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ソルダクトン静注用100mg、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 経口抗アルドステロン薬の服用困難な下記症状(高アルドステロン症によると考えられる)の改善

    • 原発性アルドステロン症
    • 心性浮腫(うっ血性心不全)、肝性浮腫
    • 開心術及び開腹術時における水分・電解質代謝異常

用法・用量

  • カンレノ酸カリウムとして、通常成人1回100~200mgを1日1~2回、日局ブドウ糖注射液、生理食塩液または注射用水10~20mLに溶解してゆっくりと静脈内注射する。
    なお、症状により適宜増減するが、1日投与量として600mgをこえないこと。また、投与期間は原則として2週間をこえないこと。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 無尿又は腎不全の患者[腎機能を更に悪化させるおそれがある。また、腎からのカリウム排泄が低下しているため、高カリウム血症を誘発又は増悪させるおそれがある。][9.2.1参照]
  • 2.2 腎機能の進行性悪化状態の患者[9.2.2参照]
  • 2.3 高カリウム血症の患者[高カリウム血症を増悪させるおそれがある。]
  • 2.4 エプレレノン、エサキセレノン又はタクロリムスを投与中の患者[10.1参照]
  • 2.5 アジソン病の患者[アジソン病ではアルドステロン分泌低下により、カリウム排泄障害を来しているので、高カリウム血症となるおそれがある。]
  • 2.6 本剤に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.7 てんかん等の痙攣性素因のある患者[動物試験で、痙攣誘発及び異常脳波が報告されている。]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 重篤な冠動脈硬化症又は脳動脈硬化症のある患者
急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。
9.1.2 減塩療法中の患者
水分・電解質が欠乏し、脱水症状や低ナトリウム血症等があらわれやすくなる。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 腎不全の患者
投与しないこと。腎機能を更に悪化させるおそれがある。また、腎からのカリウム排泄が低下しているため、高カリウム血症を誘発又は増悪させるおそれがある。[2.1参照]
9.2.2 腎機能の進行性悪化状態の患者
投与しないこと。腎からのカリウム排泄が低下しているため、高カリウム血症を誘発又は増悪させるおそれがある。[2.2参照]
9.3 肝機能障害患者
ショックがあらわれやすい。また、高カリウム血症が発現するおそれがある。[11.1.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。類薬スピロノラクトンでヒト乳汁中へのカンレノ酸の移行が認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
次の点に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
9.8.1 急激な利尿は血漿量の減少を来し、脱水、低血圧等による立ちくらみ、めまい、失神等を起こすことがある。
9.8.2 特に心疾患等で浮腫がある場合は、急激な利尿は急速な血漿量の減少と血液濃縮を来し、脳梗塞等の血栓塞栓症を誘発するおそれがある。
9.8.3 腎機能又は肝機能が低下していることが多いため、高カリウム血症があらわれやすい。

8.重要な基本的注意

8.1 高カリウム血症等の電解質異常があらわれることがあるので、定期的に検査を行うこと。[11.1.2参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 本剤1アンプルあたり静注用100mgは10mL、静注用200mgは20mLの溶解液に溶解する。
14.1.2 はじめに溶解液2~3mLで本剤を溶解し、これを残りの溶解液に混合希釈して調製する。
14.1.3 本剤は用時調製すること。調製後、長時間放置すると沈澱が析出することがあるので、溶解後は速やかに使用すること。
14.1.4 pH等の変化により配合変化が起こりやすいので、他の薬剤との配合に際しては注意すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 本剤は静脈内注射にのみ使用すること。
14.2.2 静脈内投与により血管痛を起こすことがあるので、注射部位、注射方法等に十分注意し、注射速度をできるだけ遅くすること。また、注射に際しては血管外に漏出しないよう注意すること。[11.2参照]

7.用法及び用量に関連する注意

本剤の投与期間は、原則として2週間までとし、漫然と長期にわたって投与しないよう留意すること。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 本剤の適用対象は、経口抗アルドステロン薬の服用が困難で、高アルドステロン症によると考えられる症状であり、投与に際しては、特に適応、症状を考慮し、他の治療法によって十分に治療効果が期待できない場合にのみ本剤の投与を考慮すること。
5.2 本剤は、経口抗アルドステロン薬の服用が可能になった場合及び所期の効果が認められない場合には速やかに投与を中止すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人男性6名にカンレノ酸カリウム300mgを1回静脈内に投与したところ、主代謝物のカンレノ酸及びカンレノンの和の血漿中からの消失半減期は、分布相で0.84時間、排泄相で9.22時間であった。
16.4 代謝
健康成人男性に3H-カンレノ酸カリウムを静注し、代謝物を検討したところ、主たる血漿中代謝物はカンレノ酸及びカンレノンであり、尿中にはその他にカンレノ酸のグルクロン酸抱合体が検出された(外国人データ)。
16.5 排泄
健康成人男性に3H-カンレノ酸カリウムを静注したところ、5日以内に投与放射活性の約47%が尿中に、また約14%が糞中に排泄された(外国人データ)。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
エプレレノン
(セララ)
エサキセレノン
(ミネブロ)
タクロリムス
(プログラフ)
[2.4参照]
高カリウム血症が発現することがある。機序:これらの薬剤と本剤の相加・相乗作用による血清カリウム値の上昇。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
降圧剤
ACE阻害剤
カルシウム拮抗剤
β-遮断剤等
利尿剤
チアジド系利尿剤
ループ利尿剤
降圧作用又は利尿作用を増強するおそれがあるので、これらの薬剤の用量を調節するなど注意する。機序:降圧剤又は利尿剤と本剤との相加・相乗作用。
カリウム補給
カリウム保持性利尿剤
スピロノラクトン
トリアムテレン
ACE阻害剤
カプトプリル
エナラプリル
リシノプリル等
アンジオテンシンII受容体拮抗薬
ロサルタンカリウム
カンデサルタンシレキセチル
バルサルタン等
アリスキレン
シクロスポリン
ドロスピレノン
高カリウム血症を誘発することがあるので、血清カリウム値を観察するなど十分注意する。機序:これらの薬剤と本剤の相加・相乗作用による血清カリウム値の上昇。
危険因子:腎障害患者、高齢者
フィネレノン血清カリウム値上昇及び高カリウム血症が発現する危険性が増大するおそれがあるので、治療上必要と判断される場合にのみ併用すること。併用する場合には、血清カリウム値をより頻回に測定するなど患者の状態を慎重に観察すること。機序:これらの薬剤と本剤の相加・相乗作用による血清カリウム値の上昇。
危険因子:腎障害患者、高齢者
リチウム製剤
炭酸リチウム
利尿剤又はACE阻害剤との併用により、リチウム中毒を起こすことが報告されているので、血中リチウム濃度に注意すること。ナトリウムイオン不足はリチウムイオンの貯留を促進するといわれているため、ナトリウム排泄を促進することにより起こると考えられる。
非ステロイド性消炎鎮痛剤
インドメタシン等
カリウム保持性利尿剤との併用により、腎機能障害患者における重度の高カリウム血症の発現が報告されている。プロスタグランジン産生が抑制されることによって、カリウム貯留作用による血清カリウム値の上昇が起こると考えられる。
危険因子:腎機能障害
乳酸ナトリウム乳酸ナトリウムのアルカリ化作用の減弱を来すことがある。本剤により高カリウム性アシドーシスが惹起され、乳酸ナトリウムのアルカリ化作用と拮抗する可能性がある。
塩化アンモニウム
コレスチラミン
類薬スピロノラクトンとの併用により代謝性アシドーシスを来すとの報告がある。これらの薬剤と本剤の相加・相乗作用が起こるおそれがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(頻度不明)
悪心、悪寒・冷汗、発疹、呼吸困難、チアノーゼ、血圧低下等があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、輸液、副腎皮質ホルモン製剤、昇圧剤の投与等適切な処置を行うこと。[9.3参照]
11.1.2 電解質異常(高カリウム血症、低ナトリウム血症、高ナトリウム血症、低クロール血症、高クロール血症等)
高カリウム血症(4.8%)、低ナトリウム血症(1.3%)、高ナトリウム血症(0.1%)、低クロール血症(0.3%)、高クロール血症(0.1%未満)等の電解質異常があらわれることがある。また、電解質異常に伴い、不整脈等があらわれることがある。[8.1参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.1~5%未満a)0.1%未満a)頻度不明
過敏症発疹等
血液白血球増加白血球減少、貧血
腎臓BUN上昇、血清クレアチニン値上昇
肝臓AST、ALT、Al-Pの上昇
消化器嘔気、嘔吐、下痢口渇、食欲不振
精神神経系頭痛妄想等
内分泌女性型乳房男性で性欲減退、女性で多毛、声の低音化、月経異常、乳房痛等
投与部位b)注射部位の疼痛
その他発熱全身倦怠感、心悸亢進、胸部不快感、顔面潮紅

a)使用成績調査を含む
b)[14.2.2参照]

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