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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○手術後及び神経因性膀胱などの低緊張性膀胱による排尿困難
  • ○重症筋無力症

用法・用量

  • <手術後及び神経因性膀胱などの低緊張性膀胱による排尿困難>

    • ジスチグミン臭化物として、成人1日5mgを経口投与する。
  • <重症筋無力症>

    • ジスチグミン臭化物として、通常成人1日5~20mgを1~4回に分割経口投与する。なお、症状により適宜増減する。

禁忌 

【警告】

  • 本剤の投与により意識障害を伴う重篤なコリン作動性クリーゼを発現し、致命的な転帰をたどる例が報告されているので、投与に際しては下記の点に注意し、医師の厳重な監督下、患者の状態を十分観察すること。
    • 1.1 本剤投与中にコリン作動性クリーゼの徴候(初期症状:悪心・嘔吐、腹痛、下痢、唾液分泌過多、気道分泌過多、発汗、徐脈、縮瞳、呼吸困難等、臨床検査:血清コリンエステラーゼ低下)が認められた場合には、直ちに投与を中止すること。[1.2、1.3、8.1.1-8.1.3、8.3.1、9.8、11.1.1、13.1参照]
    • 1.2 コリン作動性クリーゼがあらわれた場合は、アトロピン硫酸塩水和物0.5~1mg(患者の症状に合わせて適宜増量)を静脈内投与する。また、呼吸不全に至ることもあるので、その場合は気道を確保し、人工換気を考慮すること。[1.1、1.3、8.1.1-8.1.3、8.3.1、9.8、11.1.1、13.1参照]
    • 1.3 本剤の投与に際しては、副作用の発現の可能性について患者又はそれに代わる適切な者に十分理解させ、下記のコリン作動性クリーゼの初期症状が認められた場合には服用を中止するとともに直ちに医師に連絡し、指示を仰ぐよう注意を与えること。[1.1、1.2、8.1.1-8.1.3、8.3.1、9.8、11.1.1、13.1参照]
      • 悪心・嘔吐、腹痛、下痢、唾液分泌過多、気道分泌過多、発汗、徐脈、縮瞳、呼吸困難
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 消化管又は尿路の器質的閉塞のある患者[消化管機能を亢進させ、症状を悪化させるおそれがある。また、尿の逆流を引き起こすおそれがある。]
  • 2.2 迷走神経緊張症のある患者[迷走神経の緊張を増強させるおそれがある。]
  • 2.3 脱分極性筋弛緩剤(スキサメトニウム)を投与中の患者[10.1参照]
  • 2.4 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 コリン作動薬やコリンエステラーゼ阻害薬を投与中の患者
相互に作用を増強し、副作用が発現しやすくなるおそれがある。[10.2参照]
9.1.2 気管支喘息の患者
気管支喘息の症状を悪化させるおそれがある。
9.1.3 甲状腺機能亢進症の患者
甲状腺機能亢進症の症状を悪化させるおそれがある。
9.1.4 徐脈・心疾患(冠動脈疾患、不整脈)のある患者
心拍数低下、冠動脈の収縮、冠れん縮による狭心症、不整脈の増悪、心拍出量低下を起こすおそれがある。
9.1.5 消化性潰瘍の患者
消化管機能を亢進させ潰瘍の症状を悪化させるおそれがある。
9.1.6 てんかんの患者
てんかんの症状を悪化させるおそれがある。
9.1.7 パーキンソン症候群の患者
パーキンソン症候群の症状を悪化させるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
本剤は腎臓から排泄されるため、血中濃度が上昇するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
コリン作動性クリーゼの徴候(初期症状:悪心・嘔吐、腹痛、下痢、唾液分泌過多、気道分泌過多、発汗、徐脈、縮瞳、呼吸困難等、臨床検査:血清コリンエステラーゼ低下)に注意し、慎重に投与すること。高齢者では、肝・腎機能が低下していることが多く、体重が少ない傾向があるなど副作用が発現しやすい。[1.1-1.3、8.1.1-8.1.3、8.3.1、11.1.1、13.1参照]

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 本剤の投与により意識障害を伴うコリン作動性クリーゼがあらわれることがあるので、以下の点に注意すること。
8.1.1 投与開始2週間以内での発現が多く報告されていることから、特に投与開始2週間以内はコリン作動性クリーゼの徴候(初期症状:悪心・嘔吐、腹痛、下痢、唾液分泌過多、気道分泌過多、発汗、徐脈、縮瞳、呼吸困難等、臨床検査:血清コリンエステラーゼ低下)に注意すること。[1.1-1.3、8.1.2、8.1.3、8.3.1、9.8、11.1.1、13.1参照]
8.1.2 継続服用中においても発現が報告されていることから、コリン作動性クリーゼの徴候に注意すること。[1.1-1.3、8.1.1、8.1.3、8.3.1、9.8、11.1.1、13.1参照]
8.1.3 本剤によるコリン作動性クリーゼの徴候があらわれた場合は、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。[1.1-1.3、8.1.1、8.1.2、8.3.1、9.8、11.1.1、13.1参照]
8.2 本剤の使用により効果が認められない場合には、漫然と投与せず他の治療法を検討すること。
<重症筋無力症>
8.3 ときに筋無力症状の重篤な悪化、呼吸困難、嚥下障害(クリーゼ)をみることがあるので、このような場合には、臨床症状でクリーゼを鑑別し、困難な場合には、エドロホニウム塩化物2mgを静脈内投与し、クリーゼを鑑別し、次の処置を行うこと。
8.3.1 コリン作動性クリーゼ
悪心・嘔吐、腹痛、下痢、唾液分泌過多、気道分泌過多、発汗、徐脈、縮瞳、呼吸困難等の症状や、血清コリンエステラーゼの低下が認められた場合、又はエドロホニウム塩化物を投与したとき、症状が増悪又は不変の場合には、直ちに本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。[1.1-1.3、8.1.1-8.1.3、9.8、11.1.1、13.1参照]
8.3.2 筋無力性クリーゼ
呼吸困難、唾液排出困難、チアノーゼ、全身の脱力等の症状が認められた場合、又はエドロホニウム塩化物を投与したとき、症状の改善が認められた場合は本剤の投与量を増加する。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

<重症筋無力症>
医師の厳重な監督下、通常成人1日5mgから投与を開始し、患者の状態を十分観察しながら症状により適宜増減すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人に14Cジスチグミン臭化物5mgを単回経口投与した結果、血漿中濃度は投与後1.58時間で最高値4.40ng/mLとなり、その後、二相性に漸減した。半減期はα相で4.47±2.03時間、β相で69.5±5.1時間であった(外国人データ)。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
イヌにジスチグミン臭化物(0.02%w/v水溶液)として1.0mg/kgを、絶食時又は給餌後に単回経口投与し、血漿中濃度を測定した際、絶食群は給餌群に比し、Cmaxが約9.4倍、AUC0-24が約6.6倍高値であった。
例数Cmax(ng/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)AUC0-24(ng/mL・hr)
絶食群5166±750.8±0.32.6±1.8539±187
給餌群517.6±8.40.9±0.24.1±2.082.0±23.8
平均±標準偏差2週間以上の休薬期間を置いたクロスオーバー比較試験
16.5 排泄
健康成人に14Cジスチグミン臭化物5mgを単回経口投与した結果、投与216時間後までの尿及び糞中への累積排泄率は、それぞれ6.5%及び88.0%であった。0.5mgを単回静脈内投与した結果、尿及び糞中への累積排泄率は、それぞれ85.3%及び3.9%であった。
これらのことから、主な排泄部位は腎である(外国人データ)。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
脱分極性筋弛緩剤
スキサメトニウム塩化物水和物
スキサメトニウム注、
レラキシン注
[2.3参照]
脱分極性筋弛緩剤の作用を増強する。1)脱分極性筋弛緩剤はコリンエステラーゼにより代謝されるため、本剤により代謝が阻害されることが考えられる。
2)本剤による直接ニコチン様作用には脱分極性筋弛緩作用がある。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
副交感神経抑制剤
アトロピン硫酸塩水和物
相互に作用を拮抗する。本剤のムスカリン様作用と拮抗することが考えられる。
コリン作動薬
ベタネコール塩化物

[9.1.1参照]
相互に作用を増強する。本剤のコリン作用と相加・相乗作用があらわれることが考えられる。
コリンエステラーゼ阻害薬
ドネペジル塩酸塩
ネオスチグミン臭化物
ピリドスチグミン臭化物
アンベノニウム塩化物

[9.1.1参照]
相互に作用を増強する可能性がある。本剤のコリン作用と相加・相乗作用があらわれることが考えられる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 コリン作動性クリーゼ(頻度不明)
本剤の投与により意識障害を伴うコリン作動性クリーゼ(初期症状:悪心・嘔吐、腹痛、下痢、唾液分泌過多、気道分泌過多、発汗、徐脈、縮瞳、呼吸困難等、臨床検査:血清コリンエステラーゼ低下)があらわれることがある(コリン作動性クリーゼは投与開始2週間以内での発現が多く報告されている)。このような場合には、直ちに投与を中止し、アトロピン硫酸塩水和物0.5~1mg(患者の症状に合わせて適宜増量)を静脈内投与する。また、呼吸不全に至ることもあるので、その場合は気道を確保し、人工換気を考慮すること。[1.1-1.3、8.1.1-8.1.3、8.3.1、9.8、13.1参照]
11.1.2 狭心症、不整脈(いずれも頻度不明)
狭心症、不整脈(心室頻拍、心房細動、房室ブロック、洞停止等)があらわれることがある。
注)発現頻度は再評価結果を含む

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上1~5%未満0.5~1%未満0.5%未満頻度不明
骨格筋筋力低下、線維性ちく搦(ちくでき=クローヌス)、筋痙攣線維束れん縮
消化器下痢腹痛、悪心・不快感嘔気・嘔吐、腹鳴、胃腸症状便失禁、心窩部不快感、流唾、テネスムス(しぶり腹)、口渇
精神神経系めまい、頭痛睡眠障害
泌尿器尿失禁頻尿、尿道痛
肝臓AST・ALTの上昇
その他発汗流涙、全身倦怠感、神経痛悪化、動悸、舌のしびれ、発熱、自律神経失調、ざ瘡、胸部圧迫感、耳鳴血清コリンエステラーゼ値低下

注)発現頻度は再評価結果を含む

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