製品名 ノボラピッド注100単位/mL

一般名
Insulin Aspart(Genetical Recombination)
薬効分類
糖尿病治療薬
 >インスリン
価格
100単位1mLバイアル:340円/mLV

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • インスリン療法が適応となる糖尿病

用法・用量

  • 通常、成人では、初期は1回2~20単位を毎食直前に皮下注射するが、持続型インスリン製剤と併用することがある。なお、投与量は症状及び検査所見に応じて適宜増減するが、持続型インスリン製剤の投与量を含めた維持量は通常1日4~100単位である。
    必要に応じ静脈内注射、持続静脈内注入又は筋肉内注射を行う。
禁忌
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 低血糖症状を呈している患者
  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
副作用
低血糖(脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、嘔気、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、痙攣、意識障害(意識混濁、昏睡)等)があらわれることがある。
なお、徐々に進行する低血糖では、精神障害、意識障害等が主である場合があるので注意すること。また、長期にわたる糖尿病、糖尿病性神経障害、β-遮断剤投与あるいは強化インスリン療法が行われている場合では、低血糖の初期の自覚症状(冷汗、振戦等)が通常と異なる場合や、自覚症状があらわれないまま、低血糖あるいは低血糖性昏睡に陥ることがある。
低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を経口摂取し、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を経口摂取すること。
経口摂取が不可能な場合はブドウ糖を静脈内に投与するか、グルカゴンを筋肉内又は静脈内投与すること。
低血糖は臨床的にいったん回復したと思われる場合にも後で再発することがあるので、経過観察を継続して行うことが必要である。
アナフィラキシーショック(頻度不明)(呼吸困難、血圧低下、頻脈、発汗、全身の発疹等)、血管神経性浮腫(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
注意

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

インスリン需要の変動が激しい患者
手術、外傷、感染症等の患者
妊婦(「6.妊婦・産婦・授乳婦等への投与」の項参照)
次に掲げる低血糖を起こしやすい患者又は状態
重篤な肝又は腎機能障害
下垂体機能不全又は副腎機能不全
下痢、嘔吐、軽症胃アトニー等の胃腸障害
飢餓状態、不規則な食事摂取
激しい筋肉運動
過度のアルコール摂取者
高齢者(「5.高齢者への投与」の項参照)
血糖降下作用を増強する薬剤との併用(「3.相互作用」の項参照)
低血糖を起こすと事故につながるおそれがある患者(高所作業、自動車の運転等の作業に従事している患者等)

重要な基本的注意

インスリン製剤の使用上最も重要なことは、適応の決定と患者教育である。日常の糖尿病治療のためにインスリンを使用する場合、その注射法及び低血糖に対して患者自らも対処できるように十分指導すること。また、皮下からの吸収及び作用の発現時間は、投与部位、血流、体温、運動量等により異なるため、適切な注射法についても患者教育を十分行うこと。さらに、本剤の使用にあたっては、器具(針等)の安全な廃棄方法について十分指導すること。
急を要する場合以外は、あらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分行ったうえで適用を考慮すること。
低血糖を起こすことがあるので、注意すること。特に、食事を摂取しなかったり、予定外の激しい運動を行った場合、低血糖を引き起こしやすい。低血糖が無処置の状態で続くと低血糖昏睡等を起こし、重篤な転帰(中枢神経系の不可逆的障害、死亡等)をとるおそれがある。また、低血糖に関する注意について、患者及びその家族に十分徹底させること(「4.副作用」の項参照)。
インスリンの用量が不足した場合、高血糖を起こすことがあるので、注意すること。
高血糖が無処置の状態で続くと悪心、嘔吐、眠気、潮紅、口渇、頻尿、脱水、食欲減退、呼気のアセトン臭、ケトアシドーシス、昏睡等を起こし、重篤な転帰をとるおそれがあるので、適切な処置を行うこと。
食物の吸収の遅延が予測される疾患のある患者や薬物療法中の患者への適用に際しては、本剤の作用発現が速いことを考慮すること。
肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合はインスリン製剤を変更するなど適切な処置を行うこと。
急激な血糖コントロールに伴い、糖尿病網膜症の顕在化又は増悪、眼の屈折異常、治療後神経障害(主として有痛性)があらわれることがあるので注意すること。
他のインスリン製剤から本剤への変更により、インスリン用量の変更が必要になる可能性がある。用量の調整には、初回の投与から数週間あるいは数ヵ月間必要になることがある。

適用上の注意

調製時・調製方法
本剤はリン酸緩衝液を含む製剤である。
本剤と他のインスリン製剤との混合に際しては、各製剤の1mLあたりのインスリン含有単位に注意し、混合後直ちに皮下注射すること。その際、各製剤ごとに付された注意を守ること。
本剤を生理食塩水、5%ブドウ糖溶液または10%ブドウ糖溶液に塩化カリウム40mmol/Lを加えた溶液に混合し、0.05単位/mLから1.0単位/mLの範囲の濃度に調製し、ポリエチレン製の容器中で放置したとき、24時間後までは安定である。
インスリン製剤は混合した直後に容器への吸着が起きるので、持続静脈内注入は血糖値を観察しながら行うこと。
保存時
使用中は冷蔵庫に入れず、室温に保管し、4週間以内に使用すること。
投与部位
皮下注射は、上腕、大腿、腹部、臀部等に行う。投与部位により吸収速度が異なるので部位を決め、その中で注射場所を毎回変えること。前回の注射場所より2~3cm離して注射すること。
その他
バイアルの底や壁に付着物がみられたり、液中に塊や薄片がみられることがある。また、使用中に液が変色することがある。これらのような場合は使用しないこと。
本剤は、速効型ヒトインスリン製剤より作用発現が速いため、食直前に投与すること(【薬物動態】の項参照)。
適用にあたっては本剤の作用時間、1mLあたりのインスリン アスパルト含有単位と患者の病状に留意し、その製剤的特徴に適する場合に投与すること。
静脈内注射、持続静脈内注入又は筋肉内注射は、医師等の管理下で行うこと。
糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮すること。
糖尿病以外にも耐糖能異常や尿糖陽性を呈する糖尿病類似の病態(腎性糖尿、甲状腺機能異常等)があることに留意すること。

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下していることが多く、低血糖が起こりやすいので、用量に留意し、定期的に検査を行うなど慎重に投与すること。

妊婦・産婦・授乳婦等への投与

本剤の妊婦への使用経験は少ない。
妊娠した場合、あるいは妊娠が予測される場合には医師に知らせるよう指導すること。妊娠中、周産期、授乳期等にはインスリンの需要量が変化しやすいため、用量に留意し、定期的に検査を行い投与量を調整すること。通常インスリン需要量は、妊娠初期は減少し、中期及び後期は増加する。

小児等への投与

成長及び活動性に応じてインスリンの需要量が変化するので、定期的に検査を行うなどして投与すること。

薬物動態

健康成人男子12例にノボラピッド注又は速効型ヒトインスリン0.05単位/kgを皮下注射したときの外因性血中インスリン濃度(ΔIRI;ノボラピッド注投与時はインスリン アスパルト濃度に相当)の薬物動態パラメータ及びΔ血糖値(投与前値からの血糖降下量)の薬力学的パラメータを示す。
皮下注射後の血中濃度
ノボラピッド注投与後のΔIRIのCmaxは速効型ヒトインスリン投与後の約2倍であり、Tmaxは約1/2であった。
外因性血中インスリン濃度の薬物動態パラメータ
投与量
(0.05単位/kg)
nCmax
(μU/mL)
Tmax
(min)
AUC
(μU・min/mL)
ノボラピッド注1230.9±9.239.2±18.83164±515
速効型ヒトインスリン1213.3±4.199.2±53.82941±530
(平均±SD)
皮下注射後の血中濃度の推移
皮下注射後の血糖値
ノボラピッド注の投与により、速やかな血糖降下作用が認められ、最大血糖降下量(Δ血糖値のCmax)は速効型ヒトインスリンに比較して大きいことが示された。
Δ血糖値の薬力学的パラメータ
投与量
(0.05単位/kg)
nCmax
(mg/dL)
Tmax
(min)
AUC
(mg・min/dL)
ノボラピッド注1229.6±12.169.6±22.22897±1073
速効型ヒトインスリン1217.3±9.3124.2±53.72552±1654
(平均±SD)
皮下注射後の血糖値の推移
血糖降下作用のおよその目安
作用発現時間最大作用発現時間作用持続時間
10~20分1~3時間3~5時間
持続静脈内注入後の血中濃度
日本人1型糖尿病患者7例にノボラピッド注又は速効型ヒトインスリンを持続静脈内注入したときの薬物動態パラメータを示す。ノボラピッド注又はヒトインスリンの投与は、最初の1分間は初回負荷用量として注入速度3.56m単位/kg/minで持続静脈内注入し、続く9分間は1分間隔で段階的に注入速度を調節、その後は1.25m単位/kg/minの一定速度で240分まで注入を継続した。
持続静脈内注入時及び注入終了後の薬物動態パラメータ
nCLss
(L/h)
t1/2(4.0~4.5h)
(h)
t1/2(4.5h~)
(h)
ノボラピッド注742.9190.1420.900
速効型ヒトインスリン741.0250.1341.213

[95%信頼区間]
71.046
[0.967;1.132]
1.059
[0.914;1.227]
0.741
[0.540;1.019]
幾何平均値及び幾何平均値の比(ノボラピッド注/速効型ヒトインスリン)CLss:定常状態(注入開始後180~240分)におけるクリアランスn=6
ノボラピッド注と速効型ヒトインスリンの持続静脈内注入時(0~240分)及び注入終了後の血清中濃度は同様のプロファイルを示した。ノボラピッド注とヒトインスリンの血清中濃度はともに持続注入開始直後から上昇し、注入終了時まで定常状態を維持した。注入終了後はともに二相性の消失プロファイルを示し、注入終了後30分までは急速に、その後は緩やかに減少した。
持続静脈内注入時(0~240分)及び注入終了後の血中濃度の推移
筋肉内注射後の血中濃度
日本人1型糖尿病患者6例にノボラピッド注又は速効型ヒトインスリン0.2単位/kgを単回筋肉内投与したときの薬物動態パラメータを示す。
筋肉内注射後の薬物動態パラメータ
投与量
(0.2単位/kg)
nCmax
(pmol/L)
Tmax
(h)
AUC0-480min
(h・pmol/L)
ノボラピッド注6538.2011.2221509.190
速効型ヒトインスリン6451.7342.5421543.517
比又は差
[95%信頼区間]
61.191
[0.557;2.546]
-1.319
[-2.378;-0.261]
0.978
[0.825;1.159]
Cmax及びAUC0-480minは幾何平均値及び幾何平均値の比(ノボラピッド注/速効型ヒトインスリン)Tmaxは平均値及び平均値の差(ノボラピッド注-速効型ヒトインスリン)
ノボラピッド注の単回筋肉内投与後の血清中濃度推移からは、その吸収及び消失が速効型ヒトインスリンと比べてわずかに速い傾向がみられた。
筋肉内注射後の血中濃度の推移