薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
リトナビル | 非感染ボランティアにおいて本剤600mg(1日1回、就寝時投与)とリトナビル500mg(12時間ごと投与)について試験を行ったとき、併用の忍容性は良好ではなく、高頻度の臨床的有害事象(例:めまい、嘔気、異常感覚)及び臨床検査値異常(肝酵素上昇)が認められた。本剤をリトナビルと併用する場合は肝酵素のモニタリングが推奨される。 | 機序不明 |
ホスアンプレナビル | ホスアンプレナビル1,400mg及びリトナビル200mgの1日1回投与と本剤600mg1日1回を併用した場合、アンプレナビルのAUCが13%、Cminが36%低下したが、リトナビルを300mgに増量すると、アンプレナビルの血中濃度は維持された。また、ホスアンプレナビル700mg及びリトナビル100mgの1日2回投与と本剤600mg1日1回を併用した場合、アンプレナビルの血中濃度に著しい変化はなかった。 | 本剤のCYP3A4誘導作用により、アンプレナビルの代謝が促進される。 |
アタザナビル | 本剤600mgとアタザナビルとの併用により、アタザナビルの曝露量が減少した。本剤をアタザナビルと併用する際には、さらに低用量のリトナビルを併用するとともに、アタザナビルの用量調節が必要である。 HIV治療歴のない患者に本剤を併用投与する場合、アタザナビル300mg、リトナビル100mg、本剤600mgを1日1回投与することが推奨される。HIV治療歴のある患者におけるアタザナビル及び本剤の推奨用量は確立していない。 | 機序不明 |
ロピナビル・リトナビル | ロピナビル・リトナビル(カプセル剤)と本剤を併用した場合、ロピナビル・リトナビルの単独投与時と比べてロピナビルのCminが39%低下した。 | 本剤のCYP3A4誘導作用により、ロピナビルの代謝が促進されるおそれがある。 |
ダルナビル | ダルナビル/リトナビル(300mg/100mg1日2回)と本剤(600mg1日1回)を併用した場合、単独投与時と比べてダルナビルのAUC、Cmax及びCminがそれぞれ13%、15%及び31%減少し、本剤のAUC、Cmax及びCminがそれぞれ21%、15%及び17%増加した。またダルナビル/リトナビル(900mg/100mg1日1回)と本剤(600mg1日1回)を併用した場合、ダルナビルのAUC及びCminがそれぞれ14%及び57%減少し、ダルナビルのCmax及び本剤の曝露は変化がなかった。 | 本剤のCYP3A4誘導作用により、ダルナビルの代謝が促進されるおそれがある。 |
マラビロク | 本剤(600mg経口1日1回)とマラビロク(100mg経口1日2回)を併用した場合、マラビロク単剤投与と比較して、マラビロクのAUC及びCmaxはそれぞれ45%及び51%減少した。 | 本剤のCYP3A4誘導作用によりマラビロクの代謝が促進されるおそれがある。 |
ドルテグラビル | 本剤(600mg経口1日1回)とドルテグラビル(50mg経口1日1回)を併用した場合、ドルテグラビル単剤投与と比較して、ドルテグラビルのAUC、Cmax及びCminはそれぞれ57%、39%及び75%減少した。 | 本剤のCYP3A4及びUGT1A1誘導作用によりドルテグラビルの代謝が促進されるおそれがある。 |
ソホスブビル・ベルパタスビル | 本剤との併用により、ベルパタスビルの血漿中濃度が低下し、ソホスブビル・ベルパタスビルの効果が減弱するおそれがある。 | 本剤のP-gp及びCYP誘導作用により、ベルパタスビルのクリアランスが亢進するおそれがある。 |
リファンピシン リファブチン [7.6参照] | 非感染ボランティア12例ではリファンピシンにより本剤のAUCが26%、Cmaxが20%減少した。本剤とリファンピシンを併用投与する場合、リファンピシンの用量調節は推奨されない。非感染のボランティアに対する臨床試験において、本剤はリファブチンのCmax及びAUCをそれぞれ32%及び38%低下させた。 | 機序不明 |
クラリスロマイシン | 本剤(400mg1日1回)とクラリスロマイシン(500mg12時間ごと)を1週間併用した場合、本剤がクラリスロマイシンの薬物動態に対して有意な影響を及ぼした。本剤と併用した場合に、クラリスロマイシンのAUC及びCmaxがそれぞれ39%及び26%減少する一方で、クラリスロマイシン水酸化代謝物のAUC及びCmaxがそれぞれ34%及び49%増加した。このようなクラリスロマイシンの血漿中濃度の変化の臨床上の意義は不明である。非感染ボランティアの46%で本剤とクラリスロマイシンを投与中に発疹が発現した。本剤はクラリスロマイシンと併用投与した場合には用量調節は推奨されない。クラリスロマイシンの代替薬を考慮すること。 | 機序不明 |
経口避妊薬: レボノルゲストレル・エチニルエストラジオール レボノルゲストレル | 本剤(600mg1日1回)と経口避妊薬(エチニルエストラジオール0.035mg・ノルゲスチメート0.25mg1日1回)を14日間併用した場合、本剤はエチニルエストラジオールの血漿中濃度に影響を与えなかったが、ノルゲスチメートの活性代謝物であるノルエルゲストロミン及びレボノルゲストレルのAUCはそれぞれ64%及び83%減少した。これらの作用の臨床上の意義は不明である。一方、本剤の血漿中濃度への影響は認められなかった。本剤と経口避妊薬の併用による相互作用の可能性は十分に検討されていない。経口避妊薬に加えて信頼できる防御的避妊法(コンドーム)を用いること。 | 機序不明 |
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 | 本剤の血中濃度が低下し、抗ウイルス作用の欠如及び本剤又は他の非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤の耐性化が起こるおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。 | セイヨウオトギリソウにより誘導された肝薬物代謝酵素(CYP3A4)が本剤の代謝を促進し、クリアランスを上昇させるためと考えられている。 |
アトルバスタチン | 非感染ボランティアにおいて、本剤(600mg経口1日1回)とアトルバスタチン(10mg経口1日1回)を併用した場合、アトルバスタチン単剤投与と比較して、定常状態におけるアトルバスタチン及びその由来物質のAUC及びCmaxを減少させた(アトルバスタチン:43%及び12%、2-ヒドロキシアトルバスタチン:35%及び13%、4-ヒドロキシアトルバスタチン:4%及び47%、総HMG-CoA還元酵素阻害活性物質:34%及び20%)。 | 機序不明 |
プラバスタチン | 非感染ボランティアにおいて、本剤(600mg経口1日1回)とプラバスタチン(40mg経口1日1回)を併用した場合、プラバスタチン単剤投与と比較して、定常状態におけるプラバスタチンのAUC及びCmaxが40%及び18%減少した。 | 機序不明 |
シンバスタチン | 非感染ボランティアにおいて、本剤(600mg経口1日1回)とシンバスタチン(40mg経口1日1回)を併用した場合、シンバスタチン単剤投与と比較して、定常状態におけるシンバスタチン及びその由来物質のAUC及びCmaxを減少させた(シンバスタチン:69%及び76%、シンバスタチンのオープンアシド体:58%及び51%、HMG-CoA還元酵素阻害活性物質:60%及び62%、総HMG-CoA還元酵素阻害物質:60%及び70%)。 | 本剤のCYP3A4誘導作用により、シンバスタチンの代謝が促進されるおそれがある。 |
抗痙攣薬: カルバマゼピン | 非感染ボランティアにおいて、本剤(600mg経口1日1回)とカルバマゼピン(400mg1日1回)を併用した場合、定常状態におけるカルバマゼピンのAUC、Cmax、Cminはそれぞれ27%、20%、35%減少し、本剤のAUC、Cmax、Cminはそれぞれ36%、21%、47%減少した。定常状態における活性型カルバマゼピンエポキシド代謝物のAUC、Cmax、Cminは変化がなかった。カルバマゼピンの血漿中濃度は定期的にモニタリングすべきである。 フェニトイン、フェノバルビタール、あるいはチトクロームP450で代謝される他の抗痙攣薬との相互作用についてのデータは得られていない。本剤がこれらの薬剤と併用して投与される場合、各薬剤の血漿中濃度を増加あるいは減少させる可能性があるので、血漿中濃度を定期的にモニタリングすべきである。 | 機序不明 |
イトラコナゾール | 非感染ボランティアにおいて、本剤(600mg経口1日1回)とイトラコナゾール(200mg経口12時間ごと)を併用した場合、イトラコナゾール単剤投与と比較して、定常状態におけるイトラコナゾールのAUC、Cmax及びCminはそれぞれ39%、37%及び44%減少し、ヒドロキシイトラコナゾールのAUC、Cmax及びCminはそれぞれ37%、35%及び43%減少した。 | 機序不明 |
ポサコナゾール | 本剤(400mg経口1日1回)とポサコナゾール(400mg経口1日2回)を併用した場合、単独投与時と比べてポサコナゾールのAUC及びCmaxがそれぞれ50%及び45%低下した。治療上の有益性が危険性を上回る場合を除き、併用は避けること。やむを得ず併用する場合は、真菌症の発症の有無を注意深くモニタリングするなど患者の状態を慎重に観察すること。 | 本剤との併用により、ポサコナゾールのクリアランスが亢進し、ポサコナゾールの血漿中濃度が低下する。ポサコナゾールが基質となるUGT1A4及び/又はP-gpに対する本剤の誘導作用が関与している可能性がある。 |
ジルチアゼム | 非感染ボランティアにおいて、本剤(600mg経口1日1回)とジルチアゼム(240mg経口1日1回)を併用した場合、ジルチアゼム単剤投与と比較して、定常状態におけるジルチアゼムのAUC、Cmax及びCminはそれぞれ69%、60%及び63%減少し、デスアセチルジルチアゼムのAUC、Cmax及びCminは75%、64%及び62%減少し、N-モノデスメチルジルチアゼムのAUC、Cmax及びCminは37%、28%及び37%減少した。 | 機序不明 |
アトバコン・プログアニル | 本剤(600mg1日1回)とアトバコン・プログアニル(250mg/100mg単回投与)を併用した場合、アトバコンのAUC及びCmaxはそれぞれ75%及び44%、プログアニルのAUCは43%低下した。 | 機序不明 |
肝毒性が知られている薬剤: アセトアミノフェン フェニトイン リファンピシン等 [8.4、9.1.1、11.1.2参照] | 重篤な肝障害発現のリスクが増加する。 | 機序不明 |