製品名 ベサノイドカプセル10mg

一般名
Tretinoin
薬効分類
抗癌薬・抗癌薬関連薬
 >分子標的薬(レチノイド)
価格
10mg1カプセル:661.4円/カプセル

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 急性前骨髄球性白血病

用法・用量

  • 通常、成人には寛解導入療法としてトレチノイン1日60~80mg(45mg/m2)を3回に分けて食後経口投与する。
    なお、年齢、症状により適宜増減する。
禁忌

【警告】

  • 本剤には催奇形性があるので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。また、妊娠する可能性のある婦人には投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には使用上の注意を厳守すること。(「重要な基本的注意」及び「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
  • 本剤はレチノイン酸症候群等の副作用が起こることがあるので、緊急時に十分処置できる医療施設及びがん化学療法に十分な経験をもつ医師のもとで、本剤が適切と判断される症例についてのみ使用すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 肝障害のある患者[類似化合物(エトレチナート)で、重篤な肝障害を起こすことが報告されている。]
  • 腎障害のある患者[重篤な腎障害を起こすおそれがある。]
  • ビタミンA製剤を投与中の患者[ビタミンA過剰症と類似した副作用症状を起こすおそれがある。]
  • ビタミンA過剰症の患者[ビタミンA過剰症が増悪するおそれがある。]
原則禁忌

次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること

  • 妊娠する可能性のある婦人(「重要な基本的注意」及び「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
副作用
レチノイン酸症候群(12.3%)
レチノイン酸症候群(諸症状:発熱、呼吸困難、胸水貯留、肺浸潤、間質性肺炎、肺うっ血、心嚢液貯留、低酸素血症、低血圧、肝不全、腎不全、多臓器不全等)が発現し、重篤な転帰をたどることがあるので、観察を十分に行うこと。なお、このような症状が認められた場合には、本剤を中止し、副腎皮質ホルモン剤のパルス療法等の適切な処置を行うこと。
白血球増多症(5.1%)
白血球増多症があらわれることがあるので観察を十分に行い、末梢白血球数が30,000/mm3を超えた場合には、減量又は休薬すること。また、主に好塩基球性分化能を有する急性前骨髄球性白血病患者において、好塩基球増多症が発現し、高ヒスタミン血症に至った例も報告されている。
血栓症(0.4%)
血栓症(脳梗塞、肺梗塞、その他の動脈又は静脈血栓症等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が認められた場合には、適切な処置を行うこと。治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与を継続すること。
血管炎(頻度不明)
血管炎があらわれることがあるので、このような症状が認められた場合には、減量又は休薬等の適切な処置を行うこと。
感染症(頻度不明)
感染症(肺炎、敗血症等)があらわれることがあるので、このような症状が認められた場合には、減量又は休薬等の適切な処置を行うこと。
錯乱(頻度不明)
錯乱があらわれることがあるので、このような症状が認められた場合には、減量又は休薬等の適切な処置を行うこと。
(頻度不明)
類似化合物(エトレチナート)の長期投与を受けた患者で過骨症及び骨端の早期閉鎖を起こすことが報告されている。
類似化合物(エトレチナート)で、肝障害を起こすことが報告されている。
類似化合物(エトレチナート)で、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、多形紅斑が報告されている。
注意

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

25歳以下の患者、特に幼児、小児(「重要な基本的注意」及び「小児等への投与」の項参照)
低出生体重児、新生児、乳児(「小児等への投与」の項参照)
糖尿病の患者、肥満の患者、アルコール中毒症の患者、脂質代謝異常患者など高トリグリセライド血症の素因がある患者[脂質代謝異常を起こすおそれがある。]
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

重要な基本的注意

急性前骨髄球性白血病以外には使用しないこと。
本剤には催奇形性があり副作用の発現頻度が高いので、使用上の注意を厳守し、患者又はそれに代わり得る適切な者に副作用についてよく説明した上で使用すること。
妊娠する可能性のある婦人への使用に際しては、疾患の重症度及び治療の緊急性を考慮した上で、患者に次の注意事項についてよく説明し理解させた後、使用すること。
本剤には催奇形性があるので、妊娠する可能性のある婦人で他に代わるべき治療法がない重症な患者にやむを得ず投与する場合には、投与開始前の少なくとも1ヵ月間、投与中及び投与中止後少なくとも1ヵ月間は必ず避妊させること。
本剤の投与は次の正常な生理周期の2日又は3日目まで開始しないこと。
本剤の投与開始前2週間以内の妊娠検査が陰性であるとの結果を確認すること。
本剤の投与中は1ヵ月毎に追加の妊娠検査を実施することが望ましい。
発熱、呼吸困難、胸水貯留、肺浸潤、間質性肺炎、肺うっ血、心嚢液貯留、低酸素血症、低血圧、肝不全、腎不全及び多臓器不全等によって特徴づけられるレチノイン酸症候群が発現し、重篤な転帰をたどることがあるので、十分な経過観察を行うこと。なお、このような症状があらわれた場合には、本剤を中止し、副腎皮質ホルモン剤のパルス療法等の適切な処置を行うこと。
末梢血中の「芽球及び前骨髄球」の和が1,000/mm3を超える場合には、化学療法により「芽球及び前骨髄球」の和を1,000/mm3以下にしてから本剤を投与すること。
高度の白血球増多症を起こすことがあるので、末梢白血球数が30,000/mm3を超えた場合には、減量又は休薬すること。
急性前骨髄球性白血病に併発する播種性血管内凝固症候群(DIC)では、線溶活性亢進を伴う致命的な出血傾向(脳出血、肺出血等)が報告されている。本剤投与中にこのような症状があらわれた場合には、血小板輸血を含め、出血傾向に対する適切な処置を行うこと。
高トリグリセライド血症の患者への投与は脂質代謝障害の危険性が高いので、その素因のある患者には血中トリグリセライドの検査を行うこと。
類似化合物(エトレチナート)で肝障害を起こすことが報告されているので、肝機能検査を投与前、投与開始1ヵ月後及び投与中は3ヵ月毎に行い肝障害が疑われる場合には直ちに投与を中止すること。
類似化合物(エトレチナート)の長期投与を受けた患者で過骨症及び骨端の早期閉鎖を起こすとの報告がある。従って本剤投与中に関節痛・骨痛の症状があらわれた場合には速やかに主治医に連絡するよう指示すること。また、本剤の長期投与に際しては、定期的な問診(骨・筋等の痛みや運動障害)、X線検査、Al-P、Ca、P、Mg等の臨床生化学的検査を行うことが望ましい。なお、骨の成長が終了していない25歳以下の患者には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ観察を十分に行いながら(定期的なX線検査、Al-P、Ca、P、Mg等の臨床生化学的検査)慎重に投与すること。
本剤を16週間投与して寛解に到達しない場合には、投与を中止すること。

高齢者への投与

高齢者では血漿アルブミンが減少していることが多いため、用量に留意して定期的に血漿アルブミン検査を行い慎重に投与すること。[本剤は血漿蛋白との結合性が強いため、血漿アルブミンが減少していると遊離の薬物血漿中濃度が高くなるおそれがある。]

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

動物実験で催奇形作用が報告されているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。
ラットで、胎児の化骨遅延、骨格変異(2mg/kg/日以上)が、マウスで、胎児の内臓異常(0.7mg/kg/日以上)、外形異常(2mg/kg/日以上)、外脳症、眼欠損、口蓋裂、骨格異常(中軸骨格及び長骨等)のビタミンA過剰誘発催奇形性(6mg/kg/日)が、ウサギで、胎児の無尾、臍帯ヘルニア、内臓異所、両後肢ねじれ(6mg/kg/日)が報告されている。
カニクイザルで、胎児死亡(胚致死、5mg/kg/日以上で用量相関的)が、また、胎児では、外耳欠損、下顎形成不全、口蓋裂等の頭蓋顔面の奇形(10mg/kg/日)、骨格変異(5、10mg/kg/日)が報告されている。
妊娠する可能性のある婦人には投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。(「重要な基本的注意」の項参照)
授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせること。[類似化合物(エトレチナート)の動物実験(ラット)で、乳汁中への移行が報告されている。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。
幼児又は小児へ投与する場合には、観察を十分に行い慎重に投与すること。[類似化合物(エトレチナート)において過骨症及び骨端の早期閉鎖を起こすことが報告されている。]

薬物動態

<日本人における成績>
血中濃度
急性前骨髄球性白血病(APL)患者8例にトレチノインとして20mg、30mgを食後単回経口投与したときの血漿中濃度は以下のとおりであった。20mg投与群と30mg投与群間でほぼ用量相関性の吸収が認められた。
単回投与後の血漿中濃度
投与量症例数tmax
(hr)
Cmax
(ng/mL)
t1/2
(hr)
AUC
(ng・hr/mL)
20mg42.5±0.595.8±34.11.55±0.27278.4±92.0
30mg43.5±1.0155.2±81.31.25±0.18422.0±194.6
mean±SE
代謝
寛解導入療法を行ったAPL患者4例に、トレチノインとして20mgを食後単回経口投与したとき、投与後8時間までの血漿中代謝物及び24時間までの尿中代謝物を測定した。
トレチノインは生体内で一部異性化されイソトレチノインとなり、それぞれ肝臓で4位が酸化され4-オキソ-トレチノイン及び4-オキソ-イソトレチノインとなるが、これら代謝物は血漿中及び尿中ともわずかしか認められなかった。
尿中代謝物は、グルクロン酸抱合体として4-オキソ-トレチノイングルクロニド及び4-オキソ-イソトレチノイングルクロニドが、また、非抱合体としてわずかに4-オキソ-イソトレチノインが認められた。
<外国人における成績(参考)>
血中濃度
APL患者7例にトレチノインとして1日45mg/m2を2~6週間経口投与した。最高血漿中濃度及びAUCは初回投与後それぞれ294±89ng/mL、537±191ng・hr/mLであったが、2~6週間後は138±139ng/mL、248±185ng・hr/mLと低下した。これは、トレチノインを連続投与したことにより薬物代謝酵素P-450による代謝が促進されたためと考えられた。
尿糞中排泄
APL患者6例に[10,11-3H]トレチノイン0.14~2.75mgを単回経口投与したとき、投与後7日間の尿中排泄率及び糞中排泄率は、それぞれ平均63.1%及び31.2%であり、尿中への排泄は投与後72時間でほぼ終了した。

エルゼビアは医療の最前線にいらっしゃる
すべての医療従事者の皆様に敬意を表します。
人々の健康を守っていただき、ありがとうございます。
Thank you for serving us!