製品名 フェンタニル注射液0.1mg「ヤンセン」
フェンタニル注射液0.25mg「ヤンセン」
フェンタニル注射液0.5mg「ヤンセン」

一般名
Fentanyl Citrate
薬効分類
鎮痛・解熱薬
 >麻薬性鎮痛薬
価格
0.005%2mL1管:202円/管
0.005%5mL1管:487円/管
0.005%10mL1管:945円/管

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 全身麻酔、全身麻酔における鎮痛
  • 局所麻酔における鎮痛の補助
  • 激しい疼痛(術後疼痛、癌性疼痛など)に対する鎮痛

用法・用量

  • 全身麻酔、全身麻酔における鎮痛

    • 通常、成人には、下記用量を用いる。なお、患者の年齢、全身状態に応じて適宜増減する。
      • 〔バランス麻酔に用いる場合〕

        • 麻酔導入時

          フェンタニル注射液として0.03~0.16mL/kg(フェンタニルとして1.5~8μg/kg)を緩徐に静注するか、又はブドウ糖液などに希釈して点滴静注する。
        • 麻酔維持

          ブドウ糖液などに希釈して、下記(1)又は(2)により投与する。
          • (1)間欠投与

            フェンタニル注射液として0.5~1mL(フェンタニルとして25~50μg)ずつ静注する。
          • (2)持続投与

            フェンタニル注射液として0.01~0.1mL/kg/h(フェンタニルとして0.5~5μg/kg/h)の速さで点滴静注する。
      • 〔大量フェンタニル麻酔に用いる場合〕

        • 麻酔導入時

          フェンタニル注射液として0.4~3mL/kg(フェンタニルとして20~150μg/kg)を緩徐に静注するか、又はブドウ糖液などに希釈して点滴静注する。
        • 麻酔維持

          必要に応じて、ブドウ糖液などに希釈して、フェンタニル注射液として0.4~0.8mL/kg/h(フェンタニルとして20~40μg/kg/h)の速さで点滴静注する。
    • 通常、小児には、下記用量を用いる。なお、患者の年齢、全身状態に応じて適宜増減する。
      • 〔バランス麻酔又は大量フェンタニル麻酔に用いる場合〕

        • 麻酔導入時

          フェンタニル注射液として0.02~0.1mL/kg(フェンタニルとして1~5μg/kg)を緩徐に静注するか、又はブドウ糖液などに希釈して点滴静注する。大量フェンタニル麻酔に用いる場合は、通常、フェンタニル注射液として2mL/kg(フェンタニルとして100μg/kg)まで投与できる。
        • 麻酔維持

          フェンタニル注射液として0.02~0.1mL/kg(フェンタニルとして1~5μg/kg)ずつ間欠的に静注するか、又はブドウ糖液などに希釈して点滴静注する。
  • 局所麻酔における鎮痛の補助

    • 通常、成人には、フェンタニル注射液として0.02~0.06mL/kg(フェンタニルとして1~3μg/kg)を静注する。なお、患者の年齢、全身状態、疼痛の程度に応じて適宜増減する。
  • 激しい疼痛(術後疼痛、癌性疼痛など)に対する鎮痛

    通常、成人には、下記用量を用いる。なお、患者の年齢、症状に応じて適宜増減する。
    • 〔静脈内投与の場合〕

      • 術後疼痛に用いる場合は、フェンタニル注射液として0.02~0.04mL/kg(フェンタニルとして1~2μg/kg)を緩徐に静注後、フェンタニル注射液として0.02~0.04mL/kg/h(フェンタニルとして1~2μg/kg/h)の速さで点滴静注する。
      • 癌性疼痛に対して点滴静注する場合は、フェンタニル注射液として1日2~6mL(フェンタニルとして0.1~0.3mg)から開始し、患者の症状に応じて適宜増量する。
    • 〔硬膜外投与の場合〕

      • 単回投与法

        フェンタニル注射液として1回0.5~2mL(フェンタニルとして1回25~100μg)を硬膜外腔に注入する。
      • 持続注入法

        フェンタニル注射液として0.5~2mL/h(フェンタニルとして25~100μg/h)の速さで硬膜外腔に持続注入する。
    • 〔くも膜下投与の場合〕

      • 単回投与法

        フェンタニル注射液として1回0.1~0.5mL(フェンタニルとして1回5~25μg)をくも膜下腔に注入する。
禁忌

【警告】

  • 本剤の硬膜外及びくも膜下投与は、これらの投与法に習熟した医師のみにより、本剤の投与が適切と判断される患者についてのみ実施すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

○印は各投与方法での該当する項目
項目\投与方法静脈内投与硬膜外投与くも膜下投与
注射部位又はその周辺に炎症のある患者[硬膜外投与及びくも膜下投与により化膿性髄膜炎症状を起こすことがある。]
敗血症の患者[硬膜外投与及びくも膜下投与により敗血症性の髄膜炎を生じるおそれがある。]
中枢神経系疾患(髄膜炎、灰白脊髄炎、脊髄癆等)の患者[くも膜下投与により病状が悪化するおそれがある。]
脊髄・脊椎に結核、脊椎炎及び転移性腫瘍等の活動性疾患のある患者[くも膜下投与により病状が悪化するおそれがある。]
筋弛緩剤の使用が禁忌の患者[「副作用」の項参照]
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
頭部外傷、脳腫瘍等による昏睡状態のような呼吸抑制を起こしやすい患者[フェンタニル投与により重篤な呼吸抑制が起こることがある。]
痙攣発作の既往歴のある患者[麻酔導入中に痙攣が起こることがある。]
喘息患者[気管支収縮が起こることがある。]
副作用
(頻度不明)
依存性
モルヒネ様の薬物依存を起こすことがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。
呼吸抑制、無呼吸
呼吸抑制、無呼吸があらわれることがある。
術中の場合は補助呼吸、調節呼吸を、また術後の場合は麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)の投与又は補助呼吸等の処置を行うこと。
換気困難
筋強直による換気困難がみられることがある。
このような場合には筋弛緩剤の投与及び人工呼吸等の処置を行うこと。
血圧降下
血圧降下がみられることがある。
このような場合には輸液を行い、更に必要な場合は昇圧剤(アドレナリンを除く)又は麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)の投与を行うこと。なお、本剤を腰椎麻酔、硬膜外麻酔に併用すると、更に血圧降下を招くおそれがあるので、このような場合には慎重に投与すること。
ショック、アナフィラキシー
ショック、アナフィラキシー(血圧低下、蕁麻疹等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
不整脈、期外収縮、心停止
不整脈、期外収縮、心停止があらわれることがある。
興奮、筋強直
興奮、筋強直があらわれることがある。
チアノーゼ
チアノーゼがあらわれることがある。
注意

次の患者には慎重に投与すること

○印は各投与方法での該当する項目
項目\投与方法静脈内投与硬膜外投与くも膜下投与
中枢神経系疾患(髄膜炎、灰白脊髄炎、脊髄癆等)の患者[硬膜外投与により病状が悪化するおそれがある。](禁忌)注)
脊髄・脊椎に結核、脊椎炎及び転移性腫瘍等の活動性疾患のある患者[硬膜外投与により病状が悪化するおそれがある。](禁忌)注)
血液凝固障害のある患者又は抗凝血剤を投与中の患者[出血しやすく、血腫形成や脊髄への障害を起こすことがある。]
脊柱に著明な変形のある患者[硬膜外投与及びくも膜下投与により脊髄や神経根の損傷のおそれがある。]
重症の高血圧症、心弁膜症等の心血管系に著しい障害のある患者[血圧低下や病状の悪化が起こりやすい。]
慢性肺疾患等の呼吸機能障害のある患者[呼吸抑制を増強するおそれがある。]
MAO阻害剤の投与を受けている患者[「相互作用」の項参照]
肝・腎機能障害のある患者[血中濃度が高くなるため、副作用発現の危険性が増加する。]
不整脈のある患者[徐脈を起こすことがある。]
poor risk状態の患者(適宜減量すること。)[作用が強くあらわれることがある。]
薬物依存の既往歴のある患者[依存性を生じやすい。]
肥満の患者[実体重に基づき投与した場合、過量投与となり呼吸抑制が発現するおそれがある。]
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
低出生体重児・新生児・乳児[「小児等への投与」の項参照]
注)「禁忌」の項参照
本剤の使用に際しては、一般の全身麻酔剤と同様、必ず気道確保、呼吸管理等の蘇生設備の完備された場所で、厳重な管理の下に使用すること。
特に全身麻酔時は麻酔医の管理の下に使用すること。
まれにショックあるいは中毒症状を起こすことがあるので、本剤の投与に際しては、十分な問診により患者の全身状態を把握するとともに、異常が認められた場合には直ちに救急処置のとれるよう、常時準備をしておくこと。なお、事前の静脈路確保が望ましい。
バイタルサイン(血圧、心拍数、呼吸、意識レベル)及び麻酔高に注意し、患者の全身状態の観察を十分に行い、必要に応じて適切な処置を行うこと。
麻酔の深度は手術、検査に必要な最低の深さにとどめること。
硬膜外投与及びくも膜下投与の場合には、重篤な呼吸抑制が投与から数時間以上経過した後に発現することがあるので、十分に注意すること。
本剤の影響が完全に消失するまでは、自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。
硬膜外投与時
注射針又はカテーテル先端が、血管又はくも膜下腔に入っていないことを確かめること。
試験的に注入(test dose)し、注射針又はカテーテルが適切に留置されていることを確認すること。
くも膜下投与時
髄液の漏出を最小に防ぐために、脊髄くも膜下麻酔針は、できるだけ細いものを用いること。(脊髄くも膜下腔穿刺により脊髄麻酔後頭痛が、また、まれに一過性の外転神経麻痺等があらわれることがある。なお、このような症状があらわれた場合には輸液投与を行うなど適切な処置を行うこと。)
まれに脊髄神経障害があらわれることがあるので、穿刺に際して患者が放散痛を訴えた場合、脳脊髄液が出にくい場合又は血液混入を認めた場合には、本剤を注入しないこと。
アンプルカット時
本品はワンポイントアンプルであるが、アンプルの首部をエタノール綿等で清拭してからカットすることが望ましい。
本剤が皮膚に触れた場合には、水で洗い流すこと。本剤の皮膚からの吸収が増加する可能性があるため、石けん、アルコール等は使用しないこと。
バランス麻酔においては、適宜、全身麻酔剤や筋弛緩剤等を併用すること。
大量フェンタニル麻酔の導入時(開心術においては人工心肺開始時まで)には、適切な麻酔深度が得られるよう患者の全身状態を観察しながら補助呼吸下で緩徐に投与すること。また、必要に応じて、局所麻酔剤、静脈麻酔剤、吸入麻酔剤、筋弛緩剤等を併用すること。
硬膜外投与及びくも膜下投与時には局所麻酔剤等を併用すること。
患者の状態(呼吸抑制等)を観察しながら慎重に投与すること。
特に癌性疼痛に対して追加投与及び他のオピオイド製剤から本剤へ変更する場合には、前投与薬剤の投与量、効力比及び鎮痛効果の持続時間を考慮して、副作用の発現に注意しながら、適宜用量調節を行うこと(ガイドライン注)参照)。
癌性疼痛に対して初めてオピオイド製剤として本剤を静注する場合には、個人差も踏まえ、通常よりも低用量(ガイドライン注)参照)から開始することを考慮し、鎮痛効果及び副作用の発現状況を観察しながら用量調節を行うこと。
注)日本麻酔科学会-麻酔薬および麻酔関連薬使用ガイドライン(抜粋)
3)使用法(フェンタニル注射液について)
(3)激しい疼痛(術後疼痛、癌性疼痛など)に対する鎮痛
[1]静注
a)術後痛◆術後痛に対しては、初回投与量として1~2μg/kgを静注し、引き続き1~2μg/kg/hrで持続静注する。患者の年齢、症状に応じて適宜増減が必要である。患者自己調節鎮痛(PCA)を行う場合は、4~60μg/hrで持続投与を行い、痛みに応じて5~10分以上の間隔で7~50μg(10~20μgを用いることが多い)の単回投与を行う。
b)癌性疼痛◆癌性疼痛に対して、経口モルヒネ製剤から切り替える場合は、1日量の1/300量から開始する。持続静注の維持量は、0.1~3.9mg/dayと個人差が大きいので、0.1~0.3mg/dayから開始し、投与量を滴定する必要がある。
減量するなど注意すること。[一般に高齢者では生理機能が低下している。]
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。[妊婦に対する安全性は確立されていない。]
本剤は胎盤を通過するため、分娩時の投与により新生児に呼吸抑制があらわれることがある。また、分娩時を含む妊娠中の投与により胎児に徐脈があらわれることがある。
授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせること。[ヒトで母乳中への移行が報告されている。]
低出生体重児、新生児及び乳児に自発呼吸下で投与する場合は、低用量から開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。[呼吸抑制を起こしやすい。]