製品名 ランタス注カート

一般名
Insulin Glargine(Genetical Recombination)
薬効分類
糖尿病治療薬
 >インスリン
価格
300単位1筒:1431円/筒

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • インスリン療法が適応となる糖尿病

用法・用量

  • 通常、成人では、初期は1日1回4~20単位をペン型注入器を用いて皮下注射するが、ときに他のインスリン製剤を併用することがある。注射時刻は朝食前又は就寝前のいずれでもよいが、毎日一定とする。投与量は、患者の症状及び検査所見に応じて増減する。なお、その他のインスリン製剤の投与量を含めた維持量は、通常1日4~80単位である。
    ただし、必要により上記用量を超えて使用することがある。
禁忌
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 低血糖症状を呈している患者
  • 本剤の成分又は他のインスリン グラルギン製剤に対し過敏症の既往歴のある患者
副作用
低血糖(0.7%)
低血糖(脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、嘔気、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、痙攣、意識障害(意識混濁、昏睡)等)があらわれることがある。
なお、徐々に進行する低血糖では、精神障害、意識障害等が主である場合があるので注意すること。また、長期にわたる糖尿病、糖尿病性神経障害、β-遮断剤投与あるいは強化インスリン療法が行われている場合では、低血糖の初期の自覚症状(冷汗、振戦等)が通常と異なる場合や、自覚症状があらわれないまま、低血糖あるいは低血糖性昏睡に陥ることがある。
低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を経口摂取し、α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース等)との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を経口摂取すること。
経口摂取が不可能な場合はブドウ糖を静脈内に投与するか、グルカゴンを筋肉内又は静脈内投与すること。
低血糖は臨床的にいったん回復したと思われる場合にも後で再発することがある。また、本剤の作用は持続的であるため、経過観察を継続して行うことが必要である。
ショック、アナフィラキシー(頻度不明注)
ショック、アナフィラキシーを起こすことがあるので、観察を十分に行い、全身性皮膚反応、血管神経性浮腫、気管支痙攣、低血圧等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
注)海外で自発報告されている副作用のため頻度不明。
発現頻度は、承認時までの臨床試験、使用成績調査及び特定使用成績調査の結果を合わせて算出した。
ショック、アナフィラキシー(頻度不明注)
ショック、アナフィラキシーを起こすことがあるので、観察を十分に行い、全身性皮膚反応、血管神経性浮腫、気管支痙攣、低血圧等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
注)海外で自発報告されている副作用のため頻度不明。
注意

次の患者には慎重に投与すること

インスリン需要の変動が激しい患者
手術、外傷、感染症等の患者
妊婦[「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
次に掲げる低血糖を起こしやすい患者又は状態
重篤な肝又は腎機能障害
下垂体機能不全又は副腎機能不全
下痢、嘔吐等の胃腸障害
飢餓状態、不規則な食事摂取
激しい筋肉運動
過度のアルコール摂取者
高齢者[「5.高齢者への投与」の項参照]
血糖降下作用を増強する薬剤との併用[「3.相互作用」の項参照]
低血糖を起こすと事故につながるおそれがある患者(高所作業、自動車の運転等の作業に従事している患者等)
自律神経障害のある患者[低血糖の自覚症状が明確でないことがある。]
インスリン製剤の使用上最も重要なことは、適応の決定と患者教育である。日常の糖尿病治療のためにインスリンを使用する場合、その注射法及び低血糖に対して患者自らも対処できるように十分指導すること。また、皮下からの吸収及び作用の発現時間は、血流、体温、運動量等により異なるため、適切な注射法についても患者教育を十分行うこと。さらに、本剤の使用にあたっては、必ず専用のインスリンペン型注入器の取扱説明書を読むよう指導すること。また、すべての器具の安全な廃棄方法についても十分指導すること。
2型糖尿病においては、急を要する場合以外は、あらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分行ったうえで適用を考慮すること。
低血糖を起こすことがあるので、注意すること。特に、食事を摂取しなかったり、予定外の激しい運動を行った場合、低血糖を引き起こしやすい。低血糖が無処置の状態で続くと重篤な転帰(死亡等)をとるおそれがある。また、低血糖に関する注意について、患者及びその家族に十分徹底させること。[「4.副作用」の項参照]
本剤の作用は皮下に注射することにより、明らかなピークを示さず、ほぼ24時間持続する特徴を有することから、特に他のインスリン製剤からの切り替え時など、低血糖発現状態の変化に十分注意すること。[【薬物動態】及び【薬効薬理】の項参照]
インスリン グラルギン300単位/mL製剤から本剤への切り替え時には、前治療のインスリン グラルギン300単位/mL製剤の1日投与量よりも低用量での切り替えを考慮するとともに、切り替え時及びその後しばらくの間は血糖モニタリングを慎重に行うこと。[本剤とインスリン グラルギン300単位/mL製剤では薬物動態が異なる。インスリン グラルギン300単位/mL製剤から本剤への切り替え時に低血糖の発現が増加した。]
インスリンの用量が不足した場合、高血糖を起こすことがあるので、注意すること。
高血糖が無処置の状態で続くと悪心、嘔吐、眠気、潮紅、口渇、頻尿、脱水、食欲減退、呼気のアセトン臭、ケトアシドーシス、昏睡等を起こし、重篤な転帰をとるおそれがあるので、適切な処置を行うこと。
急激な血糖コントロールに伴い、糖尿病網膜症の顕在化又は増悪、眼の屈折異常、治療後神経障害(主として有痛性)があらわれることがあるので注意すること。
本剤は無色澄明な液剤であるため、速効型インスリン製剤又は超速効型インスリンアナログ製剤と間違えないよう患者に十分な指導を行うこと。
投与時
本剤は専用のペン型注入器を用いて使用すること。また、JIS T 3226-2に準拠したA型専用注射針を用いて使用すること。
本剤とA型専用注射針との装着時に液漏れ等の不具合が認められた場合には、新しい注射針に取り替える等の処置方法を患者に十分指導すること。
本剤は他のインスリン製剤との混合により、濁りが生じたり、本剤の作用時間や効果が変化する可能性があるので、本剤のカートリッジにインスリン製剤を補充したり、他のインスリン製剤と混合しないこと。
本剤のカートリッジの内壁に付着物がみられたり、液中に塊や薄片がみられた場合、又は液が変色した場合は使用しないこと。
本剤のカートリッジにひびが入っている場合は使用しないこと。
1本のカートリッジを複数の患者に使用しないこと。
投与部位
皮下注射は、上腕部、大腿部、腹部、腰部等に行うが、同一部位内で投与する場合は前回の注射場所より2~3cm離して注射すること。
投与経路
静脈内に投与しないこと。ただし、皮下注射したとき、まれに注射針が血管内に入り、注射後直ちに低血糖があらわれることがあるので注意すること。
保存時
専用のペン型注入器に装着する前は、凍結を避け、2~8℃で遮光保存すること。
本剤を専用のペン型注入器に装着したまま冷蔵庫に保存しないこと。
使用開始後は、遮光して室温保存すること。
使用開始後の使用期限
使用開始後4週間を超えたものは使用しないこと。[使用時の安定性試験に基づく。]
適用にあたっては本剤の作用時間、1mLあたりのインスリン含有単位と患者の病状に留意し、その製剤的特徴に適する場合に投与すること。
糖尿病性昏睡、急性感染症、手術等緊急の場合は、本剤のみで処置することは適当でなく、速効型インスリン製剤を使用すること。
中間型又は持続型インスリン製剤から本剤に変更する場合、以下を参考に本剤の投与を開始し、その後の患者の状態に応じて用量を増減するなど、本剤の作用特性[【薬物動態】の項参照]を考慮の上慎重に行うこと。[「2.重要な基本的注意」の項参照]
インスリン グラルギン300単位/mL製剤から本剤に変更する場合
通常初期用量は、前治療のインスリン グラルギン300単位/mL製剤の1日投与量と同単位よりも低用量を目安として投与を開始する。
インスリン グラルギン300単位/mL製剤以外の中間型又は持続型インスリン製剤から本剤に変更する場合
1日1回投与の中間型又は持続型インスリン製剤から本剤に変更する場合、通常初期用量は、前治療の中間型又は持続型インスリン製剤の1日投与量と同単位を目安として投与を開始する。
1日2回投与の中間型インスリン製剤から本剤への切り替えに関しては、国内では使用経験がない。[【臨床成績】の項3.参照]
インスリン グラルギン300単位/mL製剤又は中間型インスリン製剤から本剤への切り替え直後に低血糖があらわれることがあるので[【臨床成績】の項1.参照]、中間型又は持続型インスリン製剤から本剤に変更する場合、併用している速効型インスリン製剤、超速効型インスリンアナログ製剤又は他の糖尿病用薬の投与量及び投与スケジュールの調整が必要となることがあるので注意すること。
インスリン製剤以外の他の糖尿病用薬から本剤に変更する場合又はインスリン製剤以外の他の糖尿病用薬と本剤を併用する場合
投与にあたっては低用量から開始するなど、本剤の作用特性[【薬物動態】の項参照]を考慮の上慎重に行うこと。
ヒトインスリンに対する獲得抗体を有し、高用量のインスリンを必要としている患者では、他のインスリン製剤から本剤に変更することによって、本剤の需要量が急激に変化することがあるので、経過を観察しながら慎重に投与すること。
糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮すること。
糖尿病以外にも耐糖能異常や尿糖陽性を呈する糖尿病類似の病態(腎性糖尿、甲状腺機能異常等)があることに留意すること。
一般に高齢者では生理機能が低下していることが多く、低血糖が起こりやすいので、用量に留意し、定期的に検査を行うなど慎重に投与すること。
妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。
妊娠した場合、あるいは妊娠が予測される場合には医師に知らせるよう指導すること。妊娠中、周産期、授乳期等にはインスリンの需要量が変化しやすいため、用量に留意し、定期的に検査を行い投与量を調整すること。通常インスリン需要量は、妊娠初期は減少し、中期及び後期は増加する。
成長及び活動性に応じてインスリンの需要量が変化するので、定期的に検査を行うなどして投与すること。[「4.副作用」の項及び【臨床成績】の項参照]
健康成人における正常血糖クランプ試験
日本人健康成人男子15例に、本剤及びNPHヒトインスリン0.4単位/kgを腹部に単回皮下投与し、30時間正常血糖クランプ法により本剤の作用を検討したとき、本剤投与後の血清中インスリン濃度は、最初に上昇した後、投与30時間後まで比較的平坦な推移を示した。一方、NPHヒトインスリン投与後においては、投与後2.5~15時間の間、やや高い濃度で推移し、その後徐々に低下した。また、血糖降下作用を示すグルコース注入率の推移は、NPHヒトインスリン投与時では、投与後2~6時間の間に明らかなピークを示したが、本剤投与時では投与初期に上昇した後、比較的一定に推移した。グルコース注入率のAUC(0-30hr)に両製剤間で有意な差は認められなかった。
日本人健康成人にランタス注及びNPHヒトインスリンを単回皮下投与したときのグルコース注入率の推移(幾何平均値及びフィットカーブ)
1型糖尿病患者における作用持続時間(参考:外国人データ)
1型糖尿病患者20例に本剤及びNPHヒトインスリン0.3単位/kgを大腿部に単回皮下投与し、正常血糖クランプ法で本剤の作用を検討したとき、グルコース注入率の推移から投与時から作用が消失するまでの持続時間は、NPHヒトインスリンでは14.5時間(中央値)であったのに対し、本剤ではほぼ24時間であった。本剤投与時のグルコース注入率はNPHヒトインスリンと比べてより平坦に推移し、明らかなピークは認められなかった。このときの血清中遊離インスリン濃度の推移はグルコース注入率と同様であった。
1型糖尿病患者(外国人)にランタス注及びNPHヒトインスリンを単回皮下投与したときのグルコース注入率の推移
1型糖尿病患者(外国人)にランタス注及びNPHヒトインスリンを単回皮下投与したときの血清中遊離インスリン濃度(幾何平均値)
1型糖尿病患者における体内動態(参考:外国人データ)
1型糖尿病患者15例に各患者の至適用量(14~34単位)を11日間、腹部に反復皮下投与したとき、本剤を用いて補正した血清中遊離インスリン濃度推移から本剤の蓄積性は認められなかった。
投与部位による比較(参考:外国人データ)
健康成人男子12例に、125I-インスリン グラルギン0.2単位/kgを上腕部、大腿部及び腹部に単回皮下投与したとき、血清中インスリン濃度、血清中外因性インスリン濃度並びに血糖値の推移に差はみられなかった。また、血清中インスリン濃度及び外因性インスリン濃度のAUC及びCmax、血糖値のAUC及び最大降下度に投与部位間で有意な差は認められなかった。これらのことから本剤の薬理作用に投与部位による差はないと考えられた。
静脈内投与時の血糖降下作用(参考:外国人データ)
健康成人20例に本剤及び速効型ヒトインスリンを0.1単位/kgを30分間かけて持続静脈内投与し、正常血糖クランプ法を用いて検討したとき、グルコース注入率のAUC(0-6h)の90%信頼区間は同等の許容域の範囲内であり、両剤の血糖降下作用は同等であると判断された。