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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 春季カタル(抗アレルギー剤が効果不十分な場合)

用法・用量

  • 用時よく振り混ぜたのち、通常、1回1滴を1日2回点眼する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 眼感染症のある患者[8.2参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 緑内障のある患者
本剤投与中は定期的に眼圧検査を実施すること。眼圧が上昇することがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ウサギ:経口投与)で催奇形作用、胎児毒性が認められたとの報告がある。ヒト(経口投与)で胎盤を通過することが報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトで母乳中へ移行する可能性がある。
9.7 小児等
低出生体重児、新生児、乳児又は6歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の使用は、春季カタルの治療法に精通している医師のもとで行うこと。
8.2 本剤投与により感染症が発現又は増悪するおそれがあり、他の免疫抑制作用を有する薬剤との併用時には、その可能性が更に高まるおそれがあるので十分注意すること。[2.2参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
・使用時、キャップを閉じたままよく振ってからキャップを開けて点眼すること。
・薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
・患眼を開瞼して結膜嚢内に点眼し、1~5分間閉瞼して涙嚢部を圧迫させた後、開瞼すること。
・点眼のとき、液が眼瞼皮膚等についた場合には、すぐにふき取ること。
・他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。
・使用後、眼部熱感、眼刺激等が高頻度に認められること。
・遮光性のあるフィルムにより、製品の品質を保持しているため、容器本体のフィルム(キャップ部分は含まない)を取り除かないよう注意すること。

5.効能又は効果に関連する注意

眼瞼結膜巨大乳頭の増殖が認められ、抗アレルギー剤により十分な効果が得られないと判断した場合に使用すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 健康成人
健康成人(7例)の片眼に本剤を1滴単回点眼したとき、全血中タクロリムス濃度は表1のとおりであった。最高全血中濃度(Cmax)は0.086~0.23ng/mL、最高全血中濃度到達時間(tmax)は1又は3時間であった。
表1
被験者No.全血中濃度(ng/mL)
点眼後時間(h)
00.513691224
1ndnd0.110.230.0760.0710.075nd
2ndnd0.0510.094ndndndnd
3ndnd0.0660.150.0800.0730.051nd
4ndnd0.0860.084ndndndnd
5ndndnd0.130.065ndndnd
7ndnd0.170.150.078ndndnd
8nd0.0570.180.220.0970.053ndnd
nd:定量限界(0.051ng/mL)未満
健康成人(7例)の両眼に本剤を1回1滴、4時間間隔で1日4回注1)、10日間反復点眼したとき、全血中タクロリムス濃度の薬物動態パラメータは表2のとおりであった。初回投与後7日及び10日の濃度-時間曲線下面積(AUC)及びCmaxが、同程度であったことから初回投与後7日までに定常状態に達していたと考えられた。
表2
測定時期測定例数Cmax(ng/mL)tmax(h)AUC††(ng・h/mL)t1/2(h)
第1日70.41±0.2213±56.20±3.57
第7日71.04±0.549±420.47±10.21
第10日71.15±0.6711±622.49±12.6835.2±14.9
平均値±標準偏差†:各時期の第1回点眼後の時間。第1回点眼後13、9、11時間は、それぞれ第4回点眼後1時間、第3回点眼後1時間、第3回点眼後3時間に相当。††:第1日、第7日及び第10日のAUCはそれぞれAUC0-23h、AUC-1-23h、AUC-1-24h
16.1.2 春季カタル患者
春季カタル患者に本剤を1回1滴、1日2回、4週間点眼したときの血中タクロリムス濃度は表3のとおりであった。
表3
測定時期測定例数血中濃度(ng/mL)
平均値±標準偏差最小値~最大値
1週後20.315±0.445nd~0.63
2週後560.219±0.367nd~1.34
4週後530.297±0.446nd~1.36
nd:定量限界(0.50ng/mL)未満
春季カタル患者に本剤を1回1滴、1日2回、約12週間(70~97日間)点眼したときの血中タクロリムス濃度は表4のとおりであった。
表4
測定時期測定例数血中濃度(ng/mL)
平均値±標準偏差最小値~最大値
4週後500.286±0.485nd~1.69
12週後510.305±0.525nd~1.83
投与終了時510.305±0.525nd~1.83
nd:定量限界(0.50ng/mL)未満
16.2 吸収
ウサギに0.1%タクロリムス点眼液を1滴単回点眼したときのバイオアベイラビリティは11.1%であった。
16.3 分布
ウサギに0.1%、0.3%又は1.0%タクロリムス点眼液を1滴単回点眼したとき、眼組織中タクロリムス濃度は投与量の増加とともに上昇する傾向を示した。投与後1時間の結膜及び角膜中タクロリムス濃度は全血中濃度に比べて高値であった。
ウサギに0.3%タクロリムス点眼液を1回1滴、1日4回、14日間反復点眼したとき、水晶体以外の眼組織中タクロリムス濃度は初回投与後7日までにほぼ定常状態に達した。
ウサギに0.1%又は0.3%タクロリムス点眼液を1回1滴、1日4回、6ヵ月間反復点眼したとき、水晶体中タクロリムス濃度は初回投与後3ヵ月までにほぼ定常状態に達した。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者注2)
成人腎移植患者(9例)にタクロリムスカプセル0.16mg/kgを反復経口投与したとき、全血中タクロリムスの薬物動態パラメータは表5のとおりであった。
表5
測定例数tmax(h)Cmax(ng/mL)AUC0-12h(ng・h/mL)トラフ値(ng/mL)F※※(%)
94.2±2.944±45274±19816±1220±17.8
平均値±標準偏差※12時間後血中濃度※※生体内利用率
成人腎移植患者(9例)にタクロリムスカプセル及び顆粒を同用量投与したとき、全血中タクロリムスの薬物動態パラメータは表6のとおりであった。
表6
症例番号投与量(mg/kg/回)カプセル顆粒比(顆粒/カプセル)
Cmax(ng/mL)AUC0-12h(ng・h/mL)Cmax(ng/mL)AUC0-12h(ng・h/mL)CmaxAUC0-12h
10.031042.71894.41.802.21
20.021070.29.368.60.930.98
30.0627165.423113.30.850.69
40.0214105.67.241.80.510.40
60.029.961.51469.21.411.13
70.031392.013103.81.001.13
80.026.236.76.827.61.100.75
90.024.132.63.834.10.931.05
100.0420230.842320.02.101.39
平均値±標準偏差1.18±0.501.08±0.51
16.6.2 肝機能障害患者
小児肝移植患者及び成人肝移植患者にタクロリムスを経口投与するとき、小児と成人で同程度の血中濃度を達成するための小児への体重当たりの投与量は、成人への体重あたりの投与量に比べて2.7~4.4倍高用量が必要であると考えられた(外国人データ)。
注1)本剤の承認された用法及び用量は「用時よく振り混ぜたのち、通常、1回1滴を1日2回点眼する。」である。
注2)血中トラフ濃度が20ng/mLを超える期間が長い場合、副作用が発現しやすくなる。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上0.1~5%未満頻度不明
過敏症接触皮膚炎
眼の異常感(眼部熱感、眼の異物感、眼の違和感)(21.4%)、眼刺激(21.4%)眼精疲労、眼乾燥流涙増加、眼脂、眼痛、眼充血、羞明、点状角膜炎、眼そう痒症、眼部不快感、上眼瞼重圧感、眼瞼そう痒症、眼瞼浮腫、眼瞼炎、霰粒腫、瞼板腺炎、結膜充血、結膜浮腫、結膜炎、結膜びらん、結膜沈着物、角膜びらん、角膜潰瘍、角膜混濁、前房のフレア、前房内細胞、閃輝性融解、霧視、視力低下、緑内障増悪、眼圧上昇
呼吸器咽喉刺激感咽喉頭疼痛、咽頭感覚鈍麻、鼻部不快感
感染症ヘルペス性角膜炎眼瞼ヘルペス、膿痂疹、麦粒腫、細菌性結膜炎、単純ヘルペスウイルス結膜炎、流行性角結膜炎、細菌性角膜炎
その他熱感[顔面]、手指のしびれ感、AST(GOT)増加、γ-GTP増加、LDH増加、白血球数増加、白血球数減少、好中球増加、好中球減少、単球増加、リンパ球減少、血中尿酸増加
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