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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • CCR5指向性HIV-1感染症

用法・用量

  • 通常、成人にはマラビロクとして1回300mgを1日2回経口投与する。なお、投与に際しては必ず他の抗HIV薬を併用し、併用薬に応じて適宜増減すること。本剤は、食事の有無にかかわらず投与できる。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 重篤な心疾患又はその既往歴のある患者
心筋虚血等をおこすおそれがある。[11.1.1参照]
9.1.2 B型・C型肝炎の患者
肝機能が悪化するおそれがある。[9.3、11.1.2参照]
9.1.3 起立性低血圧の既往歴のある患者
起立性低血圧をおこすおそれがある。
9.1.4 降圧作用を有する併用薬の投与を受けている患者[10.2参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重度の腎機能障害のある患者
患者の臨床症状等を十分に観察すること。ブーストした本剤とプロテアーゼ阻害剤を併用する時は、本剤の血中濃度が上昇し、起立性低血圧を起こす危険性が高まるおそれがある。特に強力なCYP3A4阻害作用を有するプロテアーゼ阻害剤と併用する時は注意すること。本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。[7.3、9.2.2、16.6.1参照]
9.2.2 腎機能障害(Ccr<80mL/min)のある患者(重度の腎機能障害のある患者を除く)
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。[7.3、9.2.1、16.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
肝機能が悪化するおそれがある。[9.1.2、11.1.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。動物実験(ラット)で乳汁への移行が報告されている。また、HIV感染女性患者は、乳児のHIV感染を避けるため、乳児に母乳を与えないことが望ましい。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下していることが多い。

8.重要な基本的注意

8.1 健康成人を対象とした臨床試験において、本剤によると疑われるアレルギー症状を伴う肝障害が1例報告されている。また、治療歴の有無に関わらずHIV感染患者を対象とした臨床試験において、肝機能検査異常の増加や肝障害が報告されたが、グレード3及び4注)の肝機能検査異常の増加は認められなかった。本剤投与後に肝炎あるいは全身性アレルギー症状(そう痒性皮疹、好酸球増加、IgE上昇等)が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注)エイズ臨床試験グループ(ACTG)分類
8.2 本剤の使用に際しては、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、患者又は患者に代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。
・本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化については全て担当医に報告すること。
・担当医の指示なしに用量を変更したり、服用を中止したりしないこと。
・本剤の長期投与による影響については現在のところ不明であること。
・本剤は併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため、服用中の全ての薬剤を担当医に報告すること。また、本剤で治療中に新たに他の薬剤を服用する場合には、事前に担当医師に相談すること。
8.3 ウイルスの指向性検査は、有用性が確立された高感度な方法により行うこと。ウイルスの指向性は、患者の治療歴又は保存検体の検査から推測することはできないため、最新の検体で指向性検査を実施すること。[5.1、8.4参照]
8.4 ウイルスの指向性が変化することがあるため、指向性検査後、直ちに治療を開始すること。[5.1、8.3参照]
8.5 ウイルス学的効果が認められなかった場合は、指向性検査の結果にかかわらず本剤の継続投与は推奨されない。
8.6 本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築症候群が報告されている。投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること。
8.7 本剤は、免疫細胞のCCR5コレセプターを阻害することから、感染症発症の危険性を増大させる可能性がある。本剤投与中は、感染症の徴候について十分な観察を行い、必要に応じて適切な処置を行うこと。
8.8 本剤投与に伴う悪性腫瘍の増加は認められていないが、免疫機構に影響を及ぼす可能性があるため、悪性腫瘍発症の危険性が増大するおそれがある。
8.9 めまい等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 CYP3A阻害剤又はCYP3A誘導剤と併用する場合には、下表を参照し、本剤の用量調整を行うこと。[10.、10.2、16.4.1参照]
併用薬本剤の用量
以下の強力なCYP3A阻害剤(CYP3A誘導剤の有無を問わない):
・プロテアーゼ阻害剤(tipranavir+リトナビルを除く)
・テラプレビル
・デラビルジン
・イトラコナゾール、ケトコナゾール、クラリスロマイシン
・その他の強力なCYP3A阻害剤(nefazodone、テリスロマイシン等)
150mg1日2回
tipranavir+リトナビル、ネビラピン、ラルテグラビル、あらゆるヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTI)及びenfuvirtide等のその他の併用薬300mg1日2回
以下の強力なCYP3A誘導剤(強力なCYP3A阻害剤の併用なし):
・エファビレンツ、エトラビリン
・リファンピシン
・カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン
600mg1日2回
7.2 1回300mg、1日2回を上回る用法・用量での有効性及び安全性は確立していない(投与経験がない)。
7.3 腎機能障害(クレアチニンクリアランス(Ccr)<80mL/min)があり、強力なCYP3A4阻害剤を投与している患者では、腎機能の低下に応じて、次の投与間隔及び投与量を目安に投与すること。ただし、これらの投与間隔の調節に対する有効性及び安全性は確立されていないため、患者の臨床症状等を十分に観察すること(外国人データ)。[9.2.1、9.2.2、16.6.1参照]
併用薬Ccr<80mL/min
強力なCYP3A4阻害剤を併用しない時又はtipranavir+リトナビル併用時投与間隔の調節は必要ない(300mgを12時間毎)
ホスアンプレナビル+リトナビル併用時150mgを12時間毎
以下の強力なCYP3A4阻害剤の併用時:
・サキナビル+リトナビル併用時
・ロピナビル・リトナビル、ダルナビル+リトナビル、アタザナビル+リトナビル、ケトコナゾール等
150mgを24時間毎

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 本剤による治療にあたっては、指向性検査を実施すること。[8.3、8.4参照]
5.2 CXCR4指向性ヒト免疫不全ウイルス(HIV)-1感染患者、CCR5/CXCR4二重又は混合指向性HIV-1感染患者には、投与しないこと。なお、急性期及び無症候期の患者では主にCCR5指向性ウイルスが検出されるが、進行したHIV-1感染症ではCXCR4指向性及び二重/混合指向性ウイルスが検出される患者の割合が増加することが知られている。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回経口投与
健康成人男性12例に本剤300mgを空腹時単回経口投与した時、マラビロクは投与後1.5~5.0時間(中央値では3.0時間)に最高血漿中濃度(Cmax)に到達した。Cmax及び血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC0-inf)の幾何平均値(変数係数%)はそれぞれ736ng/mL(42%)及び2763ng・h/mL(29%)であり、終末相の消失半減期(t1/2)の算術平均値(変数係数%)は13.0時間(23%)であった。
健康成人を対象に本剤300mgを単回経口投与した時、マラビロクは投与後0.5~4時間(中央値では2時間)でCmaxに到達した。
健康成人を対象にマラビロク1~1200mg注)を単回経口投与した時、マラビロクの薬物動態は投与量に比例しなかった(外国人データ)。
16.1.2 反復経口投与
健康成人及びHIV感染患者にマラビロクを投与した時の定常状態の薬物動態パラメータを表1に示す(外国人データ)。
表1.健康成人及びHIV感染患者にマラビロクを投与した時の定常状態の薬物動態パラメータ(平均値)
マラビロクの用量例数Cmax(ng/mL)AUC12(ng・h/mL)Cmin(ng/mL)
健康成人
(第I相)
300mg 1日2回64888290843.1
無症候性HIV感染患者
(第IIa相)
300mg 1日2回8618255033.6
治療歴のあるHIV感染患者
(第III相)注1)
300mg 1日2回94266151337.2
150mg 1日2回
(CYP3A4阻害剤併用)
3753322463101
注1)患者の血漿中濃度データを用いた母集団薬物動態解析により各パラメータを推定した。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人を対象にマラビロク300mgを高脂肪食(朝食)と共に投与した時、マラビロクのCmax及びAUCは33%低下した。HIV-1感染患者を対象とした海外臨床試験では食事制限を設定することなく有効性及び安全性が示されているため、マラビロクは食事の有無にかかわらず定められた用法及び用量を投与することができる(外国人データ)。
16.2.2 バイオアベイラビリティ
健康成人にマラビロク100mg注)を経口投与した時の絶対的バイオアベイラビリティは23%であり、300mgでは33%と推定されている(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 分布容積
健康成人にマラビロク100mg注)を投与した時の分布容積は約194Lであった(外国人データ)。
16.3.2 血漿蛋白結合率
In vitroでのマラビロクのヒト血漿蛋白結合率は約76%であった。
16.3.3 結合蛋白
In vitroで、マラビロクはアルブミン及びα1酸性糖蛋白と中等度の親和性を示す。
16.4 代謝
16.4.1 主な代謝酵素
ヒトにおける試験及びヒト肝ミクロソームと発現酵素系ミクロソームにおけるin vitro試験から、マラビロクは主にCYPを介し、HIV-1に対する効果を持たない代謝物に変換されることが示されている。In vitroで、主な代謝酵素はCYP3A4であり、CYP2C9、CYP2D6、及びCYP2C19の代謝への寄与は小さいことが示されている。[7.1、10.参照]
16.4.2 In vivo試験
14C-マラビロク300mgを単回経口投与した時、血漿中には主として未変化体(マラビロク)が存在し、体循環している放射能の約42%を占めた。血漿中の主な代謝物はN-脱アルキル化によって形成される2級アミンであり、体循環している放射能の約22%を占めた。この極性代謝物に顕著な薬理活性はない。その他の代謝物はモノ酸化体であるが、血漿中の放射能としては微量成分であった(外国人データ)。
16.5 排泄
健康成人を対象にマラビロクを経口投与した時、定常状態におけるマラビロクの終末相の半減期は、14~18時間であった。14C-マラビロク300mgを単回投与したマスバランス試験において、投与後168時間で放射能の約20%が尿中に回収され、76%が糞便中に回収された。尿中及び糞便中へは主として未変化体として排泄され、それぞれ投与量の8%及び25%(平均値)であった。その他は代謝物として排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
マラビロクの腎クリアランスは、CYP3A4を阻害する薬剤の非併用時では総クリアランスの約23%であるが、併用時では約70%を占める可能性がある。
腎機能障害患者における薬物動態のシミュレーション検討結果から、強力なCYP3A4阻害剤との併用時には、マラビロクの血中濃度が増加するため、投与量を減量する必要がある。
(1)腎機能正常被験者6例、重度(Ccr<30mL/min)腎機能障害患者6例、及び週3回透析を行っている患者6例にマラビロク300mg単回投与を行った。AUCinf(変動係数%)は、腎機能正常被験者1348.4ng・h/mL(61%)、重度腎機能障害患者4367.7ng・h/mL(52%)、透析患者(透析後投与時)2677.4ng・h/mL(40%)、透析患者(透析前投与時)2805.5ng・h/mL(45%)であった。Cmax(変動係数%)はそれぞれ、335.6ng/mL(87%)、801.2ng/mL(56%)、576.7ng/mL(51%)、478.5ng/mL(38%)であった。なお、マラビロクの透析クリアランス(変動係数%)は36.4mL/min(33%)であった(外国人データ)。
(2)腎機能正常被験者6例にマラビロク150mg(12時間毎)とサキナビル1000mg+リトナビル100mg BIDの併用、軽度(Ccr>50~≦80mL/min)腎機能障害患者6例にマラビロク150mg(24時間毎)とサキナビル1000mg+リトナビル100mg BIDの併用、中等度(Ccr≧30~≦50mL/min)腎機能障害患者6例にマラビロク150mg(48時間毎注))とサキナビル1000mg+リトナビル100mg BIDの併用にて7日間経口投与をした時、腎機能正常被験者と比べて軽度腎機能障害患者ではAUCtau、Cmaxはそれぞれ52%、21%上昇し、Cminは43%低下した。また、中等度腎機能障害患者ではAUCtauは16%上昇し、Cmax及びCminはそれぞれ29%、85%低下した。
したがって、腎機能障害があり、強力なCYP3A4阻害剤を投与している患者では、マラビロクの投与量を150mg QDに調整する必要がある。なお、投与間隔を24時間以上とした場合は、投与後24~48時間のマラビロクの曝露が不十分になる可能性がある(外国人データ)。[7.3、9.2.1、9.2.2参照]
16.6.2 肝機能障害患者
マラビロクは主に肝臓で代謝され消失する。軽度(Child-Pugh分類A:8例)又は中等度(Child-Pugh分類B:8例)の肝機能障害を有する患者にマラビロク300mgを単回投与した時のマラビロクの薬物動態が検討されている。肝機能の正常な被験者(8例)と比較して軽度の肝機能障害患者のCmax及びAUC(平均値)はそれぞれ11%及び25%、中等度の肝機能障害患者ではそれぞれ32%及び46%高い値を示した。重度の肝機能障害を有する患者の薬物動態は検討されていない(外国人データ)。
16.6.3 小児等
小児患者における本剤の薬物動態は確立されていない(外国人データ)。
16.6.4 年齢
臨床第I相、第IIa相及び第III相試験データを用いた母集団薬物動態解析の結果、年齢(16~65歳)の影響は認められなかった(外国人データ)。
16.6.5 性別
臨床第I相及び第IIa相試験データを用いた母集団薬物動態解析の結果、性別(女性:96例、全集団の23.2%)はマラビロクの血中濃度には影響を及ぼさないことが示されている。性別による用量調節は不要である(外国人データ)。
16.6.6 人種
臨床第I相及び第IIa相試験データを用いた母集団薬物動態解析では、アジア人(95例)及び黒人(14例)が含まれた。母集団薬物動態解析においてアジア人と非アジア人(318例)で人種の影響を検討したところアジア人の曝露量が26.5%高いことが示されたが、薬物動態試験による白人(12例)とアジア人(12例)の比較では、両集団に薬物動態の相違は認められなかった。人種に基づく用量調節は不要である(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 In vitro試験
(1)分布・排泄に関わるトランスポーター
In vitroにおいてマラビロクはP糖蛋白質(P-gp)及びOATP1B1の基質であり、P-gpを阻害する(IC50:183μM)。
(2)代謝酵素阻害
in vitroで、臨床的に意味のある濃度でCYP1A2、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4の活性を阻害しなかった。
16.7.2 併用薬がマラビロクの薬物動態に及ぼす影響
(1)CYP3A4又は、CYP3A4及びP-gpを阻害する薬剤のケトコナゾール、リトナビル、サキナビル、ロピナビル・リトナビル、アタザナビル、ダルナビル、テラプレビルは、いずれもマラビロクのCmax及びAUCを増大させた(表2)。CYP3A4誘導薬剤のエファビレンツ、エトラビリン及びリファンピシンはマラビロクのCmax及びAUCを低下させた。[10.2参照]
(2)tipranavir+リトナビル(CYP3A4阻害及びP-gp誘導作用を有する)は、マラビロクの定常状態の薬物動態に影響を及ぼさなかった。
マラビロクの腎クリアランスはCYP3A4阻害剤の非併用時では、総クリアランスの約23%であった。腎で消失する薬剤とマラビロクの消失が競合する可能性があるが、トリメトプリム・スルファメトキサゾール合剤(トリメトプリムは腎カチオン輸送を阻害)及びテノホビル(腎で消失)は、マラビロクの薬物動態に影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
表2.併用薬がマラビロクの薬物動態に及ぼす影響
併用薬及び用量例数マラビロクの用量注)マラビロクの薬物動態パラメータの比(併用薬の併用時/非併用時)及び90%信頼区間(影響なし=1.00)
CmaxAUCtauCmin
CYP3A4又は、CYP3A4及びP-gpを阻害する薬剤
ケトコナゾール 400mg QD12100mg BID3.38
(2.38,4.78)
5.00
(3.98,6.29)
3.75
(3.01,4.69)
リトナビル 100mg BID8100mg BID1.28
(0.79,2.09)
2.61
(1.92,3.56)
4.55
(3.37,6.13)
サキナビル(ソフトゲルカプセル)+リトナビル 1000mg+100mg BID11100mg BID4.78
(3.41,6.71)
9.77
(7.87,12.14)
11.3
(8.96,14.1)
ロピナビル・リトナビル 400mg・100mg BID11300mg BID1.97
(1.66,2.34)
3.95
(3.43,4.56)
9.24
(7.98,10.7)
アタザナビル 400mg QD12300mg BID2.09
(1.72,2.55)
3.57
(3.30,3.87)
4.19
(3.65,4.80)
アタザナビル+リトナビル 300mg+100mg QD12300mg BID2.67
(2.32,3.08)
4.88
(4.40,5.41)
6.67
(5.78,7.70)
ダルナビル+リトナビル 600mg+100mg BID12150mg BID2.29
(1.46,3.59)
4.05
(2.94,5.59)
8.00
(6.35,10.1)
テラプレビル 750mg TID14150mg BID7.81
(5.92,10.32)
9.49
(7.94,11.34)
10.17
(8.73,11.85)
CYP3A4又は、CYP3A4及びP-gpを誘導する薬剤
エファビレンツ 600mg QD12100mg BID0.486
(0.377,0.626)
0.552
(0.492,0.620)
0.55
(0.43,0.72)
エトラビリン 200mg BID14300mg BID0.400
(0.282,0.566)
0.468
(0.381,0.576)
0.609
(0.525,0.707)
リファンピシン 600mg QD12100mg BID0.335
(0.260,0.431)
0.368
(0.328,0.413)
0.22
(0.17,0.28)
ネビラピン注1)(+ラミブジン+テノホビル) 200mg BID(+150mg BID+300mg QD)8300mg 単回1.54
(0.94,2.51)
1.01
(0.65,1.55)
CYP3A4又は、CYP3A4及びP-gpを阻害及び誘導する薬剤
ロピナビル・リトナビル+エファビレンツ 400mg・100mg BID+600mg QD11300mg BID1.25
(1.01,1.55)
2.53
(2.24,2.87)
6.29
(4.72,8.39)
サキナビル(ソフトゲルカプセル)+リトナビル+エファビレンツ 1000mg+100mg BID+600mg QD11100mg BID2.26
(1.64,3.11)
5.00
(4.26,5.87)
8.42
(6.46,10.97)
ダルナビル+リトナビル+エトラビリン 600mg+100mg BID+200mg BID10150mg BID1.77
(1.20,2.60)
3.10
(2.57,3.74)
5.27
(4.51,6.15)
tipranavir+リトナビル 500mg+200mg BID12150mg BID0.86
(0.61,1.21)
1.02
(0.850,1.23)
1.80
(1.55,2.09)
CYP3A4又は、CYP3A4及びP-gpを阻害及び誘導しない薬剤
ラルテグラビル 400mg BID17300mg BID0.79
(0.67,0.94)
0.86
(0.80,0.92)
0.90
(0.85,0.96)
注1)マラビロク単独療法の試験成績との比較
16.7.3 マラビロクが併用薬の薬物動態に及ぼす影響
マラビロクはジゴキシン(P糖蛋白の基質)の薬物動態に臨床的に意味のある影響を及ぼさなかった。
マラビロクは、ジドブジン(CYP以外による代謝及び腎で消失)又はラミブジン(主に腎で消失)の薬物動態に影響を及ぼさなかった。マラビロクは、ミダゾラム、経口避妊薬(エチニルエストラジオール及びレボノルゲストレル)の薬物動態には臨床的に意味のある影響を及ぼさなかった。また、尿中6β-ヒドロキシコルチゾール/コルチゾール比にも影響はなく、マラビロクはin vivoにおいてCYP3A4を誘導しないことが示唆された。マラビロクの曝露量が増加した場合にマラビロクがCYP2D6を阻害する可能性は否定できないが、in vitro試験及び臨床試験成績から併用薬の薬物動態に影響を与える可能性は低いものと考えられる(外国人データ)。
注)本剤の承認された用法及び用量は、「通常、成人にはマラビロクとして1回300mgを1日2回経口投与する。なお、投与に際しては必ず他の抗HIV薬を併用し、併用薬に応じて適宜増減すること。」である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
HIVプロテアーゼ阻害剤
アタザナビル硫酸塩
アタザナビル硫酸塩+リトナビル
ロピナビル・リトナビル
サキナビル+リトナビル
ダルナビルエタノール付加物+リトナビル
ネルフィナビルメシル酸塩
インジナビル硫酸塩
ホスアンプレナビルカルシウム水和物+リトナビル
[7.1、16.7.2参照]
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤の用量を150mg1日2回に減量すること。これらのプロテアーゼ阻害剤はCYP3A4の代謝活性を阻害するため、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
HIVプロテアーゼ阻害剤+非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)
HIVプロテアーゼ阻害剤(tipranavir+リトナビルを除く)+エファビレンツ又はエトラビリン
[7.1、16.7.2参照]
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤の用量を150mg1日2回に減量すること。これらのプロテアーゼ阻害剤はCYP3A4の代謝活性を阻害するため、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
HIVプロテアーゼ阻害剤(tipranavir+リトナビルを除く)+リファブチン
[7.1参照]
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤の用量を150mg1日2回に減量すること。これらのプロテアーゼ阻害剤はCYP3A4の代謝活性を阻害するため、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
NNRTI
デラビルジンメシル酸塩
[7.1参照]
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤の用量を150mg1日2回に減量すること。これらの薬剤はCYP3A4の代謝活性を阻害するため、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
抗真菌剤
イトラコナゾール
ケトコナゾール
[7.1、16.7.2参照]
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤の用量を150mg1日2回に減量すること。これらの薬剤はCYP3A4の代謝活性を阻害するため、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
抗菌剤
クラリスロマイシン
テリスロマイシン
[7.1参照]
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤の用量を150mg1日2回に減量すること。これらの薬剤はCYP3A4の代謝活性を阻害するため、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
テラプレビル
[7.1、16.7.2参照]
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤の用量を150mg1日2回に減量すること。これらの薬剤はCYP3A4の代謝活性を阻害するため、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
nefazodone本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤の用量を150mg1日2回に減量すること。これらの薬剤はCYP3A4の代謝活性を阻害するため、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
NNRTI
エファビレンツ
エトラビリン
[7.1、16.7.2参照]
本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので、強力なCYP3A4阻害剤を併用せずにこれらの薬剤を併用投与する場合、本剤の用量を600mg1日2回に増量すること。これらの薬剤はCYP3A4の代謝活性を誘導するため、本剤の血中濃度が低下するおそれがある。
抗菌剤
リファンピシン
[7.1、16.7.2参照]
本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので、強力なCYP3A4阻害剤を併用せずにこれらの薬剤を併用投与する場合、本剤の用量を600mg1日2回に増量すること。これらの薬剤はCYP3A4の代謝活性を誘導するため、本剤の血中濃度が低下するおそれがある。
カルバマゼピン
フェノバルビタール
フェニトイン
[7.1参照]
本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので、強力なCYP3A4阻害剤を併用せずにこれらの薬剤を併用投与する場合、本剤の用量を600mg1日2回に増量すること。これらの薬剤はCYP3A4の代謝活性を誘導するため、本剤の血中濃度が低下するおそれがある。
リファンピシン+エファビレンツ
[7.1、16.7.2参照]
本剤の血中濃度が著しく低下して至適水準を下回り、ウイルス学的効果の消失や本剤に対する耐性が生じる可能性があるので、本剤とこれらの薬剤の併用は推奨されない。これらの薬剤等はCYP3A4の代謝活性を誘導するため、本剤の血中濃度が著しく低下するおそれがある。
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品本剤の血中濃度が著しく低下して至適水準を下回り、ウイルス学的効果の消失や本剤に対する耐性が生じる可能性があるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないように注意すること。これらの薬剤等はCYP3A4の代謝活性を誘導するため、本剤の血中濃度が著しく低下するおそれがある。
*降圧作用を有する薬剤
アムロジピン
オルメサルタン
ビソプロロール等
[9.1.4参照]
本剤の血中濃度の上昇に相関して、起立性低血圧が発現することが確認されている。本剤と降圧作用を有する薬剤とを併用した場合に起立性低血圧が発現することを示す試験はないものの、降圧作用を有する薬剤を併用中の患者は、起立性低血圧及び低血圧に関連する症状の発現に十分注意する必要がある。機序不明

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 心筋虚血(0.5%未満)[9.1.1参照]
11.1.2 肝硬変、肝不全、肝酵素上昇、肝機能検査異常(いずれも0.5%未満)[9.1.2、9.3参照]
11.1.3 肺炎、食道カンジダ症(いずれも0.5%未満)
11.1.4 胆管癌、骨転移、肝転移、腹膜転移(いずれも0.5%未満)
11.1.5 汎血球減少症、好中球減少症、リンパ節症(いずれも0.5%未満)
11.1.6 幻覚(0.5%未満)
11.1.7 脳血管発作、意識消失、てんかん、小発作てんかん、痙攣、顔面神経麻痺、多発ニューロパシー、反射消失(いずれも0.5%未満)
11.1.8 白内障(0.5%未満)
11.1.9 呼吸窮迫、気管支痙攣(いずれも0.5%未満)
11.1.10 膵炎、直腸出血(いずれも0.5%未満)
11.1.11 筋炎(0.5%未満)
11.1.12 腎不全、多尿(いずれも0.5%未満)
11.1.13 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.5%未満)

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

2%以上2%未満
血液貧血ヘマトクリット減少、ヘモグロビン減少、好中球数減少、白血球数減少、血小板数減少
感染症及び寄生虫症鼻咽頭炎、耳感染、真菌感染、感染性筋炎、インフルエンザ、ウイルス感染
代謝及び栄養障害高トリグリセリド血症、高血糖、食欲亢進、食欲減退、インスリン抵抗性糖尿病、多飲症
精神障害不眠症異常な夢、うつ病、感情障害、気分循環性障害、失見当識、多幸気分、リビドー減退、気分変動
神経系障害浮動性めまい、味覚異常、頭痛錯感覚、傾眠、感覚鈍麻、末梢性ニューロパシー、失神、精神運動亢進、レストレスレッグス症候群、振戦、味覚消失、健忘、記憶障害、異常感覚、副鼻腔炎に伴う頭痛、三叉神経痛
眼障害眼刺激、眼乾燥、眼痛、弱視、アレルギー性結膜炎
耳及び迷路障害耳痛、乗物酔い、耳漏、鼓膜充血
心臓障害第一度房室ブロック、徐脈、頻脈、動悸
血管障害ほてり、レイノー現象、起立性低血圧
呼吸器、胸郭及び縦隔障害咳嗽鼻閉、鼻乾燥、季節性鼻炎、呼吸困難、発声障害、肺気腫、肺障害、咽頭紅斑、咽喉頭不快感、咽喉頭疼痛、咽喉絞扼感、低音性連続性ラ音、上気道うっ血
胃腸障害便秘、腹痛、消化不良、悪心、鼓腸、嘔吐、下痢口の錯感覚、口の感覚鈍麻、口唇水疱、口腔内潰瘍形成、口唇のひび割れ、舌痛、歯痛、嚥下障害、おくび、レッチング、腹部膨満、胃食道逆流性疾患、腹部不快感、消化器痛、白色便、異常便、排便痛
肝胆道系障害肝脾腫大、黄疸
皮膚及び皮下組織障害発疹脱毛症、紅斑、体脂肪の再分布/蓄積、ざ瘡、冷汗、湿疹、過角化、爪の障害、爪変色、皮膚灼熱感、皮膚剥脱、皮膚刺激、そう痒症、毛包炎
筋骨格系及び結合組織障害背部痛、頚部痛、筋痙縮、四肢痛、筋痛、肋軟骨炎、鼡径部腫瘤、筋緊張、筋骨格痛、ミオパシー
腎及び尿路障害夜間頻尿、尿失禁、蛋白尿、着色尿、血尿
生殖系及び乳房障害勃起不全、良性前立腺肥大症、乳房腫瘤、乳房圧痛、不正子宮出血、乳頭痛、骨盤痛
全身障害及び投与局所様態疲労無力症、異常感、胸部不快感、胸痛、易刺激性、口渇、脂肪織増加、全身性浮腫、炎症、インフルエンザ様疾患、薬物不耐性、注射部位反応、注射部位硬結、注射部位疼痛
臨床検査ALT増加、AST増加、γGTP増加、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、血中トリグリセリド増加、血中コレステロール増加、血中クレアチニン増加、血中鉄減少、血中カリウム減少、血中カリウム増加、ウイルス負荷増加、心電図QT延長、体温上昇、体重増加、体重減少
傷害、中毒及び処置合併症転倒、筋損傷、肋骨骨折
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