4.10(37)75.8(54)1.25(23)138(32)1468(14)
中等度(n=4)9.50(26)13.1(41)316(51)2.75(79)171(24)2685(16)
重度(n=4)7.00(49)16.2(43)265(57)2.88(46)178(31)3418(41)
各値は平均値(CV%)
腎機能障害患者
重度の慢性腎機能障害患者(外国人8例,クレアチニンクリアランス10~29mL/min)に本剤10mgを単回投与したとき,健康成人(外国人9例,クレアチニンクリアランス>80mL/min)と比較して血漿中エゼチミブ(非抱合体)及びエゼチミブ抱合体濃度のAUCにそれぞれ約1.6及び1.5倍の上昇が認められた。
血漿蛋白結合
ヒト血漿に添加したときの蛋白結合率は,3H-エゼチミブ99.5%~99.8%,3H-エゼチミブ抱合体87.8%~92.0%であった。肝機能障害や腎機能障害による血漿蛋白結合率への影響は認められていない。
代謝
健康成人男性(外国人8例)に14C-エゼチミブカプセル20mgを単回投与したとき,血漿中の総放射能に占めるエゼチミブ(非抱合体)及びエゼチミブ抱合体の割合(AUC比)はそれぞれ11%及び82%(合計93%)であった。(本剤の承認用量は1日1回10mgである。)
排泄
尿・糞中排泄
健康成人男性(外国人8例)に14C-エゼチミブカプセル20mgを単回投与したとき,投与後240時間までの放射能排泄率は糞中に78%,尿中に11%であった。
健康成人男性(各6例)に本剤10,20,40mgを単回投与したとき,投与後72時間までのエゼチミブ(非抱合体)としての尿中排泄率は0.05%未満であり,尿中総エゼチミブ(非抱合体+抱合体)排泄率は8.7%~11%であった。(本剤の承認用量は1日1回10mgである。)
胆汁中排泄(腸肝循環)
(参考)胆管カニューレを施した雌雄ラットに14C-エゼチミブを単回投与したとき,投与後24時間までに排泄された放射能は,胆汁中に40%~63%,尿中には3%以下であり,未吸収のまま糞中に排泄された放射能は21%~32%であった。採取された胆汁を別ラットの十二指腸内へ投与したとき,投与放射能の54%~81%が再吸収ののち再び胆汁中に排泄された。
薬物相互作用
チトクロムP450酵素系への影響
健康成人(外国人12例)を対象として,本剤20mgと各種チトクロムP450酵素系の基質となる代表的な指標薬を併用したとき,CYP1A2,CYP2C8/9,CYP2D6及びCYP3A4活性,並びにN-アセチルトランスフェラーゼ活性への影響は認められなかった。(本剤の承認用量は1日1回10mgである。)
HMG-CoA還元酵素阻害剤との相互作用
健康成人を対象として,各種HMG-CoA還元酵素阻害剤(シンバスタチン,プラバスタチン,フルバスタチン,アトルバスタチン,ロスバスタチン,ピタバスタチン)と本剤10mgを反復併用投与した結果注6),エゼチミブはいずれのHMG-CoA還元酵素阻害剤の薬物動態に対しても明らかな影響を及ぼさず,また,いずれのHMG-CoA還元酵素阻害剤もエゼチミブの薬物動態に明らかな影響を与えなかった。
注6)ピタバスタチン以外は外国人(LDLコレステロール値≧130mg/dL)を対象とした試験
コレスチラミンによる影響
健康成人(外国人8例,LDLコレステロール値≧130mg/dL)を対象として,コレスチラミン4g(1日2回)と本剤10mg(1日1回)を併用したとき,血漿中エゼチミブ(非抱合体)及びエゼチミブ抱合体濃度のAUCはそれぞれ約1/5及び1/2に低下した。
フェノフィブラートとの相互作用
健康成人(外国人8例,LDLコレステロール値≧130mg/dL)を対象として,フェノフィブラート200mg(1日1回)と本剤10mg(1日1回)を併用したとき,血漿中エゼチミブ抱合体濃度のCmax及びAUCはそれぞれ約1.7倍及び1.5倍上昇したが,臨床上意味のあるものではなかった。フェノフィブラートの薬物動態に及ぼすエゼチミブの影響は認められなかった。
シクロスポリン製剤との相互作用
クレアチニンクリアランスが50mL/minを超え,かつ,一定用量(75~150mg1日2回)のシクロスポリン製剤を服用中の腎移植患者(外国人8例)に本剤10mgを単回投与したとき,総エゼチミブ(非抱合体+抱合体)濃度のAUCは健康成人と比較して約3.4倍高値を示した。別の試験で,重度の腎機能障害のため腎移植を行い,シクロスポリン製剤を含む複数の薬剤による治療を受けていた患者(外国人1例,クレアチニンクリアランス:13.2mL/min)に本剤10mgを単回投与したとき,総エゼチミブ(非抱合体+抱合体)濃度のAUCは健康成人と比較して約12倍高値を示した。健康成人(外国人12例)を対象として,本剤20mg(1日1回8日間)の連投7日目にシクロスポリン製剤100mgを単回経口投与したとき,血液中シクロスポリン濃度のCmax及びAUCはシクロスポリン単独投与と比較してそれぞれ10%及び15%上昇した。(本剤の承認用量は1日1回10mgである。)
その他の薬物動態学的相互作用
薬物相互作用に関する臨床試験(外国人)で,本剤10mgとワルファリン,ジゴキシン,経口避妊薬(エチニルエストラジオール,レボノルゲストレル)を併用した結果,これらの薬物動態への影響は認められなかった。シメチジンと本剤10mgを併用した結果,本剤のバイオアベイラビリティに対する影響は認められなかった。制酸剤(水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムを含有)と本剤10mgを併用したとき,血漿中エゼチミブ抱合体濃度のCmaxは約30%低下したが,AUCへの影響は認められなかった。