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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 糖原病II型

用法・用量

  • 通常、アルグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)として、1回体重1kgあたり20mgを隔週点滴静脈内投与する。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤の投与によりinfusion reactionのうちアナフィラキシー反応があらわれる可能性がある。緊急時に十分な対応のできる準備をした上で投与を開始し、投与終了後も十分な観察を行うこと。重篤なinfusion reactionが発現した場合には、速やかに本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、本剤の使用中に免疫複合体を介すると考えられる反応(免疫関連反応)が報告されている。[7.、8.1、11.1.1、11.1.2参照]
  • 1.2 心肥大を併発する乳児型糖原病II型患者に本剤を投与する場合は急性心肺不全を発症する危険性があるため、患者の状態を十分観察し、異常が認められた場合には速やかに本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。循環血液量が増すことから心臓に負担をかけ、症状が悪化するおそれがある。[9.1.4、15.1参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対しアナフィラキシーショックの既往歴のある患者[8.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 本剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者[8.1参照]
9.1.2 非代償性心不全患者又は急性疾患(急性感染症、熱性疾患、喘鳴又は気管支痙攣等)を有する患者
本剤投与前に患者の臨床症状を慎重に検討すること。外国での臨床試験の結果より、非代償性心不全患者又は急性疾患(急性感染症、熱性疾患、喘鳴又は気管支痙攣等)を有する患者に本剤を投与した場合、infusion reactionの発現頻度が高いとの報告がある。[11.1.1参照]
9.1.3 重症の糖原病II型患者
重症患者では心機能低下及び呼吸機能低下を合併する傾向があり、これらは重度のinfusion reactionを発現するリスクを増大すると考えられる。[11.1.1参照]
9.1.4 乳児型糖原病II型患者
肥大型心筋症の罹患率が高いことから、β-アドレナリン作動薬の使用を検討している場合には注意すること。なお、心肥大を併発する乳児型糖原病II型患者については、患者の状態を十分観察し、異常が認められた場合には速やかに本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。心肥大を併発する乳児型糖原病II型患者に本剤投与後、挿管及び強心薬投与を要する急性心肺不全が認められたとの報告があり、本剤の投与による水分過負荷との関連性が疑われたため、急性心肺不全を発症する危険性がある。[1.2、15.1参照]
9.1.5 Infusion reactionの既往のある患者[11.1.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること。ウサギの胚・胎児発生に関する試験で10及び40mg/kg投与群の少数で流産又は早産がみられている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトで哺乳中の児における影響は不明である。
9.8 高齢者
副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤はたん白質製剤であり、重度の過敏症又はアナフィラキシーショックが起こる可能性が否定できないため、観察を十分に行い、異常が認められた場合には速やかに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、このような症状の発現に備え、緊急処置を取れる準備をしておくこと。承認時までに本剤を投与した患者のうちアルグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)に対する特異的IgE抗体を測定した35例中3例が特異的IgE抗体陽性と判定され、そのうち1例にアナフィラキシー反応が発現した。[1.1、2.、9.1.1参照]
8.2 本剤投与中又は投与終了後数時間以内にinfusion reactionが発現することがあるので、投与終了後も患者の状態を観察すること。なお、投与速度が速い場合にはinfusion reactionが起こりやすい傾向がある。[7.、11.1.1参照]
8.3 ほとんどの患者にIgG抗体の産生が予測されるため、定期的にアルグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)に対するIgG抗体検査を行うことが望ましい。[17.3.1参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 調製方法
(1)患者の体重に基づき本剤の投与量を算出し、投与に必要なバイアル数を決める。
(2)日局生理食塩液による最終希釈液の薬剤濃度が0.5~4mg/mLとなるよう日局生理食塩液の量を決定する。
(3)投与に必要なバイアル数を取り出し、室温になるまで放置する(約30分間)。
(4)調製前に本剤を目視検査し、変色又は異物を認めたバイアルは使用しないこと。
(5)日局注射用水10.3mLをバイアルの内壁に沿ってゆっくり注入し、本剤を静かに溶解し、1バイアルにつき10mLの溶液とする。振盪しないこと。
(6)予め日局生理食塩液含有点滴バックから、注入する薬剤溶解量分の生理食塩液を抜き取っておく。溶解したバイアルから必要量の溶液(5mg/mL)を抜き取り、日局生理食塩液含有点滴バック内に静かに注入し、希釈する。注入後、点滴バックを静かに回転させ、気泡ができないよう、ゆっくりと混和する。
14.1.2 本剤は保存剤を含有していないので、溶解・希釈後は速やかに使用すること。なお、やむを得ず保存する場合は希釈後2~8℃で保存し、かつ24時間以内に使用すること。
14.1.3 他剤との混注を行わないこと。
14.1.4 各バイアルは一回限りの使用とすること。
14.2 薬剤投与時の注意
0.2ミクロンの親水性ポリエーテルスルフォン製メンブレンフィルターが付いた輸液セットを使用すること。微小異物除去用のろ過網が組込まれた輸液セットは、目詰まりを起こすため使用しないこと。

7.用法及び用量に関連する注意

日局注射用水で溶解し日局生理食塩液で希釈した後に投与すること。本剤20mg/kgをおおよそ4時間にわたり投与する。初回点滴速度は、1mg/kg/時を超えないこと。最大点滴速度7mg/kg/時に達するまで、患者の状態を確認しながら、30分毎に2mg/kg/時ずつ点滴速度を上げる(下表を参照)。[1.1、8.2、11.1.1参照]
体重範囲(kg)総点滴量(mL)第1段階第2段階第3段階第4段階
1mg/kg/時3mg/kg/時5mg/kg/時7mg/kg/時
1.25-10503mL/時8mL/時13mL/時18mL/時
10.1-201005152535
20.1-301508233853
30.1-3520010305070
35.1-5025013386388
50.1-60300154575105
60.1-1005002575125175
100.1-1206003090150210

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 乳児型糖原病II型患者における血中濃度
乳児型糖原病II型患者18例に本剤20mg/kg又は40mg/kg注)を隔週点滴静注し、血液検体が得られた15例について薬物動態を検討した。初回及び投与12週時における平均最大血漿中濃度(Cmax)はそれぞれ178.2及び263.7μg/mL、平均血中濃度時間曲線下面積(AUC0-∞)は977.5及び1,872.5μg・時/mLであり、平均血漿クリアランス(CL)は21.9mL/時/kg、定常状態時平均分布容積(Vss)は66.2mL/kg、平均血中消失半減期(T1/2)は2.75時間であった(外国人データ)。
16.1.2 乳児型及び小児型糖原病II型患者における血中濃度
乳児型及び小児型糖原病II型患者21例を対象に本剤20mg/kg投与後の薬物動態を検討した。血液検体が得られた12例の成績より、AUC0-∞及びCmaxは他の乳児型糖原病II型患者を対象にした試験での20mg/kg群の成績と同様であった。T1/2は2~3時間であり、他の乳児型糖原病II型患者を対象にした試験の成績と同様であった(外国人データ)。
16.3 分布
酸性α-グルコシダーゼノックアウトマウスへ本剤を投与したところ、肝臓でもっとも高く、心臓、脾臓及び腎臓等には少なく、骨格筋でも微量であった。
注)国内で承認された本剤の用法及び用量は20mg/kg隔週点滴静注である。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 Infusion reaction(頻度不明)
本剤投与中又は投与終了後数時間以内に、蕁麻疹、発疹、潮紅、発熱、頻脈、咳嗽、酸素飽和度低下、頻呼吸、喘鳴等が発現することがある。これらの症状が発現した場合、投与速度の減速又は投与の一時中止、適切な薬剤治療(副腎皮質ホルモン剤、抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤又は抗炎症剤等)、もしくは緊急処置を行うこと。[1.1、7.、8.2、9.1.2、9.1.3、9.1.5参照]
11.1.2 免疫関連反応(頻度不明)
本剤の使用中に、免疫複合体を介すると考えられる反応により皮膚壊死、皮膚潰瘍、関節痛、関節腫脹、ネフローゼ症候群、蛋白尿、血尿等が発現することがある。患者の状態を十分に観察するとともに必要に応じ尿検査等を実施すること。[1.1参照]
注)発現頻度は、外国における乳児型及び小児型糖原病II型患者を対象とした承認時までの臨床試験(39例)と、外国における小児型及び成人型糖原病II型患者を対象とした二重盲検比較試験(60例)の結果をあわせて算出した。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上5~10%未満5%未満頻度不明
皮膚蕁麻疹発疹、多汗症斑状皮疹、紅斑、斑状丘疹状皮疹、そう痒症、丘疹、紅斑性皮疹、網状皮疹、眼窩周囲浮腫、手掌紅斑、血管浮腫
血管潮紅高血圧、蒼白、低血圧
臨床検査酸素飽和度低下、血圧上昇CK-MB上昇、AST上昇、ALT上昇、血中Ca上昇、CK上昇、尿素上昇、ヘモグロビン減少、心拍数増加、血小板数減少、呼吸数増加、体温上昇、血圧低下、心拍数減少
全身及び局所反応発熱悪寒、注射部位反応、嗜眠、低体温、疲労、胸部不快感、局所腫脹、末梢性浮腫、熱感、非心臓性胸痛インフルエンザ症状
呼吸器咳嗽、頻呼吸気管支痙攣、ラ音、咽喉絞扼感
消化器嘔吐、悪心便秘、胃食道逆流性疾患、下痢
循環器頻脈、チアノーゼ、上室性頻脈
精神系激越、易刺激性、不眠症、落ち着きのなさ
神経系頭痛振戦、浮動性めまい、錯感覚
筋骨格系筋攣縮、筋肉痛、筋痙縮

注)発現頻度は、外国における乳児型及び小児型糖原病II型患者を対象とした承認時までの臨床試験(39例)と、外国における小児型及び成人型糖原病II型患者を対象とした二重盲検比較試験(60例)の結果をあわせて算出した。

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