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チウラジール錠50mg

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 甲状腺機能亢進症

用法・用量

  • プロピルチオウラシルとして、通常、成人に対しては初期量1日300mgを3~4回に分割経口投与する。症状が重症のときは1日400~600mgを使用する。機能亢進症状がほぼ消失したなら1~4週間ごとに漸減し、維持量1日50~100mgを1~2回に分割経口投与する。
  • 通常、小児に対しては初期量5歳以上~10歳未満では1日100~200mg、10歳以上~15歳未満では、1日200~300mgを2~4回に分割経口投与する。機能亢進症状がほぼ消失したなら、1~4週間ごとに漸減し、維持量1日50~100mgを1~2回に分割経口投与する。
  • 通常、妊婦に対しては、初期量1日150~300mgを3~4回に分割経口投与する。機能亢進症状がほぼ消失したなら、1~4週間ごとに漸減し、維持量1日50~100mgを1~2回に分割経口投与する。正常妊娠時の甲状腺機能検査値を低下しないよう、2週間ごとに検査し、必要最低限量を投与する。
  • なお、年齢、症状により適宜増減する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 本剤使用後肝機能が悪化した患者[本剤使用後肝機能が悪化した例で、継続投与中、劇症肝炎が発生したことがある。][9.3、11.1.3参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 中等度以上の白血球減少又は他の血液障害のある患者
白血球減少あるいは血液障害が悪化するおそれがある。[11.1.1参照]
9.3 肝機能障害患者
定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行い、検査成績又は臨床症状に悪化が認められた場合には、本剤の投与を中止し肝機能検査を含む観察を繰り返して、本剤との因果関係を確かめ、その状況に応じて適切な処置を行うこと。肝障害をさらに悪化させるおそれがある。[2.2、11.1.3参照]
9.5 妊婦
9.5.1 治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。胎児に甲状腺腫、甲状腺機能抑制を起こすとの報告がある。
9.5.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性に投与する場合には、定期的に甲状腺機能検査を実施し、甲状腺機能を適切に維持するよう投与量を調節すること。
9.5.3 本剤の妊娠中の投与により、新生児に肝障害があらわれたとの報告がある。
9.5.4 新生児に出生後しばらくは、甲状腺機能抑制、甲状腺機能亢進があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。
9.6 授乳婦
9.6.1 治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。なお、本剤を大量に投与する場合は授乳しないことが望ましい。ヒト母乳中へ移行(血清レベルの1/10程度)する。
9.6.2 本剤の授乳中の投与により、新生児に肝障害があらわれたとの報告がある。
9.8 高齢者
用量に注意すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
甲状腺機能亢進症の患者6例(年齢10~17歳)にプロピルチオウラシル150~450mgを投与したとき、未変化体の血中濃度は30~60分で最高血中濃度7.2~18.3μg/mLに達した。また、半減期は1.36±0.41時間であった。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
クマリン系抗凝血剤
ワルファリンカリウム
併用開始時、中止時及び病態の変化に応じて血液凝固能が変化するので、血液凝固能検査値の変動に十分注意し、必要があれば抗凝血剤の用量調節を行う。甲状腺機能が亢進すると凝固因子の合成・代謝亢進により、相対的にクマリン系抗凝血剤の効果は増強する。本剤投与により甲状腺機能が正常化すると、増強されていたクマリン系抗凝血剤の効果が減弱するとの報告がある。
ジギタリス製剤
ジゴキシン等
併用開始時、中止時及び病態の変化に応じてジギタリス製剤の血中濃度が変動するので、血中濃度の変動に十分注意し、必要があればジギタリス製剤の用量調節を行う。甲状腺機能亢進時には、代謝・排泄が促進されているため、ジギタリス製剤の血中濃度が正常時に比較して低下する。本剤投与により甲状腺機能が正常化すると、ジギタリス製剤の血中濃度が上昇するとの報告がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 無顆粒球症、白血球減少(いずれも頻度不明)
無顆粒球症、白血球減少(初期症状:発熱、全身倦怠、咽頭痛等)があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に血液検査を行うこと。[9.1.1参照]
11.1.2 再生不良性貧血、低プロトロンビン血症、第VII因子欠乏症、血小板減少、血小板減少性紫斑病(いずれも頻度不明)
11.1.3 劇症肝炎、黄疸(いずれも頻度不明)
劇症肝炎、黄疸等の重篤な肝障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うこと。[2.2、9.3参照]
11.1.4 SLE様症状(頻度不明)
SLE様症状(発熱、紅斑、筋肉痛、関節痛、リンパ節腫脹、脾腫等)があらわれることがある。
11.1.5 間質性肺炎(頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.6 抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎症候群(頻度不明)
本剤投与中に急性進行性腎炎症候群(初発症状:血尿、蛋白尿等)や肺出血(初発症状:感冒様症状等)、肘・膝等の関節痛、紫斑、上強膜炎等のANCA陽性血管炎症候群による障害を認めたことがある。このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.7 アナフィラキシー(頻度不明)
アナフィラキシー(そう痒、発疹、顔面浮腫、呼吸困難等)があらわれることがある。
11.1.8 薬剤性過敏症症候群(頻度不明)
初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

頻度不明
肝臓AST上昇、ALT上昇
皮膚脱毛、色素沈着、そう痒感、紅斑
消化器悪心・嘔吐、下痢、食欲不振
精神神経系頭痛、めまい、末梢神経異常
過敏症注)発疹、蕁麻疹、発熱
その他CK上昇、こむらがえり、筋肉痛、倦怠感、リンパ節腫脹、関節痛、唾液腺肥大、浮腫、味覚異常(苦味、味覚減退)

注)このような場合には他の薬剤に切り換えること。症状が軽い場合は、抗ヒスタミン剤を併用し、経過を観察しながら慎重に投与すること。

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