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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • <適応菌種>

    • 本剤に感性の結核菌
  • <適応症>

    • 肺結核及びその他の結核症

用法・用量

  • 通常成人は、イソニアジドとして1日量200~500mg(4~10mg/kg)を筋肉内又は静脈内注射する。髄腔内、胸腔内注入又は局所分注の場合には1回50~200mgを使用する。年齢、症状により適宜増減する。なお、他の抗結核薬と併用することが望ましい。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 重篤な肝障害のある患者[9.3.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 精神障害の既往歴のある患者
精神障害が再発するおそれがある。
9.1.2 アルコール中毒の患者
肝障害、精神障害があらわれるおそれがある。
9.1.3 てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者
やむを得ず投与する必要がある場合には観察を十分に行うこと。痙攣を起こすことがある。
9.1.4 薬物過敏症の患者
9.1.5 血液障害、出血傾向のある患者
これらの症状が悪化するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 腎障害又はその疑いのある患者
本剤の血中濃度が上昇し、末梢神経炎等の副作用が生じやすくなる。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
投与しないこと。肝障害が悪化するおそれがある。[2.参照]
9.3.2 肝障害又はその既往歴、あるいはその疑いのある患者(重篤な肝障害のある患者を除く)
肝障害が悪化又は再発するおそれがある。[8.1、11.1.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験(マウス)で胎児の発育障害作用が報告されている。また、アミノサリチル酸製剤を併用投与されている患者で、奇形を有する児の出現率が高いとする疫学的調査結果がある。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。ヒト母乳中へ移行することがある。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 劇症肝炎等の重篤な肝障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うこと。[9.3.2、10.2、11.1.1参照]
8.2 本剤を含む抗結核薬による治療で、薬剤逆説反応を認めることがある。治療開始後に、既存の結核の悪化又は結核症状の新規発現を認めた場合は、薬剤感受性試験等に基づき投与継続の可否を判断すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意
<筋肉内注射>
組織・神経等への影響を避けるため下記の点に注意すること。
・注射部位については、神経走行部位を避けて慎重に投与すること。
・注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合には、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
・くりかえし注射する場合には、左右交互に注射するなど、同一部位を避けること。特に小児等には注意すること。

16.薬物動態

16.3 分布
イソニアジドは血清蛋白(主にアルブミン)と結合し、ヒト血清アルブミン1molあたりに結合するイソニアジドのmol比は0.08であった。
16.4 代謝
イソニアジドは投与後、大部分は肝臓でアセチル化され、1-acetyl-2-isonicotinylhydrazineとなった後、1,2-diacetylhydrazine及びacetylhydrazineに代謝された。
このN-アセチル化の代謝速度には遺伝的多様性(rapid又はslow acetylator)があり、人種差が見られる(日本人でslow acetylatorは10%以下)。
16.5 排泄
イソニアジドは主に代謝物1,2-diacetylhydrazine及びacetylhydrazineとして尿中に排泄された。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
他の抗結核薬
リファンピシン等
[8.1参照]
重篤な肝障害があらわれることがある。リファンピシンの肝薬物代謝酵素誘導作用により、本剤の代謝が促進され、肝毒性を有する代謝物の産生が増加すると考えられている。
クマリン系抗凝固薬
ワルファリン
ワルファリンの作用を増強し、プロトロンビン時間の延長が認められることがある。本剤がワルファリンの肝薬物代謝を阻害し、血中濃度が上昇すると考えられている。
抗てんかん薬
フェニトイン
カルバマゼピン等
これらの作用を増強し、中毒症状が発現することがある。また、カルバマゼピンでは本剤の肝毒性が増強されることがある。本剤が抗てんかん薬の肝薬物代謝を阻害し、血中濃度が上昇する。また、カルバマゼピンが肝毒性を有する本剤の代謝物の産生を促進すると考えられている。
経口糖尿病用薬
インスリン
これらの血糖降下作用を減弱又は増強することがある。血糖値の観察を十分に行う。血糖降下作用の減弱については、本剤が炭水化物代謝を阻害し、血中ブドウ糖濃度上昇及び糖耐性障害を引き起こすと考えられている。
ジスルフィラム協調困難、情緒障害等があらわれることがある。本剤とジスルフィラムがそれぞれカテコールアミン代謝酵素を阻害すると考えられている。
サイクロセリンめまい、眠気等の中枢神経系の副作用を増強するとの報告がある。機序は不明である。
シクロスポリンシクロスポリンの作用が減弱することがある。本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用により、シクロスポリンの代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている。
イトラコナゾールイトラコナゾールの作用が減弱するおそれがある。機序は明らかではないが、本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用により、イトラコナゾールの代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている。
血圧降下薬
交感神経興奮薬
副交感神経抑制薬
三環系抗うつ薬
これらの作用を増強するおそれがある。機序は明らかではないが、MAO阻害に関連していると考えられている。
レボドパレボドパの作用が減弱するおそれがある。機序は明らかではないが、本剤によりドパ脱炭酸酵素が阻害されると考えられている。
ペチジン塩酸塩呼吸抑制、低血圧、昏睡、痙攣等があらわれるおそれがある。併用する場合には、定期的に臨床症状を観察し、用量に注意する。神経系のセロトニンの取り込みを阻害するペチジン塩酸塩とMAO阻害作用をもつ本剤との併用により、中枢神経のセロトニンが蓄積すると考えられている。
ヒスチジンを多く含有する魚
マグロ等
頭痛、紅斑、嘔吐、そう痒等のヒスタミン中毒を起こすことがある。本剤のヒスタミン代謝酵素阻害作用により、体内にヒスタミンが蓄積すると考えられている。
チラミンを多く含有する食物
チーズ等
血圧上昇、動悸があらわれることがある。本剤のMAO阻害作用により、チラミンは不活性化されず、アドレナリン作動性神経終末部において蓄積されているカテコールアミンの遊離を促進すると考えられている。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 劇症肝炎等の重篤な肝障害(頻度不明)[8.1、9.3.2参照]
11.1.2 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、紅皮症(剥脱性皮膚炎)(いずれも頻度不明)
11.1.3 薬剤性過敏症症候群(頻度不明)
初期症状
発疹、発熱
続発する所見
肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球の出現等
ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
11.1.4 SLE様症状(頻度不明)
症状
発熱、紅斑、筋肉痛、関節痛、リンパ節腫脹、胸部痛等
処置方法
副腎皮質ホルモン剤投与等
11.1.5 間質性肺炎(頻度不明)
症状
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等
処置方法
副腎皮質ホルモン剤投与等
11.1.6 腎不全、間質性腎炎、ネフローゼ症候群(いずれも頻度不明)
症状
発熱、皮疹、乏尿、浮腫、蛋白尿、腎機能検査値異常等
11.1.7 無顆粒球症、血小板減少(いずれも頻度不明)
11.1.8 痙攣(頻度不明)
11.1.9 視神経炎、視神経萎縮(いずれも頻度不明)
症状
視力低下、中心暗点等
処置方法
ビタミンB6投与等
11.1.10 末梢神経炎(頻度不明)
症状
四肢の異常感覚、しびれ感、知覚障害、腱反射低下、筋力低下、筋萎縮等
処置方法
ビタミンB6投与等

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.1~5%未満0.1%未満頻度不明
肝臓AST上昇、ALT上昇黄疸
過敏症注)発熱、発疹
血液出血傾向(喀血、血痰、鼻出血、眼底出血等)貧血、赤芽球癆、白血球減少、好酸球増多
精神神経系頭痛、めまい、倦怠感精神障害(せん妄、抑うつ、記憶力低下、幻覚、感情異常、興奮等)
中枢神経系小脳障害(平衡障害、運動失調、企図振戦、言語障害、眼球運動障害、嚥下障害等)
消化器食欲不振、悪心、嘔吐、胃部膨満感、腹痛、便秘
内分泌女性化乳房、乳汁分泌、月経障害、インポテンス
その他関節痛

注)再投与が必要な場合には減感作を行うこと。

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