製品名 ニトプロ持続静注液6mg
ニトプロ持続静注液30mg

一般名
sodium nitroprusside hydrate
薬効分類
昇圧・心不全・冠動脈・末梢血管疾患薬
 >硝酸薬
価格
6mg2mL1管:693円/管
30mg10mL1管:2856円/管

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 手術時の低血圧維持
  • 手術時の異常高血圧の救急処置

用法・用量

  • 本剤は、5%ブドウ糖注射液で希釈し、ニトロプルシドナトリウム水和物として0.06~0.1%(1mL当たり0.6~1mg)溶液を持続静注する。
    通常、成人には1分間に体重1kg当たりニトロプルシドナトリウム水和物として効能・効果ごとに下記に基づき投与する。なお、最高投与速度は3μg/kg/分を限度とする。また、開始投与速度は年齢、症状により適宜減量する。
    • 手術時の低血圧維持

      • 0.5μg/kg/分の投与速度で投与を開始し、過度の血圧低下に注意しながら徐々に増量して目的値まで血圧を下げ、以後血圧をモニターしながら投与速度を調節する。通常、2.5μg/kg/分以下の投与速度で目的とする血圧が得られ、それを維持することができる。
    • 手術時の異常高血圧の救急処置

      • 0.5μg/kg/分の投与速度で投与を開始し、過度の血圧低下に注意しながら徐々に増量して目的値まで血圧を下げ、以後血圧をモニターしながら投与速度を調節する。通常、2.0μg/kg/分以下の投与速度で目的とする血圧が得られ、それを維持することができる。
禁忌

【警告】

  • 本剤の投与により過度の低血圧が急激にあらわれることがあり、場合によっては死に至る可能性があるので、必ず血圧を連続的にモニター(観血的動脈圧測定等)しながら、慎重に投与すること。(「用法・用量に関連する使用上の注意(1)(2)」「8.過量投与」の項参照)
  • 本剤の過量投与によりシアン中毒があらわれることがあり、場合によっては死に至ることがあるので、血圧、心拍数、心電図の他に血液ガス及び酸塩基平衡が常時測定できる十分な設備が整った施設において、慎重に投与すること。(「禁忌(3)」「用法・用量に関連する使用上の注意(4)」「8.過量投与」の項参照)
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 脳に高度な循環障害のある患者[脳循環が抑制されるおそれがある。]
  • 甲状腺機能不全の患者[代謝物のチオシアンにより甲状腺機能が低下する場合がある。]
  • レーベル病(遺伝性視神経萎縮症)、たばこ弱視あるいはビタミンB12欠乏症の患者[シアンの解毒処理能力が低下している場合がある。](「警告」「用法・用量に関連する使用上の注意(4)」「8.過量投与」の項参照)
  • 重篤な肝機能障害のある患者[肝循環が抑制されるおそれがある。]
  • 重篤な腎機能障害のある患者[腎循環が抑制されるおそれがある。]
  • 高度な貧血の患者[血圧低下により貧血症状(めまい等)を悪化させるおそれがある。]
  • ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)を投与中の患者[併用により降圧作用が増強され、過度に血圧を低下させることがある。](「2.重要な基本的注意(4)」「3.相互作用(1)」の項参照)
副作用
過度の低血圧(0.1~5%未満)があらわれることがある。このような副作用があらわれた場合には、減量又は投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。また、速やかに血圧を回復させたい場合には昇圧剤を投与すること。
本剤の投与を中止した場合に、急激な血圧上昇等のリバウンド現象(0.1~5%未満)があらわれることがある。このような副作用があらわれた場合には、必要に応じて降圧剤を投与するなど適切な処置を行うこと。特に、手術時の異常高血圧の救急処置に用いる場合に起こりやすいので注意すること。
注意

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

頭部外傷又は脳出血による血腫などの頭蓋内圧亢進症の患者[頭蓋内圧を上昇させる。]
甲状腺機能の低下した患者[代謝物のチオシアンにより甲状腺機能が低下する場合がある。]
心機能障害のある患者[冠循環が抑制されるおそれがある。]
肝機能障害のある患者[肝循環が抑制されるおそれがある。]
腎機能障害のある患者[腎循環が抑制されるおそれがある。]
著しく血圧の低い患者[血圧低下をさらに悪化させるおそれがある。]
高齢者(「5.高齢者への投与」の項参照)
小児(「7.小児等への投与」の項参照)
本剤の添加剤カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム水和物に対し過敏症の既往歴のある患者
極度な肥満の患者[血中シアン濃度が上昇するおそれがある。](「用法・用量に関連する使用上の注意(4)」の項参照)

重要な基本的注意

低血圧を必要とする手術ではECG、導尿等により、心機能や腎機能を監視すること。
呼吸抑制があらわれることがあるので、呼吸管理に注意すること。また、本剤の投与により動脈血酸素分圧(Pao2)が低下することがあるので、本剤の投与中はPao2又は動脈血酸素飽和度(Sao2)の監視を行い、必要に応じて吸入酸素濃度(FIO2)の調節を行うこと。なお、Pao2低下時に酸素吸入が行われていない場合は投与を中止し、速やかに酸素吸入を行うこと。
投与終了後は、患者の血圧が完全に回復するまで管理を行うこと。
本剤とホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)との併用により降圧作用が増強し、過度に血圧を低下させることがあるので、本剤投与前にこれらの薬剤を服用していないことを十分確認すること。
また、本剤投与中及び投与後においてこれらの薬剤を服用しないよう十分注意すること。(「禁忌(7)」「3.相互作用(1)」の項参照)

適用上の注意

調製方法
本剤は強力な降圧作用を有するので、必ず希釈して用いること。また、調製後は速やかに使用し、残液は廃棄すること。
なお、本剤との配合試験の結果、下記に示す輸液は配合が可能であった。
5%ブドウ糖注射液、生理食塩液、20%マンニットール注射液、マルトス-10、ポタコールR、低分子デキストランL注、ソリタ-T1号、ソリタ-T3号、ソリタ-T4号、ヘスパンダー
投与時
本剤の投与には必ずシリンジポンプを使用すること。一時的な大量注入により過剰な低血圧が生ずる危険を防ぐため、投与ラインは屈曲しないように適度な長さのものを使用し、また、三方活栓を介して本剤を投与する時は、注射部位からできるだけ近位に三方活栓を設置すること。投与終了後は投与ラインの残存液にも注意すること。
アンプルカット時
本品はワンポイントカットアンプルであるが、アンプルカット部分をエタノール綿等で清拭してからカットすることが望ましい。

用法・用量に関連する使用上の注意

本剤の血圧降下作用は強く、また、個人差も見られるので、必ず血圧と心拍数を連続的に監視しながら投与速度に注意し、慎重に投与すること。なお、外国では血圧のモニターを怠った患者において過度の低血圧が強くあらわれることにより非可逆性の虚血性障害や、場合によっては死亡に至る可能性があると報告されている。(「警告」「用法・用量に関連する使用上の注意(2)」「8.過量投与」の項参照)
本剤の投与により血圧が低下し過ぎた場合には減量又は投与を中止すること。また、速やかに血圧を回復させたい場合には昇圧剤を投与すること。(「警告」「用法・用量に関連する使用上の注意(1)」「8.過量投与」の項参照)
高齢者では本剤の血圧低下作用が強くあらわれることがあるので、低用量から投与を開始するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。(「5.高齢者への投与」の項参照)
本剤の過量投与によりシアン中毒を生じるおそれがあるので、血圧や心拍数の他に、心電図、血液ガス及び酸塩基平衡をモニターし、シアン中毒を疑わせる異常(耐薬性の出現、代謝性アシドーシスの進行、静脈血酸素含量の上昇及び心電図ST-T波変化など)が観察された場合には直ちに本剤の投与を中止し、シアン中毒に対する治療を行うこと。シアン中毒の治療には日局チオ硫酸ナトリウム水和物の静脈内投与、日局亜硝酸アミルの吸入又は亜硝酸ナトリウム注)の静脈内投与等が有効であり、特に亜硝酸剤投与後にチオ硫酸ナトリウム水和物を投与する併用療法の効果が高いので、本剤の使用に際してはこれらの薬剤をあらかじめ用意し、救急処置の準備をしておくことが望ましい。また、硬膜外麻酔等施行時の局所麻酔薬の副作用や全身麻酔覚醒時の症状の中には、頭痛、めまい、嘔気、嘔吐等のように、シアン中毒時の自覚症状と類似するものがあるので、これらの症状があらわれた場合も血液ガス及び酸塩基平衡等を観察し、シアン中毒を疑わせる場合は同様の処置を行うこと。血中シアン濃度の上昇には個人差があり、特に肥満においては高値を示すことがあるので、肥満患者においては投与速度に注意し、慎重に投与すること。なお、外国ではニトロプルシドナトリウム水和物の過量投与によるシアン中毒の死亡例も報告されており、また、500μg/kg以上のニトロプルシドナトリウム水和物を2μg/kg/分より速く投与すれば、体内における解毒処理能力を超えてシアンが生成されることが知られているため、投与速度とともに投与量にも注意すること。(「警告」「禁忌(3)」「1.慎重投与(10)」「8.過量投与」の項参照)
「注)亜硝酸ナトリウムについては医薬品として市販されていない。」

高齢者への投与

75歳以上の高齢手術患者に対する安全性は確立していない。
75歳未満の手術患者を対象にして行われた臨床試験において、手術時の低血圧維持における主投与速度の平均は高齢者(65歳以上)で1.14μg/kg/分、非高齢者で1.45μg/kg/分と高齢者で遅かった。また、手術時の異常高血圧の救急処置においても、主投与速度の平均は高齢者で0.65μg/kg/分、非高齢者で1.36μg/kg/分と高齢者で遅かった。このように、高齢者では降圧維持に必要な投与速度が非高齢者に比べて遅く、本剤の血圧低下作用が強くあらわれやすいと考えられるので、低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
また、手術時の低血圧維持の臨床試験において、高齢者にPao2低下等の副作用発現率が高い傾向が認められているので注意すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
動物実験(ラット)で、乳汁中に移行することが報告されているので、授乳中の婦人には授乳を中止させること。

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(低出生体重児、新生児には使用経験がない。乳児、幼児又は小児には使用経験が少ない)。

薬物動態

健常人に0.5、1.0及び2.0μg/kg/分と投与速度を漸増し、1時間静脈内持続投与した時、未変化体の血漿中濃度は投与速度の増加に伴って上昇し、投与終了後は速やかに減少した。半減期は約1分であった。代謝物としてシアンが生成されたが、更に速やかに生体内に存在するチオシアンに代謝され、シアンの半減期は約12分であった。未変化体及びシアンの尿中排泄は認められず、チオシアンの尿中排泄量の増加が認められた。