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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • HIV-1感染症

用法・用量

  • 通常、成人にはエトラビリンとして1回200mgを1日2回食後に経口投与する。投与に際しては、必ず他の抗HIV薬と併用すること。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 アスナプレビル、ダクラタスビル塩酸塩・アスナプレビル・ベクラブビル塩酸塩を投与中の患者[10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
9.5.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。エトラビリンの動物試験(ラット、ウサギ)では催奇形性は認められていないが、類薬(エファビレンツ)の動物試験(サル)で催奇形性が報告されている。
9.5.2 妊娠中期及び妊娠後期の妊婦に本剤を投与したとき、出産後と比較しエトラビリンの血中濃度上昇が認められている。[16.6.5参照]
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。ヒトで母乳中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
副作用の発現等に注意して慎重に投与すること。合併症及び併用薬の頻度が増える。一般的に、肝臓、腎臓及び心臓の機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の使用に際しては、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、患者又は患者に代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。
8.1.1 本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化については、すべて担当医に報告すること。
8.1.2 本剤の長期投与による影響については、現在のところ不明であること。
8.1.3 本剤を処方どおりに毎日服用すること。また、担当医の指示なしに用量を変更したり、服用を中止したりしないこと。
8.1.4 本剤は併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため、服用中のすべての薬剤を担当医に報告すること。また、本剤で治療中に新たに他の薬剤を服用する場合、事前に担当医に相談すること。
8.1.5 本剤の主な副作用は発疹であること。また、発疹の兆候がみられた場合には担当医に報告すること。
8.2 本剤による治療は、抗HIV療法に十分な経験を持つ医師のもとで開始すること。
8.3 本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築症候群が報告されている。投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、感染初期から多種多様な変異株を生じ、薬剤耐性を発現しやすいことが知られているので、本剤は他の抗HIV薬と併用すること。
7.2 本剤と他の抗HIV薬との併用療法において、因果関係が特定できない重篤な副作用が発現し、治療の継続が困難であると判断された場合には、本剤若しくは併用している他の抗HIV薬の一部を減量又は休薬するのではなく、原則として本剤及び併用している他の抗HIV薬の投与をすべて一旦中止すること。
7.3 NNRTI及びNRTIを含む併用療法によりウイルス学的効果不十分となった患者には、本剤とNRTIのみの併用はしないこと。[17.1.1参照]
7.4 NNRTIを2剤併用したときの有用性が示されていない。他のNNRTIとの併用は避けることが望ましい。

5.効能又は効果に関連する注意

本剤の効能・効果は、3クラスの抗HIV薬[ヌクレオシド/ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤(NRTI)、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)、プロテアーゼ阻害剤(PI)]の各々で1剤以上に耐性が証明されている治療経験患者を対象に実施された試験結果に基づいており、以下の点に注意すること。
5.1 本剤は、NNRTIを含む他の抗HIV薬に耐性が認められる場合等に使用すること。
5.2 本剤による治療にあたっては、患者の治療歴及び可能な場合には薬剤耐性検査(遺伝子型解析あるいは表現型解析)を参考にすること。
5.3 抗HIV薬による治療経験のない成人HIV感染症及び小児HIV感染症に対しては、本剤投与による有効性及び安全性は確立していない。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 日本人における成績
健康成人(10例)に本剤200mgを単回経口投与したとき、血漿中エトラビリンは投与後4時間(中央値)にCmax(0.500μg/mL)に達し、63.5時間のt1/2で消失した(表1、図1)。
表1 本剤200mgを単回経口投与したときの血漿中エトラビリンの薬物動態パラメータ
薬物動態パラメータ平均値(標準偏差),n=10
Cmax(μg/mL)0.500(0.162)
tmax(h)4.00(2.00~5.02)
AUC(μg・h/mL)8.04(4.62)
t1/2(h)63.5(44.1)
tmax:中央値(範囲)
図1 本剤200mgを単回経口投与したときの血漿中エトラビリン濃度-時間推移(平均値±標準偏差,n=10)
16.1.2 外国人における成績
本剤を経口投与したとき、血漿中エトラビリン濃度は投与後2.5~4.0時間に最高濃度を示した後、約41±20時間のt1/2で消失した。
健康成人に本剤200mgを1日2回反復経口投与した4つの試験の平均Cmax及びAUC12はそれぞれ0.876~1.34μg/mL及び7.64~10.7μg・hr/mLであった。
HIV-1感染患者に本剤200mgを1日2回反復経口投与した第III相臨床試験の併合中間解析(24週)から得たエトラビリンの母集団薬物動態推定値を表2に示す。HIV-1感染患者におけるエトラビリンの曝露量は健康成人より低値であった。
表2 エトラビリンの母集団薬物動態推定値(第III相臨床試験の併合中間解析:投与24週)
薬物動態パラメータ本剤200mg 1日2回投与
n=574
AUC12(μg・h/mL)幾何平均値
中央値(範囲)
4.53
4.45(0.458~5.63)
C0(μg/mL)幾何平均値
中央値(範囲)
0.297
0.299(0.002~4.62)
C0:投与直前濃度
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
本剤を空腹時に経口投与したときのエトラビリンの曝露量(AUClast)は、食後投与に比較して51%減少した。異なる内容の食事(345Kcal、脂質17g~1160Kcal、脂質70g)を摂取したときエトラビリンの曝露量に対する食事の影響は同程度であった。(外国人データ)
16.3 分布
In vitro試験におけるエトラビリンの血漿蛋白結合率は約99.9%であり、主にアルブミン(99.6%)及び血漿α1酸性糖蛋白質(97.66~99.02%)に結合した。
16.4 代謝
ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験により、エトラビリンは主にCYP3A4、CYP2C9及びCYP2C19により代謝されることが示された。主な代謝物(dimethylbenzonitrile基の水酸化体)の野生型HIV株に対する作用は、エトラビリンに比較して少なくとも90%弱かった。本剤はCYP3A4を誘導し、CYP2C9及びCYP2C19を阻害する。
16.5 排泄
健康成人に放射能標識したエトラビリン(14C-Etravirine)800mgを経口投与したとき、投与放射能の93.7%が糞中に、1.2%が尿中に回収された。また、未変化体は糞中に81.2%~86.4%回収され、尿中には検出されなかった。(外国人データ)
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝障害患者
軽度肝障害(Child-PughスコアA、8例)及び中等度肝障害(Child-PughスコアB、8例)患者に本剤200mgを1日2回反復経口投与したときのエトラビリンの薬物動態を健康被験者と比較したとき、顕著な差は認められなかった。軽度及び中等度肝障害患者では本剤の用量を調節する必要はない。なお、重度肝障害患者(Child-PughスコアC)を対象とした試験は実施していない。(外国人データ)
16.6.2 B型肝炎ウイルス及び/又はC型肝炎ウイルス重複感染患者
DUET-1(TMC125-C206)/DUET-2(TMC125-C216)試験の母集団薬物動態解析の結果、B型肝炎ウイルス及び/又はC型肝炎ウイルスとHIV-1の重複感染患者ではエトラビリンのクリアランスが低下する傾向が示された。安全性プロファイルから、B型肝炎ウイルス及び/又はC型肝炎ウイルス重複感染患者に本剤を投与するとき、用量を調節する必要はない。(外国人データ)
16.6.3 腎障害患者
腎障害患者を対象とした試験は実施していないが、14C-Etravirineを経口投与したときの投与放射能の尿中排泄率は1.2%未満であり、また尿中に未変化体が検出されなかったことから、腎障害患者でエトラビリンのクリアランスが低下しないと推察される。腎障害患者に本剤を投与するとき、用量を調節する必要はない。エトラビリンは血漿蛋白結合率が高いことから、血液透析や腹膜透析によって除去される可能性は低い。(外国人データ)
16.6.4 高齢患者
HIV-1感染患者を対象とした母集団薬物動態解析の結果、検討した年齢範囲(18~77歳)でエトラビリンの薬物動態に顕著な差は認められなかった。(外国人データ)
16.6.5 妊婦、産婦への投与
妊娠中期のHIV感染患者(13例)に、本剤200mgを1日2回投与したとき、エトラビリンのCmax、AUC12h及びCminは、出産後(10例)と比較して、それぞれ1.4、1.4及び1.2倍上昇した。妊娠後期(10例)では、出産後(10例)と比較して、それぞれ1.4、1.2及び1.1倍上昇した。(外国人データ)[9.5.2参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 制酸剤の影響
健康成人にラニチジン又はオメプラゾールを本剤と併用投与したとき、本剤の投与量の調節が必要な影響は認められなかった。(外国人データ)
16.7.2 ヌクレオシド/ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤(NRTI/NtRTI)の影響
アバカビル、エムトリシタビン、ラミブジン、サニルブジン、ジドブジンは、主に腎排泄型であり、本剤と排泄経路が異なる。本剤はこれらの薬剤と相互作用を示さないと推察される。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アスナプレビル
スンベプラ
ダクラタスビル塩酸塩・アスナプレビル・ベクラブビル塩酸塩
ジメンシー配合錠
[2.2参照]
アスナプレビルの血中濃度が低下し、治療効果を減弱させるおそれがある。本剤のCYP3A4誘導作用により、アスナプレビルの代謝が促進される。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アミオダロン
ベプリジル
ジソピラミド
フレカイニド
リドカイン(全身投与)
メキシレチン
プロパフェノン
キニジン
エルバスビル
グラゾプレビル
シメプレビル
これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性があるため、注意して投与すること。本剤のCYP3A4誘導作用により、これらの薬剤の代謝が促進される。
シルデナフィル
バルデナフィル
タダラフィル
シルデナフィル50mg(単回)を併用したとき、シルデナフィル及びN-脱メチルシルデナフィルのAUCがそれぞれ57及び41%減少した。これらの薬剤の血中濃度を低下させることがある。本剤のCYP3A4誘導作用により、これらの薬剤の代謝が促進される。
クロピドグレルクロピドグレルの活性代謝物が減少する可能性があるので、他の薬剤による治療を考慮すること。本剤のCYP2C19阻害作用により、クロピドグレルの代謝が阻害される。
ジアゼパムジアゼパムの血中濃度が上昇する可能性がある。本剤のCYP2C9、CYP2C19阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
経口避妊剤
(エチニルエストラジオール、ノルエチステロン等)
エチニルエストラジオール/ノルエチステロン35μg/1mg 1日1回を併用したとき、エチニルエストラジオールのAUCが22%増加した。これらの薬剤と併用するとき、用量を調節する必要はない。本剤のCYP2C9、CYP2C19阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
ジゴキシンジゴキシン0.5mg(単回)を併用したとき、ジゴキシンのAUCが18%増加した。ジゴキシンと併用する場合には、ジゴキシンの血中濃度のモニタリングを行うことが望ましい。本剤のP糖蛋白阻害作用により、ジゴキシンの血中濃度が上昇する。
カルバマゼピン
フェノバルビタール
フェニトイン
本剤の血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがあるため、併用はなるべく避けること。これらの薬剤の肝薬物代謝酵素誘導作用により、本剤の代謝が促進される。
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品本剤の血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがあるため、併用はなるべく避けること。これらの薬剤の肝薬物代謝酵素誘導作用により、本剤の代謝が促進される。
リファンピシン本剤の血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがあるため、併用はなるべく避けること。これらの薬剤の肝薬物代謝酵素誘導作用により、本剤の代謝が促進される。
リファブチンリファブチン300mg 1日1回を併用したとき、本剤及びリファブチンのAUCがそれぞれ37及び17%減少した。リファブチンと併用するとき、用量を調節する必要はない。これらの薬剤の肝薬物代謝酵素誘導作用により、本剤の代謝が促進される。
デキサメタゾン本剤の血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがあるため、併用するときには注意して投与すること。特に長期間使用するとき、他の薬剤を使用することを考慮すること。これらの薬剤の肝薬物代謝酵素誘導作用により、本剤の代謝が促進される。
ラニチジンラニチジン150mg 1日2回を併用したとき、本剤のAUCが14%減少した。ラニチジンと併用するとき、用量を調節する必要はない。
オメプラゾールオメプラゾール40mg 1日1回を併用したとき、本剤のAUCが41%増加した。オメプラゾールと併用するとき、用量を調節する必要はない。オメプラゾールのCYP2C19阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。
フルコナゾールフルコナゾール200mg 1日1回を併用したとき、本剤のAUCが86%増加した。また、臨床試験の結果より、フルコナゾール併用時と非併用時で有害事象の発現率に差がみられなかった。フルコナゾールと併用するとき、用量を調節する必要はない。フルコナゾールのCYP3A4、CYP2C9及びCYP2C19阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。
クラリスロマイシンクラリスロマイシン500mg 1日2回を併用したとき、本剤のAUCが42%増加した。また、クラリスロマイシンのAUCが39%減少し、14-水酸化クラリスロマイシンのAUCが21%増加した。14-水酸化クラリスロマイシンの抗Mycobacteriuma viumcomplex(MAC)活性が弱いため、MAC感染症の治療にはクラリスロマイシンの代替としてアジスロマイシン等を考慮すること。クラリスロマイシンのCYP3A4阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。また、本剤のCYP3A4誘導作用により、クラリスロマイシンの代謝が促進される。
イトラコナゾール
ケトコナゾール注1)
本剤の血中濃度が上昇し、イトラコナゾール又はケトコナゾールの血中濃度が低下する可能性がある。これらの薬剤と併用するとき、用量を調節する必要はない。これらの薬剤のCYP3A4阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。また、本剤のCYP3A4誘導作用により、これらの薬剤の代謝が促進される。
ボリコナゾールボリコナゾール200mg 1日2回を併用したとき、本剤及びボリコナゾールのAUCがそれぞれ36及び14%増加した。ボリコナゾールと併用するとき、用量を調節する必要はない。ボリコナゾールのCYP3A4、CYP2C9及びCYP2C19阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。また、本剤のCYP2C19阻害作用により、ボリコナゾールの代謝が阻害される。
アトルバスタチン
シンバスタチン
アトルバスタチン40mg 1日1回を併用したとき、アトルバスタチンのAUCが37%減少し、2-水酸化アトルバスタチンのAUCが27%増加した。相互の血中濃度に影響を及ぼすことがあるので、併用する場合には必要に応じて本剤又はこれらの薬剤の投与量を調節するなど注意すること。本剤のCYP3A4誘導作用により、これらの薬剤の代謝が促進される。
フルバスタチンフルバスタチンの血中濃度が上昇する可能性がある。フルバスタチンの臨床効果を評価し投与量を調節するなど注意すること。本剤のCYP2C9阻害作用により、フルバスタチンの代謝が阻害される。
ワルファリンワルファリンの血中濃度に影響を与える可能性がある。併用する場合には、INRのモニタリングを行うことが望ましい。本剤のCYP3A4誘導作用及びCYP2C9阻害作用により、これらの薬剤の血中濃度に変化がおこることがある。
シクロスポリン
タクロリムス
これらの薬剤の血中濃度に影響を与える可能性があるため、注意して投与すること。本剤のCYP3A4誘導作用及びCYP2C9阻害作用により、これらの薬剤の血中濃度に変化がおこることがある。
薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ジダノシン本剤(食直後投与)とジダノシン400mg 1日1回(空腹時投与)を併用したとき、本剤及びジダノシンの薬物動態に影響はみられなかった。本剤とジダノシンを併用するときは用量を調節する必要はないが、ジダノシンは空腹時に服用することが望ましいため、本剤服用の1時間前又は2時間後にジダノシンを投与するなど本剤と同時に投与しないこと。
テノホビルテノホビル(フマル酸テノホビルジソプロキシル300mg 1日1回)を併用したとき、本剤のAUCが19%減少した。本剤とテノホビルを併用するとき、用量を調節する必要はない。
薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アタザナビルアタザナビル400mg 1日1回を併用したとき、本剤のAUCが50%増加し、アタザナビルのAUCが17%減少した。ブーストしないアタザナビルとの併用は推奨されない。アタザナビルのCYP3A4阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。また、本剤のCYP3A4誘導作用により、アタザナビルの代謝が促進される。
アタザナビル/リトナビルアタザナビル/リトナビル300/100mg 1日1回を併用したとき、本剤のAUCが30%増加し、アタザナビルのAUCが14%減少した。アタザナビル/リトナビルと併用する場合には、用量を調節する必要はない。アタザナビルのCYP3A4阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。また、本剤のCYP3A4誘導作用により、アタザナビルの代謝が促進される。
ホスアンプレナビル活性代謝物であるアンプレナビルの血中濃度が上昇する可能性がある。機序不明
ホスアンプレナビル/リトナビルホスアンプレナビル/リトナビル700/100mg 1日2回を併用したとき、活性代謝物であるアンプレナビルのAUCが69%増加した。投与量を調節するなど注意すること。機序不明
ロピナビル・リトナビル配合剤ロピナビル・リトナビル(錠剤)400・100mg 1日2回を併用したとき、本剤のAUCが35%低下した。ロピナビル・リトナビルと併用する場合には、用量を調節する必要はない。リトナビルの肝代謝酵素誘導作用により、本剤の代謝が促進される。
ダルナビル・コビシスタット配合剤これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。本剤のCYP3A4誘導作用により、これらの薬剤の代謝が促進される。
ダルナビル/リトナビルダルナビル/リトナビル600/100mg 1日2回を併用したとき、本剤のAUCが37%減少した。併用する場合には、用量を調節する必要はない。
サキナビル/リトナビルサキナビル/リトナビル1000/100mg 1日2回を併用したとき、本剤のAUCが33%減少した。併用する場合には、用量を調節する必要はない。
ネルフィナビルネルフィナビルの血中濃度が上昇する可能性がある。本剤のCYP2C19阻害作用により、ネルフィナビルの代謝が阻害される。
リトナビルリトナビル600mg 1日2回を併用したとき、本剤のAUCが46%減少したことから、本剤の効果が減弱するおそれがある。リトナビル600mg 1日2回との併用は推奨されない。リトナビルの肝代謝酵素誘導作用により、本剤の代謝が促進される。
ロピナビル/サキナビル/リトナビルロピナビル/サキナビル/リトナビル400/800-1000/100mg 1日2回を併用したとき、ロピナビルのAUCが18%減少し、サキナビルのAUCが13%減少した。これらを併用する場合には、用量を調節する必要はない。
Tipranavir注2)/リトナビルTipranavir/リトナビル500/200mg 1日2回を併用したとき、本剤のAUCが76%減少したことから、本剤の効果が減弱するおそれがある。また、tipranavirのAUCが18%増加した。Tipranavir/リトナビルとの併用は推奨されない。Tipranavir/リトナビルのCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進される。
薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ラルテグラビルラルテグラビル400mg 1日2回を併用したとき、ラルテグラビルのAUCが10%減少した。併用する場合には、用量を調節する必要はない。
エルビテグラビル/リトナビルエルビテグラビル/リトナビル150/100mg 1日1回を併用したとき、本剤及びエルビテグラビルのAUCに影響を及ぼさなかった。本剤とエルビテグラビル/リトナビルを併用しても相互作用を示さないと推察される。
ドルテグラビルドルテグラビル50mg 1日1回を併用したとき、ドルテグラビルのAUC及びCminがそれぞれ71%及び88%減少した。本剤とドルテグラビルのみでの併用は推奨されない。機序不明
ドルテグラビル/ダルナビル/リトナビルドルテグラビル50mg 1日1回及びダルナビル/リトナビル600/100mg 1日2回を併用したとき、ドルテグラビルのAUC及びCminがそれぞれ25%及び37%減少した。ドルテグラビル/ダルナビル/リトナビルと併用する場合には、用量を調節する必要はない。機序不明
ドルテグラビル/ロピナビル/リトナビルドルテグラビル50mg 1日1回及びロピナビル/リトナビル400/100mg 1日2回を併用したとき、ドルテグラビルのAUCには影響を及ぼさなかったが、Cminは28%上昇した。ドルテグラビル/ロピナビル/リトナビルと併用する場合には、用量を調節する必要はない。機序不明
薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
マラビロク<CYP3A阻害剤非併用時>
マラビロク300mg 1日2回を併用したとき、マラビロクのAUCが53%減少した。強力なCYP3A阻害剤非存在下でマラビロクを併用するとき、マラビロクの用量を600mg 1日2回とすることが推奨される。
本剤のCYP3A4誘導作用により、マラビロクの代謝が促進される。
マラビロク<CYP3A阻害剤併用時>
ダルナビル/リトナビル(600/100mg 1日2回)存在下で本剤とマラビロク150mg 1日2回を併用したとき、マラビロクのAUCが3.1倍に増加した。
CYP3A阻害作用によりマラビロクの代謝が阻害される。
Enfuvirtide注2)Enfuvirtide90mg 1日2回を併用したとき、本剤のAUCに影響を及ぼさなかった。
本剤とenfuvirtideを併用しても相互作用を示さないと推察される。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 重篤な皮膚障害
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(0.01%未満)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.1%未満)、多形紅斑(0.5%未満)及び全身症状を伴う発疹を特徴とする過敏反応(薬剤性過敏症症候群を含む)(頻度不明)が報告されているので、重度の発疹及び発熱、リンパ節腫脹、肝機能障害、好酸球増加を伴う発疹等があらわれた場合には、本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.2 肝炎(0.2%)
11.1.3 腎不全(1.8%)、急性腎不全(0.5%)
11.1.4 横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがある。また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1%以上1%未満
血液及びリンパ系障害貧血、血小板減少症
免疫系障害過敏症、薬物過敏症、免疫再構築症候群
代謝及び栄養障害高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、食欲不振、高脂血症、糖尿病、異脂肪血症、食欲亢進食欲減退、高血糖、コントロール不良の糖尿病、高クレアチニン血症
精神障害不眠症(5.5%)、不安、睡眠障害異常な夢、悪夢、錯乱状態、失見当識、神経過敏
神経系障害頭痛、末梢性ニューロパシー、錯感覚、ニューロパシー、傾眠感覚鈍麻、振戦、健忘、記憶障害、味覚異常、失神、痙攣、灼熱感、注意力障害、過眠症
眼障害霧視、視力低下、視覚障害、複視
耳及び迷路障害回転性めまい
心臓障害急性心筋梗塞、心筋梗塞、狭心症、頻脈、心房細動
血管障害高血圧
呼吸器、胸郭及び縦隔障害労作性呼吸困難、気管支痙攣
胃腸障害下痢(15.0%)、悪心(13.9%)、嘔吐(6.8%)、腹痛、鼓腸、上腹部痛、腹部膨満、胃炎、胃食道逆流性疾患、便秘、口内乾燥、口内炎下腹部痛、膵炎、吐血、レッチング
肝胆道系障害肝腫大、肝細胞融解性肝炎、脂肪肝
皮膚及び皮下組織障害発疹(16.9%)、寝汗、体脂肪の再分布/蓄積、皮膚乾燥、痒疹多汗症、顔面腫脹、皮膚灼熱感
生殖系及び乳房障害女性化乳房
全身障害及び投与局所様態疲労(7.0%)熱感、易刺激性、倦怠感、不活発
臨床検査血中アミラーゼ増加、血中トリグリセリド増加、ALT増加、AST増加、血中クレアチニン増加、リパーゼ増加、LDL増加、血中コレステロール増加血中ブドウ糖増加、血中尿酸増加、ヘモグロビン減少、LDH増加、CK増加、血圧上昇、振動検査異常、Al-P増加、脂質増加、トランスアミナーゼ上昇、肝酵素上昇
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