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レボホリナート点滴静注用25mg「BT」、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • レボホリナート・フルオロウラシル療法

    • 胃癌(手術不能又は再発)及び結腸・直腸癌に対するフルオロウラシルの抗腫瘍効果の増強
  • レボホリナート・フルオロウラシル持続静注併用療法

    • 結腸・直腸癌、小腸癌及び治癒切除不能な膵癌に対するフルオロウラシルの抗腫瘍効果の増強

用法・用量

  • レボホリナート・フルオロウラシル療法

    • 通常、成人にはレボホリナートとして1回250mg/m2(体表面積)を2時間かけて点滴静脈内注射する。レボホリナートの点滴静脈内注射開始1時間後にフルオロウラシルとして1回600mg/m2(体表面積)を3分以内で緩徐に静脈内注射する。1週間ごとに6回繰り返した後、2週間休薬する。これを1クールとする。
  • 結腸・直腸癌に対するレボホリナート・フルオロウラシル持続静注併用療法

    • 通常、成人にはレボホリナートとして1回100mg/m2(体表面積)を2時間かけて点滴静脈内注射する。レボホリナートの点滴静脈内注射終了直後にフルオロウラシルとして400mg/m2(体表面積)を静脈内注射するとともに、フルオロウラシルとして600mg/m2(体表面積)を22時間かけて持続静脈内注射する。これを2日間連続して行い、2週間ごとに繰り返す。
    • 通常、成人にはレボホリナートとして1回250mg/m2(体表面積)を2時間かけて点滴静脈内注射する。レボホリナートの点滴静脈内注射終了直後にフルオロウラシルとして2600mg/m2(体表面積)を24時間かけて持続静脈内注射する。1週間ごとに6回繰り返した後、2週間休薬する。これを1クールとする。
    • 通常、成人にはレボホリナートとして1回200mg/m2(体表面積)を2時間かけて点滴静脈内注射する。レボホリナートの点滴静脈内注射終了直後にフルオロウラシルとして400mg/m2(体表面積)を静脈内注射するとともに、フルオロウラシルとして2400~3000mg/m2(体表面積)を46時間かけて持続静脈内注射する。これを2週間ごとに繰り返す。
  • 小腸癌及び治癒切除不能な膵癌に対するレボホリナート・フルオロウラシル持続静注併用療法

    • 通常、成人にはレボホリナートとして1回200mg/m2(体表面積)を2時間かけて点滴静脈内注射する。レボホリナートの点滴静脈内注射終了直後にフルオロウラシルとして400mg/m2(体表面積)を静脈内注射するとともに、フルオロウラシルとして2400mg/m2(体表面積)を46時間かけて持続静脈内注射する。これを2週間ごとに繰り返す。

禁忌 

【警告】

  • レボホリナート・フルオロウラシル療法及び持続静注併用療法はフルオロウラシルの細胞毒性を増強する療法であり、本療法に関連したと考えられる死亡例が認められている。本療法は高度の危険性を伴うので、緊急時に十分に対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、「禁忌」、「1.慎重投与」の項を参照して適応患者の選択を慎重に行い、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。適応患者の選択にあたっては、両剤の添付文書を参照して十分注意すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから施行すること。
  • 本療法は重篤な骨髄抑制、激しい下痢等が起こることがあり、その結果、致命的な経過をたどることがあるので、定期的(特に投与初期は頻回)に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査等)を行うなど患者の状態を十分観察し、異常が認められた場合には、速やかに適切な処置を行うこと。
  • 本療法以外の他の化学療法又は放射線照射との併用、前化学療法を受けていた患者に対する安全性は確立していない。重篤な骨髄抑制等の副作用の発現が増強するおそれがあるので、患者の状態を十分観察し、異常が認められた場合には、速やかに適切な処置を行うこと。
  • 本剤の成分又はフルオロウラシルに対し重篤な過敏症の既往歴のある患者には本療法を施行しないこと。
  • テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤との併用により、重篤な血液障害等の副作用が発現するおそれがあるので、本療法との併用を行わないこと(「3.相互作用」の項参照)。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 重篤な骨髄抑制のある患者[骨髄抑制の増悪により重症感染症を併発し、致命的となることがある。]
  • 下痢のある患者[下痢が増悪して脱水、電解質異常、循環不全を起こし致命的となることがある。]
  • 重篤な感染症を合併している患者[骨髄抑制により感染症が増悪し、致命的となることがある。]
  • 多量の腹水、胸水のある患者[重篤な副作用が発現し、致命的となることがある。]
  • 重篤な心疾患又はその既往歴のある患者[症状の増悪又は再発により、致命的となることがある。]
  • 全身状態が悪化している患者[重篤な副作用が発現し、致命的となることがある。]
  • 本剤の成分又はフルオロウラシルに対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
  • テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与中の患者及び投与中止後7日以内の患者(「3.相互作用」の項参照)

注意 

次の患者には慎重に投与すること

骨髄抑制のある患者[骨髄抑制の増悪により重症感染症が併発することがある。]
感染症を合併している患者[骨髄抑制により感染症が増悪することがある。]
心疾患又はその既往歴のある患者[症状を増悪又は再発させることがある。]
肝障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]
腎障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]
高度に進行した肝転移のある患者[血小板減少があらわれることがある。]
消化管潰瘍又は出血のある患者[症状を増悪させることがある。]
水痘患者[致命的な全身障害があらわれるおそれがある。]
高齢者(「5.高齢者への投与」の項参照)
他の化学療法、放射線治療を受けている患者[骨髄抑制等の副作用が増強されるおそれがある。]
前化学療法を受けていた患者[骨髄抑制等の副作用が増強されるおそれがある。]
本療法の施行に際しては、白血球、血小板の変動に十分注意し、投与当日の白血球数あるいは血小板数等の検査により重篤な骨髄抑制が認められた場合には、骨髄機能が回復するまで投与を延期すること。
下痢のある患者は回復するまで投与を延期すること。
国内では、本療法による手術後の補助化学療法については有効性、安全性は確立していない。
骨髄抑制等の重篤な副作用が起こることがあり、ときに致命的な経過をたどることがあるので、定期的(特に投与初期は頻回)に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
重篤な腸炎により脱水症状があらわれることがあり、ときに致命的な経過をたどることがあるので、観察を十分に行い、激しい腹痛、下痢等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、脱水症状があらわれた場合には補液等の適切な処置を行うこと。
感染症・出血傾向の発現又は増悪に十分注意すること。
テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与中止後、本療法を施行する場合は、少なくとも7日以上の間隔をあけること。(「3.相互作用」の項参照)
高齢者に投与する場合には、副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。
生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
小腸癌に本剤を使用する際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:レボホリナートカルシウム(小腸癌)」等)を熟読すること。
投与経路
本剤は点滴静脈内投与とし、皮下、筋肉内に投与しないこと。
投与時
本剤の静脈内投与により、血管痛、血栓性静脈炎を起こすおそれがあるので、注射部位、注射方法等に十分注意すること。
調製方法
本剤は防腐剤を含有していないので、調製にあたっては細菌汚染に十分注意し、調製後は24時間以内に使用すること。
下痢、重篤な口内炎、重篤な白血球減少又は血小板減少のみられた患者では、それらの所見が回復するまで本療法を延期する。本療法を再開する場合には、フルオロウラシルの減量や投与間隔の延長等を考慮する。(「2.重要な基本的注意」の項参照)
高齢者では生理機能が低下していることが多く、特に骨髄抑制、消化器障害(激しい下痢、重篤な口内炎等)、皮膚障害、精神神経系の副作用があらわれやすいので、用量並びに投与間隔に留意するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。[フルオロウラシルの動物実験(ラット、マウス)で多指症、口蓋裂等の催奇形作用が報告されている。]
授乳婦に投与する場合には授乳を中止させること。[授乳中の投与に関する安全性は確立していない。]
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤
(ティーエスワン)
早期に重篤な血液障害や下痢、口内炎等の消化管障害等が発現するおそれがあるので、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与中及び投与中止後少なくとも7日以内は本療法を施行しないこと。ギメラシルがフルオロウラシルの異化代謝を阻害し、血中フルオロウラシル濃度が著しく上昇する。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
フェニトイン構音障害、運動失調、意識障害等のフェニトイン中毒があらわれることがある。機序は不明であるがフルオロウラシルがフェニトインの血中濃度を上昇させる。
ワルファリンカリウムフルオロウラシルがワルファリンカリウムの作用を増強させることがあるので、凝固能の変動に注意すること。機序は不明である。
他の化学療法、放射線治療血液障害、消化管障害等の副作用が増強することがあるので、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。副作用が相互に増強される。
葉酸代謝拮抗剤
(スルファメトキサゾール・トリメトプリム等)
これらの薬剤の作用が減弱することがある。ホリナートによって葉酸代謝拮抗作用が減弱するためと考えられる。

重大な副作用 

(頻度不明)
激しい下痢
激しい下痢があらわれ、脱水症状にまで至ることがあるので、観察を十分に行い、下痢があらわれた場合には投与を中止し、補液等の適切な処置を行うこと。
重篤な腸炎
出血性腸炎、虚血性腸炎、壊死性腸炎等の重篤な腸炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、激しい腹痛、下痢等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
骨髄抑制
汎血球減少、白血球減少、好中球減少、貧血、血小板減少等の骨髄抑制があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
ショック、アナフィラキシー
ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、発疹、呼吸困難、血圧低下等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
白質脳症、精神・神経障害
白質脳症(初期症状:歩行時のふらつき、四肢末端のしびれ感、舌のもつれ等)、また、錐体外路症状、言語障害、運動失調、眼振、意識障害、痙攣、顔面麻痺、見当識障害、せん妄、記憶力低下、自発性低下、尿失禁等の精神神経症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
うっ血性心不全、心筋梗塞、安静狭心症
うっ血性心不全、心筋梗塞、安静狭心症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれ、肝不全に至ることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
急性腎障害
急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
間質性肺炎
間質性肺炎があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には投与を中止し、胸部X線等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
消化管潰瘍、重篤な口内炎
消化管潰瘍、重篤な口内炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
手足症候群
手足症候群(手掌、足蹠の紅斑、疼痛性発赤腫脹、知覚過敏等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
播種性血管内凝固症候群(DIC)
播種性血管内凝固症候群(DIC)があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うこと。症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
嗅覚脱失
嗅覚障害(長期投与症例に多い)があらわれ、嗅覚脱失まで至ることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
高アンモニア血症
意識障害を伴う高アンモニア血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性膵炎
急性膵炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、腹痛、血清アミラーゼ上昇等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
劇症肝炎、肝硬変、心室性頻拍、ネフローゼ症候群、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、溶血性貧血
フルオロウラシルの類似化合物(テガフール等)で劇症肝炎、肝硬変、心室性頻拍、ネフローゼ症候群、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)溶血性貧血があらわれることが報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用 

下記のような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。

頻度不明
消化器注1)食欲不振、悪心・嘔吐、味覚異常、腹痛、心窩部痛、口渇、便秘、歯肉炎、口唇炎・口角炎、舌炎、腹部膨満感、下血、胸やけ
肝臓AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、ビリルビン上昇、Al-P上昇、LDH上昇
腎臓BUN上昇、クレアチニン上昇、蛋白尿、血尿、クレアチニンクリアランス低下
精神神経系しびれ、めまい、末梢神経障害
皮膚色素沈着、脱毛、落屑、紅斑、表皮剥離、角化、そう痒感、爪の異常、浮腫、紅潮、光線過敏症、糜爛、水疱
過敏症注2)発疹
循環器胸痛、心電図異常(ST上昇、T逆転、不整脈等)、胸内苦悶
流涙、眼充血、眼脂、結膜炎
その他発熱、低蛋白血症、低アルブミン血症、倦怠感、糖尿、頭重感、呼吸困難、顔面浮腫、手指の腫脹、鼻出血、筋肉痛、電解質異常(低ナトリウム血症、低カリウム血症、高カリウム血症、低クロール血症、高クロール血症、低カルシウム血症)、頭痛、白血球増多、CRP上昇、好酸球増多、耐糖能異常

注1)潰瘍又は出血等が疑われる場合には投与を中止すること。
注2)投与を中止すること。

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